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口論の終わりは突然に
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レイの元カレに殴られた件で母に叱られているが、意外と義母が味方してくれている。あらすじ終わり!
「そうね、もう終わったことよ。恋人のために体張るってのもまぁ、イイ男よね。アンタはヘタレだと思ってたから見直したわ。でもね、相手が悪いわよ、その程度で済んで本当によかった……! 私は正直相手を見て喧嘩の売り買い決めるヤツは嫌いよ? でもね、アンタには相手が悪いって引いて欲しかったわ」
「相手が悪いって何よぉ……唯乃ぉ」
「私の会社のクソ犬の従兄弟だったのよ! あのイカレブラコン男、アンタが私の息子じゃなかったら間違いなくアンタ二人がかりでボコボコよ!?」
「あ……話聞いたのあのエロい人、じゃなかった、えっと、あの人なんですね……」
俺への慰謝料の件で母に話をしたのかな? 余計なことを。腫れが引くまで逃げ回っても無駄だったな。
「ゃ、でもあの人……レイに横暴で乱暴なことしてたアイツに対して結構ショック受けてたみたいだったし、ちゃんと謝ってくれたし……まともな人だと思いましたけど」
「何、唯乃の会社の人と会ったの水月くん」
「あ、はい。その元カレのとこ来てて、たまたま俺と争ってるとこに鉢合わせて、仲裁してくれた感じで……その人が元カレ叱ってくれて何とかなったんです」
ヤクザ関係の話を抜くとこんな感じだろう。
「ごめん葉子、ちょっと席外してくれない? 会話のテンポ崩れるわ」
「え~……怒り過ぎちゃ逆効果よ? じゃあ……部屋帰ってるね」
《お、ババア部屋帰んの? 俺も帰ろうかな、何話してるか分かんねぇし空気悪いんだよな。セイカ、部屋でエロいことしようぜ》
《俺は鳴雷の傍に居る。歌見誘え歌見》
「なな~! なーな! なな、来るするです!」
「え、ちょ、俺も話気になるんだが……分かった分かった、引っ張るな」
アキまで部屋に帰ってしまった、しかも歌見を連れて。母を苦手としているセイカが残ってくれたのは意外だったが、助かる、一人にされていたら心が折れていた。
「……! ふふ……」
味方が減った心細さからセイカの手を机の下で握ると、セイカは心底嬉しそうに微笑んだ。
「さて、話の再開よ。まずね……レイちゃんの元カレ、國行くん? この子は私前から知ってたわ、私がアンタとかアキの自慢したらアイツこの子の自慢返ししてきたから」
「ウチの子自慢ですな……いい職場のようで」
「……普通さぁ! 二メートル以上あるヤツと喧嘩するぅ!? 逃げなさいよ!」
「だ、だってレイが……!」
「アンタのそういうとこ男としては好きよ、でも息子としては嫌! 次似たようなことがあったら逃げて!」
「息子が恋人を見捨てるようなヤツで本当によろしいのですか」
「…………よろしい! 死ぬよりマシよ!」
だいぶ悩んだな、ここを突いていけば怒られダメージを最小限に抑えられるかもしれない。
「男の取り合いで死にゃあしません!」
「二メートルよ二メートル! 吹っ飛ばされたりして打ちどころ悪けりゃ死ぬわよ!」
投げられまくっていた子分達、一人くらい死んでんじゃないかな。
「問題は体格だけじゃなく、あのイカレブラコン男の従弟だってことよ。アイツ給料の何割か國行くんにつぎ込んでんのよ? 國行くんの安全で快適な生活のためだけにヤクザ乗っ取るようなヤツの弟よ? アンタ私の息子じゃなかったら殺されてたってことよ!」
「い、いやだから! ちゃんと叱ってくれたんですってあの人!」
「アンタが私の息子じゃなかったら話を聞くまで言ってないのよ。えーん兄ちゃ~ん彼氏盗られたぁ、よーしお兄ちゃんが相手ぶっ殺して取り返してきてやったぞぉ、わーい兄ちゃんありがと~……で終わりよ!」
「それは流石に悪しざまに言い過ぎでそ!」
「……会社の知り合いの息子だからって言うか、秋風の見た目気に入って……秋風の兄貴だから丁寧に対応したって感じのこと言ってた……よな、鳴雷」
「えっ、ぁ、うん、なんかアキ気に入ってたなあの人」
「そういえばアンタに一発ヤらせろって言われたとか言ってたわよ。アンタ初対面の大人に何言ってんの……」
「そっ、それは今関係ありませんぞ! あの方がなんかめっちゃエロかったからつい言ってしまっただけで普段はそんなこと言って回ってませんし!」
話が脱線した。戻そう、セクハラ発言を責められては俺に勝機がない。
「ちょっと殴られただけで終わったんだからもういいじゃないですか! わたくしは部屋に帰ってセイカ様とイチャイチャさせてもらいまそ!」
「待ちなさい! アンタ、やめろって言ったのに穂張にも手ぇ出したでしょ!」
「えぇ出しましたとも! 画家のサンさんだけでなく現ヤクザのフタさんも口説きました!」
「えっ」
フタの件はまだ彼とサンしか知らない、セイカを驚かせてしまった。
「はぁ!? アンタっ……もう! どうして……! やめてって言ったのに……」
「親のやめてで止まる恋などありませぬ!」
「はぁ……私はああいうのに関わるといいことがないから、やめておきなさいって言ってたのに……関わっちゃったんならもういいわ。今更別れたところで逆効果だし……」
「…………マ、ママ上?」
母が頭ごなしに穂張はやめろと言うから必要以上に反抗的に振る舞ってしまったが、落ち込まれると罪悪感が湧いてくる。
「あの……ごめんなさい」
「いいわよ、もう。どうしようもない……私ももう部屋帰るわね、おやすみ二人とも」
「あ……はい、おやすみなさい、ママ上」
「おやすみなさい」
結果としてあまり叱られずに済んだが、なんだろう……スッキリしない。
「そうね、もう終わったことよ。恋人のために体張るってのもまぁ、イイ男よね。アンタはヘタレだと思ってたから見直したわ。でもね、相手が悪いわよ、その程度で済んで本当によかった……! 私は正直相手を見て喧嘩の売り買い決めるヤツは嫌いよ? でもね、アンタには相手が悪いって引いて欲しかったわ」
「相手が悪いって何よぉ……唯乃ぉ」
「私の会社のクソ犬の従兄弟だったのよ! あのイカレブラコン男、アンタが私の息子じゃなかったら間違いなくアンタ二人がかりでボコボコよ!?」
「あ……話聞いたのあのエロい人、じゃなかった、えっと、あの人なんですね……」
俺への慰謝料の件で母に話をしたのかな? 余計なことを。腫れが引くまで逃げ回っても無駄だったな。
「ゃ、でもあの人……レイに横暴で乱暴なことしてたアイツに対して結構ショック受けてたみたいだったし、ちゃんと謝ってくれたし……まともな人だと思いましたけど」
「何、唯乃の会社の人と会ったの水月くん」
「あ、はい。その元カレのとこ来てて、たまたま俺と争ってるとこに鉢合わせて、仲裁してくれた感じで……その人が元カレ叱ってくれて何とかなったんです」
ヤクザ関係の話を抜くとこんな感じだろう。
「ごめん葉子、ちょっと席外してくれない? 会話のテンポ崩れるわ」
「え~……怒り過ぎちゃ逆効果よ? じゃあ……部屋帰ってるね」
《お、ババア部屋帰んの? 俺も帰ろうかな、何話してるか分かんねぇし空気悪いんだよな。セイカ、部屋でエロいことしようぜ》
《俺は鳴雷の傍に居る。歌見誘え歌見》
「なな~! なーな! なな、来るするです!」
「え、ちょ、俺も話気になるんだが……分かった分かった、引っ張るな」
アキまで部屋に帰ってしまった、しかも歌見を連れて。母を苦手としているセイカが残ってくれたのは意外だったが、助かる、一人にされていたら心が折れていた。
「……! ふふ……」
味方が減った心細さからセイカの手を机の下で握ると、セイカは心底嬉しそうに微笑んだ。
「さて、話の再開よ。まずね……レイちゃんの元カレ、國行くん? この子は私前から知ってたわ、私がアンタとかアキの自慢したらアイツこの子の自慢返ししてきたから」
「ウチの子自慢ですな……いい職場のようで」
「……普通さぁ! 二メートル以上あるヤツと喧嘩するぅ!? 逃げなさいよ!」
「だ、だってレイが……!」
「アンタのそういうとこ男としては好きよ、でも息子としては嫌! 次似たようなことがあったら逃げて!」
「息子が恋人を見捨てるようなヤツで本当によろしいのですか」
「…………よろしい! 死ぬよりマシよ!」
だいぶ悩んだな、ここを突いていけば怒られダメージを最小限に抑えられるかもしれない。
「男の取り合いで死にゃあしません!」
「二メートルよ二メートル! 吹っ飛ばされたりして打ちどころ悪けりゃ死ぬわよ!」
投げられまくっていた子分達、一人くらい死んでんじゃないかな。
「問題は体格だけじゃなく、あのイカレブラコン男の従弟だってことよ。アイツ給料の何割か國行くんにつぎ込んでんのよ? 國行くんの安全で快適な生活のためだけにヤクザ乗っ取るようなヤツの弟よ? アンタ私の息子じゃなかったら殺されてたってことよ!」
「い、いやだから! ちゃんと叱ってくれたんですってあの人!」
「アンタが私の息子じゃなかったら話を聞くまで言ってないのよ。えーん兄ちゃ~ん彼氏盗られたぁ、よーしお兄ちゃんが相手ぶっ殺して取り返してきてやったぞぉ、わーい兄ちゃんありがと~……で終わりよ!」
「それは流石に悪しざまに言い過ぎでそ!」
「……会社の知り合いの息子だからって言うか、秋風の見た目気に入って……秋風の兄貴だから丁寧に対応したって感じのこと言ってた……よな、鳴雷」
「えっ、ぁ、うん、なんかアキ気に入ってたなあの人」
「そういえばアンタに一発ヤらせろって言われたとか言ってたわよ。アンタ初対面の大人に何言ってんの……」
「そっ、それは今関係ありませんぞ! あの方がなんかめっちゃエロかったからつい言ってしまっただけで普段はそんなこと言って回ってませんし!」
話が脱線した。戻そう、セクハラ発言を責められては俺に勝機がない。
「ちょっと殴られただけで終わったんだからもういいじゃないですか! わたくしは部屋に帰ってセイカ様とイチャイチャさせてもらいまそ!」
「待ちなさい! アンタ、やめろって言ったのに穂張にも手ぇ出したでしょ!」
「えぇ出しましたとも! 画家のサンさんだけでなく現ヤクザのフタさんも口説きました!」
「えっ」
フタの件はまだ彼とサンしか知らない、セイカを驚かせてしまった。
「はぁ!? アンタっ……もう! どうして……! やめてって言ったのに……」
「親のやめてで止まる恋などありませぬ!」
「はぁ……私はああいうのに関わるといいことがないから、やめておきなさいって言ってたのに……関わっちゃったんならもういいわ。今更別れたところで逆効果だし……」
「…………マ、ママ上?」
母が頭ごなしに穂張はやめろと言うから必要以上に反抗的に振る舞ってしまったが、落ち込まれると罪悪感が湧いてくる。
「あの……ごめんなさい」
「いいわよ、もう。どうしようもない……私ももう部屋帰るわね、おやすみ二人とも」
「あ……はい、おやすみなさい、ママ上」
「おやすみなさい」
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