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3-106.町を堪能
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「帰りに寄る…ってわけにはいかないわよね」
「ああ、流石に護衛の依頼中は無理だな」
少しそれるとはいえ通り道
かと言って護衛対象を置いて森に入ったり、護衛対象を連れて森に入るわけにはいかない
「宿に戻ったら先に情報だけ流しとく。マリクたちが準備してたらすぐに出れるだろ」
元々件数が少なく取り合いになるAランクの連携依頼
多少の予定が入っていても調整するだろう
暫く依頼を眺めてから教えてもらった薬屋へ向かった
「あの角を右に曲がったらすぐだよ」
ケインが得意気に道案内をする
「頼もしいわね。ケイン」
レティがそう言えばケインは嬉しそうに笑う
ケインの足でも10分もかからない道のりは楽しくて仕方ないらしい
ちゃんと目的地に向かいながらもキョロキョロ辺りを見ながら時々立ち止まる
「そこのボク、果実水はどうだい?家のはライチを使ってるよ」
「おいしいよー」
30代くらいの母親と5歳くらいの男の子が声をかけて来る
「ライチ?」
そう言えばこの世界で見てない気がするな
「シア、ライチって?」
「甘くて香りのいい果物だ」
「私飲んでみたいな」
「僕も」
甘いというだけで多くが飛びつくこの世界
2人も例にもれず飛びついた
「3つ貰うよ」
ギルドカードを渡しながら注文する
「はいよ」
母親が精算する間に子供が注いで手渡してくれる
「美味しい…」
「あまい」
「確かにうまいな。それに瑞々しい」
受け取って試しに飲んでみると清々しい甘さの果実水だった
「ところでこのライチはどこから?」
ライチは収穫後の日持ちが悪い
この近辺でライチがあるなんて聞いたことがないし、もしあるなら母さんが手に入れてるはずだ
「嫁いでくるときに実家から苗木を持ってきたんだよ。生まれが南の端にある町だからね」
「へぇ…移植して育つものなんだな」
「それは私も賭けだった。実際10本持ってきて根付いたのは5本、育って残っているのは2本だからね」
「それでも実がなると長持ちしないからこうして売ってるんだ」
男の子はそう言いながら小分けしたライチの実を見せてくれた
「昨日今日と大量に取れてしまったからこの大半がゴミになるだろうけどね」
母親はいつものことだと笑う
ただ捨てるのはもったいないからこうして売ることにしたらしい
「どうせ朝は特に何かすることがあるわけじゃないからね」
「毎回果実水を買ってくれるおじさんや、果実のまま買ってくれるお姉さんがいるんだよ」
「そうだね。今日も来てくれたしね。そろそろ旦那が起きるから戻らないと」
その人たちの為に出している感じがする
「なら残ってるの全部買い取らせてもらってもいいか?」
「「え?」」
2人が固まった
「それは有り難い話だけど…」
「鮮度を保ったまま保存することができるからどれだけあっても困らないんだ」
「これもお母さんが喜ぶね」
ケインも嬉しそうだ
「そういうことなら逆にお願いするわ。捨てずに済むならそれに越したことは無いからね」
そう言いながら金額を計算していた
提示された金額に少し上乗せしてカードから支払うと母子は嬉しそうな顔をする
「捨てずに済むのは嬉しいものだね」
「日中孤児院の子たちに売ってもらったりは…?」
「孤児院の子に?」
「ああ、それはいい考えだな。この味は冒険者に好まれるしギルドの近くで売ってもらえばいいかも」
「そんな事考えたこともなかったよ…」
「あいつらに出来る仕事は少ないし売り上げの一部を渡してやれば十分だと思う」
何なら現物支給でも喜びそうだけどそれはあまりよろしくない
「ギルド経由でも孤児院に直接でも依頼できるから試してみれば?時期は限られるだろうけどこれが大量に捨てられるのはもったいない」
通年の果物じゃないからこの時期限定
だからこそ食いつく人もいるだろう
孤児院側もわずかといえ臨時収入につながるなら喜んで引き受けるだろう
「なるほどね。ちょっと考えてみるよ」
「お兄ちゃん有難う!」
母子はホクホク顔で見送ってくれた
「ああ、流石に護衛の依頼中は無理だな」
少しそれるとはいえ通り道
かと言って護衛対象を置いて森に入ったり、護衛対象を連れて森に入るわけにはいかない
「宿に戻ったら先に情報だけ流しとく。マリクたちが準備してたらすぐに出れるだろ」
元々件数が少なく取り合いになるAランクの連携依頼
多少の予定が入っていても調整するだろう
暫く依頼を眺めてから教えてもらった薬屋へ向かった
「あの角を右に曲がったらすぐだよ」
ケインが得意気に道案内をする
「頼もしいわね。ケイン」
レティがそう言えばケインは嬉しそうに笑う
ケインの足でも10分もかからない道のりは楽しくて仕方ないらしい
ちゃんと目的地に向かいながらもキョロキョロ辺りを見ながら時々立ち止まる
「そこのボク、果実水はどうだい?家のはライチを使ってるよ」
「おいしいよー」
30代くらいの母親と5歳くらいの男の子が声をかけて来る
「ライチ?」
そう言えばこの世界で見てない気がするな
「シア、ライチって?」
「甘くて香りのいい果物だ」
「私飲んでみたいな」
「僕も」
甘いというだけで多くが飛びつくこの世界
2人も例にもれず飛びついた
「3つ貰うよ」
ギルドカードを渡しながら注文する
「はいよ」
母親が精算する間に子供が注いで手渡してくれる
「美味しい…」
「あまい」
「確かにうまいな。それに瑞々しい」
受け取って試しに飲んでみると清々しい甘さの果実水だった
「ところでこのライチはどこから?」
ライチは収穫後の日持ちが悪い
この近辺でライチがあるなんて聞いたことがないし、もしあるなら母さんが手に入れてるはずだ
「嫁いでくるときに実家から苗木を持ってきたんだよ。生まれが南の端にある町だからね」
「へぇ…移植して育つものなんだな」
「それは私も賭けだった。実際10本持ってきて根付いたのは5本、育って残っているのは2本だからね」
「それでも実がなると長持ちしないからこうして売ってるんだ」
男の子はそう言いながら小分けしたライチの実を見せてくれた
「昨日今日と大量に取れてしまったからこの大半がゴミになるだろうけどね」
母親はいつものことだと笑う
ただ捨てるのはもったいないからこうして売ることにしたらしい
「どうせ朝は特に何かすることがあるわけじゃないからね」
「毎回果実水を買ってくれるおじさんや、果実のまま買ってくれるお姉さんがいるんだよ」
「そうだね。今日も来てくれたしね。そろそろ旦那が起きるから戻らないと」
その人たちの為に出している感じがする
「なら残ってるの全部買い取らせてもらってもいいか?」
「「え?」」
2人が固まった
「それは有り難い話だけど…」
「鮮度を保ったまま保存することができるからどれだけあっても困らないんだ」
「これもお母さんが喜ぶね」
ケインも嬉しそうだ
「そういうことなら逆にお願いするわ。捨てずに済むならそれに越したことは無いからね」
そう言いながら金額を計算していた
提示された金額に少し上乗せしてカードから支払うと母子は嬉しそうな顔をする
「捨てずに済むのは嬉しいものだね」
「日中孤児院の子たちに売ってもらったりは…?」
「孤児院の子に?」
「ああ、それはいい考えだな。この味は冒険者に好まれるしギルドの近くで売ってもらえばいいかも」
「そんな事考えたこともなかったよ…」
「あいつらに出来る仕事は少ないし売り上げの一部を渡してやれば十分だと思う」
何なら現物支給でも喜びそうだけどそれはあまりよろしくない
「ギルド経由でも孤児院に直接でも依頼できるから試してみれば?時期は限られるだろうけどこれが大量に捨てられるのはもったいない」
通年の果物じゃないからこの時期限定
だからこそ食いつく人もいるだろう
孤児院側もわずかといえ臨時収入につながるなら喜んで引き受けるだろう
「なるほどね。ちょっと考えてみるよ」
「お兄ちゃん有難う!」
母子はホクホク顔で見送ってくれた
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