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3、ローズマリー・オルコット
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「ローズマリー・オルコットというメイドを憶えておられますか?」
葉巻を勧められたが僕は断って――これでも医者なので、煙草の類は吸わないことにしている――注がれたブランデーを一口、口に含む。書斎の布張りのソファの、対面に座る伯爵を観察すれば、彼は一瞬、虚を突かれたような表情をして、それからアッと思い出した。
「……ローズマリー? オルコットと言えば、この近隣の男爵家で……あ!」
「デニスは、彼女を探してほしい。彼女に償いたいと言って、僕に王都の法律事務所の名前を教えてくれました。そこに、ライラに内緒の信託財産が残してあると」
伯爵の目が、ろうそくの灯影を映して揺れる。
「では……あの時のメイドは……」
「彼女が本当に身籠っていたかはともかく、デニスとは確かに、身体の関係があったようです。でも、ライラとの婚約が決まったばかりのデニスは関係を否定し、彼女は邸を追い出され、行方はしれない」
リントン伯爵は、蝋燭の明かりでもわかるくらい、青ざめていた。
「しかし……倅はあの時、神かけて彼女とは何もないと! だからわしは……」
「そのことの是非を、今は問うても仕方ありません。デニスの最期の望みですので、僕はその女性の行方を捜してみようとは思いますが、デニスも今際の際で、彼女の名前しかわからない。年齢や容姿、彼女の実家について教えていただけないでしょうか」
「……つまりそれは……あの時のメイドは本当にデニスの子を身ごもっていたかもしれないのに、わしはデニスが否定したのを鵜呑みにして、追い出したということなのか? もしそうなら――」
リントン伯爵はかわいそうなほど取り乱した。落ち着こうと葉巻を咥えるのだが、手が震えてマッチを擦ることができない。代わりにマッチを擦って火を点けてやってから、僕は残酷とは思いつつ、釘を刺した。
「正直申し上げて、もし、本当に当時、ローズマリー・オルコットというメイドが身ごもっていたとすれば、なおさら、僕は彼女が今、無事に生きているか、とても楽観視はできません。ご存じのように、出産は危険を伴いますし、乳幼児の死亡率は依然として高い。未婚のまま妊娠した女性への世間の眼差しも冷たい。子供の父親に拒絶されて絶望して、命を絶ったり、あるいは堕胎に失敗して死亡する事例を、僕は大学や医局でたくさん、目にしました。デニスやあなたの話を総合するれば、そのローズマリーという女性はお屋敷を追い出され、頼る者もなく、まともな看護も受けられなかった可能性が高い」
あえて医者らしく、冷たく言い放ってやれば、リントン伯爵は額を手で覆い、俯く。
「ああ、わしはなんて愚かなことを……わしは、息子を盲信するあまり、あのメイドを嘘つきだと詰って、給金を投げつけて追い出したのだ。――冷たい雨の夜に」
「本当に妊娠しているかどうかの確認さえ取らずに、追い出したのですか?」
「……息子が否定していたし……本当に妊娠していたとして、どこの馬の骨かわからない男の子を、息子の子と偽られてはたまらないと思って……彼女の実家は経済状態のよくない男爵家で、妊娠を盾にとて、息子に結婚を迫るつもりかと疑ってしまった」
息子も息子なら、親も親だなと思う。ローズマリーという名のメイドが、実際に妊娠を偽装して伯爵夫人に収まろうとする悪女だったとしても、事情も聞かずに追い出すなんて、普通はしないと思うのだが。
「……オルコット家というのは、この近隣にあるのですか?」
僕の問いに、リントン伯爵が頷く。
「オルコット家は近くの男爵家で……だが借金を抱えた上に当主が病に倒れて……うちからかなりの額を用立てる代わりに、長女をメイドに雇った。一種の行儀見習いも兼ねて――デニスが気に入って身近に使いたいと言うから息子付きにしたので、わしはよくは知らなかった」
額の汗を拭いながら、言い訳がましく早口で言う伯爵に、僕はさらに尋ねた。
「年齢はいくつくらいですかね?」
「さあ……雇った時の履歴書がまだあったかもしれないが……息子よりも二つ三つ下ではなかったか」
「……え? デニスよりも年下なのですか?」
僕は虚を突かれ、思わず聞き返す。
――僕はデニスから話を聞いた時に、なんとなくだがデニスよりも年上の、妖艶な女性を想像してしまっていたことに気づく。
結婚前の初心なデニスがついつい色香に参って関係を結んでしまった、そんなイメージを抱いていた。
やや年増のメイドなら、デニスの父親が疑って追い出すのも、まあ、仕方がないかもと思っていたのだが――
デニスより年下となれば、デニスが結婚する前ならまだ十代の、ほんの少女だったことになる。
「……ローズマリーというメイドが妊娠を告げたのは、正確にはいつです?」
「……あれはデニスが学校を出て、陸軍に入った翌年だから、おそらくはデニスがまだ十九歳で……」
「ちょっと待ってください! なら、当時ローズマリーは十六か十七か。まだほんの小娘じゃないですか! それを追い出したのですか? 雨の中を? あなたは本当に人の心があるのですか!」
さすがの僕も語気が荒くなる。デニスも若かったとはいえ、年端もいかない少女と寝ておきながら、妊娠を告げられたら関係ごと否定するなんて、信じられない。まして、その父親までも、息子の言い分を鵜吞みにするなんて――
リントン伯爵が両手で白髪混じりの頭を抱えた。
「ちょうど、ライラ――ヘンダーソン侯爵家との婚約話が出ていて、事業提携の話なども進みつつあった。妙な噂でも広がり、せっかくの縁が流れたらと、わしはそればっかり気にして――」
僕はめまいを感じてこめかみを押える。
ライラとデニスの結婚の裏に、こんな非道な出来事が隠されていたなんて。
リントン伯爵はあれこれ言い訳をしているけれど、伯爵家がたいして調べもせずにメイドを追い出したのは、ヘンダーソン侯爵家との縁談をまとめるために、醜聞が怖かったからだ。ライラの祖父は閣僚も務めた国家の重鎮で、わが国有数の資産家。名門との縁談に目がくらんで、心に鬼を住まわせていたとしか思えない。
ますます、ライラにはこんな話を聞かせるわけにいかない。
信じていた夫や義父の非道な行いを知ったら、人間不信になってしまう。
同時に、僕はローズマリー・オルコットとという女性の境遇を考えて、胸が痛くなった。
まだ十代の少女が奉公先の若様と身体の関係を持った。甘い言葉に騙されたか、あるいは彼女の側は本気で恋に落ちたかは知らないが、妊娠したら当の若様に否定され、おまつさえ屋敷から追い出されるなんて、どれほど傷ついたか。
もう、生きていけないと思いつめたって不思議はない。
――僕はこの時、ローズマリーとその子の生存の可能性はほぼないと思った。
唯一生きている可能性があるとすれば、それは生家のオルコット家が、どこかに匿っている場合だけだ。
僕は伯爵からオルコット家の場所を聞き、手帳に書き留める。そしてはっきりと告げた。
「僕が思うに、ローズマリー本人はともかく、子供が無事に育っている可能性は低いのではないでしょうか。正直申し上げて、そこまでの扱いを受けてまで、危険を冒して産んで育てたいと思わないのでは?」
「――倅が軍に入って、戦争に出かけるときも、数か月もあれば帰ってこれるという話だった。まさか、戦死するなんて。こんなことになるのなら、あのメイドを追い出したりしなかったのに――」
項垂れるリントン伯爵を僕は内心、ひどく軽蔑していた。
自分の子を愛するならば、他人の子も大切に扱うべきなのだ。――その報いは、巡り巡って自分に帰ってくる。
「ひとまずオルコット家に向かい、いろいろ調べてみます。また何かわかりましたら連絡します。……くれぐれも、ライラには言わないでください」
僕が伯爵に念押しすれば、伯爵も頷く。
「ああ、わかっている……万に一つの可能性にでも、今は縋りたい」
憔悴して顔を覆う老伯爵のもとを、僕は暗澹たる気分で辞した。
葉巻を勧められたが僕は断って――これでも医者なので、煙草の類は吸わないことにしている――注がれたブランデーを一口、口に含む。書斎の布張りのソファの、対面に座る伯爵を観察すれば、彼は一瞬、虚を突かれたような表情をして、それからアッと思い出した。
「……ローズマリー? オルコットと言えば、この近隣の男爵家で……あ!」
「デニスは、彼女を探してほしい。彼女に償いたいと言って、僕に王都の法律事務所の名前を教えてくれました。そこに、ライラに内緒の信託財産が残してあると」
伯爵の目が、ろうそくの灯影を映して揺れる。
「では……あの時のメイドは……」
「彼女が本当に身籠っていたかはともかく、デニスとは確かに、身体の関係があったようです。でも、ライラとの婚約が決まったばかりのデニスは関係を否定し、彼女は邸を追い出され、行方はしれない」
リントン伯爵は、蝋燭の明かりでもわかるくらい、青ざめていた。
「しかし……倅はあの時、神かけて彼女とは何もないと! だからわしは……」
「そのことの是非を、今は問うても仕方ありません。デニスの最期の望みですので、僕はその女性の行方を捜してみようとは思いますが、デニスも今際の際で、彼女の名前しかわからない。年齢や容姿、彼女の実家について教えていただけないでしょうか」
「……つまりそれは……あの時のメイドは本当にデニスの子を身ごもっていたかもしれないのに、わしはデニスが否定したのを鵜呑みにして、追い出したということなのか? もしそうなら――」
リントン伯爵はかわいそうなほど取り乱した。落ち着こうと葉巻を咥えるのだが、手が震えてマッチを擦ることができない。代わりにマッチを擦って火を点けてやってから、僕は残酷とは思いつつ、釘を刺した。
「正直申し上げて、もし、本当に当時、ローズマリー・オルコットというメイドが身ごもっていたとすれば、なおさら、僕は彼女が今、無事に生きているか、とても楽観視はできません。ご存じのように、出産は危険を伴いますし、乳幼児の死亡率は依然として高い。未婚のまま妊娠した女性への世間の眼差しも冷たい。子供の父親に拒絶されて絶望して、命を絶ったり、あるいは堕胎に失敗して死亡する事例を、僕は大学や医局でたくさん、目にしました。デニスやあなたの話を総合するれば、そのローズマリーという女性はお屋敷を追い出され、頼る者もなく、まともな看護も受けられなかった可能性が高い」
あえて医者らしく、冷たく言い放ってやれば、リントン伯爵は額を手で覆い、俯く。
「ああ、わしはなんて愚かなことを……わしは、息子を盲信するあまり、あのメイドを嘘つきだと詰って、給金を投げつけて追い出したのだ。――冷たい雨の夜に」
「本当に妊娠しているかどうかの確認さえ取らずに、追い出したのですか?」
「……息子が否定していたし……本当に妊娠していたとして、どこの馬の骨かわからない男の子を、息子の子と偽られてはたまらないと思って……彼女の実家は経済状態のよくない男爵家で、妊娠を盾にとて、息子に結婚を迫るつもりかと疑ってしまった」
息子も息子なら、親も親だなと思う。ローズマリーという名のメイドが、実際に妊娠を偽装して伯爵夫人に収まろうとする悪女だったとしても、事情も聞かずに追い出すなんて、普通はしないと思うのだが。
「……オルコット家というのは、この近隣にあるのですか?」
僕の問いに、リントン伯爵が頷く。
「オルコット家は近くの男爵家で……だが借金を抱えた上に当主が病に倒れて……うちからかなりの額を用立てる代わりに、長女をメイドに雇った。一種の行儀見習いも兼ねて――デニスが気に入って身近に使いたいと言うから息子付きにしたので、わしはよくは知らなかった」
額の汗を拭いながら、言い訳がましく早口で言う伯爵に、僕はさらに尋ねた。
「年齢はいくつくらいですかね?」
「さあ……雇った時の履歴書がまだあったかもしれないが……息子よりも二つ三つ下ではなかったか」
「……え? デニスよりも年下なのですか?」
僕は虚を突かれ、思わず聞き返す。
――僕はデニスから話を聞いた時に、なんとなくだがデニスよりも年上の、妖艶な女性を想像してしまっていたことに気づく。
結婚前の初心なデニスがついつい色香に参って関係を結んでしまった、そんなイメージを抱いていた。
やや年増のメイドなら、デニスの父親が疑って追い出すのも、まあ、仕方がないかもと思っていたのだが――
デニスより年下となれば、デニスが結婚する前ならまだ十代の、ほんの少女だったことになる。
「……ローズマリーというメイドが妊娠を告げたのは、正確にはいつです?」
「……あれはデニスが学校を出て、陸軍に入った翌年だから、おそらくはデニスがまだ十九歳で……」
「ちょっと待ってください! なら、当時ローズマリーは十六か十七か。まだほんの小娘じゃないですか! それを追い出したのですか? 雨の中を? あなたは本当に人の心があるのですか!」
さすがの僕も語気が荒くなる。デニスも若かったとはいえ、年端もいかない少女と寝ておきながら、妊娠を告げられたら関係ごと否定するなんて、信じられない。まして、その父親までも、息子の言い分を鵜吞みにするなんて――
リントン伯爵が両手で白髪混じりの頭を抱えた。
「ちょうど、ライラ――ヘンダーソン侯爵家との婚約話が出ていて、事業提携の話なども進みつつあった。妙な噂でも広がり、せっかくの縁が流れたらと、わしはそればっかり気にして――」
僕はめまいを感じてこめかみを押える。
ライラとデニスの結婚の裏に、こんな非道な出来事が隠されていたなんて。
リントン伯爵はあれこれ言い訳をしているけれど、伯爵家がたいして調べもせずにメイドを追い出したのは、ヘンダーソン侯爵家との縁談をまとめるために、醜聞が怖かったからだ。ライラの祖父は閣僚も務めた国家の重鎮で、わが国有数の資産家。名門との縁談に目がくらんで、心に鬼を住まわせていたとしか思えない。
ますます、ライラにはこんな話を聞かせるわけにいかない。
信じていた夫や義父の非道な行いを知ったら、人間不信になってしまう。
同時に、僕はローズマリー・オルコットとという女性の境遇を考えて、胸が痛くなった。
まだ十代の少女が奉公先の若様と身体の関係を持った。甘い言葉に騙されたか、あるいは彼女の側は本気で恋に落ちたかは知らないが、妊娠したら当の若様に否定され、おまつさえ屋敷から追い出されるなんて、どれほど傷ついたか。
もう、生きていけないと思いつめたって不思議はない。
――僕はこの時、ローズマリーとその子の生存の可能性はほぼないと思った。
唯一生きている可能性があるとすれば、それは生家のオルコット家が、どこかに匿っている場合だけだ。
僕は伯爵からオルコット家の場所を聞き、手帳に書き留める。そしてはっきりと告げた。
「僕が思うに、ローズマリー本人はともかく、子供が無事に育っている可能性は低いのではないでしょうか。正直申し上げて、そこまでの扱いを受けてまで、危険を冒して産んで育てたいと思わないのでは?」
「――倅が軍に入って、戦争に出かけるときも、数か月もあれば帰ってこれるという話だった。まさか、戦死するなんて。こんなことになるのなら、あのメイドを追い出したりしなかったのに――」
項垂れるリントン伯爵を僕は内心、ひどく軽蔑していた。
自分の子を愛するならば、他人の子も大切に扱うべきなのだ。――その報いは、巡り巡って自分に帰ってくる。
「ひとまずオルコット家に向かい、いろいろ調べてみます。また何かわかりましたら連絡します。……くれぐれも、ライラには言わないでください」
僕が伯爵に念押しすれば、伯爵も頷く。
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