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10.邪竜(股間)の咆哮③
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依斗は悲壮な顔をして『ジュニアが召されたなんて』と口元を押さえながら身を震わせるが、間髪入れずにジレーザの冷たい声が轟く。
「そんな訳ないでしょう!」
「え?」
「あ、いや。私が申し上げたいのは、私に身体的な問題は御座いませんということです」
「なんだよジレーザ、お前もやっぱり勃つんじゃないか」
「声に出してお話にならないでください!」
「恥ずかしがるなよ。お前童貞なのかよ」
二つ程度でも歳下だと分かったからか、依斗は気安いノリで揶揄うような言葉を向けが、ジレーザは黙ったまま頭を抱えてしまい、依斗の悪ノリの相手をする気はない態度を見せる。
「こんな程度で怒るか? 普通」
「…………ってください」
「は?」
聞き取れずに眉を寄せた依斗に、ジレーザは少しでいいから黙ってくださいと繰り返す。
「ここはピアリスです。サーチェスにおいて最も神聖な場所で、私は聖職者です。無闇にそのような下世話な話を他人を不快にさせる神経を疑います」
「不快って、お前は聖剣を使った代償の責任取るって言ったよな」
「それは、確かに申し上げましたが」
「だったら、瘴気を祓った聖人に対して、お前のその態度はどうな訳よ。こっちは抜こうが我慢しようが暴発が止まらないチンコに、三日も自由を奪われてるんだぞ」
「ですから直接的な表現はお止めください」
「チンコを別のなにかに例える方が卑猥だろ!」
依斗が叫ぶとジレーザはハッとしたように目を見張る。
「いや、そこでそれはそうか。みたいな顔するなよ。ジレーザ納得、じゃないんだよ」
「私についての考察はどうでも宜しい」
「お前が対話せずに、チンコに固執するからだろ」
「誰がそんなものに固執したんですか」
「チンコに拘りがあるじゃないか」
「語弊を生む言い方はやめてください!」
「事実じゃないか」
「私が申し上げたいのは、貴方のその節操のない態度を悔い改めろと言うことです」
「節操がないのは俺のせいじゃないだろ。お前が聖剣を使わせたんだろ。その結果がコレだろうが」
依斗はベッドの上で立ち上がると、別の意味で立ち上がった股間の邪竜を腰ごとぶるんと震わせる。
「だからってその凶暴なものを、人前に晒すんじゃない!」
「お前が来て解放運動の手を止めたせいでこのザマだ」
「なにが解放運動だ。貴様、ふざけるのも大概にしろ」
「お? 本性を現したな、鬼畜神官ジレーザめ」
「誰が鬼畜だ。さっさとその熱り立ったナニを収めろ」
「だから治まらないって言ってんだろ」
「腰を突き出すな! 痴れ者が」
あまりに大騒ぎしたためか、突如として扉を叩く音が響き、中にいる依斗とジレーザを案じるネルディムの声が扉の向こうから聞こえてくる。
「どうなさったのですか」
依斗はともかくジレーザが声を荒げることなどないからだろう、相当に焦った様子でネルディムは心配している様子だ。
「ほら見てみろ。お前がチンコに拘るから」
「そんなものに拘る訳がなかろう!」
ジレーザが烈火の如く怒りを露わにして叫ぶと、再び扉の向こうからネルディムの心配する声が響く。
「とにかく貴様は、その穢らわしい汚物を隠して伏せったフリをしていろ」
「お前、そんな口悪いキャラだったのかよ」
「黙って言う通りにしろ。ネルディムは私が相手をする」
そう言って依斗がベッドに寝転ぶのを確認すると、ジレーザは僅かに咳払いしてから深呼吸して、それから静かに扉を開けると部屋の外へ出ていく。
そして依斗はジレーザが居なくなったのをいいことに、パンパンに張り詰めて痛みすら伴う、股間で荒ぶる邪竜を掴んで解放運動に集中する。
時折奇妙な呻き声を上げることが功を奏したのかは分からないが、部屋の外に出たジレーザがネルディムを言いくるめるのは容易かった。
「そんな訳ないでしょう!」
「え?」
「あ、いや。私が申し上げたいのは、私に身体的な問題は御座いませんということです」
「なんだよジレーザ、お前もやっぱり勃つんじゃないか」
「声に出してお話にならないでください!」
「恥ずかしがるなよ。お前童貞なのかよ」
二つ程度でも歳下だと分かったからか、依斗は気安いノリで揶揄うような言葉を向けが、ジレーザは黙ったまま頭を抱えてしまい、依斗の悪ノリの相手をする気はない態度を見せる。
「こんな程度で怒るか? 普通」
「…………ってください」
「は?」
聞き取れずに眉を寄せた依斗に、ジレーザは少しでいいから黙ってくださいと繰り返す。
「ここはピアリスです。サーチェスにおいて最も神聖な場所で、私は聖職者です。無闇にそのような下世話な話を他人を不快にさせる神経を疑います」
「不快って、お前は聖剣を使った代償の責任取るって言ったよな」
「それは、確かに申し上げましたが」
「だったら、瘴気を祓った聖人に対して、お前のその態度はどうな訳よ。こっちは抜こうが我慢しようが暴発が止まらないチンコに、三日も自由を奪われてるんだぞ」
「ですから直接的な表現はお止めください」
「チンコを別のなにかに例える方が卑猥だろ!」
依斗が叫ぶとジレーザはハッとしたように目を見張る。
「いや、そこでそれはそうか。みたいな顔するなよ。ジレーザ納得、じゃないんだよ」
「私についての考察はどうでも宜しい」
「お前が対話せずに、チンコに固執するからだろ」
「誰がそんなものに固執したんですか」
「チンコに拘りがあるじゃないか」
「語弊を生む言い方はやめてください!」
「事実じゃないか」
「私が申し上げたいのは、貴方のその節操のない態度を悔い改めろと言うことです」
「節操がないのは俺のせいじゃないだろ。お前が聖剣を使わせたんだろ。その結果がコレだろうが」
依斗はベッドの上で立ち上がると、別の意味で立ち上がった股間の邪竜を腰ごとぶるんと震わせる。
「だからってその凶暴なものを、人前に晒すんじゃない!」
「お前が来て解放運動の手を止めたせいでこのザマだ」
「なにが解放運動だ。貴様、ふざけるのも大概にしろ」
「お? 本性を現したな、鬼畜神官ジレーザめ」
「誰が鬼畜だ。さっさとその熱り立ったナニを収めろ」
「だから治まらないって言ってんだろ」
「腰を突き出すな! 痴れ者が」
あまりに大騒ぎしたためか、突如として扉を叩く音が響き、中にいる依斗とジレーザを案じるネルディムの声が扉の向こうから聞こえてくる。
「どうなさったのですか」
依斗はともかくジレーザが声を荒げることなどないからだろう、相当に焦った様子でネルディムは心配している様子だ。
「ほら見てみろ。お前がチンコに拘るから」
「そんなものに拘る訳がなかろう!」
ジレーザが烈火の如く怒りを露わにして叫ぶと、再び扉の向こうからネルディムの心配する声が響く。
「とにかく貴様は、その穢らわしい汚物を隠して伏せったフリをしていろ」
「お前、そんな口悪いキャラだったのかよ」
「黙って言う通りにしろ。ネルディムは私が相手をする」
そう言って依斗がベッドに寝転ぶのを確認すると、ジレーザは僅かに咳払いしてから深呼吸して、それから静かに扉を開けると部屋の外へ出ていく。
そして依斗はジレーザが居なくなったのをいいことに、パンパンに張り詰めて痛みすら伴う、股間で荒ぶる邪竜を掴んで解放運動に集中する。
時折奇妙な呻き声を上げることが功を奏したのかは分からないが、部屋の外に出たジレーザがネルディムを言いくるめるのは容易かった。
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