15 / 58
15 「手紙を書いた日」
しおりを挟む
「スムージーとタルティーヌです」
タルティーヌとは、スライスしたパンに具材をのせた、フランス生まれのオープンサンドの事である。
「あ、リナ。早速お土産のフルーツでスムージーを作ってくれたのね」
「はい。南国フルーツのスムージーと、タルティーヌを三種。
こちらの具材はバゲットの上にパプリカとベーコン、こちらはチキンとトマト、ディル、赤玉ねぎ、ブロッコリー、こちらは卵とコーンです」
「色が鮮やかで綺麗で美味しそう。いただくわ」
「……ふむ。美味しいな」
「ええ、見た目もオシャレだし、味もいいわ」
本日の朝食も好評で良かった。
この後、お二人はガラスの温室へ行く予定のはず。
私はメイド服のままで同行しても良いのかな?
「あ、お土産に南国風のワンピースも買って来たの、リナも一緒にお揃いで着ましょう」
「こ、光栄ですが、従僕の私が主人とお揃いの服を着るのはおかしいのでは?」
「私が姉妹風コーデで歩きたいと言うのだから、良いのよ。
私のわがままだから、誰かに万が一、何か文句や苦言を言われでもしたら、主人の命令ですって言って」
「わ、分かりました」
「多分誰も文句は言えないから大丈夫だぞ」
ギル様も大丈夫だとおっしゃるなら、信じてみよう。
私もリゾート風ワンピースを着た。
恐れ多くも同じような花柄のワンピースを着たティア様と並ぶと、本当に姉妹コーデのようだった。
ギル様がクリスタルを構えて私達を撮影をした。
「わぁ~~、広くて大きな温室ですね」
私は初めて都会に来たおのぼりさんみたいに圧倒された。
本当に大きな温室だったのだ。
バナナとか熱帯植物の蘭なども既に一部区域に植わってるけれど、空きスペースは十分にある。
「想像以上に大きくて驚きました。ギルバートが用意した土地ですか?」
「ああ、以前、リナルドに言われて、場所は広めに確保しておいた」
「いつの間に、そんな話を……」
『ティアは前から温室は欲しそうだったからね』
「神様がガラスの素材ダンジョンのありかを教えて下さったので、自分で作れという話だと思っていたのに、こんなに立派な」
「そう言えばティア様もダンジョンに行かれたんですよね、怖くはありませんでしたか?」
「小さいトカゲやスライムのような小物くらいしか出てないから、怖くはなかったわ」
「だが、コウモリには驚いていたな」
「え? そんな事、ありました? 私、覚えてません」
「ええ!? 全く、これだから……」
ティア様はしらばっくれているようだ。
「バナナが既に植わっている上に、実っているから、せっかくだし、チョコバナナ用に貰っていきましょう。
既に黄色いし、腐らせるのはもったいないもの」
「今、お取りします」
背の高い護衛騎士が歩み出て、黄色いバナナを収穫した。
『ちなみに今は魔石で温室内の温度を保っているよ』
エゾモモンガそっくりの妖精のリナルド氏はティア様に抱っこされたまま、そんな解説をした。
「後で温泉のお湯を引く工事をしないと」
「ずっと火の魔石の補充で温度を維持するのじゃいけないのか?」
「せっかく温泉地にいるからその熱を利用した方が良いかなって」
「まあ、其方の好きにすると良い」
「ほら、あそこの端っこ、ご丁寧に温水利用可っぽいパイプが積まれていますよ」
確かに資材置き場のような一画にパイプが有った。
このファンタジーな世界では明らかに浮いていた。
温室から別荘に戻って、私は厨房へ行き、採れたてバナナでチョコバナナを作った。
味見で私も一本食べてみた。
うん、これは美味しいチョコバナナ!
クレープを作る道具があれば、それでも良かったけど私は持って無い。
でも串に刺して、縁日風もなかなかだ。
「どうぞ。チョコバナナです」
サロンにて、おやつにチョコバナナをお出しした。
ペロリ。
ティア様がチョコバナナを手に持って、バナナにかかったチョコを舐めた。
ああっ!!
貴族女性が可愛い舌を出してそんなペロペロなどしてはいけな……美少女がバナナをそんなエッチな食べ方をしてはいけません!
「ティア様! ガブリと行きましょう!」
「え、ええ、ちゃんと食べるわよ」
ティア様が少し面食らった表情をした後に、ガブリとバナナを食べた。
よし、これでいい。
ギル様は私の焦りの意味が分からないようで、首を傾げている。
ピュア~~。
そしてギル様も美味しいと言ってチョコバナナを食べた。
……串に刺さずに、バナナをスライスし、チョコをかけてお出しすべきだったかもしれない。
そこはかとなく、背徳感が……。
私、やらかした?
でもチョコバナナと言われると、真っ先に思い浮かぶのは、縁日で見るアレなんだもん。
仕方ないよね。
* *
温室を見に行った日から、三日たったある日、私は休日をいただいた。
ギル様の別荘のお庭に、許可を貰ってピクニック用の敷き布を敷いて、春の陽気でぽかぽかしてたので、芝生の上でうたた寝をした。
*
夕闇の迫る頃。
オレンジ色の空の下、子供達の声がする。
「もーいーかい?」
「もーいーよ!」
……かくれんぼの声。
ずっと、幼い日に、聞いた声。
「もうすぐご飯の時間よ! 帰るわよ~~」
「はーい!!」
子を迎えに来たのは母親だ。
──会いたいと、思ってしまった。
──次に、置いて行ってしまった事を思い出した。
ぼろぼろと。
──泣きながら、私は目が覚めた。
そうだ、私はお庭で、うたた寝を……。
ここは、遠い異世界だ。
お母さんも、お父さんも、待っていても、迎えは来ない。
もう……会えない。
遠い日の面影を思い出すと、親より先に死んでしまった申し訳なさで、私は泣いた。
自分の子供が通り魔に刺されて……あんな死に方で、ショックを受けない親はあまりいないと思うから。
「どうなさいましたか? リナさん」
お庭で無防備に寝ていた挙句に、泣いてる私にびっくりして、声をかけてくれたのは、ティア様の護衛騎士のカーティス様だった。
「わ、私、前世で、急に、親より先に死んでしまって、しかも、全く知らない相手……通り魔に殺されて、親を……どれだけ悲しませただろうかと、思ったら、泣けて……。
せめて……両親が、あまり、長くは……嘆いていなければ、良いなって……」
私は突然言われても困るだろう、前世の話をしだしてしまった。
「──ああ、貴女は自分が死んでしまった事より、残されたご両親の心配をされているのですね……では、手紙を書いて、ライリーのお城の一階にある祭壇に置いてみてはどうでしょう?」
「……手紙?」
「ここは奇跡の起きるライリーの地。
貴女の祈りと、便りがご家族に届くかもしれません」
そう言ってカーティス様はキョロキョロと周囲を見渡した後、ご自分のマントを外し、私の泣き顔を隠すように頭から被せて下さった。
「手紙……」
私はバカみたいに同じ単語を繰り返した。
カーティス様はそんな私に優しく声をかけ続けてくれる。
「はい、レターセットはお持ちですか? 無ければ私が用意します」
「……いえ、レターセットもインクもティア様が私のお部屋に用意して下さっています。
ありがとうございます、お手紙、書いてみます」
だけど、本当に、次元を超えて遥か遠くの地球に手紙が届くのだろうか。
でも、一夜にして突然温室が建つような奇跡があるなら、あるいは……。
私はカーティス様のマントを借りたまま自室に戻った。
予備があると言うので、マントは洗濯してから返す事にした。
それが、礼儀だと思うから。
ひとまず、両親に向けて手紙を書いた。
ここでは……驚くべき事に、そう、なんと異世界にいるけれど、優しい人に出会って、今は幸せに、生きていると。
……かつて前世の地球で見たような、立派な温室を見た後だったから、あんな夢を見たのかな?
幼い日の、かくれんぼで遊ぶ子供と、迎えに来る親の……。
手紙を書いた後に、別荘地から、祭壇のあるライリーのお城にちょっとだけ戻ってもいいか、ティア様に事情を話して許可を貰いに行ったら、あっさり転移陣の使用許可と帰城許可が出た。
ちょうど両親の顔を見たいから自分も帰ると、おっしゃって下さった。
私とティア様と妖精のリナルド氏は、ライリーの城の祭壇の間に来た。
護衛騎士達は祭壇の間の外で待機している。
ギル様は城にいる辺境伯夫妻の元へ挨拶に行ったので、この場は私とティア様と妖精さんだけがいる。
「それで、届かないかもしれませんが、本当に祭壇にこの手紙を置かせていただいてもいいのでしょうか?」
改めてお伺いを立てる私。
「もちろん、いいわよ。祭壇に魔法陣を用意するから、その中に置いてね」
ティア様は優しく微笑んだ。
祭壇に手紙を置く許可を貰ったので、魔法陣の中に置いた。
魔法陣はハンカチサイズの布に描かれていた。
ティア様が祭壇前で膝をついて、祈りを捧げた。
私もすぐ側で同じように膝をついて祈った。
どうか、手紙が両親に届きますようにと。
すると、魔法陣が本当に光って、手紙が消えた。
「消えたって事は、……届いたのではないかしら?」
ティア様が言う。
『大丈夫、届けてくださったよ』
妖精のリナルド氏が肯定してくれた。
「……!! ありがとうございます!!」
「……私も……今度書いてみようかな……」
私が泣きながらお礼を言うと、ティア様が小さな声で言った。
ティア様の目にも涙があった。
ご自分の前世のご両親、ご家族の事を思い出したのかもしれない……。
タルティーヌとは、スライスしたパンに具材をのせた、フランス生まれのオープンサンドの事である。
「あ、リナ。早速お土産のフルーツでスムージーを作ってくれたのね」
「はい。南国フルーツのスムージーと、タルティーヌを三種。
こちらの具材はバゲットの上にパプリカとベーコン、こちらはチキンとトマト、ディル、赤玉ねぎ、ブロッコリー、こちらは卵とコーンです」
「色が鮮やかで綺麗で美味しそう。いただくわ」
「……ふむ。美味しいな」
「ええ、見た目もオシャレだし、味もいいわ」
本日の朝食も好評で良かった。
この後、お二人はガラスの温室へ行く予定のはず。
私はメイド服のままで同行しても良いのかな?
「あ、お土産に南国風のワンピースも買って来たの、リナも一緒にお揃いで着ましょう」
「こ、光栄ですが、従僕の私が主人とお揃いの服を着るのはおかしいのでは?」
「私が姉妹風コーデで歩きたいと言うのだから、良いのよ。
私のわがままだから、誰かに万が一、何か文句や苦言を言われでもしたら、主人の命令ですって言って」
「わ、分かりました」
「多分誰も文句は言えないから大丈夫だぞ」
ギル様も大丈夫だとおっしゃるなら、信じてみよう。
私もリゾート風ワンピースを着た。
恐れ多くも同じような花柄のワンピースを着たティア様と並ぶと、本当に姉妹コーデのようだった。
ギル様がクリスタルを構えて私達を撮影をした。
「わぁ~~、広くて大きな温室ですね」
私は初めて都会に来たおのぼりさんみたいに圧倒された。
本当に大きな温室だったのだ。
バナナとか熱帯植物の蘭なども既に一部区域に植わってるけれど、空きスペースは十分にある。
「想像以上に大きくて驚きました。ギルバートが用意した土地ですか?」
「ああ、以前、リナルドに言われて、場所は広めに確保しておいた」
「いつの間に、そんな話を……」
『ティアは前から温室は欲しそうだったからね』
「神様がガラスの素材ダンジョンのありかを教えて下さったので、自分で作れという話だと思っていたのに、こんなに立派な」
「そう言えばティア様もダンジョンに行かれたんですよね、怖くはありませんでしたか?」
「小さいトカゲやスライムのような小物くらいしか出てないから、怖くはなかったわ」
「だが、コウモリには驚いていたな」
「え? そんな事、ありました? 私、覚えてません」
「ええ!? 全く、これだから……」
ティア様はしらばっくれているようだ。
「バナナが既に植わっている上に、実っているから、せっかくだし、チョコバナナ用に貰っていきましょう。
既に黄色いし、腐らせるのはもったいないもの」
「今、お取りします」
背の高い護衛騎士が歩み出て、黄色いバナナを収穫した。
『ちなみに今は魔石で温室内の温度を保っているよ』
エゾモモンガそっくりの妖精のリナルド氏はティア様に抱っこされたまま、そんな解説をした。
「後で温泉のお湯を引く工事をしないと」
「ずっと火の魔石の補充で温度を維持するのじゃいけないのか?」
「せっかく温泉地にいるからその熱を利用した方が良いかなって」
「まあ、其方の好きにすると良い」
「ほら、あそこの端っこ、ご丁寧に温水利用可っぽいパイプが積まれていますよ」
確かに資材置き場のような一画にパイプが有った。
このファンタジーな世界では明らかに浮いていた。
温室から別荘に戻って、私は厨房へ行き、採れたてバナナでチョコバナナを作った。
味見で私も一本食べてみた。
うん、これは美味しいチョコバナナ!
クレープを作る道具があれば、それでも良かったけど私は持って無い。
でも串に刺して、縁日風もなかなかだ。
「どうぞ。チョコバナナです」
サロンにて、おやつにチョコバナナをお出しした。
ペロリ。
ティア様がチョコバナナを手に持って、バナナにかかったチョコを舐めた。
ああっ!!
貴族女性が可愛い舌を出してそんなペロペロなどしてはいけな……美少女がバナナをそんなエッチな食べ方をしてはいけません!
「ティア様! ガブリと行きましょう!」
「え、ええ、ちゃんと食べるわよ」
ティア様が少し面食らった表情をした後に、ガブリとバナナを食べた。
よし、これでいい。
ギル様は私の焦りの意味が分からないようで、首を傾げている。
ピュア~~。
そしてギル様も美味しいと言ってチョコバナナを食べた。
……串に刺さずに、バナナをスライスし、チョコをかけてお出しすべきだったかもしれない。
そこはかとなく、背徳感が……。
私、やらかした?
でもチョコバナナと言われると、真っ先に思い浮かぶのは、縁日で見るアレなんだもん。
仕方ないよね。
* *
温室を見に行った日から、三日たったある日、私は休日をいただいた。
ギル様の別荘のお庭に、許可を貰ってピクニック用の敷き布を敷いて、春の陽気でぽかぽかしてたので、芝生の上でうたた寝をした。
*
夕闇の迫る頃。
オレンジ色の空の下、子供達の声がする。
「もーいーかい?」
「もーいーよ!」
……かくれんぼの声。
ずっと、幼い日に、聞いた声。
「もうすぐご飯の時間よ! 帰るわよ~~」
「はーい!!」
子を迎えに来たのは母親だ。
──会いたいと、思ってしまった。
──次に、置いて行ってしまった事を思い出した。
ぼろぼろと。
──泣きながら、私は目が覚めた。
そうだ、私はお庭で、うたた寝を……。
ここは、遠い異世界だ。
お母さんも、お父さんも、待っていても、迎えは来ない。
もう……会えない。
遠い日の面影を思い出すと、親より先に死んでしまった申し訳なさで、私は泣いた。
自分の子供が通り魔に刺されて……あんな死に方で、ショックを受けない親はあまりいないと思うから。
「どうなさいましたか? リナさん」
お庭で無防備に寝ていた挙句に、泣いてる私にびっくりして、声をかけてくれたのは、ティア様の護衛騎士のカーティス様だった。
「わ、私、前世で、急に、親より先に死んでしまって、しかも、全く知らない相手……通り魔に殺されて、親を……どれだけ悲しませただろうかと、思ったら、泣けて……。
せめて……両親が、あまり、長くは……嘆いていなければ、良いなって……」
私は突然言われても困るだろう、前世の話をしだしてしまった。
「──ああ、貴女は自分が死んでしまった事より、残されたご両親の心配をされているのですね……では、手紙を書いて、ライリーのお城の一階にある祭壇に置いてみてはどうでしょう?」
「……手紙?」
「ここは奇跡の起きるライリーの地。
貴女の祈りと、便りがご家族に届くかもしれません」
そう言ってカーティス様はキョロキョロと周囲を見渡した後、ご自分のマントを外し、私の泣き顔を隠すように頭から被せて下さった。
「手紙……」
私はバカみたいに同じ単語を繰り返した。
カーティス様はそんな私に優しく声をかけ続けてくれる。
「はい、レターセットはお持ちですか? 無ければ私が用意します」
「……いえ、レターセットもインクもティア様が私のお部屋に用意して下さっています。
ありがとうございます、お手紙、書いてみます」
だけど、本当に、次元を超えて遥か遠くの地球に手紙が届くのだろうか。
でも、一夜にして突然温室が建つような奇跡があるなら、あるいは……。
私はカーティス様のマントを借りたまま自室に戻った。
予備があると言うので、マントは洗濯してから返す事にした。
それが、礼儀だと思うから。
ひとまず、両親に向けて手紙を書いた。
ここでは……驚くべき事に、そう、なんと異世界にいるけれど、優しい人に出会って、今は幸せに、生きていると。
……かつて前世の地球で見たような、立派な温室を見た後だったから、あんな夢を見たのかな?
幼い日の、かくれんぼで遊ぶ子供と、迎えに来る親の……。
手紙を書いた後に、別荘地から、祭壇のあるライリーのお城にちょっとだけ戻ってもいいか、ティア様に事情を話して許可を貰いに行ったら、あっさり転移陣の使用許可と帰城許可が出た。
ちょうど両親の顔を見たいから自分も帰ると、おっしゃって下さった。
私とティア様と妖精のリナルド氏は、ライリーの城の祭壇の間に来た。
護衛騎士達は祭壇の間の外で待機している。
ギル様は城にいる辺境伯夫妻の元へ挨拶に行ったので、この場は私とティア様と妖精さんだけがいる。
「それで、届かないかもしれませんが、本当に祭壇にこの手紙を置かせていただいてもいいのでしょうか?」
改めてお伺いを立てる私。
「もちろん、いいわよ。祭壇に魔法陣を用意するから、その中に置いてね」
ティア様は優しく微笑んだ。
祭壇に手紙を置く許可を貰ったので、魔法陣の中に置いた。
魔法陣はハンカチサイズの布に描かれていた。
ティア様が祭壇前で膝をついて、祈りを捧げた。
私もすぐ側で同じように膝をついて祈った。
どうか、手紙が両親に届きますようにと。
すると、魔法陣が本当に光って、手紙が消えた。
「消えたって事は、……届いたのではないかしら?」
ティア様が言う。
『大丈夫、届けてくださったよ』
妖精のリナルド氏が肯定してくれた。
「……!! ありがとうございます!!」
「……私も……今度書いてみようかな……」
私が泣きながらお礼を言うと、ティア様が小さな声で言った。
ティア様の目にも涙があった。
ご自分の前世のご両親、ご家族の事を思い出したのかもしれない……。
10
お気に入りに追加
200
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる