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25、デイジー・トレヴィス
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「失礼します」
入ってきたミス・トレヴィスに、僕は二人掛けのソファを勧め、自分は黒檀の書き物机の前の肘掛け椅子に座った。
「ルーカスのことなんだけどね。不安を煽るようなことはあまり言わないでほしいんだ。……特に母親と引き離すようなことは」
ミス・トレヴィスは眼鏡をかけた顔をしばらく伏せていたが、意を決したように顔を上げた。
「ですが、ミス・オルコットのような方は、侯爵家にはふさわしくありません、一刻も早く追い出すべきです!」
「ミス・トレヴィス?」
いきなり何をに言い出すんだと、僕が眉を顰めるのに、しかしミス・トレヴィスは突然、甲高い声でまくしたて始める。
「あの人は、旦那様を色仕掛けで篭絡して、侯爵家に居座ろうとする悪女ですわ!」
「ミス・トレヴィス、何を言って……」
僕はぽかんとしてその顔を穴が開くほど見つめる。丸い顔に丸い眼鏡をかけ、ハシバミ色の瞳をカッと見開いて力説する様子には、鬼気迫るものがある。
「落ち着いてくれないか、ミス・トレヴィス。――突然、何を言い出すんだ」
「結婚していないのに子供を産んで、その上、今も妊娠中なんて! そんな淫乱で不道徳な女をあっさり侯爵家にお入れになって! お腹の子だって、旦那様の子じゃないに決まってます!」
僕はしばらくパチパチと瞬きして、じっとミス・トレヴィスを見る。
「……君は、ルーカスの教育を担当することが不満なのかね?」
「ち、違います! ルーカス坊ちゃまは、旦那様の友人の子と伺いました。それはよろしいんですのよ。……旦那様ではないどこかの貴族が、あの悪女に引っかかってできた子供であっても、ルーカス坊ちゃまに罪はありません! 子供に適切な教育を、と仰る旦那様のお志は素晴らしいですし、あたくしもそのお手伝いができるのは光栄ですわ! でも、ルーカス坊ちゃまも旦那様も、悪女とは縁を切るべきです。ある程度まとまったお金を払えば、きっとあの女はお金に目がくらんで……」
「黙りなさい!」
僕はピシャリとミス・トレヴィスの口を封じ、じっと彼女を見た。
「僕は君には、内情に立ち入るなと言ったはずだ。君はルーカスの教育だけ頼むつもりだった。なぜローズマリーのことにまで、根拠のない偏見で口を挟む」
「だって――おかしいです、こんなの!」
僕は意味がわからず、思わず眉を寄せる。
「おかしいって、何が?」
「結婚もせずに子供を産んで、さらに旦那様に体ですり寄って妊娠したアバズレを、侯爵夫人になさるおつもりですの? 先月まで下町で暮らしていた女を? 正気ですの?」
僕は、ただの家庭教師であるミス・トレヴィスがカンカンになって怒っている理由が全然、理解できず、思わず尋ねた。
「なんで君は怒っているの。僕が誰と結婚しようが、君に関係ないじゃないか」
「目の前で悪女に騙されようとしている人を、放っておけませんわ!」
「ローズは悪女じゃない! 彼女はれっきとした男爵令嬢で、家計を助けるためにメイド奉公に出た。君だって貴族令嬢だけど家庭教師として働いている。同じだろう? 奉公先の嫡男が僕の友人で、子を孕んで追い出された。親戚でもあるから、ルーカスを我が家で引き取ることにした。いろいろややこしいから、口を出さないという約束で雇ったはずだ!」
「ルーカス坊ちゃんのことはいいんです! 問題は、あの女のお腹の子です!」
ミス・トレヴィスは僕に詰め寄る。
「あ、あたくしとあの女を一緒にしないください! あんな、未婚の母の上にさらに妊娠するアバズレと! 下町で娼婦でもしてたとしか思えません! 本当に旦那様のお子かもわかったもんじゃありませんわ! それにアッサリ騙されて……今ならまだ間に合いますわ。あの女はお屋敷から追い出し、ルーカス坊ちゃんとも縁を切らせるべきです!」
僕はしばしミス・トレヴィスの顔を見つめていたが、これはダメだと思い、ため息をついた。
「残念ながら、君はクビだ。我が家の内部の問題に首を突っ込む家庭教師を、雇い続けることはできない」
「わたくしは間違ったことは言っておりません! 結婚もしていないのに妊娠するふしだらな女性は侯爵夫人に相応しくありません!」
「侯爵夫人に相応しいかどうかどうでもいいんだよ。僕は彼女を愛してる。僕は彼女を妻に迎えたいと思い、母も賛同している。君が口を出すことじゃない」
僕が手元の鈴を鳴らし、顔を覗かせたメイドに、執事のブレナンを呼ぶよう命じた。すぐに飛んできたブレナンが、書斎の雰囲気と泣きそうな顔をのミス・トレヴィスを見比べ、言った。
「どうなさいました、旦那様」
「残念だが、ミス・トレヴィスには辞めてもらうよ。……紹介状は、どうしようかな。正直、僕はとても不愉快で。だが、僕の家の中のことを、外であれこれ言われても厄介だね」
「何かご不快なことがございましたか」
「……ミス・トレヴィスは、僕がミス・オルコットと付き合っているのが不満らしい。僕はいずれ彼女と結婚するつもりでいるから、彼女を女主人と受け入れられない家庭教師では困る」
僕がひじ掛け椅子の背もたれに背を預けて言えば、対面でミス・トレヴィスが金切り声を上げた。
「本気で、あんな売女と結婚なさるおつもりなんですか? 由緒あるマクミラン侯爵さまが!? あんな、貴族の生まれが嘘みたいに教養もない、顔と身体だけの女と!」
「黙れ! ローズのことを悪く言うな!」
さすがに僕が怒鳴りつけると、ミス・トレヴィスが涙を流して泣きだした。
「どうして! 結局顔が可愛ければいいんですか! あたしだって貴族の出で、頑張って勉強して! どうしてあたしじゃダメなの!?」
「……さっきから、君は何の話を――」
ブレナンが割って入り、ミス・トレヴィスを何とか宥め、今月分の給金を払い、我が家のことは外で話さない、という約束の上で屋敷から退去させた。
「申し訳ございません、旦那様。私の目が曇っておりました」
ブレナンに謝罪され、僕は首を振る。
「まさかあんな、わけのわからない人だとは思わなかった。ブレナンのせいじゃないよ」
最後の方なんて、何を言っているかさえわからなかった。
「……実は、少し前からちょっと危ういと思っておりました……」
お茶を持ってきた家政婦のドーソン夫人が言い、僕は首を傾げる。
「いえ、最初はよかったのですが、旦那様が面接なさったあたりから、明らかに様子がおかしくて」
「僕が?」
ドーソン夫人が僕の前にお茶を差し出し、声を潜める。
「わたくしも、最初は落ち着いて、真面目な方かと思いましたが、その――どうやら旦那様に懸想しておりましたようで」
「は?」
僕はカップを手にしたまま固まってしまい、あやうくお茶を零しそうになる。僕と彼女の接点などほとんどない。面接しかしていないのだが……
「やはりそうでしたか……」
ブレナンが頷き、ドーソン夫人がさらに言う。
「最近では、ミス・オルコットのお腹の子は本当に旦那様の子なのか、なんて言い出して。使用人部屋では皆、困惑しておりました」
僕はギクリとするが、動揺を表に出さないようにして、言った。
「そんなことまで……まさか信じるような者は……」
ドーソン夫人が首を振る。
「いえ、旦那様がミス・オルコットのお部屋でお休みなのを、皆、知っておりますので」
僕は内心、胸を撫で下ろす。
「お腹の子は、僕の子だよ。母上も認めてくださっているのに」
「ええでも、形式はなるべく早くに整えてるべきかと存じます。中途半端な状態だと、また、ミス・トレヴィスのような人が出てくるかもしれません。……昔から、旦那様は無駄におモテになるので」
ブレナンも同意した。
「ミス・オルコットもミス・トレヴィスも、あまり豊かでない下級貴族の令嬢で、他家に奉公に出ている点で、境遇が似ています。ミス・オルコットでいいならば自分でも……などと考える者が、他にもいないとも限りません」
僕は深いため息をついて天を仰いだ。
入ってきたミス・トレヴィスに、僕は二人掛けのソファを勧め、自分は黒檀の書き物机の前の肘掛け椅子に座った。
「ルーカスのことなんだけどね。不安を煽るようなことはあまり言わないでほしいんだ。……特に母親と引き離すようなことは」
ミス・トレヴィスは眼鏡をかけた顔をしばらく伏せていたが、意を決したように顔を上げた。
「ですが、ミス・オルコットのような方は、侯爵家にはふさわしくありません、一刻も早く追い出すべきです!」
「ミス・トレヴィス?」
いきなり何をに言い出すんだと、僕が眉を顰めるのに、しかしミス・トレヴィスは突然、甲高い声でまくしたて始める。
「あの人は、旦那様を色仕掛けで篭絡して、侯爵家に居座ろうとする悪女ですわ!」
「ミス・トレヴィス、何を言って……」
僕はぽかんとしてその顔を穴が開くほど見つめる。丸い顔に丸い眼鏡をかけ、ハシバミ色の瞳をカッと見開いて力説する様子には、鬼気迫るものがある。
「落ち着いてくれないか、ミス・トレヴィス。――突然、何を言い出すんだ」
「結婚していないのに子供を産んで、その上、今も妊娠中なんて! そんな淫乱で不道徳な女をあっさり侯爵家にお入れになって! お腹の子だって、旦那様の子じゃないに決まってます!」
僕はしばらくパチパチと瞬きして、じっとミス・トレヴィスを見る。
「……君は、ルーカスの教育を担当することが不満なのかね?」
「ち、違います! ルーカス坊ちゃまは、旦那様の友人の子と伺いました。それはよろしいんですのよ。……旦那様ではないどこかの貴族が、あの悪女に引っかかってできた子供であっても、ルーカス坊ちゃまに罪はありません! 子供に適切な教育を、と仰る旦那様のお志は素晴らしいですし、あたくしもそのお手伝いができるのは光栄ですわ! でも、ルーカス坊ちゃまも旦那様も、悪女とは縁を切るべきです。ある程度まとまったお金を払えば、きっとあの女はお金に目がくらんで……」
「黙りなさい!」
僕はピシャリとミス・トレヴィスの口を封じ、じっと彼女を見た。
「僕は君には、内情に立ち入るなと言ったはずだ。君はルーカスの教育だけ頼むつもりだった。なぜローズマリーのことにまで、根拠のない偏見で口を挟む」
「だって――おかしいです、こんなの!」
僕は意味がわからず、思わず眉を寄せる。
「おかしいって、何が?」
「結婚もせずに子供を産んで、さらに旦那様に体ですり寄って妊娠したアバズレを、侯爵夫人になさるおつもりですの? 先月まで下町で暮らしていた女を? 正気ですの?」
僕は、ただの家庭教師であるミス・トレヴィスがカンカンになって怒っている理由が全然、理解できず、思わず尋ねた。
「なんで君は怒っているの。僕が誰と結婚しようが、君に関係ないじゃないか」
「目の前で悪女に騙されようとしている人を、放っておけませんわ!」
「ローズは悪女じゃない! 彼女はれっきとした男爵令嬢で、家計を助けるためにメイド奉公に出た。君だって貴族令嬢だけど家庭教師として働いている。同じだろう? 奉公先の嫡男が僕の友人で、子を孕んで追い出された。親戚でもあるから、ルーカスを我が家で引き取ることにした。いろいろややこしいから、口を出さないという約束で雇ったはずだ!」
「ルーカス坊ちゃんのことはいいんです! 問題は、あの女のお腹の子です!」
ミス・トレヴィスは僕に詰め寄る。
「あ、あたくしとあの女を一緒にしないください! あんな、未婚の母の上にさらに妊娠するアバズレと! 下町で娼婦でもしてたとしか思えません! 本当に旦那様のお子かもわかったもんじゃありませんわ! それにアッサリ騙されて……今ならまだ間に合いますわ。あの女はお屋敷から追い出し、ルーカス坊ちゃんとも縁を切らせるべきです!」
僕はしばしミス・トレヴィスの顔を見つめていたが、これはダメだと思い、ため息をついた。
「残念ながら、君はクビだ。我が家の内部の問題に首を突っ込む家庭教師を、雇い続けることはできない」
「わたくしは間違ったことは言っておりません! 結婚もしていないのに妊娠するふしだらな女性は侯爵夫人に相応しくありません!」
「侯爵夫人に相応しいかどうかどうでもいいんだよ。僕は彼女を愛してる。僕は彼女を妻に迎えたいと思い、母も賛同している。君が口を出すことじゃない」
僕が手元の鈴を鳴らし、顔を覗かせたメイドに、執事のブレナンを呼ぶよう命じた。すぐに飛んできたブレナンが、書斎の雰囲気と泣きそうな顔をのミス・トレヴィスを見比べ、言った。
「どうなさいました、旦那様」
「残念だが、ミス・トレヴィスには辞めてもらうよ。……紹介状は、どうしようかな。正直、僕はとても不愉快で。だが、僕の家の中のことを、外であれこれ言われても厄介だね」
「何かご不快なことがございましたか」
「……ミス・トレヴィスは、僕がミス・オルコットと付き合っているのが不満らしい。僕はいずれ彼女と結婚するつもりでいるから、彼女を女主人と受け入れられない家庭教師では困る」
僕がひじ掛け椅子の背もたれに背を預けて言えば、対面でミス・トレヴィスが金切り声を上げた。
「本気で、あんな売女と結婚なさるおつもりなんですか? 由緒あるマクミラン侯爵さまが!? あんな、貴族の生まれが嘘みたいに教養もない、顔と身体だけの女と!」
「黙れ! ローズのことを悪く言うな!」
さすがに僕が怒鳴りつけると、ミス・トレヴィスが涙を流して泣きだした。
「どうして! 結局顔が可愛ければいいんですか! あたしだって貴族の出で、頑張って勉強して! どうしてあたしじゃダメなの!?」
「……さっきから、君は何の話を――」
ブレナンが割って入り、ミス・トレヴィスを何とか宥め、今月分の給金を払い、我が家のことは外で話さない、という約束の上で屋敷から退去させた。
「申し訳ございません、旦那様。私の目が曇っておりました」
ブレナンに謝罪され、僕は首を振る。
「まさかあんな、わけのわからない人だとは思わなかった。ブレナンのせいじゃないよ」
最後の方なんて、何を言っているかさえわからなかった。
「……実は、少し前からちょっと危ういと思っておりました……」
お茶を持ってきた家政婦のドーソン夫人が言い、僕は首を傾げる。
「いえ、最初はよかったのですが、旦那様が面接なさったあたりから、明らかに様子がおかしくて」
「僕が?」
ドーソン夫人が僕の前にお茶を差し出し、声を潜める。
「わたくしも、最初は落ち着いて、真面目な方かと思いましたが、その――どうやら旦那様に懸想しておりましたようで」
「は?」
僕はカップを手にしたまま固まってしまい、あやうくお茶を零しそうになる。僕と彼女の接点などほとんどない。面接しかしていないのだが……
「やはりそうでしたか……」
ブレナンが頷き、ドーソン夫人がさらに言う。
「最近では、ミス・オルコットのお腹の子は本当に旦那様の子なのか、なんて言い出して。使用人部屋では皆、困惑しておりました」
僕はギクリとするが、動揺を表に出さないようにして、言った。
「そんなことまで……まさか信じるような者は……」
ドーソン夫人が首を振る。
「いえ、旦那様がミス・オルコットのお部屋でお休みなのを、皆、知っておりますので」
僕は内心、胸を撫で下ろす。
「お腹の子は、僕の子だよ。母上も認めてくださっているのに」
「ええでも、形式はなるべく早くに整えてるべきかと存じます。中途半端な状態だと、また、ミス・トレヴィスのような人が出てくるかもしれません。……昔から、旦那様は無駄におモテになるので」
ブレナンも同意した。
「ミス・オルコットもミス・トレヴィスも、あまり豊かでない下級貴族の令嬢で、他家に奉公に出ている点で、境遇が似ています。ミス・オルコットでいいならば自分でも……などと考える者が、他にもいないとも限りません」
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