冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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熱い口の中

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冷たいプールに浸かった身体は冷えていたようで、熱く昂って膨張したはずの肉の棒も見学者だったカンナの口内に収められると熱さを感じた。

「……っ、ぅあ……」

陰茎を咥えられて思わず声が漏れた。

「ん……んっ……」

唇をすぼめて、裏筋に舌を這わせて、俺とは違って可愛らしい声を漏らしながら俺の陰茎を舐めしゃぶる。雄の欲の象徴を咥え込むには心許なく見える小さな口が、くぷくぷと音を立てて空気を抜きながら俺の陰茎の生え際に口づける。

「はぁっ……プールで、冷えてたからかな……カンナの口が熱い、溶けそうだよ、気持ちいい……」

猫を愛でるように顎や頬を撫でてやればカンナは機嫌を良くして頭を前後に揺らし、大人しそうな見た目に似合わない淫猥なテクニックを見せてくれる。

「……っ、あ……やばいっ、もう出るっ、カンナっ……!」

じゅぼじゅぼと音を立ててしゃぶられて長持ちする訳もなく、亀頭をぢゅうぅっと吸われて呆気なく射精した。カンナは白濁液を舌の上に溜め、それを俺に見せつけてから丁寧に嚥下し、自慢げに微笑んだ。

「あぁ……気持ちよかったよ、ごっくんも完璧、可愛かった……腰抜けて立てないかも」

「……やく、じゅぎょ……もど、ないと……こら、れ……よ?」

「それは分かってるんだけどなぁ……」

「立っ……て、みぃく……立つ、の」

俺の腕を掴んでぐいぐい引っ張るカンナはとても可愛らしい。いつまでも見ていたくてつい踏ん張ってしまったが、流石にそろそろ戻らないと叱られるなと立ち上がった。

「わ……!」

突然俺が立ち上がったからか俺を引っ張っていたカンナはバランスを崩した。俺は慌ててカンナの腕を引いて彼を抱き締めて支えた。

「ぁ、り……と」

赤らんだ顔で俺を見上げるカンナを見ていたらまた勃ってしまう。俺はすぐに目を逸らした。

「急に立ってごめんな、俺の方こそありがとうカンナ。それじゃあプールに戻るよ」

「ぼ、くも……」

「あ、そっか。見学でもプールには居るもんな」

その後は彼氏達から距離を取り、話しかけられても目線を逸らした。授業中は特に何も言われなかったが、チャイムが鳴って更衣室に戻ると脛を蹴られた。

「何すんだよ!」

「あなたがずーっと目を合わせないからです! なんなんですか一体、今日の空模様はあなた好みの美少年なんですか?」

一番に文句を言ってくるのはハルだと思っていたからシュカに蹴られた瞬間は驚いた。同時に俺の対応が悪いと拗ねたりするのだなと可愛らしくも思った。

「……見てたら勃っちゃうから」

「このクソ童貞が」

俺は中学時代から水泳の授業中の勃起に悩まされているのだが、他の者達はその悩みを抱えたことはないのだろうか? クラスメイトの有象無象のヘテロ共は仕方ないにしても、シュカは男の裸に興奮するだろう。そう主張した。

「男の裸なんて見慣れてますから何ともありません」

「クソ……枯れてやがる。ハル……」

「俺別に男の裸に興奮はしないかな~」

「……リュウ」

「俺ぁ虐められんと勃たへん」

落ち込みながら制服に着替えた俺は一縷の望みをかけて更衣室の外で俺達を待っててくれていたカンナに迫った。

「カンナっ、カンナはさ、水泳の授業中に勃っちゃうことないか? だってみんな上裸だし、太腿丸出しだし……勃つよな? な?」

「見苦しいってみっつ~ん」

「カンナはお前らと違ってちゃんと生粋のゲイだもん!」

「私も生粋ですよ」

戸惑っている様子のカンナを見つめると、彼は申し訳なさそうに「今まで水泳の授業中に勃ったことはない」と話してくれた。

「ぅう……カンナもか。ありがとう、ごめんな恥ずかしいこと聞いて」

「待っ、て……まだ」

「ん?」

「……ぼく、ね……今まで、は……なか、た……けどっ…………今日、は……みぃくん、ずっと……見て、たから……みぃくん、には……ぼく」

恥ずかしいのか明言を避けようとするカンナへの愛おしさが膨らみ、口を固く閉じたまま文字化不可能の奇声を上げた。

「うわみっつんキっモ」

「勃っちゃったんですか? 時雨さん」

「たっ、ては……な…………おなか、ぎゅ……て、痛い……くら、に……なっ、て……みぃくん、の……欲し、な……って」

「ケツが疼いたと……ふふ、すっかりネコちゃんですねぇ。今の可愛いセリフ、水月ったら聞き逃したんじゃないですか? ダメですよ霞染さんキモいなんて言っちゃ、水月のメンタルは弱いんですから」

「だってぇ~……」

ハルにキモがられたショックから立ち直ったのでカンナを抱き締める。

「ちゃんと聞いてたよカンナ。お腹痛くなっちゃったのか? あぁ……可愛いよカンナ、今すぐ抱きたい。三時間目って何だっけ、何とかサボれないかな」

「社会です」

「無理かぁ……カンナ、昼休みまで我慢出来るか?」

「は? ちょっと、昼休みは私でしょう」

「今日はまだ予約受けてないでーす。裸見ても勃ってくれない枯れメガネよりお腹痛くなっちゃうかわい子ちゃん抱きたいのは当然だろ?」

先程の「クソ童貞」という暴言を根に持っている俺はカンナの頬にちゅっちゅっと唇を触れさせながらシュカを煽った。

(さーて怖いヤンキー口調で罵倒してくるか、暴力か……はたまた両方か)

シュカを煽って一番ダメージを受けるのは俺なのに、どうしてこんなことをしてしまうのだろう。俺もドMなのかな。なんて、俺は自傷行為紛いのじゃれ合いを楽しんでいるつもりだったが──

「……っ!」

──シュカにとっては結構ショックだったらしく、暴言も暴力もなく走り去ってしまった。

「…………やばい、言い過ぎた」

「え~、しゅー普段の態度ひっどいんだからあのくらいの嫌味よくな~い?」

「そう思うよな? それがダメだったみたいだ……ごめんみんな、先に帰っててくれ!」

と言いつつも走って教室に戻ってみたが、シュカは居なかった。水着やタオルなどの荷物を置いて男子トイレを見に行き、人が居なかったので階段を駆け上がった。

「……シュカ! 居た、よかったぁ……どこ行っちゃったのかと思ったよ」

ネザメ達と付き合う前に活用していた屋上への扉の前の踊り場にシュカは居た。扉を背にして蹲っていた。

「…………言い過ぎたよ。クソ童貞とか言われたのちょっとムカついててさ、男らしくもなく根に持って心にもないこと言っちゃった。カンナのが抱きたい気分だったのは本当だけど、枯れメガネなんて思ってないしシュカもとっても可愛いよ」

三時間目開始のチャイムが鳴り響く中、俺は蹲ったまま動かないシュカの隣に腰を下ろし、彼の肩を抱いた。
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