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一人ばかり構わないで
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リュウは屋上の扉前の踊り場でしばらく休むと言い、三時間目の授業に参加しなかった。久しぶりに不良らしい姿を見た気がする。
「職員室呼び出されてもうた……昼休みやて」
「ドンマイ」
三時間目の後の休み時間、昼休みに叱られる予定を入れられて落ち込んでいるリュウを慰めていると、くいくいと服の裾を引っ張られた。
「カンナ? どうしたんだ」
「ぼく……に、も…………かま、て」
「構って欲しいのか? あぁ、ごめんな」
教室では他のクラスメイトの目があるので大したスキンシップは出来ない。肩を組んで抱き寄せるくらいが関の山だ。
「委員長、今よろしいですか?」
左腕でカンナの肩を抱いている俺の右側にシュカがひょこっと顔を出す。
「昼休みの予定はもう埋まっていますか?」
「あー……悪い、職員室にちょっと用事があるんだ」
「水月も呼び出されとるん? ほーん、そんなら会うかもなぁ。ま、会っても話されへんやろけど」
「五、六時間目は連続で家庭科ですから休み時間なんてあってないようなものですし……私はこの身体の疼きをどうすればいいのですか?」
小声とはいえ教室でそんなセリフを吐くなんて、元不良集団のヘッドらしい度胸だ。身体の疼きなんて聞かされては俺の陰茎が臨戦態勢に入ってしまう。
「用事早めに片付けられるよう頑張るよ」
「……そんな不確定情報で準備をしておくのは嫌です」
機嫌を損ねてしまったようだ。シュカはぷいっと顔を背け、教室を出ていってしまった。
「…………みぃくんっ、ぼくに……かまっ、て」
「あ、あぁ……ごめんごめん。ちょっと引っ付いて誤魔化したみたいになっちゃってたな、そんなつもりはなかったんだけど」
ぷくっと膨れたカンナの頬を撫でた後、不意打ちで顔を掴むように両頬を軽く押さえる。するとカンナの唇は閉じていられず、ぷっと息が漏れてしまう。
「……っ、うぅ……!」
恥ずかしかったようでカンナは顔を真っ赤にして俯き、俺の胸や腹をぽすぽすと叩いた。
「ふふ……可愛いよ、カンナ」
手探りで頬に触れてみると擦り寄ってきたのでつまんでみる。
「……み、くん…………っぺ、すき……?」
「ほっぺ好きかって? 前も聞いてなかったか? もちろん好きだぞ。カンナはもちもちしてていいな」
口元を緩めているのだろう感触がある。俺はクラスメイト達に背を向けるようにカンナを誘導し、頬を弄ぶのをやめて腹を撫でた。
「お腹もふにふにしてるな」
「ん……」
ぷにぷにもちもちとした感触は幼児に近い、こんなふうに幼児に触れた経験はないけれど。
「太腿もかな?」
「……!」
スラックス越しの太腿をするりと撫で、内腿に手を滑らせる。そうするとカンナはきゅっと俺の手を挟んだ。
「今度、家でゆっくりカンナの身体を堪能したいな。手や目はもちろん、舌でも」
カンナは俯いたまま返事をしてくれない、きっと真っ赤な顔で照れているのだろう。
「またカンナの家に遊びに行くのもいいけど、カンナが俺の家に来るっていうのもいいなぁ……カンナはどっちがいい?」
「みぃくん……ち……って、た……」
「みぃくんち行ってみたい? 俺の家に来たいのか、嬉しいな。それじゃまたメッセージで日にちと時間相談しようか」
彼氏達は平等なはずだが、最初に仲良くなれたからだろうか? カンナは特別視してしまっている気がする、いつになるかも分からないのにカンナが家に来てくれるとあって俺ははしゃいでいる。
「……っと、チャイム鳴ったな……じゃあな、リュウ。カンナ、行こう」
リュウの席から離れ、カンナと隣同士の最高の席に着く。教師の声をBGMに、黒板を背景に、俺の視線に気付かないカンナを愛でる。
(横顔も可愛らしいですなぁどぅふふふ……)
授業はあっという間に終わり、昼休みが始まる。リュウがぶつくさ言いながら職員室へと向かったのを見送り、俺はカンナに弁当を渡した。
「俺も職員室に用事があるから、俺の弁当いつもの場所に持って行っててくれないか?」
頷いたカンナの頬を撫で、俺は一階の職員室へと急いだ。扉を叩いて中に入ると既にリュウが叱られていたので、その隣に並ぶ。
「鳴雷……? どうした」
「……申し訳ありませんでした!」
大きく息を吸い、勢いよく頭を下げる。同時にポケットの中のリモコンを弄った。もちろんポケットに手を突っ込めば怪しまれるので、ポケットの上から布越しにだ。
「ふっ……!? ぅぐっ……!」
リモコンを見るどころか手で探ってすらいないので、リュウに挿入しているバイブがどんな強さでどう動き出したかは分からない。
「ま、待て待て……何だ、どうしたんだ鳴雷」
「委員長でありながら天正くんのサボりを見逃した私にも責任があります。彼を叱るならどうか私も同じように……」
「いや、鳴雷……そんな、お前に責任はない」
教師が俺に困惑する中、リュウが膝を折って座り込む。彼は手で口を押さえて蹲り、今日サイズを変えたばかりのバイブからの快感に耐えていた。
「おい天正、どうした?」
「…………天正くんは今日体調が悪かったんです。朝にそれに気が付いて保健室へ行くよう勧めたのですが、俺が言ったのが気に入らなかったのか断られてしまって」
ちょっとした羞恥プレイのつもりだったが、想像以上に快楽が強かったようだ。俺は座り込んだリュウに合わせて即席で話を作った、一人称がさっきと変わっていることも、サボりという発言と矛盾してしまったことも、言った後に気が付いた。
「彼の体調には目を光らせていたのですが、見逃してしまって……彼は階段の踊り場で寝ていたんですよね? 体調が悪化したんです。どうか彼を叱らないでやってください、私の責任です、知っていながら私は……」
「鳴雷に責任はない、体調管理は個人の仕事だ。もういいから天正を保健室へ連れて行ってやってくれ」
「……はい」
深々と頭を下げてニヤリと笑い、縋るような目で俺を見上げたリュウにアイコンタクトを送った。
「職員室呼び出されてもうた……昼休みやて」
「ドンマイ」
三時間目の後の休み時間、昼休みに叱られる予定を入れられて落ち込んでいるリュウを慰めていると、くいくいと服の裾を引っ張られた。
「カンナ? どうしたんだ」
「ぼく……に、も…………かま、て」
「構って欲しいのか? あぁ、ごめんな」
教室では他のクラスメイトの目があるので大したスキンシップは出来ない。肩を組んで抱き寄せるくらいが関の山だ。
「委員長、今よろしいですか?」
左腕でカンナの肩を抱いている俺の右側にシュカがひょこっと顔を出す。
「昼休みの予定はもう埋まっていますか?」
「あー……悪い、職員室にちょっと用事があるんだ」
「水月も呼び出されとるん? ほーん、そんなら会うかもなぁ。ま、会っても話されへんやろけど」
「五、六時間目は連続で家庭科ですから休み時間なんてあってないようなものですし……私はこの身体の疼きをどうすればいいのですか?」
小声とはいえ教室でそんなセリフを吐くなんて、元不良集団のヘッドらしい度胸だ。身体の疼きなんて聞かされては俺の陰茎が臨戦態勢に入ってしまう。
「用事早めに片付けられるよう頑張るよ」
「……そんな不確定情報で準備をしておくのは嫌です」
機嫌を損ねてしまったようだ。シュカはぷいっと顔を背け、教室を出ていってしまった。
「…………みぃくんっ、ぼくに……かまっ、て」
「あ、あぁ……ごめんごめん。ちょっと引っ付いて誤魔化したみたいになっちゃってたな、そんなつもりはなかったんだけど」
ぷくっと膨れたカンナの頬を撫でた後、不意打ちで顔を掴むように両頬を軽く押さえる。するとカンナの唇は閉じていられず、ぷっと息が漏れてしまう。
「……っ、うぅ……!」
恥ずかしかったようでカンナは顔を真っ赤にして俯き、俺の胸や腹をぽすぽすと叩いた。
「ふふ……可愛いよ、カンナ」
手探りで頬に触れてみると擦り寄ってきたのでつまんでみる。
「……み、くん…………っぺ、すき……?」
「ほっぺ好きかって? 前も聞いてなかったか? もちろん好きだぞ。カンナはもちもちしてていいな」
口元を緩めているのだろう感触がある。俺はクラスメイト達に背を向けるようにカンナを誘導し、頬を弄ぶのをやめて腹を撫でた。
「お腹もふにふにしてるな」
「ん……」
ぷにぷにもちもちとした感触は幼児に近い、こんなふうに幼児に触れた経験はないけれど。
「太腿もかな?」
「……!」
スラックス越しの太腿をするりと撫で、内腿に手を滑らせる。そうするとカンナはきゅっと俺の手を挟んだ。
「今度、家でゆっくりカンナの身体を堪能したいな。手や目はもちろん、舌でも」
カンナは俯いたまま返事をしてくれない、きっと真っ赤な顔で照れているのだろう。
「またカンナの家に遊びに行くのもいいけど、カンナが俺の家に来るっていうのもいいなぁ……カンナはどっちがいい?」
「みぃくん……ち……って、た……」
「みぃくんち行ってみたい? 俺の家に来たいのか、嬉しいな。それじゃまたメッセージで日にちと時間相談しようか」
彼氏達は平等なはずだが、最初に仲良くなれたからだろうか? カンナは特別視してしまっている気がする、いつになるかも分からないのにカンナが家に来てくれるとあって俺ははしゃいでいる。
「……っと、チャイム鳴ったな……じゃあな、リュウ。カンナ、行こう」
リュウの席から離れ、カンナと隣同士の最高の席に着く。教師の声をBGMに、黒板を背景に、俺の視線に気付かないカンナを愛でる。
(横顔も可愛らしいですなぁどぅふふふ……)
授業はあっという間に終わり、昼休みが始まる。リュウがぶつくさ言いながら職員室へと向かったのを見送り、俺はカンナに弁当を渡した。
「俺も職員室に用事があるから、俺の弁当いつもの場所に持って行っててくれないか?」
頷いたカンナの頬を撫で、俺は一階の職員室へと急いだ。扉を叩いて中に入ると既にリュウが叱られていたので、その隣に並ぶ。
「鳴雷……? どうした」
「……申し訳ありませんでした!」
大きく息を吸い、勢いよく頭を下げる。同時にポケットの中のリモコンを弄った。もちろんポケットに手を突っ込めば怪しまれるので、ポケットの上から布越しにだ。
「ふっ……!? ぅぐっ……!」
リモコンを見るどころか手で探ってすらいないので、リュウに挿入しているバイブがどんな強さでどう動き出したかは分からない。
「ま、待て待て……何だ、どうしたんだ鳴雷」
「委員長でありながら天正くんのサボりを見逃した私にも責任があります。彼を叱るならどうか私も同じように……」
「いや、鳴雷……そんな、お前に責任はない」
教師が俺に困惑する中、リュウが膝を折って座り込む。彼は手で口を押さえて蹲り、今日サイズを変えたばかりのバイブからの快感に耐えていた。
「おい天正、どうした?」
「…………天正くんは今日体調が悪かったんです。朝にそれに気が付いて保健室へ行くよう勧めたのですが、俺が言ったのが気に入らなかったのか断られてしまって」
ちょっとした羞恥プレイのつもりだったが、想像以上に快楽が強かったようだ。俺は座り込んだリュウに合わせて即席で話を作った、一人称がさっきと変わっていることも、サボりという発言と矛盾してしまったことも、言った後に気が付いた。
「彼の体調には目を光らせていたのですが、見逃してしまって……彼は階段の踊り場で寝ていたんですよね? 体調が悪化したんです。どうか彼を叱らないでやってください、私の責任です、知っていながら私は……」
「鳴雷に責任はない、体調管理は個人の仕事だ。もういいから天正を保健室へ連れて行ってやってくれ」
「……はい」
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