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3年生夏休み
8月28日(月)晴れ 大山亜里沙の夏焦りその4
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夏休み38日目のバイオリンの日。
この日は昨日の明莉との話を回収するかのように夏にやり残したことをやることになった。
それは……路ちゃんがおごることになっていたテストの勝負の件である。
塾の4人は集中講義で毎日のように顔を合わせていたけど、それが終わった後に遊びに行く気力はなく、それ以外の日も予定が合わなかったから今日まで延期してしまった。
行く店に関しては女子3人に任せていたので、当日までどこへ行くかは知らなかったけど、集合場所に指定した店は何度か行ったことがあるケーキ屋だった。
路ちゃんが支払いをするので、多少値段を気にしつつもケーキと飲み物を注文して、店内のイートインスペースに座る。
その後は女子3人が盛り上がって、僕はその聞き専になる……と思っていたけど、ひと通り夏休みの総括の話が終わった頃、大山さんは決意したように口を開く。
「実は報告したことがあるんだケド……この前、彼氏と別れました!」
「えー!? 上手くいってたんじゃないの!?」
それは重森さんからすると衝撃の事実で、僕と路ちゃんからするとイマジナリー彼氏をする必要がないという報告だった。
恐らく他の友人にも同じような報告しているのだろう。
「まぁ、途中まではそうだったんだケド、色々あってね」
「その色々が聞きたいけど、今は甘いモノで忘れようか」
「いや、もう凹む時間は終わったから大丈夫。でも……ケーキは美味しいから自費で追加しちゃおうかなー!」
「わ、わたし、今日は多めに持ってきたから……」
「いやいや、アタシがおごるならまだしもミチにこれ以上おごられるわけには……」
「えっ? どうして亜里沙がみーちゃんにおごるの?」
「そ、それは……み、ミチがかわいいから?」
「……なら仕方ないか!」
大山さんの律儀な部分が出てしまったけど、上手くかわせたようで僕は勝手に安心する。
そんな報告が終わった後は、予想していた通り女子3人が積もり積もった話で盛り上がる時間になった。
その時は大山さんも楽しそうにしていたけど……本当に凹む時間は終わったのだろうか。
もしも大山さんがいつも通りに戻ったら、僕が本当に夏に残してしまいそうなあの事を聞いてみてもいいかもしれない。
この日は昨日の明莉との話を回収するかのように夏にやり残したことをやることになった。
それは……路ちゃんがおごることになっていたテストの勝負の件である。
塾の4人は集中講義で毎日のように顔を合わせていたけど、それが終わった後に遊びに行く気力はなく、それ以外の日も予定が合わなかったから今日まで延期してしまった。
行く店に関しては女子3人に任せていたので、当日までどこへ行くかは知らなかったけど、集合場所に指定した店は何度か行ったことがあるケーキ屋だった。
路ちゃんが支払いをするので、多少値段を気にしつつもケーキと飲み物を注文して、店内のイートインスペースに座る。
その後は女子3人が盛り上がって、僕はその聞き専になる……と思っていたけど、ひと通り夏休みの総括の話が終わった頃、大山さんは決意したように口を開く。
「実は報告したことがあるんだケド……この前、彼氏と別れました!」
「えー!? 上手くいってたんじゃないの!?」
それは重森さんからすると衝撃の事実で、僕と路ちゃんからするとイマジナリー彼氏をする必要がないという報告だった。
恐らく他の友人にも同じような報告しているのだろう。
「まぁ、途中まではそうだったんだケド、色々あってね」
「その色々が聞きたいけど、今は甘いモノで忘れようか」
「いや、もう凹む時間は終わったから大丈夫。でも……ケーキは美味しいから自費で追加しちゃおうかなー!」
「わ、わたし、今日は多めに持ってきたから……」
「いやいや、アタシがおごるならまだしもミチにこれ以上おごられるわけには……」
「えっ? どうして亜里沙がみーちゃんにおごるの?」
「そ、それは……み、ミチがかわいいから?」
「……なら仕方ないか!」
大山さんの律儀な部分が出てしまったけど、上手くかわせたようで僕は勝手に安心する。
そんな報告が終わった後は、予想していた通り女子3人が積もり積もった話で盛り上がる時間になった。
その時は大山さんも楽しそうにしていたけど……本当に凹む時間は終わったのだろうか。
もしも大山さんがいつも通りに戻ったら、僕が本当に夏に残してしまいそうなあの事を聞いてみてもいいかもしれない。
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