冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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あなたが買ってくれたもの

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仰向けに寝転がったハルに覆い被さると彼は目を閉じてしまった。以前の触れ合いでは俺の顔が見えていた方がいいような口ぶりだったはず、目を開けさせるべきだろう。

(父親ではないと、わたくしだと分かれば大丈夫だと以前は仰ってましたな、ハルどの……わたくしの無害さを信じていただけている、わたくしになら触れられ暴かれ穢されても構わないと思っていただけている……あぁ、ハルどの、なんて愛おしい)

恋人に信頼されることほど嬉しいことはなかなかない。

「ハル……」

「……っ」

ハルはぎゅうっと目を閉じる。

「…………目、開けて」

落ち着いた声を意識してそう言うと、ハルは戸惑った様子で瞼を震わせながらゆっくりと目を開けた。

「な、なーにぃみっつん……」

「何って、顔見てた方がいいんだろ? ハルは」

「…………ぁ、そ、そうだね~、みっつんの顔見てないと、うん、だめ……えへへっ、照れちゃってさ、うん……うん」

「……で、上の方がいいんだよな?」

「え? あっ、うん……でも、こういうのって、その……ぃ、い……入れる、方が……上になった方が、しやすいん……でしょ?」

「まぁそうだけど、しやすさよりはハルの快適さに重きを置きたいかな」

「……そぉ? じゃあ……上、で」

俺がベッドに仰向けになり、ハルが俺の腹の上に座る。先程までまともに声も出せないほどだったハルは、俺の上に乗ってから少しリラックスしたように見える。

「ふぅ……み、みっつん、その……どうするの? 服……ぬ、脱ぐ?」

「そうだなぁ、着たままでもいいけど、どっちがいい?」

「…………き、着たままで……いい?」

「あぁ、服汚れちゃうけどそれ何か特別な洗濯の仕方しなきゃいけないヤツとかじゃないよな?」

「う、うんっ、多分、普通……」

「分かった。じゃあ着たままな」

今まで何度も裸を見てきた、というかさっき一緒に風呂に入ったから裸を見たばかりなのに、恥ずかしいのかハルは着衣を選んだ。

「でも下はちょっとズラすぞ?」

「う、うん……」

「その他はそのままでいいからな」

ハルはボーダーのネルシャツにロングカーディガンを羽織り、ダメージ加工がされたホットパンツを履き、黒いニーハイソックスを履いている。三日月型のイヤリングや棒状の飾りがぶら下がるピンクシルバーのネックレス、三本で作ったメビウスの輪のようなデザインの指輪などのアクセサリーも身につけており、風呂を上がった後、夕飯を食べてダラダラ過ごして眠るだけとは思えない格好だ。俺との約束があるからおめかしをしてきたと考えるべきだろう。

「……ね、ねぇみっつん、この服……覚えてる?」

「ん?」

「初めてのデートの時、みっつんが買ってくれた服だよ」

ギャルっぽさからまだハルに苦手意識を持っていた頃、ハルと放課後に服屋に行った。その時に彼が実はピュアな子だと分かって、可愛くなって、服を買ってあげたんだ。ボーダーのネルシャツとロングカーディガンを。

「……もちろん覚えてるよ。あえてなのかなーって思ってたけど、俺が言ったら恩着せがましいかなぁって悩んで」

嘘だ、言われるまで分からなかった。

「え~? 恩着せがましくなんかないよ~。あの時俺ちょ~嬉しかったんだぁ~、ほとんど初対面みたいなもんなのに服買ってくれるなんてさ~、絶対狙われてる~って思ったもんね~。みっつんみたいなカッコ良くて紳士で、完璧っぽい男の子に~……意外と可愛いとこ多かったけど。えへへっ」

「……アクセサリーも、デートで買ったヤツだよな」

「うんっ、覚えててくれて嬉しい~。あんなに彼氏いっぱい居るのに~……みっつん記憶力いいね~。みっつんがぁ、水月だから選んだぁ、三日月のイヤリングとぉ~……みっつんとのペアアクセのネックレス~」

ハルは薄らとハートの半分が描かれた棒状の飾りを持ち、俺の首から下がったお揃いのネックレスと合わせて楽しんだ。

「みっつんも着けてくれてたんだね~。毎日は着けてないよね?」

「あぁ、汚すのも嫌だしな。服に合わない時もあるし……でも今日は、ハルとの日だからな。誕生日プレゼントのバングルも着けてるぞ」

「えへへっ、みっつんのそういう細かいとこに気ぃ付くとこマジで好き~。男は普通そんな細かいこと気にしないよ~?」

「そうかなぁ……?」

普通ではないと言うことだろうかとドギマギするも、褒められているのだからそれほど怯える必要はないかと考え直す。

「…………俺のことすごくよく考えてくれて、俺のことすごく愛してくれてるみっつんになら……何されたって大丈夫! うん、確信持てた! ね、みっつん……だっ、だ……だだ……だ…………抱い、て?」

「……っ!?」

なんて破壊力だ、ダメだ興奮し過ぎるな、冷静になれ、紳士に振る舞え、カッコつけたセリフを返せ
ダメだダメだダメだ……!

「ウヒョッホォーイッ!」

ダメだった! 奇声を上げてしまった! 幻滅されたのでは……?

「……あははっ! 何それぇ、もぉ~……喜んでくれて嬉しいけど~、ムード大事にしてよね~」

「ごごごめん嬉し過ぎてぐへへ」

「ふふ……ほら、みっつん、脱がして……」

初めてとは思えない妖艶な笑みを浮かべ、初めてらしく震える手で俺の手を掴んでホットパンツに触れさせる。何とか整っていた顔も、俺がホットパンツのボタンを外してファスナーを下ろすと照れと緊張と怯えが綯い交ぜになった表情に変わっていく。

「ぅ……」

顔を真っ赤にしたハルのホットパンツを少し下ろす。膝立ちになってくれてはいるが俺に跨るため足を開いているからホットパンツがほとんど下ろせない。まぁ、手を差し込むのには十分な隙間だけれど。

「……っ」

ズラしたホットパンツをのけて、痩身のハルの、肉の少ない小ぶりな尻をまず手の甲で撫で、きっとおろしたての下着の触れ心地と尻の曲線美を愉しむ。

「ひゃうっ……!?」

手首を回し、手のひらで肉の柔らかさを確かめる。慎重に手に力を込めて尻肉の弾力を知っていく。

「ぅ、うぅう……!」

下着越しに尻を揉まれているハルの顔はどんどん赤くなっていく。表情を整える余裕はもうないようで、眉間に皺を寄せて眉尻を下げて口を真一文字に結んで、全身を微かにぷるぷると震わせている。

「…………」

なんと声をかければいいものか迷って、俺は無言でハルの顔を見つめながら手慰みに尻を揉み続けた。
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