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ゴムを外して (水月×リュウ・サキヒコ)

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リュウがSを併せ持つMだというのは結構な話だが、俺がリュウに調教されている側だというのは納得がいかない。そんな反骨精神すらリュウの望み通りのSに成長するための糧に過ぎないのだろうか。

(……まぁかわゆい彼氏の理想になれるのなら何を利用していただいても一向に構いません、これからもSとして精進して参りますぞ~!)

他の彼氏達もリュウのように俺にどうなって欲しいかもっと言ってくれていいのにな。ありのままの俺が一番だって言うなら、まぁ、趣味は悪いと思うけれど、悪い気はしない。



電車内、俺はリュウを角に追い詰め、彼の背後に立ち、両手で彼の乳首を弄って遊んでやった。

「んっ……ふ、んんっ……ひっ……!」

「知ってると思うけど、俺は次で降りなきゃならないんだ。ゴムは回収させてもらうよ、バイブはいつも通り持ち帰って自分で洗ってまた入れて来い」

「ひゃ、いっ」

周囲の様子を伺いつつ、俺はリュウの肌着の中に手を突っ込み、ビンと尖った乳首の根元を引っ掻くようにしてゴムを外そうとした。

「……っ、く、んんっ……!?」

しっかりと乳首を締めた輪ゴムを外すのには少し苦労した。これが大切な彼氏の乳首だとかではなく、食べかけのパンのビニール袋だとかを留めたゴムなら遠慮なく爪を立てられるのだが。

「ひっ、ぃ……ィくっ、みしゅきぃっ……イって、まうぅっ……!」

「まだ外してすらないんだぞ? もう少し我慢しろよ、堪え性のないラブドールだな」

もう少しで右の方は外せそうだ。

「絶頂禁止自慰禁止ってのがお前にやった命令だったと思ってたんだがなぁ……普段なら調整してやれるんだが、今回は付けたもん外すだけだから難しいな。仕方ない、イっていいぞ。ただし俺に謝りながらだ、命令達成出来なかったんだからな……いいな?」

「ひゃ、いっ……分かりまひたっ、ごめんなしゃいっ、めぇれぇ破ってぇっ……ごめんなさっ……イっ、くぅゔっ……!」

右乳首を締めたゴムが外れた。次は左だ。

「左いくぞ、ちゃっちゃとやらなきゃホームで外す羽目になっちまう。そうすりゃ嫌でも目立つぜ」

「ひゃい……んひっ……!」

「ゴム外したら血行良くなるだろ? 痒くなるよな。揉みほぐしたくなるよな。でも触るなよ? 例外的に許可出したのはイくことだけ、オナニーは相変わらず許してない。分かってるな?」

「んっ、ぅう……ふっ、ひゃ、い……! 分かっ、り、まひたぁっ……」

そろそろ左乳首のゴムも外せそうだ。

「ぁ、あっ……イってまうっ、あかんっ……イきましゅっ、ごめんらひゃいっ、イきましゅっ、イくっ、イぐぅうっ……!」

密着しているからリュウの身体が震えていたのがよく分かった。

(かわゆい~! もうギンッギンですぞギンッギン! はぁあお尻ちっちゃいぷりぷりかわゆいぶち込みたい)

Mを弄んで興奮して勃起した、それは余裕を持ってMを責め立てるべきSにはあまり相応しくない事実だ。勃たないように訓練するのは正解ではない、Mに悟られないようにするのが大切なのだ。

「……着いたな。じゃ、また明日。明日もゴム付けてやるから勃たせて来いよ」

「はぁい……ほなな、水月ぃ……」

車椅子を押して電車を降りる。指に引っ掛けていた輪ゴムを専用の袋に入れ、鞄に戻す。帰ったら輪ゴムを洗浄、消毒しないとな。剥き出しのゴムにそんなことをしていたらすぐ劣化してちぎれるんだろうなぁ……替えのゴム買っておかないと。

(替えのゴムって百個単位でしか売ってないんですよな……ひょっとして使い捨てなんでしょうか)

駅を出て足を止め、ハンドルを肘置きにして手慰みにセイカの頭を撫でる。

「ん……何、鳴雷。押すの疲れた?」

「ゃ、そういう訳じゃないんだけど……リュウ弄ってたら勃っちゃってさ。車椅子押してる間は隠れていいんだけど、全然治まらないからバイトヤバいかもなーって」

「お前ホント…………はぁ……なんでそんなに勃ちやすいし持続するんだよ、同じ男とは思えないな」

「いいだろ? ハーレム主のブツだぜ? とか言ってる場合じゃない、セイカを炎天下にこれ以上置いとく訳にもいかないんだよ。コンちゃん、セイカ押して帰ったげて」

涼しげな鈴の音と共に自販機の影からひょっこりとミタマが姿を現す。手首と足首が辛うじて見える丈の和服に、マフラーを巻いた季節外れの格好の金髪美少年は人目を引く。

「了解なのじゃ!」

ミタマはびしっと敬礼を決め、可愛らしく胡散臭い笑顔を俺に見せた。

「うん、可愛いね。じゃあよろしく」

パシっと軽くハイタッチ。ミタマとセイカと別れた俺は一人バイト先の本屋へ。

「ミツキ」

おっと、一人ではなかったな。

「なぁに、サキヒコくん。ここ監視カメラないから実体化の場所考えなくていいよ」

バックヤードに入り、荷物を置きながらそう言うと着物姿の美少年が姿を現す。

「その……ミツキはそれの処理に悩んでいるんだろう? わ、私が役に立つ時が……来た、んじゃ……ないか、と……思ったのだが、違っただろうか」

とても小柄な彼が指したのは、今もなお立派なテントを築いている俺の股間。

「……サキヒコくんが抜いてくれるってこと?」

「せ、せっかく……実体化出来るようになったのだし、そういう触れ合いもしてみたい……ずっと、水月と他の者がしているのを見ているだけで、その……私も、したいと……前々から」

「嬉しいなぁ。でも初めてがこんな状況でいいの? 情緒も何もあったもんじゃないけど」

「は、初めてっ!? 手淫か何かでは駄目なのかっ? うぅ……初めては流石に海の見える静かな丘の一軒家で布団の周りに花を散りばめるくらいはして欲しいが……」

理想たっか……

「仕方ない! せかんどばぁじんという外つ国の言葉もあるらしい、海丘はせかんどに取っておくとして、ふぁあすとはこの情緒もへったくれもない小汚く狭いここで……!」

割と外来語使いこなしてるな。海丘って、理想のシチュエーション略すなよ。っていうか口悪いな、俺のバイト先そんなふうに思ってたのかよ。ヤバい、ツッコミどころが多いぞサキヒコくん。

「……いや、初めてって性交そのもののことじゃなくて、性的なこと……丸々、ね。手コキ……えっと、手淫って言ってたっけ、サキヒコくんは。うん、手淫だけのつもりだったけど、俺も……バイト開始までそんなに時間ないし」

「むっ、そうか……では早くモノを出すといい。この程度のことで初めてだ何だと面倒臭く騒いだりはしない」

案外冷静なんだなと思いつつ、ベルトに手をかける。サキヒコの顔がじわじわと赤くなっていくのが見えて顔を上げる。

「…………見るな」

ぷい、と実は勘違いに照れていたサキヒコが顔を背けるのが可愛過ぎたからか、下着を少しズラしただけで俺の陰茎は飛び出してきた。
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