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4、オルコット男爵
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翌日、僕はオルコット男爵家を訪ねる。
元はそれなりの田舎の豪家だったのだろうが、庭木も伸び放題で門扉は壊れ、建物もあちこちが傷んで、いかにも古びている。
呼び鈴を鳴らすと、腰の曲がったヨボヨボの執事が出て来て、殺風景な応接間に通される。待つほどもまく、地味な三十前後の女性がお茶を運んできた。
「夫はすぐに参ります」
「いえ、突然の訪問ですのでお構いなく」
奥方が自ら茶の接待に出てくるあたり、ロクなメイドもいないのだろう。
手持ち無沙汰に僕は周囲を観察する。暖炉の上の壁が四角く変色していて、コンソールの上にも何もない。絵画などの調度品は、売れるものは全部売ってしまった、そんな侘しさが漂う。
しかし、やってきたオルコット男爵は、栗色の髪に紫色の瞳が特徴的な、かなりの美男子だった。
「ジェイムズ・オルコット、この家の当主です」
「突然すみません、イライアス・ハミルトンと申します。――その、リントン伯爵の嫡男デニス卿の友人で、彼が亡くなる直前にとあることを依頼されまして」
僕がデニスの名を出すと、オルコット男爵の形のよい眉がぐっと顰められる。
「デニスの戦死は御存じでいらっしゃる」
「ええ、それは。こんな小さな町では大ニュースですから」
その口調から、デニス……というか、リントン伯爵家の評判があまりよくないのではと僕は思う。
「デニスは今際の際に、かつて家から追い出したメイド、ローズマリー・オルコット嬢のことを探してほしい、彼女に詫びなければならないと言い残しました。それで――」
「ハッ、今さら!」
オルコット男爵が忌々し気に吐き捨てる。
「あのバカ息子、妹を手籠めにしておきながら、そんな阿婆擦れと関係などないと言い放ったのですよ! うちは山ほど借金のある貧乏男爵家で、あちらはあくどく稼いでいる伯爵家。デニスは外では殊勝にしていましたが、屋敷内では相当、暴君だったようです。使用人たちも、主を恐れて証言を拒んで、妹は嘘つきの売女と呼ばれて、その月の給金ももらえずに追い出されたのですよ!」
「ひどい話ですね」
僕が相槌を打てば、オルコット男爵はさらにまくしたてる。
「もっとひどいのはあの業突く張りの伯爵です! 妹が他の男の子をデニスの子と偽り、未来の伯爵夫人になろうとしている、なんて言い出して。十六の小娘にそんな知恵があると思いますか?」
「僕も昨夜、伯爵からローズマリー嬢の年齢を聞いて驚きました」
「妹は、我が家の家計を助けるために、あの屋敷にメイド奉公に上がりましたが、その時、たった十五歳だったのですよ! 奉公に上がった時は、あのデニスのバカ息子は学校の寄宿舎に入っていて、お屋敷には不在でした。しかし、学校を卒業して家に戻ると、すぐに妹に目をつけ、無理矢理寝台に引きずり込んだのです!」
「……ローズマリー嬢はその……どんな外見で……」
「妹の髪と瞳の色は私と同じです。うちは代々、瞳が紫色なんです。……ですから、紫色の花にちなんでローズマリーと」
「なるほど」
僕は手帳を取り出し、オルコット男爵の話を聞きながらメモを取る。
ローズマリー・オルコット、大陸暦一八七三年生まれ。栗色の髪に紫色の瞳。十五歳でリントン伯爵家にメイド奉公に出て、十六歳で妊娠を理由に解雇された。
「つまりその――現在生きていたら二十二歳――」
僕はそう言いながらオルコット男爵を観察する。なんとなくだが、この兄は彼女の行方を知っているのではないかと思ったからだ。
オルコット男爵が、逆に僕に尋ねた。
「デニスの頼みを聞いて、妹の居場所を探しにきた。――今さらどうするのです。デニスも死んでしまったのに」
「……デニスの妻には内緒の、信託財産が残してあるそうなのです。それを渡してほしいと言われています」
「財産……」
「あの時、ローズマリー嬢は本当に妊娠していたのですか?」
「ええ。間違いありません。妊娠に気づくのが遅れたこともあり、なんとなくお腹も膨らみ始めていました。ごく、わずかですが」
「なるほど……五か月くらいではっきりしてくる妊婦もいますからね」
僕が言えば、オルコット男爵も頷く。
「無理に堕胎したら命の保証はできないと、産婆にも断られました」
「リントン伯爵家を追い出された後、こちらに来たのですね?」
オルコット男爵が沈痛な表情をした。
「うちは見てお分かりのように、貧乏男爵家で。父が倒れて長患いとなり、薬代がかさんで、相当額をリントン伯爵家に用立ててもらっていました。あの頃はまだ、父が存命でしたので、こちらから苦情を言うこともできず――」
オルコット家とて、貧乏ながら男爵家で、貴族としての外聞もある。このままお腹が大きくなれば、アーリングベリは小さな町だから、アッと言うまにとんでもない醜聞になることが予想できた。伯爵家の嫡男が相手ではどうにも、分が悪い。オルコット家はリントン伯爵家の仕打ちに怒りながらも、伝手を頼って王都と行き来する行商人にローズマリーを預け、町から出したのだという。
「では、妹さんは王都にいらっしゃるのですか。現在の居場所はわかりませんか」
僕の問いに、しかしオルコット男爵が首を振る。
「妹は、未婚で身籠ったことを恥じていました。我が家の恥にもなるから、縁を切って欲しいと言い、その後の便りもありません。ですが、一度だけ――」
オルコット男爵は一枚の絵葉書を見せてくれた。――王都ランデリアの、有名な時計塔の写真。差出人はなく、ただあまり上手くない文字で、「生きています」とだけ走り書きされていた。
「この字は、妹さんの?」
「妹は読み書きがあまり……。住所は誰かに代筆してもらったのだと思います。だから、ほら、綴りが少し間違っているでしょう? アーリングベリの郵便局から先、あちこち転送されて、やっと届いたのです」
「なるほど……これは、二年前の消印ですね」
僕はその葉書をひっくり返し、入念にチェックする。住所の文字と走り書きはおそらく別人の手蹟で、消印は王都の郵便局のものだ。子供のことについては、何も書かれていない。
僕はオルコット男爵に丁重に礼を言い、ローズマリーの行方がわかったら知らせると約束した。
元はそれなりの田舎の豪家だったのだろうが、庭木も伸び放題で門扉は壊れ、建物もあちこちが傷んで、いかにも古びている。
呼び鈴を鳴らすと、腰の曲がったヨボヨボの執事が出て来て、殺風景な応接間に通される。待つほどもまく、地味な三十前後の女性がお茶を運んできた。
「夫はすぐに参ります」
「いえ、突然の訪問ですのでお構いなく」
奥方が自ら茶の接待に出てくるあたり、ロクなメイドもいないのだろう。
手持ち無沙汰に僕は周囲を観察する。暖炉の上の壁が四角く変色していて、コンソールの上にも何もない。絵画などの調度品は、売れるものは全部売ってしまった、そんな侘しさが漂う。
しかし、やってきたオルコット男爵は、栗色の髪に紫色の瞳が特徴的な、かなりの美男子だった。
「ジェイムズ・オルコット、この家の当主です」
「突然すみません、イライアス・ハミルトンと申します。――その、リントン伯爵の嫡男デニス卿の友人で、彼が亡くなる直前にとあることを依頼されまして」
僕がデニスの名を出すと、オルコット男爵の形のよい眉がぐっと顰められる。
「デニスの戦死は御存じでいらっしゃる」
「ええ、それは。こんな小さな町では大ニュースですから」
その口調から、デニス……というか、リントン伯爵家の評判があまりよくないのではと僕は思う。
「デニスは今際の際に、かつて家から追い出したメイド、ローズマリー・オルコット嬢のことを探してほしい、彼女に詫びなければならないと言い残しました。それで――」
「ハッ、今さら!」
オルコット男爵が忌々し気に吐き捨てる。
「あのバカ息子、妹を手籠めにしておきながら、そんな阿婆擦れと関係などないと言い放ったのですよ! うちは山ほど借金のある貧乏男爵家で、あちらはあくどく稼いでいる伯爵家。デニスは外では殊勝にしていましたが、屋敷内では相当、暴君だったようです。使用人たちも、主を恐れて証言を拒んで、妹は嘘つきの売女と呼ばれて、その月の給金ももらえずに追い出されたのですよ!」
「ひどい話ですね」
僕が相槌を打てば、オルコット男爵はさらにまくしたてる。
「もっとひどいのはあの業突く張りの伯爵です! 妹が他の男の子をデニスの子と偽り、未来の伯爵夫人になろうとしている、なんて言い出して。十六の小娘にそんな知恵があると思いますか?」
「僕も昨夜、伯爵からローズマリー嬢の年齢を聞いて驚きました」
「妹は、我が家の家計を助けるために、あの屋敷にメイド奉公に上がりましたが、その時、たった十五歳だったのですよ! 奉公に上がった時は、あのデニスのバカ息子は学校の寄宿舎に入っていて、お屋敷には不在でした。しかし、学校を卒業して家に戻ると、すぐに妹に目をつけ、無理矢理寝台に引きずり込んだのです!」
「……ローズマリー嬢はその……どんな外見で……」
「妹の髪と瞳の色は私と同じです。うちは代々、瞳が紫色なんです。……ですから、紫色の花にちなんでローズマリーと」
「なるほど」
僕は手帳を取り出し、オルコット男爵の話を聞きながらメモを取る。
ローズマリー・オルコット、大陸暦一八七三年生まれ。栗色の髪に紫色の瞳。十五歳でリントン伯爵家にメイド奉公に出て、十六歳で妊娠を理由に解雇された。
「つまりその――現在生きていたら二十二歳――」
僕はそう言いながらオルコット男爵を観察する。なんとなくだが、この兄は彼女の行方を知っているのではないかと思ったからだ。
オルコット男爵が、逆に僕に尋ねた。
「デニスの頼みを聞いて、妹の居場所を探しにきた。――今さらどうするのです。デニスも死んでしまったのに」
「……デニスの妻には内緒の、信託財産が残してあるそうなのです。それを渡してほしいと言われています」
「財産……」
「あの時、ローズマリー嬢は本当に妊娠していたのですか?」
「ええ。間違いありません。妊娠に気づくのが遅れたこともあり、なんとなくお腹も膨らみ始めていました。ごく、わずかですが」
「なるほど……五か月くらいではっきりしてくる妊婦もいますからね」
僕が言えば、オルコット男爵も頷く。
「無理に堕胎したら命の保証はできないと、産婆にも断られました」
「リントン伯爵家を追い出された後、こちらに来たのですね?」
オルコット男爵が沈痛な表情をした。
「うちは見てお分かりのように、貧乏男爵家で。父が倒れて長患いとなり、薬代がかさんで、相当額をリントン伯爵家に用立ててもらっていました。あの頃はまだ、父が存命でしたので、こちらから苦情を言うこともできず――」
オルコット家とて、貧乏ながら男爵家で、貴族としての外聞もある。このままお腹が大きくなれば、アーリングベリは小さな町だから、アッと言うまにとんでもない醜聞になることが予想できた。伯爵家の嫡男が相手ではどうにも、分が悪い。オルコット家はリントン伯爵家の仕打ちに怒りながらも、伝手を頼って王都と行き来する行商人にローズマリーを預け、町から出したのだという。
「では、妹さんは王都にいらっしゃるのですか。現在の居場所はわかりませんか」
僕の問いに、しかしオルコット男爵が首を振る。
「妹は、未婚で身籠ったことを恥じていました。我が家の恥にもなるから、縁を切って欲しいと言い、その後の便りもありません。ですが、一度だけ――」
オルコット男爵は一枚の絵葉書を見せてくれた。――王都ランデリアの、有名な時計塔の写真。差出人はなく、ただあまり上手くない文字で、「生きています」とだけ走り書きされていた。
「この字は、妹さんの?」
「妹は読み書きがあまり……。住所は誰かに代筆してもらったのだと思います。だから、ほら、綴りが少し間違っているでしょう? アーリングベリの郵便局から先、あちこち転送されて、やっと届いたのです」
「なるほど……これは、二年前の消印ですね」
僕はその葉書をひっくり返し、入念にチェックする。住所の文字と走り書きはおそらく別人の手蹟で、消印は王都の郵便局のものだ。子供のことについては、何も書かれていない。
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