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一回寝よっか
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歌見とレイに誘われ俺に内緒で外出していたセイカを探し回り、不安と焦燥を溜めていた俺はようやく見つけたセイカに暴力を振るってしまった。謝罪し、許され、安心した俺はセイカに抱きついたままゆっくりと呼吸を整えた。
「俺今日中に仕上げたい絵があるんすよね、送ったら帰るつもりっしたし、俺もう帰るっすよ。歌見せんぱいはどうするっすか?」
「この二人置いて帰るのは不安過ぎるだろ……俺は残る」
「そっすか。んじゃお疲れ様っした。せんぱい、狭雲くん、俺帰るっす。ばいばーいっす」
「……あぁ、バイバイ……ごめんな、レイ」
「バイバイ。えっと……今日はありがとう、ごめんなさい……」
レイは一人で帰っていった。俺はセイカに抱きつくのをやめて手の甲で涙を拭いながら立ち上がり、彼を見送った。
「……水月」
ダイニングに戻ると歌見に名前を呼ばれた。
「先輩……すいません、迷惑かけて。もう大丈夫です。落ち着きました」
「水月は、狭雲に復讐したいとか考えてるのか?」
真剣な眼差しを向けられて、嘘をつくつもりはないのについ目を逸らした。
「……狭雲、少しいいか?」
「ん? うん、何……わ、何、何っ……?」
返事をしないでいると歌見はセイカの服を捲り上げた。
「アザとかは……ないな。狭雲、水月があんなふうに暴力的になるのは今回が初めてか? たまにあるのか?」
「え……?」
歌見のその言葉を聞いて俺の心に冷たい針が刺さった。俺は歌見に疑われているんだ、DV男だと思われているんだ。
「今まで……蹴られたこととか殴られたこと、ないか?」
俺はそんなことしない、してきたのはセイカの方じゃないか。嫌だって、痛いって、やめてって言ったのに、毎日毎日何回も何回も蹴ってきたのはセイカの方だ。
「……鳴雷に? そんなっ、そんなのない、鳴雷がそんなことする訳ないっ」
「前に……胸、引っ掻かれてたろ。本当に何もされてないのか? 俺は二回も見たんだ、お前が心配だよ」
なんでそんなに聞くの、なんでそんなに俺を疑うの、なんでそんなにセイカばっかり心配するの、今までずっと被害者は俺だったのに、俺の時は誰もそんなふうに気にしてくれなかったのに!
「た、たまたまだよっ、その二回しかない! たまたま、本当に……ちょうどよく、歌見が鳴雷の変なとこ見ちゃうってだけ」
「……そうか? 庇ってないな?」
「うん……大丈夫。鳴雷は優しいよ……すごく。辛くなるくらい優しい。だからそんなふうに言わないで……俺を心配してくれるのは、その、歌見はいい人だなって思うけど、やだ……」
「…………分かった。気にし過ぎたな、悪かったよ。何かあったらすぐ言えよ?」
「うん……」
「よし、この話はこれでおしまいだ。水月、お茶もらうぞ」
セイカをソファに残し、歌見は俺の前を横切ってキッチンに入った。廊下への扉の前に立ち尽くしている俺の元に、ソファから転がり落ちたセイカが四つん這いでやってきた。
「鳴雷……」
俺のズボンを掴み、立ち上がろうとしている彼の腕を引っ張り、立たせてやった。片足立ちすら上手く出来ないセイカは俺にしがみついている。
「鳴雷、鳴雷……落ち込んでる? 優しいもんな、お前……俺転ばせたの後悔しちゃってるんだろ。いいのに、別に……怒って手が出ちゃうことなんて誰にでもあるんだから、たまたま俺がちょっと弱過ぎただけで、お前は悪いことしてないよ」
「…………」
「元気出して、鳴雷」
俺を見上げているセイカの暗い瞳には俺しか映っていない。
「……お前が」
「俺が……?」
「…………」
「鳴雷? 俺が何? 俺……また何かダメなことした?」
お前が俺をおかしくしたんだ。レイが言った通り、俺は暴力的な人間じゃない。歌見にDVを疑われるような男じゃない。何時間か無駄に走り回らされた程度で蹴ったりしない、義足の使用すら制限したいほどの独占欲なんて持っていなかった。
セイカが俺の頭をおかしくしてしまった。
「……好き」
「へっ……? あ、ありがと……ぁ、俺もっ、俺も、鳴雷好き……へへへっ」
お茶を飲み終えた歌見はコップを濯ぎ、乾燥棚に逆さに置いた。
「鳴雷……あのさ、怒ってないんなら、その……俺のお願い聞いて欲しいんだ。えっと……だ、抱き締めて……欲しい。いつもみたいに」
あぁ、そういえば……セイカが俺にしがみついて立っているのに、俺が支えたり抱き締めたりしないのは今日が初めてかもしれないな。癖になっているものと思っていたが、俺の手は気持ち次第で動かなくなるものなんだな。
「……鳴雷? いつも……してくれる、よな。だから……今もして欲しいんだけど……鳴雷」
瞼以外の動きを止めて、じっとセイカの瞳を見つめる。死んだ魚のような目が次第に潤み、肩が大きく揺れ始める。泣くかな?
「鳴雷に、ぎゅってされるとすごく幸せな気持ちになって、好きなんだけど…………だ、め……?」
あぁ、泣きそうだ。まだ動くな俺、もう少しでセイカが泣く、もう少しでまたあの可愛い顔が見られる。もう少し──歌見に両腕を掴んで引っ張られ、セイカを抱き締めさせられた。
「何ボーッとしてるんだ、泣きそうじゃないか」
「鳴雷……」
「木芽の件で色々あったんだって? 男前が台無しだ……さっきまで狭雲を探し回ってたみたいだし、そりゃもう立って目開けたまま寝るくらい疲れてるのかもな」
「えっ、寝てるのこれ」
「正確には違うだろうけど、寝てるようなもんだろ。さっきからピクリともしないし……意識はあっても身体は動かないのかもな。少し離れてくれ」
歌見は自分の腕にセイカを掴まらせて俺から離し、壁に手をつかせると今度は俺の背を押してソファまで歩かせた。
「ほら、座れ。っていうかちょっと寝ろ」
ソファの上に転がされ、ソファの背にかけていたタオルケットを被せられる。
「鳴雷……」
四つん這いでソファの前まで移動してきたセイカが俺を心配そうに見つめている。
「……ごめんなさい、疲れてるのに……もっと疲れさせて」
「そういえばアキくんは居ないのか?」
「あっ、病院行ってる」
「木芽の元カレと渡り合ったのはアキくんって聞いたが……怪我したのか?」
「検査。目とか肌とか免疫系……ちょくちょく検査しなきゃダメらしくて」
「ふぅん……? アルビノは大変だな。アニメとか見て赤い目ってのは憧れたもんだが、最近そんな気がなくなってきたよ」
瞼が重い。いや、全身が重い。眠い……歌見の言う通り俺はとても疲れていたようだ。マイナス思考も、それを隠して明るく振る舞うことも出来ずせめて表に出さないようにと黙るのが精一杯だったのも、疲れのせいだったのだろうか。
「あ、鳴雷寝た……? おやすみ、鳴雷」
ちゃんと休んで疲れが取れたら昔の恨みなんて持ち出さず、セイカに優しく接していられるだろうか。
「俺今日中に仕上げたい絵があるんすよね、送ったら帰るつもりっしたし、俺もう帰るっすよ。歌見せんぱいはどうするっすか?」
「この二人置いて帰るのは不安過ぎるだろ……俺は残る」
「そっすか。んじゃお疲れ様っした。せんぱい、狭雲くん、俺帰るっす。ばいばーいっす」
「……あぁ、バイバイ……ごめんな、レイ」
「バイバイ。えっと……今日はありがとう、ごめんなさい……」
レイは一人で帰っていった。俺はセイカに抱きつくのをやめて手の甲で涙を拭いながら立ち上がり、彼を見送った。
「……水月」
ダイニングに戻ると歌見に名前を呼ばれた。
「先輩……すいません、迷惑かけて。もう大丈夫です。落ち着きました」
「水月は、狭雲に復讐したいとか考えてるのか?」
真剣な眼差しを向けられて、嘘をつくつもりはないのについ目を逸らした。
「……狭雲、少しいいか?」
「ん? うん、何……わ、何、何っ……?」
返事をしないでいると歌見はセイカの服を捲り上げた。
「アザとかは……ないな。狭雲、水月があんなふうに暴力的になるのは今回が初めてか? たまにあるのか?」
「え……?」
歌見のその言葉を聞いて俺の心に冷たい針が刺さった。俺は歌見に疑われているんだ、DV男だと思われているんだ。
「今まで……蹴られたこととか殴られたこと、ないか?」
俺はそんなことしない、してきたのはセイカの方じゃないか。嫌だって、痛いって、やめてって言ったのに、毎日毎日何回も何回も蹴ってきたのはセイカの方だ。
「……鳴雷に? そんなっ、そんなのない、鳴雷がそんなことする訳ないっ」
「前に……胸、引っ掻かれてたろ。本当に何もされてないのか? 俺は二回も見たんだ、お前が心配だよ」
なんでそんなに聞くの、なんでそんなに俺を疑うの、なんでそんなにセイカばっかり心配するの、今までずっと被害者は俺だったのに、俺の時は誰もそんなふうに気にしてくれなかったのに!
「た、たまたまだよっ、その二回しかない! たまたま、本当に……ちょうどよく、歌見が鳴雷の変なとこ見ちゃうってだけ」
「……そうか? 庇ってないな?」
「うん……大丈夫。鳴雷は優しいよ……すごく。辛くなるくらい優しい。だからそんなふうに言わないで……俺を心配してくれるのは、その、歌見はいい人だなって思うけど、やだ……」
「…………分かった。気にし過ぎたな、悪かったよ。何かあったらすぐ言えよ?」
「うん……」
「よし、この話はこれでおしまいだ。水月、お茶もらうぞ」
セイカをソファに残し、歌見は俺の前を横切ってキッチンに入った。廊下への扉の前に立ち尽くしている俺の元に、ソファから転がり落ちたセイカが四つん這いでやってきた。
「鳴雷……」
俺のズボンを掴み、立ち上がろうとしている彼の腕を引っ張り、立たせてやった。片足立ちすら上手く出来ないセイカは俺にしがみついている。
「鳴雷、鳴雷……落ち込んでる? 優しいもんな、お前……俺転ばせたの後悔しちゃってるんだろ。いいのに、別に……怒って手が出ちゃうことなんて誰にでもあるんだから、たまたま俺がちょっと弱過ぎただけで、お前は悪いことしてないよ」
「…………」
「元気出して、鳴雷」
俺を見上げているセイカの暗い瞳には俺しか映っていない。
「……お前が」
「俺が……?」
「…………」
「鳴雷? 俺が何? 俺……また何かダメなことした?」
お前が俺をおかしくしたんだ。レイが言った通り、俺は暴力的な人間じゃない。歌見にDVを疑われるような男じゃない。何時間か無駄に走り回らされた程度で蹴ったりしない、義足の使用すら制限したいほどの独占欲なんて持っていなかった。
セイカが俺の頭をおかしくしてしまった。
「……好き」
「へっ……? あ、ありがと……ぁ、俺もっ、俺も、鳴雷好き……へへへっ」
お茶を飲み終えた歌見はコップを濯ぎ、乾燥棚に逆さに置いた。
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あぁ、そういえば……セイカが俺にしがみついて立っているのに、俺が支えたり抱き締めたりしないのは今日が初めてかもしれないな。癖になっているものと思っていたが、俺の手は気持ち次第で動かなくなるものなんだな。
「……鳴雷? いつも……してくれる、よな。だから……今もして欲しいんだけど……鳴雷」
瞼以外の動きを止めて、じっとセイカの瞳を見つめる。死んだ魚のような目が次第に潤み、肩が大きく揺れ始める。泣くかな?
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「鳴雷……」
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「えっ、寝てるのこれ」
「正確には違うだろうけど、寝てるようなもんだろ。さっきからピクリともしないし……意識はあっても身体は動かないのかもな。少し離れてくれ」
歌見は自分の腕にセイカを掴まらせて俺から離し、壁に手をつかせると今度は俺の背を押してソファまで歩かせた。
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「鳴雷……」
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