878 / 942
3年生夏休み
8月29日(火)晴れ 友人との夏休みⅢ
しおりを挟む
夏休み39日目の焼き肉の日。
夏のやり残しを回収すべく、本日はいつメンの4人で遊びに行くことになった。
さすがに夏休みの終盤になると塾や予備校も容赦してくれるようで、大倉くんと本田くんも暇だったことから予定を合わせられた。
「いや、それだと俺だけ暇だったみたいじゃん」
「実際、松永はどんな夏休みを過ごしてたんだ?」
「夏休み恒例行事をやりつつ、普段は筋トレしてた」
「じゃあ、勉強は……」
「宿題は終わってるぜ」
「いや、そこは当然だろう」
「そりゃあ、お三方と比べたらしてないだろうけど……一応、親や茉奈ちゃんが買って来た教材をやったりしたよ」
「伊月さんまで買って来たのか……」
部活に来ている時は松永の話題に一切触れていなかったけど、伊月さんはしっかり松永へ鞭を入れていたようだ。
まぁ、それが身に付いているかは話が別だろうけど。
「ところで、あと何分待ち?」
「20分だ。この時期に予約なしはさすがにこうなったか」
松永の問いかけに本田くんはそう言いながら少し申し訳なさそうな顔をする。
とりあえずカラオケへ行くことになったけど、夏休み終盤で遊び場所が限られる中だと、当然のように満席だった。
「昨日、行くって決めたからなー ぽんちゃんがもう少し早く既読してくれたら……」
「す、すまん。このところスマホを見ない時間が増えていたから……」
「それだと栗原から連絡来た時困らないの?」
「そこは送り合う時間を決めているかなら。お互いの勉強の邪魔をしないように」
「真面目だねー クラさんとこの予備校は? やっぱ空気はピリついてた?」
「そ、そんなことはないよ。教室よりは静かだけど、基本は普段の学校と変わらない感じ。ただ、ボクが知らない人の中でポツンといるだけで……」
「さぞ寂しかったろうに。でも、その中で可愛い子ちゃんを見つて、密かに見ていたり……」
「し、してないよ! 全然……そんな……」
「えっ。なんかあるやつじゃん! 予備校で見つけた美少女ってこと!? 写真は!?」
「だ、だから、違うってばぁ! 仮にいたとして写真撮れないでしょ!」
久しぶりに集まってみたらやっぱり話の中心に立ってくれるのは松永で、あまり会えなかった数十日で忘れてしまいそうになった感覚がすぐに戻って来る。
「りょーちゃんは……路子ちゃんとずっと一緒だった夏休みでしょ?」
「なんで決め付けたんだ」
「塾と部活と俺らといなかった休日って考えたらほぼ一緒でしょう」
「それは……そうだったかも」
「いいことじゃんかー おっ、そろそろか?」
「いやまだあと7分待ちだ」
「そっか。まぁ、このままここで駄弁っててもいいんだけど」
その後、少しだけ待ち時間が伸びたけど、それも含めて楽しく過ごせたお出かけだった。
ギリギリにはなったけど、夏休みの間に集まれて良かったと思う。
夏のやり残しを回収すべく、本日はいつメンの4人で遊びに行くことになった。
さすがに夏休みの終盤になると塾や予備校も容赦してくれるようで、大倉くんと本田くんも暇だったことから予定を合わせられた。
「いや、それだと俺だけ暇だったみたいじゃん」
「実際、松永はどんな夏休みを過ごしてたんだ?」
「夏休み恒例行事をやりつつ、普段は筋トレしてた」
「じゃあ、勉強は……」
「宿題は終わってるぜ」
「いや、そこは当然だろう」
「そりゃあ、お三方と比べたらしてないだろうけど……一応、親や茉奈ちゃんが買って来た教材をやったりしたよ」
「伊月さんまで買って来たのか……」
部活に来ている時は松永の話題に一切触れていなかったけど、伊月さんはしっかり松永へ鞭を入れていたようだ。
まぁ、それが身に付いているかは話が別だろうけど。
「ところで、あと何分待ち?」
「20分だ。この時期に予約なしはさすがにこうなったか」
松永の問いかけに本田くんはそう言いながら少し申し訳なさそうな顔をする。
とりあえずカラオケへ行くことになったけど、夏休み終盤で遊び場所が限られる中だと、当然のように満席だった。
「昨日、行くって決めたからなー ぽんちゃんがもう少し早く既読してくれたら……」
「す、すまん。このところスマホを見ない時間が増えていたから……」
「それだと栗原から連絡来た時困らないの?」
「そこは送り合う時間を決めているかなら。お互いの勉強の邪魔をしないように」
「真面目だねー クラさんとこの予備校は? やっぱ空気はピリついてた?」
「そ、そんなことはないよ。教室よりは静かだけど、基本は普段の学校と変わらない感じ。ただ、ボクが知らない人の中でポツンといるだけで……」
「さぞ寂しかったろうに。でも、その中で可愛い子ちゃんを見つて、密かに見ていたり……」
「し、してないよ! 全然……そんな……」
「えっ。なんかあるやつじゃん! 予備校で見つけた美少女ってこと!? 写真は!?」
「だ、だから、違うってばぁ! 仮にいたとして写真撮れないでしょ!」
久しぶりに集まってみたらやっぱり話の中心に立ってくれるのは松永で、あまり会えなかった数十日で忘れてしまいそうになった感覚がすぐに戻って来る。
「りょーちゃんは……路子ちゃんとずっと一緒だった夏休みでしょ?」
「なんで決め付けたんだ」
「塾と部活と俺らといなかった休日って考えたらほぼ一緒でしょう」
「それは……そうだったかも」
「いいことじゃんかー おっ、そろそろか?」
「いやまだあと7分待ちだ」
「そっか。まぁ、このままここで駄弁っててもいいんだけど」
その後、少しだけ待ち時間が伸びたけど、それも含めて楽しく過ごせたお出かけだった。
ギリギリにはなったけど、夏休みの間に集まれて良かったと思う。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる