14 / 30
Cランクになろう
3-4 ステータス異常増加
しおりを挟む
翌朝、早朝に目が覚めた俺は、冒険者ギルドが空くまでの間、今の魔力量を調べようと教会にやってきた。
昨日の疲れやすさを考えて、もしかしたら元々少ない魔力量がさらに減ってしまったのではと思ったのだ。
本来なら魔力、気力、体力は使っていれば少しずつ上がるものだが、逆に使わないと衰えてしまう。
料理人は魔力自体あまり使わないが、クエストを進める上で減っていると少し困るので今のうちに調べてもらいたい。
何故教会かというと、ここには司祭がいるからだ。
教会の役割は主に2つ。
1つは魔力量や戦闘能力を調べてもらうための鑑定。
もう1つは『恩恵』を授かる祝福の儀だ。
毎日人が絶えず来るため、司祭は鑑定スキル持ちしかなれない。
鑑定スキルを持っていても司祭になる人は半分くらいで、他には冒険者や収集係、または採取されたものを管理する施設の受付になったりする。
そして『恩恵』を与えるためにはギフトというスキルが必要で、これもまたなかなかレアな『恩恵』だ。
王都の教会ですら2人しかいないと聞いた。
つまり手っ取り早く鑑定してもらう点では教会はうってつけという訳だ。
それにしても教会に来るのは勇者パーティの旅立ちの時以来だな。
あの時の魔力量は確か120とかだった気がする。
教会に入り、受付に進む。
「すみません、魔力量の鑑定をお願いしたいんですが」
「はい、奥の司祭さまの元へどうぞ」
受付で紙を貰い、指示された司祭の元へ行く。
「魔力量の鑑定ですね。ではお座り下さい」
言われるままに長椅子に座る。
司祭が俺の頭に手をかざす。
「………」
何やら少し迷っているようだ。
少ないなら少ないでもう言って欲しい。
悲しい気もするがまあ料理人は魔力を使わないので困らない。
ただクエストが進めづらくなるだけだ。
「……そうですね。魔力量は150ほどで、以前より少し増えています」
「150?」
なんだ、増えてるじゃないか。
じゃあ昨日あんなに疲れたのはただ単に魔力のコントロールが下手くそってだけか?
「ただ、気になることがありまして」
「気になること?」
司祭は迷ったあと、俺にこう告げた。
「気力と体力が5000ほどあります」
「ご、5000!?!?」
どういうことだ?
5000なんて聞いたことがないぞ。
確か前が1800とかだったから、約3000くらい増えている。
バフ料理も食べていないのにありえない数値だ。
確かに料理はずっと作ってきて、自分でも食べてきた。
それでここまで増えるものなのか?
「毎日スキルを使い、ご飯を食べていたのなら決して有り得ない数値ではありません。ですが、短期間で増え過ぎという異常ではありますので今のうちにコントロールを覚えておいた方が良いでしょう」
「……分かりました」
司祭にアドバイスをされ、俺は腑に落ちないまま教会を出た。
要するに毎日張り切りすぎたってことか。
これからもっと頑張ることになるが、いざ自分の店をもったらどこまで増えるんだろう。
最大がどれくらいなのかは分からないが、増える分には困らないだろう。
ただ昨日の疲れに関してはまだ解決していない。
「そうだ」
もうそろそろ冒険者ギルドが空いている時間だ。
俺は急ぎ足でギルドに向かう。
着いて早々、ルシアさんへの挨拶もそこそこにクエストボードを見る。
目当てのクエストを見つけ、ついでに制作も受ける。
「お願いします」
「はい! 制作と、魔石加工ですね! 承ります。お気をつけて、行ってらっしゃい!」
そう、昨日の魔輪石が置いてある加工屋でまた加工をしてみればいいのだ。
とはいえ昨日のように疲れてしまっては制作クエストが受けられないので、先に終わらせることにする。
合成台に急ぎ、指定の素材を制作する。
初歩的な内容のクエストを選んだため、1時間ほどで完成した。
その足で俺は昨日の加工屋『魔輪道』に向かう。
「やってるな」
店頭にある魔輪石が光っているのを確認し、俺は昨日と同じ手順で魔石を作る。
今日のクエストは昨日の半分の10個だ。
ひとつひとつ順調に作っていき、特になんの問題もなく終えられた。
だが、昨日ほどの疲れは全くない。
数が少ないとはいえ、明らかに俺が元気すぎる。
「おかしいな」
何かが昨日とは違うのか?
魔石に込める魔力は変えていないが、もしかして魔輪石が変わったのか?
俺が頭を悩ませていると、店の奥から人がでてきた。
ふと目が合う。俺はその姿に見覚えがある。
その人物が目を見開き、口を開ける。
「……あ」
「お、お前……リズベッド……か?」
「ロイズ……さん」
そいつ……リズベッドは、勇者パーティの賢者……だった女だ。
昨日の疲れやすさを考えて、もしかしたら元々少ない魔力量がさらに減ってしまったのではと思ったのだ。
本来なら魔力、気力、体力は使っていれば少しずつ上がるものだが、逆に使わないと衰えてしまう。
料理人は魔力自体あまり使わないが、クエストを進める上で減っていると少し困るので今のうちに調べてもらいたい。
何故教会かというと、ここには司祭がいるからだ。
教会の役割は主に2つ。
1つは魔力量や戦闘能力を調べてもらうための鑑定。
もう1つは『恩恵』を授かる祝福の儀だ。
毎日人が絶えず来るため、司祭は鑑定スキル持ちしかなれない。
鑑定スキルを持っていても司祭になる人は半分くらいで、他には冒険者や収集係、または採取されたものを管理する施設の受付になったりする。
そして『恩恵』を与えるためにはギフトというスキルが必要で、これもまたなかなかレアな『恩恵』だ。
王都の教会ですら2人しかいないと聞いた。
つまり手っ取り早く鑑定してもらう点では教会はうってつけという訳だ。
それにしても教会に来るのは勇者パーティの旅立ちの時以来だな。
あの時の魔力量は確か120とかだった気がする。
教会に入り、受付に進む。
「すみません、魔力量の鑑定をお願いしたいんですが」
「はい、奥の司祭さまの元へどうぞ」
受付で紙を貰い、指示された司祭の元へ行く。
「魔力量の鑑定ですね。ではお座り下さい」
言われるままに長椅子に座る。
司祭が俺の頭に手をかざす。
「………」
何やら少し迷っているようだ。
少ないなら少ないでもう言って欲しい。
悲しい気もするがまあ料理人は魔力を使わないので困らない。
ただクエストが進めづらくなるだけだ。
「……そうですね。魔力量は150ほどで、以前より少し増えています」
「150?」
なんだ、増えてるじゃないか。
じゃあ昨日あんなに疲れたのはただ単に魔力のコントロールが下手くそってだけか?
「ただ、気になることがありまして」
「気になること?」
司祭は迷ったあと、俺にこう告げた。
「気力と体力が5000ほどあります」
「ご、5000!?!?」
どういうことだ?
5000なんて聞いたことがないぞ。
確か前が1800とかだったから、約3000くらい増えている。
バフ料理も食べていないのにありえない数値だ。
確かに料理はずっと作ってきて、自分でも食べてきた。
それでここまで増えるものなのか?
「毎日スキルを使い、ご飯を食べていたのなら決して有り得ない数値ではありません。ですが、短期間で増え過ぎという異常ではありますので今のうちにコントロールを覚えておいた方が良いでしょう」
「……分かりました」
司祭にアドバイスをされ、俺は腑に落ちないまま教会を出た。
要するに毎日張り切りすぎたってことか。
これからもっと頑張ることになるが、いざ自分の店をもったらどこまで増えるんだろう。
最大がどれくらいなのかは分からないが、増える分には困らないだろう。
ただ昨日の疲れに関してはまだ解決していない。
「そうだ」
もうそろそろ冒険者ギルドが空いている時間だ。
俺は急ぎ足でギルドに向かう。
着いて早々、ルシアさんへの挨拶もそこそこにクエストボードを見る。
目当てのクエストを見つけ、ついでに制作も受ける。
「お願いします」
「はい! 制作と、魔石加工ですね! 承ります。お気をつけて、行ってらっしゃい!」
そう、昨日の魔輪石が置いてある加工屋でまた加工をしてみればいいのだ。
とはいえ昨日のように疲れてしまっては制作クエストが受けられないので、先に終わらせることにする。
合成台に急ぎ、指定の素材を制作する。
初歩的な内容のクエストを選んだため、1時間ほどで完成した。
その足で俺は昨日の加工屋『魔輪道』に向かう。
「やってるな」
店頭にある魔輪石が光っているのを確認し、俺は昨日と同じ手順で魔石を作る。
今日のクエストは昨日の半分の10個だ。
ひとつひとつ順調に作っていき、特になんの問題もなく終えられた。
だが、昨日ほどの疲れは全くない。
数が少ないとはいえ、明らかに俺が元気すぎる。
「おかしいな」
何かが昨日とは違うのか?
魔石に込める魔力は変えていないが、もしかして魔輪石が変わったのか?
俺が頭を悩ませていると、店の奥から人がでてきた。
ふと目が合う。俺はその姿に見覚えがある。
その人物が目を見開き、口を開ける。
「……あ」
「お、お前……リズベッド……か?」
「ロイズ……さん」
そいつ……リズベッドは、勇者パーティの賢者……だった女だ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
710
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる