チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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98.ヤバい

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「ごめん…」
落ち着いたのか体を放そうとしたレティをそのまま抱きしめて閉じ込める
「シア?」
「悪い。もう限界」
俺は戸惑うレティを抱き上げて寝室に向かった
レティを置いていかなくて済むのなら…
俺に歯止めをかけていたストッパーは既にない
そう思った瞬間、自分がこれまでどうやって理性を保てていたのかわからなくなった

ベッドの上にレティを寝かせるとレティは恥ずかしそうに視線を逸らす
「もう逃がさない」
「…逃げたりなんてしないわ」
「そう願うよ」
少しじゃれたように唇を重ねる
ついばむように何度も繰り返し少しずつ深くなる口づけは驚くほど甘かった

「まさか…魔力を?」
「うん…」
てことはこの甘さはレティの魔力ってことか?
どれだけ酒を飲んでもほろ酔いにすらならなかったのにこれはヤバいかもしれない
仕返しとばかりに魔力を流したまま口づけを深くする
最初こそ流し返そうとしていたレティは途中からその様子を見せなくなった
「シア…甘い…もっと…」
とろけるような表情でそう言われて俺の中で何かが焼き切れた
レティの全身を味わう様に体中に赤い花が咲いていく
どんどん敏感になっていくレティを前に自分を抑える術はない
多分抱きつぶすんだろうなとどこかで思う

素直に反応しながら喘ぐレティをもっと喘がせたい
そんな風に思う自分がヤバイ気もするけどもう手遅れだ
普通のセックスがどんなものかは知らない
そんな俺に魔力を交換しながらのセックスは過ぎた快楽である事だけは分かる
「…ぁあっ!」
レティの中に入った途端レティの全身がこわばった
傷みからか涙が溢れているのを見て体を引こうとした

「…レティ?」
首を横に振りながら腕を掴むレティに俺はどうしていいかわからなくなる
「やめな…で…」
「けど…」
「シアが…くれる痛みだか…ら…」
涙を流しながらそれでも微笑むレティに俺も覚悟を決める
だってそうだろ?
出来ることならレティに痛い思いなんてさせたくない
でもこればっかりはさ?
だからせめて…
「一気に行くぞ」
「…ん」
頷いたレティに口づけて意識が逸れた隙に一気に貫いた
その瞬間背中にかすかな痛みが走る
しがみ付くほどの痛みなのかとどこかで申し訳なくなりながらも、受け入れてくれた喜びが溢れて来る
「レティ…愛してる」
暫く動きを止めてレティが落ち着くのを待った

勿論その間どちらからともなく魔力を流す
レティの魔力が全身にいきわたる様な感覚と共に、これまでとは違う何かが自分の中に創り出されていくような感じがした
「私も」
「ん?」
「私も、シアを愛してる」
その瞬間全身がゾクっとするような感覚に襲われた
「な…?」
「シア?」
「あ…大丈夫だ。ただちょっと変な感じが…悪い意味じゃないんだけどな…」
そう、変な感じだ
「妙に体が軽い気が…」
「…体質変わったのかも」
「へ?」
意味わからんと唖然としてるけど俺達は俗に言う初体験の真っ最中なわけで…
「何かもう無理…」
俺は考えるのを放棄した
「ごめんレティ、無理させる」
“かもしれない”なんて優しいものじゃない
レティが痛みよりも快感を感じ始めたのをいいことに俺はレティを求め続けた
父さん達の言ってた言葉の意味を、今になって身をもって知った気がする
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