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106.町を堪能
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宿からギルドは歩いて5分程の場所にある
その間に八百屋があったから果物や野菜を調達した
この世界では初めて見る野菜も2種類見つけたから買い占めた
きっと母さんが喜ぶだろう
ちなみにその野菜はゴーヤとオクラだ
「通りが広い?」
「そう言われてみればそうだな。人も多いしそのせいか」
何度か来てるけどそんなこと気づきもしなかった
まぁ、町に興味がないせいもあるだろうけど…
実際俺がこの町に来た時はギルドにしか寄ってない
「シアお魚」
ケインが魚屋を見つけた
「お、これは…川魚?」
立ち寄って眺めると魔物ではない魚
「良くわかったな?」
「迷宮産は魔物だけだしな。けどこれはどこから?」
「あの山のふもとの湖から流れて来てる魚だ。とれる量も少なくて貴重なんだが中々売れないな」
「売れない?」
「ああ。魔物は身近だから売れるんだけどな。普段見ないのは手を出しにくいらしい。この魚なんかはこいつと似た味なんだけどな」
店主はそう言って1つの魔物肉を指さした
なるほど?
「じゃぁここにある川魚買い占めてもいいか?」
「そりゃこっちとしては有り難いが全部だとそれなりの量と金額になるぞ?」
「問題ない」
そう答えて告げられた金額は確かにそれなりの金額だったがすべて引き取ったことでかなり負けてくれた
俺は支払いを済ませてインベントリにしまうとその場を後にした
去り際に商業ギルドで魔物を軸にレシピを探すといいと伝えておいた
「お母さんが喜ぶ?」
『ぼくもたべれる?』
「そうだな。リトスも食べれるし母さんもここで川魚が手に入ると分かれば運ぶ手段も考えそうなくらいには喜ぶな」
「運ぶ手段?」
「ああ。生きたままなら運べると思うんだよな」
「生きたまま?そんなことできるの?」
「多分な。馬車で3日ほどだし問題はないはずだ」
母さんなら水槽くらい簡単に作りそうだしな
いや、それよりも自分で取りに行く方が早いか?
「シアギルドここ?」
「ああ」
扉の前でケインが振り返る
でも流石に自分から扉を開けて入る勇気はないらしい
「ほら、入るぞ」
扉を開けて足を踏み入れると想像はしていたものの注目を浴びる
その視線からケインを庇う様にしながらカウンターに向かった
「久しぶりねシア」
「ああ」
「今日はどうしたの?依頼を受けに…じゃないわよね?」
「違うな。今日はちょっと聞きたいことがあって」
「聞きたいこと?何かしら?」
「良質な薬草がある店が知りたい」
「良質な薬草…なら心当たりが1つあるわ」
受付嬢は地図を取り出してまずギルドの場所を指す
ギルドにある地図は紙製ではなく魔物の皮を干したものに描かれていて各ギルドに1枚しかないらしい
つまり普通はこうして説明される場合、全て記憶する必要がある
「場所はここ、ルーシーという年配の女性がやってる薬屋さんよ」
目的地を指さしたあとそこまでのルートを指でなぞる
2回曲がるだけで行ける場所だった
「覚えた!」
ケインがそう言って俺を見て来る
「じゃぁケインに連れて行ってもらわないとな。でもその前に依頼の確認だ。助かったよ」
「お安い御用よ。あ、実はついさっき連携の依頼が入ったんだけど…」
「どんな依頼?」
「Aランクで森の中の薬草採取。今この町を拠点にしている冒険者でBランク以上はほぼ全員迷宮に潜ってるのよ」
「あぁ、買取価格一時的に上げてるんだっけ?」
ギルドでは基本一律の価格で買い取りを実施する
でも薬の原料が不足している時なんかは領主の許可の元、一時的に価格を上乗せすることが認められている
当然、冒険者はそこに食いつくわけだ
「期限は?」
「10日後それなりに余裕があるわ。」
「ふ~ん…じゃぁ伝えとくよ」
「伝えるって誰に?」
「俺の周りにBランクは4人いる」
「なるほど。じゃぁ一旦保留にしておくわね」
「了解」
頷いて依頼ボードの方に移動した
その間に八百屋があったから果物や野菜を調達した
この世界では初めて見る野菜も2種類見つけたから買い占めた
きっと母さんが喜ぶだろう
ちなみにその野菜はゴーヤとオクラだ
「通りが広い?」
「そう言われてみればそうだな。人も多いしそのせいか」
何度か来てるけどそんなこと気づきもしなかった
まぁ、町に興味がないせいもあるだろうけど…
実際俺がこの町に来た時はギルドにしか寄ってない
「シアお魚」
ケインが魚屋を見つけた
「お、これは…川魚?」
立ち寄って眺めると魔物ではない魚
「良くわかったな?」
「迷宮産は魔物だけだしな。けどこれはどこから?」
「あの山のふもとの湖から流れて来てる魚だ。とれる量も少なくて貴重なんだが中々売れないな」
「売れない?」
「ああ。魔物は身近だから売れるんだけどな。普段見ないのは手を出しにくいらしい。この魚なんかはこいつと似た味なんだけどな」
店主はそう言って1つの魔物肉を指さした
なるほど?
「じゃぁここにある川魚買い占めてもいいか?」
「そりゃこっちとしては有り難いが全部だとそれなりの量と金額になるぞ?」
「問題ない」
そう答えて告げられた金額は確かにそれなりの金額だったがすべて引き取ったことでかなり負けてくれた
俺は支払いを済ませてインベントリにしまうとその場を後にした
去り際に商業ギルドで魔物を軸にレシピを探すといいと伝えておいた
「お母さんが喜ぶ?」
『ぼくもたべれる?』
「そうだな。リトスも食べれるし母さんもここで川魚が手に入ると分かれば運ぶ手段も考えそうなくらいには喜ぶな」
「運ぶ手段?」
「ああ。生きたままなら運べると思うんだよな」
「生きたまま?そんなことできるの?」
「多分な。馬車で3日ほどだし問題はないはずだ」
母さんなら水槽くらい簡単に作りそうだしな
いや、それよりも自分で取りに行く方が早いか?
「シアギルドここ?」
「ああ」
扉の前でケインが振り返る
でも流石に自分から扉を開けて入る勇気はないらしい
「ほら、入るぞ」
扉を開けて足を踏み入れると想像はしていたものの注目を浴びる
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「ああ」
「今日はどうしたの?依頼を受けに…じゃないわよね?」
「違うな。今日はちょっと聞きたいことがあって」
「聞きたいこと?何かしら?」
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受付嬢は地図を取り出してまずギルドの場所を指す
ギルドにある地図は紙製ではなく魔物の皮を干したものに描かれていて各ギルドに1枚しかないらしい
つまり普通はこうして説明される場合、全て記憶する必要がある
「場所はここ、ルーシーという年配の女性がやってる薬屋さんよ」
目的地を指さしたあとそこまでのルートを指でなぞる
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「了解」
頷いて依頼ボードの方に移動した
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2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
子供達の親のお話はこちら
■ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました(長編/ファンタジー)
この機会にご一読いただけると嬉しいです
■召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います
■あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません
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