冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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テスト前週間初日

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アキが風呂から上がったらまた俺の制服を着せ、しこたま愛でてやろうと考えていたのだが、更によく考えてみれば明日は彼氏全員が集まる勉強会なので寝不足のまま過ごしたくはない。

「……ってことで、彼シャツプレイはまた今度な」

ほこほこという擬態語が似合う風呂上がりのアキは寝間着に身を包んでいる。

「お兄ちゃんお風呂入ってくるから、アキはもうねんねしてな。レイは今日いつ頃寝るんだ?」

「んー……もうちょい起きてるっす」
 
「日付変わる前までには寝ろよ、俺の腕の中潜り込んでおいで。ぎゅーってしてやるからさ」

「そ、そんなのドキドキして寝れないっすよぉ……」

今晩は珍しくどちらとも身体を重ねずに眠った。翌朝、アラームが鳴るよりも前に目を覚ました。陰茎に妙な感覚があったからだ、温かく濡れたものに包まれ、弾力のある柔らかいものに絡み付かれ、硬い金属製の小さな何かをカリ首に押し付けられ──

「ん、ぅう……何…………レイ?」

──ていた。レイが俺の陰茎を咥え、舌ピアスをくりくりと擦り付けていたのだ。上体を半端に起こし、俺の陰茎を舐めしゃぶっているレイを見下ろすと、恍惚としていた彼は俺が起きたことに気付いて目を見開いた。

「……っ!? ぁ、おふぁよ、ごりゃいまふっふしぇんぁい」

「んっ……! 咥えたまま喋るなよ……」

「ん、ふふふ……んっ、ん、んん……!」

俺の顔を見て嬉しそうに笑ったレイはゆったりと舐め回すだけのフェラをやめ、激しく首を振り始めた。喉奥まで咥え込んでのその首の動きは俺の陰茎を扱くには十分過ぎる刺激で、寝ている間丹念に舐め回されて敏感になっていた俺はすぐに射精してしまった。

「……っ、くぅっ……ふ、ぅ…………ありがとうな、レイ」

先端をちゅっと吸って中に残っていた分まで吸い出してから口を離し、幸せそうな顔で俺の精液を咀嚼するレイの頭を撫でる。

「気持ちよかったしありがとうだけどさ、なんでしゃぶってたんだよ」

「ん……だって、勃ってたんすもん」

ごくりと喉を鳴らして俺の精液を飲み干し、年齢を感じさせない可愛いらしい顔で俯く。

「せんぱい昨日どっちともヤってないっすから、溜まってるかなーと思ったんす。親切心っすよ、逆に感謝して欲しいっすね……感謝はしてくれてたっすね、どういたしましてっす」

「おはようフェラは好きなシチュだよ。気が向いたらいつでもやってくれ」

「俺せんぱいに抱かれたら早起き出来ないっすし、アキくんとヤったらせんぱい朝勃ちすら出来ないほど搾られるじゃないっすか。して欲しいなら機会を作ることっすね」

「おはようフェラは好きだけど夜我慢するのは嫌だからなぁ……ま、考えてみるよ。アキ起こしてくれ、朝ごはん作ってくる」

いつも通りの朝の時間を過ごし、いつも通りに美少年二人に見送られて学校へ向かう。今週はテスト前週間なので授業は午前までしかない、何となく得した気分で校門前に集まった。

「近くの駐車場に車を呼んである。紅葉家まで直行で構わないな? 一度帰って保護者等に断りが必要な者は居るか?」

「ないけど~……可愛いカッコしなきゃやる気出ない~。着替えたいから一回帰りたい~」

「車内で肉まん食べていいならコンビニ寄ってください」

「あの、俺セイカ迎えに行かなきゃいけないんで電車で行きます。住所詳しく教えてくれませんか?」

「おや、ならもう一台呼ぼうか?」

「い、いえ! 大丈夫です、電車で行きます。アキ達と合流しなきゃいけませんし、それじゃっ!」

スマホを取り出したネザメに遠慮しながら走り出し、彼氏達に手を振って駅へ向かった。

「ふぅっ……富豪の好意ってたまに怖いんだよなぁ、規模がすごくて……」

電車に乗り、車窓から外を眺めながらぼうっと「セイカのことを考えたら車があった方がよかったのでは?」と何も考えずに遠慮した自分の浅慮さを悔やんだ。

「暑い……あぁ、ごめんなセイカぁ……車乗れたかもしれないのに……」

六月下旬の蒸し暑さに、俺は思わずここに居ないセイカに謝った。今日はアキは見舞いに行っていないはずだ、レイが普段と違う時間に一人で外に出るのは俺が不安だからと家に残ってもらっている。駅で二人と合流する予定だ。

「……あっ、あの子じゃない?」

そろそろレイにメッセージを送っておくかとスマホに手を向かわせたその時、ちょうど前を通っていたカフェの店員らしい女性が俺を指した。女性の脇には背の高い厳つい男が二人立っており、彼らの視線が俺に向いた。

(走……逃げ……いや、刺激するとまずいタイプかもですな、人違いでしょうし)

一人はスーツ、もう一人はタンクトップ、タンクトップを着た方の男は顔と手と首周り以外では元の肌が見えないくらいに刺青が入っている。和彫りだ。タンクトップの男の方は耳や口元に大きなピアスがある。

(……トライバル系ならまだしも和彫りは反社の雰囲気が、いえいえ偏見はいけませんぞ。和彫りは美しいですからな、ファッションでそファッション……ファッションですよな?)

男達が近付いてくる。スーツを着た男の手にはスケッチブックがあった。あるページを開いた状態で持っている。

「どーぉヒト兄ぃ、コイツぅ?」

タンクトップの男がスケッチブックを覗き込むのも構わず、スーツの男は俺の顔の隣にスケッチブックを持ち上げた。さりげなく覗いてみるとそのスケッチブックには俺の顔が描かれていた。

「アッハそっくりぃ、サンはやっぱ絵ぇ上手いな~。なんで見えてねぇもん描けんのか意味分かんねぇけど」

「……少しいいですか?」

「は、はい……何の御用でしょう」

「少し話があるんです。暑いですし……私の車へどうぞ、クーラー効いてますよ」

男の視線の先には黒い車が停まっている、詳しくはないが多分高級車だ。車に乗るのはまずい、こういう目に遭うのは女子高生の方だと思っていたがまさか180越えの俺でさえ狙われるとは……

(乗ったら最後でそ、きっと内臓売り捌かれまそ)
「ぁ……いや、あの、俺……急いでて」

「弟が世話んなったらしーじゃあん。そのお礼したいだけだってぇ、そう警戒すんなよぉ」

(……走ろ)
「人違いです!」

俺はガードレールを飛び越えて車道を突っ切り、車が入ってこれなさそうな細い道へと走った。

「あっクソ待てやクソガキぃっ!」

「やめなさい。あの制服は十二薔薇です、追いかける必要はありませんよ」

「え、ガッコ出待ちすんの? さっすがヒト兄ぃ陰湿ぅ」

「私達の可愛い可愛い弟のためです、頑張りましょうね」

走る途中で振り返ったが、追いかけてきてはいなかった。けれど俺は念の為細い道を通り、遠回りをして病院へ向かった。
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