上 下
58 / 81
欲望のお楽しみ編_ネコの章

勝負始め

しおりを挟む
『ネコちゃん、ちんちんだよ! ちんちん!』『おっきが上手♪ おっきが上手♪』『ちんちんがんばれ♡ がんばれ♡』

 今までもよりも多い量のコメントが流れていく。どれも翔斗の勃起を促そうとしている類だが、なんということはない。翔斗の性感を刺激するようなものは見当たらない。

 勝った。内心でそう確信した途端に、ご褒美がチラついて性器が反応する。

「っ……ふぅー……」

 落ち着け。まだ勝ってない。勝った後のことは意識してはいけない。ただ深呼吸をして、心を落ち着けることだけ考えていればいい。

『オ〇ンコ! オ〇ンコ!』『アタシ女だけど、いまじゅくじゅくに濡れてる』『ちんちん45454545454545』

「……」

 コメントの流れがいつの間にか下品になっている。性的な単語や文章で直接刺激する作戦のようだ。残り時間が二分を切ったことで焦っているのだろう。

 性器はもうショーパンの上からでは存在を確認できないほどに落ち着いていて、コメントは絶賛空回り中だ。残る不安要素は、リサしか残っていない。

 リサは何もしないと言っていた。あの言葉は本当なのだろうか。嘘ではないにしても、ルールの穴を突くようなことをしてきてもおかしくはない。

 そもそも、この状況をリサは予見していたのか。翔斗が勝てばセックスするという条件の中、リサはいまどんな顔をしているのか。

 ちらりと様子を窺うと、リサは微笑んでいた。淫靡な雰囲気なんて微塵もなく、その服の下の肉体を強調するでもなく。ノートPCの隣で、ニコニコと翔斗に笑みを送っている。

 これは、どういう表情なのだろうか。翔斗が勝ちそうで焦っているわけではない。むしろ、翔斗が有利なのを喜んでいるように見えなくもない。もしかして、リサも望んでいるのだろうか。翔斗とセックスをしたいと、リサも……。

 リサがノートPCの画面を指さす。コメントから目を離さないというルールを忘れていた。慌てて画面に視線を戻すと、相変わらずコメントは下品なものが目立っていた。

 リサやミミが相手ならまだしも、見ず知らずの人間から淫語を書き込まれても興奮なんてしない。射精寸前まで昂っていれば話は別かもしれないが、生憎もう性器は完全に萎えている。

『改めて見ると、ネコちゃんの服装やばくない? 痴女でしょこれww』

「っ!」

 それは、もう勝負を諦めた者たちが始めた雑談コメントだった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

リアルフェイスマスク

廣瀬純一
ファンタジー
リアルなフェイスマスクで女性に変身する男の話

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

秘密のキス

廣瀬純一
青春
キスで体が入れ替わる高校生の男女の話

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

兄の悪戯

廣瀬純一
大衆娯楽
悪戯好きな兄が弟と妹に催眠術をかける話

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

処理中です...