ポチは今日から社長秘書です

ムーン

文字の大きさ
168 / 566
夏休み

かいがいのおさんぽ、いち

しおりを挟む
前立腺マッサージ器具付きの黒いベルトのような貞操帯を装着。陰茎を締め付けられる感覚に昂り、後孔を疼かせて前立腺を刺激される。

「んぁっ、ぁ……はぁっ……ユキ様」

誘拐された日の翌日、俺は外出の準備をしていた。美容院を予約してあるのだ、ついでに観光もしようと雪兎は言ってくれた。

「なぁに? ほら、ブラもつけて」

もちろん普通には出かけさせてくれない。当然のように黒革製の貞操帯をつけさせられ、似たデザインのブラジャーのような形状のものも渡された。

「これは……なんですか?」

胸の上下左右を黒革に締め付けられ、真ん中は空いている。常に乳首を刺激するようなものではないらしい。

「胸の周りのお肉を集めて巨乳に見せてくれるやつだよ」

「確かに胸筋がいつもよりふっくらして……って、男には要らないでしょこんなもん」

「え~、僕ポチのおっぱい好きなんだからそんなこと言わないでよ」

ぽふん、と雪兎は俺の胸筋の谷間に顔を埋める。嬉しそうに顔をぐりぐりと動かす様子が微笑ましくて口を挟むのはやめにした。無意識に母性を求めているのかもしれないと考えてしまったからだ。

「はぁ……ふかふか、柔らかいね」

力が入っていない筋肉は柔らかい、肉を寄せ集めた結果はそこそこのボリュームだ、本物には程遠いとしても弄ぶには十分だろう。

「ふふ……こんなに鍛えた身体、歳下のガキに好き勝手される気分はどう? 雄臭い君にブラもどきつけさせて、可愛くしてやった厳つい胸弄んで、僕はとっても気分がいいよ」

胸にちゅうっと吸い付きながら乳首をつまみ、ただ引っ張って俺の反応を上目遣いで伺う。
何が「無意識に母性を求めているのかも……」だ、俺はバカだ。やっぱりただの変態性愛じゃないか。俺は何回勝手に騙されたら気が済むんだ。

「……っ、痛いっ!」

呆れていると引っ張られていた方とは反対の乳首に噛み付かれた。

「ふふふ……両方おそろい。可愛くなったね。さ、服着て」

ビンビンに勃った乳首を放置し、雪兎は俺に外出用の服を投げ渡す。何の変哲もない薄手のシャツとジーンズだ。

「……あの、ユキ様。上着は……ありませんか?」

「寒い?」

シャツは俺には少し小さい。パツパツの薄いシャツを着たら当然、乳首が目立つ。ハッキリと形が浮いている。こんなの半裸より恥ずかしい。

「そうだね、まだシャツ一枚で出歩く時期じゃないかも。これ着ていいよ」

「ありがとうございます……!」

そういったプレイではなかったようで革ジャンをもらえた。感謝しながら袖を通し、乳首が隠れることに安堵する。

「……んっ」

しかし、乳首を隠すと革ジャンの内側に乳首が擦れる。シャツ越しとはいえ、いや、薄い生地の上から革ジャンが触れるからこそ生地のザラつきまで快感に変わる。

「ポチ、アクセ付けたげるね」

「へ……? ぁ、あぁ……ありがとうございます」

雪兎は黒い尻尾飾りのストラップをジーンズにぶら下げる。ベルトを通す箇所だ、しかもちょうど真後ろ。
まぁ、このくらいの犬要素なら許容範囲だ。首輪も街の方々にそういうチョーカーだと思ってもらえるだろう。

「はい、カチューシャ」

「……え」

「屈んで」

犬耳カチューシャを渡され、戸惑いながらも言われるがままに膝をつくと首輪に紐が取り付けられた。

「はやく耳つけてよ」

「ゃ、あの……ユキ様、街に出るんですよね。犬のカッコして、首輪引かれてなんて……目立つ」

「街中でSMやってるのなんてそんな珍しくないよ」

「珍しいでしょ! 俺が海外に疎いからって適当言って!」

敷地内ならまだしも街中をこの格好で歩く訳にはいかない。必死に喚く俺にため息をついた雪兎は突然首輪を強く引いた。

「逆らうな、犬」

「は、はいぃ……ユキ様、ごめんなさい……」

赤紫の丸っこくて可愛い瞳で睨みつけ、声変わりもしていないのに頑張って低い声で凄んできた。その可愛さに胸がときめく。
しかも可愛いだけでなく奇妙にも主人らしい威厳も感じた、下腹がときめく。前立腺マッサージ器具をきゅうきゅう締め付けて前立腺を叩かせてしまう。

「はぁっ……ぁあ、ユキ様ぁ……」

「まずは美容院だね、行こっ」

「はい、仰せのままに……」

腹も胸も脳も快感と幸福感でいっぱいだ。俺の全てを満たしてくれる小さなご主人様に首輪を引かれ、俺は異国の街へ繰り出した。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

上司と俺のSM関係

雫@不定期更新
BL
タイトルの通りです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

少年探偵は恥部を徹底的に調べあげられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...