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Cランクになろう
3-3 Dランク昇格
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「戻りました」
ギルドの扉を開けると、ルシアさんがいつも通りの笑顔でカウンターに立っていた。
「おかえりなさい! お疲れ様でした!」
「これ、クエストの品です」
「はい確かに。お預かりしますね!」
どうやら業務は落ち着いたようで、すぐに品物の検品を始めてくれる。
カウンターを見回してみるが、まだドラカは帰ってきていないみたいだ。
少し遅い気もする。どこかで油でも売ってるのかな。
「確認しました。ありがとうございます! これでロイズさんはDランク昇格クエストを受けることが可能になりましたが、受けますか?」
「お願いします」
「分かりました! 昇格クエストの内容は魔石の加工です。指定の魔石を20個作って、あちらの台に乗せてください。合格の数値に達したら晴れてDランクに昇格です!」
なるほど。魔石加工か。
Dランクからはそれもクエストとして追加されるってことだろうな。
ルシアさんに渡されたクエストの紙を見ながらまずは魔石の元になる石をもらう。
これはどこでも取れる魔石の原石だが、加工して使うには本人の魔力とスキルが必要だ。
俺は魔力量が少ないからそこまで質の良いものは作れない。
「加工屋に行ってみるか」
一流の冒険者や、魔法使い、加工スキルが高い加工師は場所を選ばずに質の高い魔石が作れるのだが、俺みたいな一般人は加工屋にある『魔輪石』を借りて加工をする。
どういう原理かは知らないが、魔輪石には加工師の魔力が込められていて、微量だが加工スキルの底上げのようになる。らしい。
そのままギルドのすぐ近くにある加工屋『魔輪道』に来た俺は、早速石に魔輪石の魔力を込める。
そこに俺の魔力も流し込めば、まずひとつ完成。
魔輪石のおかげで魔力も気力もあまり使わないので、サクサク作っていける。
ただ、10個目が完成した辺りでさすがに少し疲れてきた。
さっさと終わらせて宿に帰りたい。
「はあ……にしても、加工師の魔力も凄いな」
これだけ借りても魔輪石にはまだ余力がある。
一体どれほどの魔力をここに込めたのだろう。
俺もこんな風に魔力量が多ければ魔法使いになっていたりしたのかな。
そんなことを考えながら残りを作り終えた。
ヘトヘトになりながらギルドに戻り、鑑定台に魔石を乗せる。
合格の数値は20個で300らしいが、果たして俺のは大丈夫だろうか。
鑑定結果が出る。
数値は640。
倍以上の数値がでて、驚きながらもやり直しにならずに済んで少しほっとした。
きっとあの魔輪石の加工師が優秀だったんだろうな。
ルシアさんに完成した魔石を渡す。
「………とても質のいい魔石ですね。ありがとうございます!」
まじまじと魔石を観察したあと、にっこり笑って奥にしまいに行く。
「お疲れ様でした! これでロイズさんはDランクに昇格です。おめでとうございます!」
「あ、ありがとうございます」
「お疲れのようですので、今日はゆっくりお休みください。また明日から頑張ってくださいね!」
人から見ても分かるくらい疲れているのか。良くないな。
俺はルシアさんに挨拶をし、ギルドを出る。
それにしてもドラカはどこで油を売っているんだか。
丸1日以上帰ってきていないことに少し不安を覚える。
けれどまあオオカミだけだし、もしかしたらドラゴンの討伐の手伝いに行ったのかもしれないし、大丈夫だろう。きっと。
あの女ならすぐ帰ってくる。
というか帰ってこないと俺が困る。
こんな必死に頑張っている約束……いや契約が反故にされちゃたまったもんじゃない。
「……早く帰ってこいよな」
誰に言うでもなく、自然と言葉が出た。
まあSランク冒険者の心配なんてしても仕方ない。
俺は俺のやるべきことをしよう。
今は早く帰って休んで明日に備えるんだ。
けど魔石を作ったくらいでこんなに疲れるなんて、俺も鈍ったもんだな。
ラナの手伝いをしていた時はもっと作れたのに。
俺はそのまま宿に直行し、気絶するように寝た。
ギルドの扉を開けると、ルシアさんがいつも通りの笑顔でカウンターに立っていた。
「おかえりなさい! お疲れ様でした!」
「これ、クエストの品です」
「はい確かに。お預かりしますね!」
どうやら業務は落ち着いたようで、すぐに品物の検品を始めてくれる。
カウンターを見回してみるが、まだドラカは帰ってきていないみたいだ。
少し遅い気もする。どこかで油でも売ってるのかな。
「確認しました。ありがとうございます! これでロイズさんはDランク昇格クエストを受けることが可能になりましたが、受けますか?」
「お願いします」
「分かりました! 昇格クエストの内容は魔石の加工です。指定の魔石を20個作って、あちらの台に乗せてください。合格の数値に達したら晴れてDランクに昇格です!」
なるほど。魔石加工か。
Dランクからはそれもクエストとして追加されるってことだろうな。
ルシアさんに渡されたクエストの紙を見ながらまずは魔石の元になる石をもらう。
これはどこでも取れる魔石の原石だが、加工して使うには本人の魔力とスキルが必要だ。
俺は魔力量が少ないからそこまで質の良いものは作れない。
「加工屋に行ってみるか」
一流の冒険者や、魔法使い、加工スキルが高い加工師は場所を選ばずに質の高い魔石が作れるのだが、俺みたいな一般人は加工屋にある『魔輪石』を借りて加工をする。
どういう原理かは知らないが、魔輪石には加工師の魔力が込められていて、微量だが加工スキルの底上げのようになる。らしい。
そのままギルドのすぐ近くにある加工屋『魔輪道』に来た俺は、早速石に魔輪石の魔力を込める。
そこに俺の魔力も流し込めば、まずひとつ完成。
魔輪石のおかげで魔力も気力もあまり使わないので、サクサク作っていける。
ただ、10個目が完成した辺りでさすがに少し疲れてきた。
さっさと終わらせて宿に帰りたい。
「はあ……にしても、加工師の魔力も凄いな」
これだけ借りても魔輪石にはまだ余力がある。
一体どれほどの魔力をここに込めたのだろう。
俺もこんな風に魔力量が多ければ魔法使いになっていたりしたのかな。
そんなことを考えながら残りを作り終えた。
ヘトヘトになりながらギルドに戻り、鑑定台に魔石を乗せる。
合格の数値は20個で300らしいが、果たして俺のは大丈夫だろうか。
鑑定結果が出る。
数値は640。
倍以上の数値がでて、驚きながらもやり直しにならずに済んで少しほっとした。
きっとあの魔輪石の加工師が優秀だったんだろうな。
ルシアさんに完成した魔石を渡す。
「………とても質のいい魔石ですね。ありがとうございます!」
まじまじと魔石を観察したあと、にっこり笑って奥にしまいに行く。
「お疲れ様でした! これでロイズさんはDランクに昇格です。おめでとうございます!」
「あ、ありがとうございます」
「お疲れのようですので、今日はゆっくりお休みください。また明日から頑張ってくださいね!」
人から見ても分かるくらい疲れているのか。良くないな。
俺はルシアさんに挨拶をし、ギルドを出る。
それにしてもドラカはどこで油を売っているんだか。
丸1日以上帰ってきていないことに少し不安を覚える。
けれどまあオオカミだけだし、もしかしたらドラゴンの討伐の手伝いに行ったのかもしれないし、大丈夫だろう。きっと。
あの女ならすぐ帰ってくる。
というか帰ってこないと俺が困る。
こんな必死に頑張っている約束……いや契約が反故にされちゃたまったもんじゃない。
「……早く帰ってこいよな」
誰に言うでもなく、自然と言葉が出た。
まあSランク冒険者の心配なんてしても仕方ない。
俺は俺のやるべきことをしよう。
今は早く帰って休んで明日に備えるんだ。
けど魔石を作ったくらいでこんなに疲れるなんて、俺も鈍ったもんだな。
ラナの手伝いをしていた時はもっと作れたのに。
俺はそのまま宿に直行し、気絶するように寝た。
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