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安心を与えるリスク

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情けなく男らしくない姿を見せるとハルは安心し、あまり怯えないことが分かった。なので、今後はプライドを犠牲にどんどん情けなくなっていこうと思う。

「……しゅーみたいにヤらせてあげらんないし、しぐしぐみたいにベタベタ甘えらんないし、りゅーみたいにワガママ言えないし、ちょっと焦ってたとこあるんだよねー、俺」

力は弱いけれど、俺の頭を精一杯抱き締めてくれているのが分かる。薄い胸だからこそ鼓動がよく聞こえてリラックス出来る。

「こんなふうに甘えてくれるなんて嬉しい……他のヤツにはこういうとこ見せらんないよねっ、ねっ?」

「そ……う、だな。そうだな……こんなふうにガッツリ甘えるのはないかも。ごめんな、情けないとこ見せて」

「嬉しいんだって! 俺もみっつんの役に立ってるんだなーって……必要とされてるんだなって」

安心してもらうために手を出さなかったのに、手を出さないことで不安感を与えていたとは……難しいな。だが、その調節こそ俺の役目だ。ハーレムを許してもらっているのだから、普通よりも楽しませなければならない。

「……よし、そろそろ寝よっか。朝早いもんね」

「あぁ、ごめんな」

歯磨きなどはもう終えている。寝間着も着ているし、後はもう眠るだけだ。

「あ、そぉそぉ忘れてた。見て見て~」

ハルは俺の前に立ってくりんと回って見せた。寝間着を見て欲しいらしい。季節外れのもこもこした生地、淡い色の縞模様、萌え袖狙いの長袖、太腿丸出しの短い丈……なんだか見覚えがある。

「なんだっけ……何とかピケ? 可愛いな、似合うよ」

「似合う? マジ? やったぁ!」

わざとらしくはしゃいだ後、ハルは顔をほんのりと赤くして目を伏せた。何か気になることでもあるのかと覗き込むと目を逸らされた。

「……っ、今日、さ……床に布団敷いて、ジャンケンでベッド使う方決めようと思ってたんだけど」

「俺が布団でいいよ」

「だけど! 思ってたんだけど! い、一緒に寝よ……?」

「……それって!」

一瞬遅れてハルの言っていることを理解し、思わず立ち上がる。

「変なことしたら蹴り落とすから! 明日早いんだし、ライブなんだし、お触り禁止! ま、まぁ、抱き枕になってあげるくらいはいいけど~……?」

「分かった、何もしない。その服の触り心地気になってたんだよな」

そう爽やかに微笑んで言いながらも内心は──

(生殺しっ! 生殺しでそハルどの! 寝顔見抜きが楽な分、別々に寝た方がマシでそ! ベッドで一緒でお触り禁止ででも抱き枕はOK……アンタホントに男ですか!? 同じ男なら分かっていただきたいでそ、性欲という獣の存在を!)

──と大騒ぎ。

「ハル壁側に寝ろよ、俺寝相いいから」

「俺の寝相が悪いみたいに言わないでよ~……あっ、枕使っていいよ」

シングルサイズのベッドに寝転がり、唯一の枕を一人で使わせてもらう。ハルは……と聞こうとしたが、その前に彼の頭は俺の二の腕に乗った。

「……腕枕?」

「うんっ、夢だったんだ~。みっつんが彼氏になった時から、ずっと……こうして寝たかった」

右腕を引っ張られ、細い身体を抱き締めさせられる。

「……みっつん、大好きだよ。おやすみ」

ハルはそう言うとすぐに部屋の電灯を枕元のリモコンで消した。俺の服の胸元をきゅっと掴んだ弱々しい手が可愛らしい。

「…………おやすみ」

抱き寄せて背をぽんぽんと優しく叩き、俺も目を閉じる。

(……って、寝れるか! 安心してくれるのは嬉しいんですぞ? でもわたくし理想のパパンとかじゃありませんからな!? 並の男より性欲強めの彼氏ですからな!? そりゃハルどのが覚悟決めて気分乗った時にしか手ぇ出しません、出しませんけども、けどもぉ!)

目を閉じていても全く眠れない。手慰みとしてハルの腰まで伸びた長髪を梳いてみる……ムラムラしてきた、やめよう。まずいな、既に勃ちかけてはいるが完全に勃ったら流石に気付かれ──

「…………みっつん」

──たか?

「髪……してて。今の気持ちよかった……もうちょっとだけでいいから、お願い」

セーフ! ハルはまだ勃起には気付いていないようだ。このまま腰を引いたままでいよう、毛布からはみ出て寒いけど。

(…………すぅすぅ寝息立てて寝てますなぁ。をてぃんてぃん痛いので抜きに行きますか)

ハルの頭を枕に移し、そっとベッドから抜け出すと服の裾を掴まれた。

「どこ行くの……?」

「起こしたか、ごめんな。トイレ行くだけだ、すぐ帰ってくるから寝てていいぞ」

「……ん」

廊下に出ると物音が聞こえてきた、まだ姉達は起きているようだ。自慰に気付かれないようにしないとな。

(消臭剤とか置いてるでしょうし、イケるイケる)

そう思わなければやっていられない。もうパンパンに張って痛いのだ。

(ふぅー……何事もなくトイレ到着でそ。さぁ抜き抜きしますぞ~)

先走りの汁を垂らす陰茎を握り、ハルの太腿を想像したり髪の触り心地を思い出したりしつつ、ひたすらに扱いた。

(一発目ぇ! うーむ……収まりませんな。二発目っ…………ダメだ。もう一回だけ……!)

早く抜き切ろうと強く擦っていたせいか、別の意味で痛くなってきた。

(なんで彼氏の家に来てまでオナらなきゃいけないんでそ~!)

落ち着いてきた気もするが、ハルの添い寝があってはどうせまた勃つだろうし……こういう時ばかりは自分の絶倫っぷりが嫌になる。
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