冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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今年初めてのプール

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俺もハルもリュウも水着はパンツ型のもの一枚で上半身裸という男らしい姿なのに、シュカだけはラッシュガードを着ている。首も手首も隠れている。

「一番上裸似合うのに……肌弱かったっけ?」

「いえ、先生に着ろと言われていまして」

「開発途上の乳首がえっちだからか?」

「刃物傷のせいではないかと思います」

「スカーボディがえっちだからか」

「……もうそれでいいです」

シュカはメガネをメガネケースに収めると代わりにゴーグルを着けた、どうやら度入りらしい。

「着てたら着てたでエロいな、ラッシュガード黒いからちょっと小柄に見えるし、みんな裸なのに一人だけかっちり着てたら脱がしたくなるって言うか……シュカ、水泳見学にしないか? 襲われちゃうぞ」

「行きましょう皆さん」

「無視しないでぇ!」

プールサイドに集まって点呼を取った後、とんでもない勢いで冷水が降り注ぐ地獄の如きシャワーを越えて再びプールサイドに並んで水泳帽を被る。

「帽子入んない~」

「髪が長過ぎるんですよ、切ってしまいなさい」

「やだぁ~!」

ハルの今日の髪型は高い位置でのポニーテールだった。水泳帽を被るにあたり、結び目に髪を巻き付けて即席おだんごヘアを作り、ほどけないうちに帽子を被ってしまうという作戦を取っているようだが、苦戦しているらしい。

「前髪出てますよ」

「ぅ~……しゅー後ろ押さえててぇ~」

水泳帽のもっこりとした奇妙な膨らみが何とも言えない不可思議な雰囲気を醸し出している。長髪が隠れると上半身裸であることへの抵抗感も薄れてきたので、俺が女性らしさを感じるのは長い髪だということが分かった。

(ママ上はショートヘアなんですがなぁ……あ、でも、店長を始めとしてママ上の彼女さんはサラツヤロングの方が多かったような。うーむママ上の好みは分かりやすいですな)

俺は違う属性を持った子達に満遍なく手を出したいから、母とは恋愛観が違うんだな。

「水月ぃ、ペア作るんやって。一緒にやろぉや」

「あぁ、いいぞ」

「……取られてしまいましたね。仕方ありません、霞染さん、ペア組みましょう」

「みっつんとがよかったなぁ~」

水泳の授業中は二人一組で行動するらしい。一回目の授業だからと言うのもあり、まず水に慣れるため全員でプールに浸かった。

「おぉ……深いなぁ、爪先しかつかへん」

「俺は足の裏べったりつくぞ、リュウちっちゃいもんな」

「言うほどちっさないわ! あ、せや水月ぃ、頭掴んで水に沈めてくれへん? 死ぬギリギリで上げてくれてもええし、いっそ殺してくれても俺は……へへへ」

「ドM要望は俺が犯罪者にならない範囲にしてくれ」

軽い息止めやバタ足の練習が終わり、教師がクロールの腕の動きを実演したら、後はもう順番に泳ぐだけだ。25メートルのプールを端から端まで泳ぎ、プールサイドに上がって列に並び、また泳ぐ、それを二時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り響くまで繰り返すのだ。

「中学の頃とは身体の浮き方が違う……あ、お疲れリュウ、遅かったな。途中立ってたろ」

中学時代は勝手に浮かんでいた身体が今は沈む、脂肪と筋肉の差を実感していると25メートルを泳ぎ終えたリュウが疲れた顔で俺の後ろに並んだ。

「色々計算して最高効率の腕の動かし方を導き出してんけど、その通りに腕が動かんねん……」

「最高効率ぅ?」

「水の抵抗は知ってるやろ? それを減らしたらはよ泳げんねん、マグロとかペンギンの形がええねん」

「あー……前向くより下向いてた方が速いとかそういうアレか?」

「せや。身体の角度はもちろん飛び込みの角度も腕の動きも計算してめっちゃ速い泳ぎ方編み出したんに……飛び込んだ瞬間腹打ってまうわ、腕でびったん水面叩いてまうわ、散々やわ」

身体が追い付かないんじゃ類まれな数学の才能も水泳には活かせないな。

「はぁ……上手くいかん。ちょおもっかい計算するわ」

「計算ミスとかじゃなくて慣れ不足だよ。泳げ泳げ、ほらっ!」

プールサイドに座り込んで乾いた場所に濡れた指で数字を書き始めたリュウを抱え、プールに放り込む。

「鳴雷! やり過ぎだ!」

流石に教師に叱られてしまったが、その一言だけの注意で済んだ。教師陣から俺への信頼の厚さとリュウへの信頼のなさが分かる。

(リュウどの入学当初こそ暴れん坊でしたが、最近はもうめっきり大人しくなりもうしたのに……確かに授業は聞いていませんし、授業中に寝てたりもしますが)

俺も授業を聞かずカンナを眺めていたりはするが、真面目に受けているように見えるらしく注意されたことはない。

「よ、泳げたか?」

「……もっかい投げてぇ?」

「怒られたからやだ」

「投げてぇやぁ、いけずぅ……もっと乱暴にされたいねん、なぁ水月ぃ」

「ベタベタ引っ付くな」

「ぁん……いけず、最高……へへ」

リュウが腕に抱きついてきて濡れた肌同士が触れ合った。冷えた皮膚表面と、その下の温かい肉の気配、媚びた声と表情は俺の欲を煽るのには十二分に──つまり水着なのに勃っちゃってどうしようという話だ。

(やばいやばいやばいやばい勃ってるめっちゃ勃ってる、冷たい水に浸かれば萎え……ませんなぁ! 屈強な息子でホントお父さん困っちゃいますぞ)

勃起隠しと萎縮狙いでプールに飛び込んだが後者の狙いは外れた。気温と水温が低いからと今日はプールサイドへのバスタオルの持ち込みが許可されている、俺は25メートルを泳ぎ終えた後それを羽織り、股間を隠した。

「すいません先生、トイレいいですか? お腹冷えちゃって」

「さっさと行ってこい」

リュウの水着姿を思い出しながら一発抜こうとトイレに入ると、個室の扉のドアノブをひねる俺に声をかける影があった。

「みぃ、くんっ」

「カンナ、どうしたんだ? カンナもトイレか?」

「……みぃくん、お腹、なん……と、な……で、しょ? てんくん……ぎゅ、されて……たっちゃったの、ぼく、見てた」

「バレてたか」

クラスでただ一人制服のままのカンナは俺にずずいっと近寄り、首を傾げながら俺を見上げて口を開けた。

「…………」

棒を咥えるための開き方だ、下唇の縁まで伸ばされた舌がなんともいやらしい。無垢で純情だった可愛いカンナももう随分と淫らになったものだ。

「……気持ちよさそうなお口だな」

それだけ言って水着を下ろして便器に腰を下ろすと、カンナは個室の扉を後ろ手に閉じて床に屈んだ。
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