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14 「推しの新婚旅行とお夜食」
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チュンチュン。
朝から聞こえるのは、鳥の囀り。
おはよう世界!!
昨夜は──っ! 推しの! 初夜……っ!! だったんです────っ!!
私はティア様がいつでもお風呂に入れるように、湯船にお湯を溜め、魔石で保温完了し、脱衣所には新しいバスローブとタオル、下着、締め付けない服も用意した。
呼ばれれば出て行く。
そうでなければ、甘い新婚さんを邪魔しないように待機。
バタン!! ガタン!! バタン!! ガチャ。
寝室から派手な音が聞こえた。
ティア様かギル様が起きたのだろう。
私、呼ばれればすぐに行く準備はできていますよ!!
前日からお二人は目覚めたら、新婚旅行の為に島に行き、朝食は島で食べるとおっしゃっていた。
けれどまだ、私の出番は無かった。
昨夜は特に失敗もなく、つつがなくお過ごしだったようだ。
良かった──。
*
お二人は転移陣を使って南国リゾートのような島に行かれた。
エメラルドグリーンの海がとても綺麗な所で、水上マーケットなどにも行くらしい。
私は護衛騎士ではないので、温泉地の別荘でお留守番をしている。
私がついて行くと、護衛対象が増えてしまうので仕方ないですね。
練り物の準備をしておこう。
おめでたいので、ドラージルとか言う綺麗なピンク色の鯛も混ぜる。
結婚祝いでいただいたらしき、フードプロセッサーのような物があるし。
ティア様はさつま揚げのような物が食べたいと結婚式のメイク中に言われていたので、それの下準備をするのだ。
揚げたてがとても美味しいから、揚げるのはお二人が旅行からお帰りになってから。
前世の頃の話だけど、高速道路のサービスエリアで寄れるお店でそういう揚げ物を見る度に、すっごく美味しそうで惹かれるので気持ちは分かります。
「ガラス張りの温室が、一晩で建っていただって!?」
「いやはや、突然奇跡が起きる土地だよ、ライリーは」
さつま揚げ風の練り物の準備を終えて、生ゴミを出しに裏庭に出たら、近くを掃除してる使用人達からそんな噂話が聞こえた。
ティア様達は夜市を回った後にはライリーの温泉地に戻って来られた。
私は急いで厨房に行き、さつま揚げっぽい物を揚げた。
「リナ、ただいま、お土産を買って来たわよ」
推し、帰って来た──っ!! 今宵も美しい!!
芳しい香りの南国フルーツや、可愛いカゴバッグ、香水瓶などがインベントリから出て来て、テーブルの上に置かれた。
わお! 沢山! ありがとうございます!
「お帰りなさいませ、ありがとうございます。旅行は楽しかったですか?」
キラキラした瞳のティア様を見れば、想像はつくんだけど、一応聞く。
「ええ、クリスタルの記録もあるから、今度綺麗な景色を見せてあげる」
嬉しい。推しの見た景色を共有出来る。
「あ、念の為、夜食になってしまいますが、魚の練り物を揚げました」
他のメイドがタイミングを見計らい、私が作った夜食をワゴンに乗せて運んで来てくれた。
「わあ! ありがとう、いただくわ」
「いただこう」
また夜に一戦しそうなギル様は栄養補給にぬかりない。
「やっぱり揚げたてって、美味しいわね!」
「なるほど、美味い」
「これ、鯛、いえ、ドラージルとか入ってるのでは?」
「はい、流石ティア様、よくお分かりで」
「特別に美味しいから!」
やった! 満足されたようで良かった!!
「明日の朝、目が覚めたら、温室を見に行くわ、リナルドが言ってたの。
神様が結婚祝いに下さったと」
「あ! 庭で噂を聞きました、一晩で温室が建っていたと!」
──神様からの結婚祝いかぁ、凄い! 凄すぎて意味が分からない!
考えても分からないし、私はただ恩恵のおこぼれを享受してれば良いよね。
神の使徒って特別なんだわ、きっとね。
ミキサーもありがとうございます。
お土産のフルーツでスムージー系も作れちゃう。
新鮮なフルーツとヨーグルトを混ぜて作ろうっと! 美味しそう!
朝から聞こえるのは、鳥の囀り。
おはよう世界!!
昨夜は──っ! 推しの! 初夜……っ!! だったんです────っ!!
私はティア様がいつでもお風呂に入れるように、湯船にお湯を溜め、魔石で保温完了し、脱衣所には新しいバスローブとタオル、下着、締め付けない服も用意した。
呼ばれれば出て行く。
そうでなければ、甘い新婚さんを邪魔しないように待機。
バタン!! ガタン!! バタン!! ガチャ。
寝室から派手な音が聞こえた。
ティア様かギル様が起きたのだろう。
私、呼ばれればすぐに行く準備はできていますよ!!
前日からお二人は目覚めたら、新婚旅行の為に島に行き、朝食は島で食べるとおっしゃっていた。
けれどまだ、私の出番は無かった。
昨夜は特に失敗もなく、つつがなくお過ごしだったようだ。
良かった──。
*
お二人は転移陣を使って南国リゾートのような島に行かれた。
エメラルドグリーンの海がとても綺麗な所で、水上マーケットなどにも行くらしい。
私は護衛騎士ではないので、温泉地の別荘でお留守番をしている。
私がついて行くと、護衛対象が増えてしまうので仕方ないですね。
練り物の準備をしておこう。
おめでたいので、ドラージルとか言う綺麗なピンク色の鯛も混ぜる。
結婚祝いでいただいたらしき、フードプロセッサーのような物があるし。
ティア様はさつま揚げのような物が食べたいと結婚式のメイク中に言われていたので、それの下準備をするのだ。
揚げたてがとても美味しいから、揚げるのはお二人が旅行からお帰りになってから。
前世の頃の話だけど、高速道路のサービスエリアで寄れるお店でそういう揚げ物を見る度に、すっごく美味しそうで惹かれるので気持ちは分かります。
「ガラス張りの温室が、一晩で建っていただって!?」
「いやはや、突然奇跡が起きる土地だよ、ライリーは」
さつま揚げ風の練り物の準備を終えて、生ゴミを出しに裏庭に出たら、近くを掃除してる使用人達からそんな噂話が聞こえた。
ティア様達は夜市を回った後にはライリーの温泉地に戻って来られた。
私は急いで厨房に行き、さつま揚げっぽい物を揚げた。
「リナ、ただいま、お土産を買って来たわよ」
推し、帰って来た──っ!! 今宵も美しい!!
芳しい香りの南国フルーツや、可愛いカゴバッグ、香水瓶などがインベントリから出て来て、テーブルの上に置かれた。
わお! 沢山! ありがとうございます!
「お帰りなさいませ、ありがとうございます。旅行は楽しかったですか?」
キラキラした瞳のティア様を見れば、想像はつくんだけど、一応聞く。
「ええ、クリスタルの記録もあるから、今度綺麗な景色を見せてあげる」
嬉しい。推しの見た景色を共有出来る。
「あ、念の為、夜食になってしまいますが、魚の練り物を揚げました」
他のメイドがタイミングを見計らい、私が作った夜食をワゴンに乗せて運んで来てくれた。
「わあ! ありがとう、いただくわ」
「いただこう」
また夜に一戦しそうなギル様は栄養補給にぬかりない。
「やっぱり揚げたてって、美味しいわね!」
「なるほど、美味い」
「これ、鯛、いえ、ドラージルとか入ってるのでは?」
「はい、流石ティア様、よくお分かりで」
「特別に美味しいから!」
やった! 満足されたようで良かった!!
「明日の朝、目が覚めたら、温室を見に行くわ、リナルドが言ってたの。
神様が結婚祝いに下さったと」
「あ! 庭で噂を聞きました、一晩で温室が建っていたと!」
──神様からの結婚祝いかぁ、凄い! 凄すぎて意味が分からない!
考えても分からないし、私はただ恩恵のおこぼれを享受してれば良いよね。
神の使徒って特別なんだわ、きっとね。
ミキサーもありがとうございます。
お土産のフルーツでスムージー系も作れちゃう。
新鮮なフルーツとヨーグルトを混ぜて作ろうっと! 美味しそう!
応援ありがとうございます!
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