冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
153 / 2,304

一人ばかり構わないで

しおりを挟む
リュウは屋上の扉前の踊り場でしばらく休むと言い、三時間目の授業に参加しなかった。久しぶりに不良らしい姿を見た気がする。

「職員室呼び出されてもうた……昼休みやて」

「ドンマイ」

三時間目の後の休み時間、昼休みに叱られる予定を入れられて落ち込んでいるリュウを慰めていると、くいくいと服の裾を引っ張られた。

「カンナ? どうしたんだ」

「ぼく……に、も…………かま、て」

「構って欲しいのか? あぁ、ごめんな」

教室では他のクラスメイトの目があるので大したスキンシップは出来ない。肩を組んで抱き寄せるくらいが関の山だ。

「委員長、今よろしいですか?」

左腕でカンナの肩を抱いている俺の右側にシュカがひょこっと顔を出す。

「昼休みの予定はもう埋まっていますか?」

「あー……悪い、職員室にちょっと用事があるんだ」

「水月も呼び出されとるん? ほーん、そんなら会うかもなぁ。ま、会っても話されへんやろけど」

「五、六時間目は連続で家庭科ですから休み時間なんてあってないようなものですし……私はこの身体の疼きをどうすればいいのですか?」

小声とはいえ教室でそんなセリフを吐くなんて、元不良集団のヘッドらしい度胸だ。身体の疼きなんて聞かされては俺の陰茎が臨戦態勢に入ってしまう。

「用事早めに片付けられるよう頑張るよ」

「……そんな不確定情報で準備をしておくのは嫌です」

機嫌を損ねてしまったようだ。シュカはぷいっと顔を背け、教室を出ていってしまった。

「…………みぃくんっ、ぼくに……かまっ、て」

「あ、あぁ……ごめんごめん。ちょっと引っ付いて誤魔化したみたいになっちゃってたな、そんなつもりはなかったんだけど」

ぷくっと膨れたカンナの頬を撫でた後、不意打ちで顔を掴むように両頬を軽く押さえる。するとカンナの唇は閉じていられず、ぷっと息が漏れてしまう。

「……っ、うぅ……!」

恥ずかしかったようでカンナは顔を真っ赤にして俯き、俺の胸や腹をぽすぽすと叩いた。

「ふふ……可愛いよ、カンナ」

手探りで頬に触れてみると擦り寄ってきたのでつまんでみる。

「……み、くん…………っぺ、すき……?」

「ほっぺ好きかって? 前も聞いてなかったか? もちろん好きだぞ。カンナはもちもちしてていいな」

口元を緩めているのだろう感触がある。俺はクラスメイト達に背を向けるようにカンナを誘導し、頬を弄ぶのをやめて腹を撫でた。

「お腹もふにふにしてるな」

「ん……」

ぷにぷにもちもちとした感触は幼児に近い、こんなふうに幼児に触れた経験はないけれど。

「太腿もかな?」

「……!」

スラックス越しの太腿をするりと撫で、内腿に手を滑らせる。そうするとカンナはきゅっと俺の手を挟んだ。

「今度、家でゆっくりカンナの身体を堪能したいな。手や目はもちろん、舌でも」

カンナは俯いたまま返事をしてくれない、きっと真っ赤な顔で照れているのだろう。

「またカンナの家に遊びに行くのもいいけど、カンナが俺の家に来るっていうのもいいなぁ……カンナはどっちがいい?」

「みぃくん……ち……って、た……」

「みぃくんち行ってみたい? 俺の家に来たいのか、嬉しいな。それじゃまたメッセージで日にちと時間相談しようか」

彼氏達は平等なはずだが、最初に仲良くなれたからだろうか? カンナは特別視してしまっている気がする、いつになるかも分からないのにカンナが家に来てくれるとあって俺ははしゃいでいる。

「……っと、チャイム鳴ったな……じゃあな、リュウ。カンナ、行こう」

リュウの席から離れ、カンナと隣同士の最高の席に着く。教師の声をBGMに、黒板を背景に、俺の視線に気付かないカンナを愛でる。

(横顔も可愛らしいですなぁどぅふふふ……)

授業はあっという間に終わり、昼休みが始まる。リュウがぶつくさ言いながら職員室へと向かったのを見送り、俺はカンナに弁当を渡した。

「俺も職員室に用事があるから、俺の弁当いつもの場所に持って行っててくれないか?」

頷いたカンナの頬を撫で、俺は一階の職員室へと急いだ。扉を叩いて中に入ると既にリュウが叱られていたので、その隣に並ぶ。

「鳴雷……? どうした」

「……申し訳ありませんでした!」

大きく息を吸い、勢いよく頭を下げる。同時にポケットの中のリモコンを弄った。もちろんポケットに手を突っ込めば怪しまれるので、ポケットの上から布越しにだ。

「ふっ……!? ぅぐっ……!」

リモコンを見るどころか手で探ってすらいないので、リュウに挿入しているバイブがどんな強さでどう動き出したかは分からない。

「ま、待て待て……何だ、どうしたんだ鳴雷」

「委員長でありながら天正てんしょうくんのサボりを見逃した私にも責任があります。彼を叱るならどうか私も同じように……」

「いや、鳴雷……そんな、お前に責任はない」

教師が俺に困惑する中、リュウが膝を折って座り込む。彼は手で口を押さえて蹲り、今日サイズを変えたばかりのバイブからの快感に耐えていた。

「おい天正、どうした?」

「…………天正くんは今日体調が悪かったんです。朝にそれに気が付いて保健室へ行くよう勧めたのですが、俺が言ったのが気に入らなかったのか断られてしまって」

ちょっとした羞恥プレイのつもりだったが、想像以上に快楽が強かったようだ。俺は座り込んだリュウに合わせて即席で話を作った、一人称がさっきと変わっていることも、サボりという発言と矛盾してしまったことも、言った後に気が付いた。

「彼の体調には目を光らせていたのですが、見逃してしまって……彼は階段の踊り場で寝ていたんですよね? 体調が悪化したんです。どうか彼を叱らないでやってください、私の責任です、知っていながら私は……」

「鳴雷に責任はない、体調管理は個人の仕事だ。もういいから天正を保健室へ連れて行ってやってくれ」

「……はい」

深々と頭を下げてニヤリと笑い、縋るような目で俺を見上げたリュウにアイコンタクトを送った。
しおりを挟む
感想 530

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~

液体猫(299)
BL
毎日AM2時10分投稿 【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸に、末っ子クリスは過保護な兄たちに溺愛されながら、大好きな四男と幸せに暮らす】  アルバディア王国の第五皇子クリスが目を覚ましたとき、九年前へと戻っていた。  巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞る。  かわいい末っ子が過剰なまでにかわいがられて溺愛されていく──  やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな軽い気持ちで始まった新たな人生はコミカル&シリアス。だけどほのぼのとしたハッピーエンド確定物語。  主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ ⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌ ⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。 ⚠️若干の謎解き要素を含んでいますが、オマケ程度です!

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 1000 Thank_You!!

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

処理中です...