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26、責任
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家庭教師のミス・トレヴィスをクビにして、僕は途方に暮れた。新たな家庭教師を探さねばならないが、なんかもう、その気力が出ない。
まさかそんなところから、横やりが入るなんて想像もしていなかったから。
いろいろと探ってみれば、ミス・トレヴィスはローズマリーのお腹の子の父親が僕でないのではと噂するだけでなく、ローズマリーに直接、嫌味を言ったりしていたらしい。――気づかなかった僕も迂闊だった。
「なんとなく、こんなことになりそうな気がしたのよね、あの人を見たときから」
母がそんなことを言い出して、気づいてたんならもっと早く教えてくれよと思う。
「どういうことですか」
「お前はもともと、あの手のタイプの女性に好かれるもの。……真面目で固くて、男性経験の少ない、ちょっと年増の女性に。ローズは珍しいタイプだと思ったのよね」
言われてしまうと反論できない。たしかに、ローズマリーみたいなタイプは、向こうからはあまり寄ってこない。
「まさか、ローズを攻撃するなんて、想像もできません」
「それはそうね。でも何か、スイッチが入っちゃったんでしょうね」
母が紅茶に口をつける。
「……貴族の女性は、恋愛の機会に恵まれずに婚期を逃していくか、あるいは好きでもない男に無理に嫁がされるか――。もしかしたらお前は、その手の不幸な女性を惹きつける、妙なオーラがあるのかもしれないわ」
「よく知ってますね」
僕が目を丸くすれば、母が苦笑した。
「お前に言ってないけど、お前が医局をやめて戦争に行ってから、たくさんの恋文が届いたのよ。……お前が担当していた患者たちから」
「ええええ?」
初耳だった……
呆然とする僕に、母がさらに言う。
「……アシュリーがね、どこのどんな人が送ってきたのか気にして、調べさせたのよ。そしたらまあ、びっくりよ。未亡人やかなり老齢の女性たちばかりで……お前が逃げ出すのもわかったわ」
「……別に自ら惹きつけているつもりはないのですが……」
僕が眉間を揉みながら言えば、母は笑った。
「それもあって、あたくしはローズを見て、お前はこういう女性が好きだったのねと思ったのよ」
「……それで、ローズが未婚の母でも受け入れてくださったのですか?」
僕の問いに、母は首を傾げる。
「理由は他にもあるけれど、お前が邸に連れてきた初めての女性だもの。……でも、確かにいろいろと言う人は出てくるでしょうね。妹のリリーなんかはちょっと厄介かもしれないわね。ホラ、マーガレットをお前の嫁に、なんて言っていたし」
母の妹レディ・リリーはヘンダーソン侯爵夫人で、つまりライラの母だ。ライラにはマーガレットという妹がいて、僕とはちょうど十歳も年が離れている。幼い頃からやたら僕の後をくっついて回る子で、僕と結婚する、なんて言っていたが、もちろん僕は本気にしていなかった。
ところが、僕が独身のまま戦争に行き、戻ってきたら今度は兄が子のないまま死んでしまった。そうしたら、リリー叔母さんが、マーガレットを僕の嫁にしろと言い出した。
さすがに冗談だと思って僕はすぐに断ったのだが――
「まさか本気で、マーガレットを僕に嫁がせるつもりだったのですか? あり得ないでしょ」
マーガレットは末っ子で甘やかされているから、わがままで喧しかった。僕は騒がれるのが嫌さに言うことを聞いてやっていたのだが、それがいけなかったのか、ますます懐かれて正直ウンザリしていた。僕が寄宿舎に入ったり、大学に入って疎遠になって、ホッとしていたのだが。
「十歳くらいの年の差はどうってことないけど……」
「嫌ですよ、妹にしか思えません」
僕が言えば、母も紅茶のカップを傾けながら言う。
「従兄妹同士というのはちょっと血が濃い気もするし、今現在、他に好きな相手がいるわけだし」
母がカップをソーサーに戻す。
「でも、ライラの件もあって、リリーも気が立っているの。お前が結婚する相手が、ライラの夫デニスの子を産んでいると知れば、ひと悶着あるかもしれないわ」
「……でも、僕はマーガレットとは結婚しませんよ?」
「それはあたくしも断ったわ。……それより、ローズと結婚するならば、そろそろ本気で動かないと、お腹が大きくなってからではみっともないわ。……お前のことだから、まだちゃんとプロポーズもしていないんでしょ?」
そう言われるとその通りなので、僕は気まずさを誤魔化すように紅茶を啜る。
「一両日中には、必ず……」
「まあ、せいぜい、頑張ってちょうだい」
ミス・トレヴィスのせいでルーカスの精神が不安定で、夜もローズマリーがから離れたがらない。
「……今夜はルーカスと一緒に寝てもいいかしら」
遠慮そうにローズマリーが言うので、僕は思いついて言った。
「じゃあ、僕も一緒に三人で寝よう」
「ええ?」
ローズマリーがぎょっとして、ルーカスは青い目を輝かせる。
「ほんと? かあさまだけじゃなくて、おじさんも一緒に?」
「ああ、今夜だけ特別」」
貴族の子供は早くから自立を求められる。でも貴族だろうが何だろうが、子供は母親に甘えたいものだろう。
――リントン伯爵が強硬に言い張れば、僕ではルーカスを守り切ることはできない。そうなったら、否応なく、母親とは引き離されてしまう。
母と子の蜜月に無理やり乱入するようで気が引けるけれど、僕はもう、ローズマリーの寝台を他の男に譲るつもりはない。そうなると三人で寝るのが一番いい気がした。
――ローズマリーの部屋のベッドは三人でも寝られるくらい大きいし。
「貴族様はこんなことしないと思っていたのに」
ローズマリーが言うので、僕は笑った。
「母上は時々だけど、内緒で僕をベッドに入れてくれたよ? ……もちろん、父上のいない夜だけだけどね?」
「レディ・ヴェロニカはお優しいお母さまだったのですね。……わたし、かあさまは早くに亡くなってしまったから……」
僕とローズマリーの間に挟まって、ルーカスが不思議そうに尋ねた。
「おじさんは、どうしてかあさまと一緒に寝てるの?」
「仲がいいからさ」
「……おじさんがかあさまと寝るから、僕は普段はダメなの?」
「ルーカスはもう、大きいから、一人で寝るんだよ」
僕はルーカスの金色の巻き毛を撫でながら言う。
「おじさんはもっと大きいじゃない」
「おじさんは大きいから、母上とは寝ない。その代わり、好きな女の人ができたら、一緒に寝てもいい」
「イライアス!」
ローズマリーが僕を咎めるが、ルーカスは興味津々で聞いてくる。
「じゃあ、おじさんはかあさまが好きなの?」
「もちろん。……好きじゃない女の人とは一緒に寝ちゃだめだよ? あと、いくら好きでも、その女の子が嫌がってるのに、無理矢理一緒に寝るのもダメだよ?」
「……じゃあ、かあさまもおじさんが好きなの?」
「ルーカス!」
薄暗がりでも、ローズマリーが赤くなっているのがわかり、僕も内心ニヤニヤしてしまう。――まあここで、即座に否定されたら出て行かなきゃいけないから、危ないところだったけど。
一通りはしゃいだルーカスはすぐに健やかな寝息を立て始める。
僕は子供が眠るのを間近で見るのは初めてだけれど、子供の寝顔というのは本当に可愛い。
僕はふと、ルーカスの生物学的な父親であるデニスのことを思う。
もしデニスが、父親としての責任をきちんと取る男だったら、ルーカスとローズマリーの人生は変わっていただろう。――男としての責任を見ないふりをして、デニスは何を得たのだろうか。
――この、可愛らしいものを目にすることもなく――
まさかそんなところから、横やりが入るなんて想像もしていなかったから。
いろいろと探ってみれば、ミス・トレヴィスはローズマリーのお腹の子の父親が僕でないのではと噂するだけでなく、ローズマリーに直接、嫌味を言ったりしていたらしい。――気づかなかった僕も迂闊だった。
「なんとなく、こんなことになりそうな気がしたのよね、あの人を見たときから」
母がそんなことを言い出して、気づいてたんならもっと早く教えてくれよと思う。
「どういうことですか」
「お前はもともと、あの手のタイプの女性に好かれるもの。……真面目で固くて、男性経験の少ない、ちょっと年増の女性に。ローズは珍しいタイプだと思ったのよね」
言われてしまうと反論できない。たしかに、ローズマリーみたいなタイプは、向こうからはあまり寄ってこない。
「まさか、ローズを攻撃するなんて、想像もできません」
「それはそうね。でも何か、スイッチが入っちゃったんでしょうね」
母が紅茶に口をつける。
「……貴族の女性は、恋愛の機会に恵まれずに婚期を逃していくか、あるいは好きでもない男に無理に嫁がされるか――。もしかしたらお前は、その手の不幸な女性を惹きつける、妙なオーラがあるのかもしれないわ」
「よく知ってますね」
僕が目を丸くすれば、母が苦笑した。
「お前に言ってないけど、お前が医局をやめて戦争に行ってから、たくさんの恋文が届いたのよ。……お前が担当していた患者たちから」
「ええええ?」
初耳だった……
呆然とする僕に、母がさらに言う。
「……アシュリーがね、どこのどんな人が送ってきたのか気にして、調べさせたのよ。そしたらまあ、びっくりよ。未亡人やかなり老齢の女性たちばかりで……お前が逃げ出すのもわかったわ」
「……別に自ら惹きつけているつもりはないのですが……」
僕が眉間を揉みながら言えば、母は笑った。
「それもあって、あたくしはローズを見て、お前はこういう女性が好きだったのねと思ったのよ」
「……それで、ローズが未婚の母でも受け入れてくださったのですか?」
僕の問いに、母は首を傾げる。
「理由は他にもあるけれど、お前が邸に連れてきた初めての女性だもの。……でも、確かにいろいろと言う人は出てくるでしょうね。妹のリリーなんかはちょっと厄介かもしれないわね。ホラ、マーガレットをお前の嫁に、なんて言っていたし」
母の妹レディ・リリーはヘンダーソン侯爵夫人で、つまりライラの母だ。ライラにはマーガレットという妹がいて、僕とはちょうど十歳も年が離れている。幼い頃からやたら僕の後をくっついて回る子で、僕と結婚する、なんて言っていたが、もちろん僕は本気にしていなかった。
ところが、僕が独身のまま戦争に行き、戻ってきたら今度は兄が子のないまま死んでしまった。そうしたら、リリー叔母さんが、マーガレットを僕の嫁にしろと言い出した。
さすがに冗談だと思って僕はすぐに断ったのだが――
「まさか本気で、マーガレットを僕に嫁がせるつもりだったのですか? あり得ないでしょ」
マーガレットは末っ子で甘やかされているから、わがままで喧しかった。僕は騒がれるのが嫌さに言うことを聞いてやっていたのだが、それがいけなかったのか、ますます懐かれて正直ウンザリしていた。僕が寄宿舎に入ったり、大学に入って疎遠になって、ホッとしていたのだが。
「十歳くらいの年の差はどうってことないけど……」
「嫌ですよ、妹にしか思えません」
僕が言えば、母も紅茶のカップを傾けながら言う。
「従兄妹同士というのはちょっと血が濃い気もするし、今現在、他に好きな相手がいるわけだし」
母がカップをソーサーに戻す。
「でも、ライラの件もあって、リリーも気が立っているの。お前が結婚する相手が、ライラの夫デニスの子を産んでいると知れば、ひと悶着あるかもしれないわ」
「……でも、僕はマーガレットとは結婚しませんよ?」
「それはあたくしも断ったわ。……それより、ローズと結婚するならば、そろそろ本気で動かないと、お腹が大きくなってからではみっともないわ。……お前のことだから、まだちゃんとプロポーズもしていないんでしょ?」
そう言われるとその通りなので、僕は気まずさを誤魔化すように紅茶を啜る。
「一両日中には、必ず……」
「まあ、せいぜい、頑張ってちょうだい」
ミス・トレヴィスのせいでルーカスの精神が不安定で、夜もローズマリーがから離れたがらない。
「……今夜はルーカスと一緒に寝てもいいかしら」
遠慮そうにローズマリーが言うので、僕は思いついて言った。
「じゃあ、僕も一緒に三人で寝よう」
「ええ?」
ローズマリーがぎょっとして、ルーカスは青い目を輝かせる。
「ほんと? かあさまだけじゃなくて、おじさんも一緒に?」
「ああ、今夜だけ特別」」
貴族の子供は早くから自立を求められる。でも貴族だろうが何だろうが、子供は母親に甘えたいものだろう。
――リントン伯爵が強硬に言い張れば、僕ではルーカスを守り切ることはできない。そうなったら、否応なく、母親とは引き離されてしまう。
母と子の蜜月に無理やり乱入するようで気が引けるけれど、僕はもう、ローズマリーの寝台を他の男に譲るつもりはない。そうなると三人で寝るのが一番いい気がした。
――ローズマリーの部屋のベッドは三人でも寝られるくらい大きいし。
「貴族様はこんなことしないと思っていたのに」
ローズマリーが言うので、僕は笑った。
「母上は時々だけど、内緒で僕をベッドに入れてくれたよ? ……もちろん、父上のいない夜だけだけどね?」
「レディ・ヴェロニカはお優しいお母さまだったのですね。……わたし、かあさまは早くに亡くなってしまったから……」
僕とローズマリーの間に挟まって、ルーカスが不思議そうに尋ねた。
「おじさんは、どうしてかあさまと一緒に寝てるの?」
「仲がいいからさ」
「……おじさんがかあさまと寝るから、僕は普段はダメなの?」
「ルーカスはもう、大きいから、一人で寝るんだよ」
僕はルーカスの金色の巻き毛を撫でながら言う。
「おじさんはもっと大きいじゃない」
「おじさんは大きいから、母上とは寝ない。その代わり、好きな女の人ができたら、一緒に寝てもいい」
「イライアス!」
ローズマリーが僕を咎めるが、ルーカスは興味津々で聞いてくる。
「じゃあ、おじさんはかあさまが好きなの?」
「もちろん。……好きじゃない女の人とは一緒に寝ちゃだめだよ? あと、いくら好きでも、その女の子が嫌がってるのに、無理矢理一緒に寝るのもダメだよ?」
「……じゃあ、かあさまもおじさんが好きなの?」
「ルーカス!」
薄暗がりでも、ローズマリーが赤くなっているのがわかり、僕も内心ニヤニヤしてしまう。――まあここで、即座に否定されたら出て行かなきゃいけないから、危ないところだったけど。
一通りはしゃいだルーカスはすぐに健やかな寝息を立て始める。
僕は子供が眠るのを間近で見るのは初めてだけれど、子供の寝顔というのは本当に可愛い。
僕はふと、ルーカスの生物学的な父親であるデニスのことを思う。
もしデニスが、父親としての責任をきちんと取る男だったら、ルーカスとローズマリーの人生は変わっていただろう。――男としての責任を見ないふりをして、デニスは何を得たのだろうか。
――この、可愛らしいものを目にすることもなく――
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