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大切なお話
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キョウヤは二本の指でマッサージでもするかのように俺のぷっくりと膨れた前立腺を巧みに刺激した。
「ひんっ! ひっ、イぐぅうぅっ! ぁひぃいいんっ!? イぐっ、イっ、ぐぅぅっ! もっとっ、きょーやしゃっ、んっ、んぁああっ!」
「おやおや、そんなに仰け反って……気持ちいいんだね。ほぐれているのは分かったから一旦抜くよ」
「んぉぅうっ! ぅ、ふっ……ふぅっ、うぅう……」
上品さの欠片もなく開脚したまま小さく震え、快楽の波が落ち着くのを待つ。垂らしてしまった唾液を拭って目を開けると、俺の足の間に膝立ちになったキョウヤと目が合った。
「きょーや、さん……」
俺が目を開けているのに気付いて微笑み返してくれた彼の顔は遠い、手が届かない、彼の体温も今は感じていない、数分前まで後孔を弄ってくれていたのに今はどこにも触れてくれていない、寂しい。
「きょーやっ、さぁん……さみしい……」
連続絶頂のせいで腹筋に力が入らない、両手を広げるのでやっとだ。
「こっち来てよぉ、きょーやさぁん」
キョウヤは不思議そうな顔をして俺に覆い被さる。
「レイン、寂しいってどういうことだい? 普段のことかい?」
「きょーやさんきたぁ、んへへへ……きょーやさん、すきぃ」
「……ありがとう。何が寂しいのか教えてくれるかな?」
だるい腕を気合いで動かしてキョウヤの首に腕を絡める。彼の体温が伝わってくる。
「もうさみしくないよ。キョウヤさん……キョウヤさんちょっと遠かったから、さみしかった。でももう近いから……んへへ」
「そう…………君は本当に可愛いね」
「……キョウヤさん可愛いの好き?」
「もちろん」
「じゃあ俺もっと可愛くなる、可愛くなったらキョウヤさん俺のこと好きになってくれる?」
キョウヤは優しい瞳を僅かに見開き、慎重に俺の背に腕を回して俺を抱き締めた。
「君は既にとても可愛らしいし、既に君のことを好んでいるよ」
嬉しくて言葉が出ない、ただ息を飲んで目を見開き、キョウヤを見つめた。
「……一緒に暮らそうか、レイン」
「へ……?」
「ごめんね、腹を括るのも気付くのも何もかも遅かったみたいだ。私は君が欲しい、君が自分の想いを恋などではないと気付いてしまう前に……君を手に入れてしまいたい。ごめんね……私は悪い大人だ」
「ほ、ほんとっ? ほんとに? ほんとに暮らしてくれる? あぁ……キョウヤさん大好きっ!」
俺のしつこい確認に付き合って何度も首を縦に振ったキョウヤに抱きつく腕の力を強める。
「……覚えているかな、レイン。抱く前に話をしようという約束をしただろう?」
「あー……した。うん、早く話そ、さっさと終わって……ね?」
震えが治まった足を曲げ、キョウヤの股間をスネで押し上げる。微かに吐息に熱が混じり、優しい瞳に欲情の光が灯る。
「まず、君はどうしてここに来たんだい?」
「お金返しにきた……ううん、それ口実。ほんとは……死ぬ前に会いたかった、だけ」
「……死ぬ?」
「俺の人生、なんにも楽しくない。いいこと何にもないんだ。キョウヤさんが初めてのいいことだった、キョウヤさん……キョウヤさんと一緒にいる時だけ、嬉しくて幸せでっ……でも、キョウヤさん、俺のこと……面倒くさくなった」
「なっていないよ……」
「うん、俺の勘違いだった……キョウヤさんビビっただけだったんだよな、俺買ってる時点でダメなのにさー……んへへ」
将来キョウヤと暮らせる希望がないのなら生きていく理由がなかった、だから死のうとした、でも本当は希望があったと分かった──それじゃあ大学を休んでまでここに来る必要はなかったのかな。
「君は私に話したいことがあると私は思っているんだけど、違うのかな」
「キョウヤさんが暮らしてくれるって言ってくれたから、もう別に……これまで通りに生きてくだけだし。あ、でももうエンコしないよ、俺はキョウヤさんのもんだもんな」
「……あぁ、私もそろそろ落ち着こうと思うよ。もう男の子は買わない」
微笑みと誓いを交わして正気が戻り始め、重大な障害を思い出した。父親だ。一ヶ月に約四十五万円、俺は父親に支払わなければならない。
「さて、一緒に暮らすとなると……まずあのアパートを引き払おうか。それで私のところに来るんだ、バカ正直に話しても君のお父さんが許してくれるわけはないから、こっそりしようね」
「う、ん……」
今俺は百四十万円持っている、生活費を無視しても三ヶ月分にはなるだろう。父は俺の大学を知っているから住処を変えてもすぐに見つかってしまうし、何年分もの女装ハメ撮り写真が父の手にある以上彼には逆らえない。
「レイン、将来の夢は?」
大学に行くと決めた時は父から逃れた後の人生を思い描いていたけれど、大学入学後に女装ハメ撮り写真を何百枚も見せられて、お前は死ぬまで俺の奴隷だと脅されて、金と身体を搾取され続けるだけの人生なのだと悟って全て諦めた、来年の自分の姿すら思い描きたくなくなった。
「……ない」
何かになろうとしてあの大学を選んだのか、俺の頭でも入れる大学を適当に選んだだけなのか、それすらももう思い出せない。
「ないのかい? それなら会計士を目指さないか? それなら私の事務所で働けるよ」
「会計……? 俺、そんな頭よくない……」
「教えてあげるよ。お金の計算は得意だろう?」
「そうかな……」
難しそうな職業の名前に気が引けたが、キョウヤの元で働けるというのは魅力的だった。働かずに飼われるのは罪悪感があるし、一日の半分以上をキョウヤから離れて過ごすのは嫌だ、下手に外で働いたら俺を買った男に見つかる可能性もある、それらの悩みが全て解決する。
「……うんっ、俺頑張ってみる」
「本当かい? よかった。会計士なら確か……実務経験があれば大卒じゃなくても資格は取れたはずだけど……別に辞める理由もないし、卒業は目指そうか」
「……うん」
少し遠い未来は明るく見えるけれど、近い未来は暗い。俺の代わりに月額四十五万支払ってくださいなんてキョウヤに言いたくない。
「ふふ……楽しみだな。まずは家を探そうか、私の今の家は二人暮らしには向かないからね。レインは家の希望は何かあるかい? ペットを飼いたいとか、和室が欲しいとか」
楽しげに未来の話をするキョウヤを見て、俺は父という問題から今だけは目を逸らそうと決めた。キョウヤと共に楽しい話をして、苦しい悩みは一人でどうにかしようと考えた。
「うんっ、楽しみ。じゃあ話は終わり、そろそろ……お願い、キョウヤさん」
「その前に、レイン。君がお金をたくさん欲しがっていた理由、教えてもらえないかな?」
「……前に言わなかったっけ。父さんが生活費くれなくなって、自分で稼いでたって」
「あぁ、でも、それにしては生活が質素すぎる。何か別の理由があるんじゃないかと聞いた時から疑ってしまっていたんだけれど、そうではないのかい?」
父の言いつけがなくても俺は初めての好きな人に近親相姦を知られたくないと隠しただろう。
「……ないよ。貯金してるんだ、俺物欲そんなないし」
「本当に?」
「しつこい。俺、すっごいお尻うずうずしてんの、キョウヤさんのちんこ欲しくて仕方ないんだよ、焦らさないでよ……」
足でズボン越しにキョウヤの陰茎を押しながらねだると、彼は深いため息をついて、そして微笑んだ。
「仕方ないね。生活費が足りなくなったら言うんだよ」
「……ありがとう」
追求されずに済んだ安堵と、足を開かされての期待で鼓動は落ち着いたり速くなったりと大忙しだ。
「ひんっ! ひっ、イぐぅうぅっ! ぁひぃいいんっ!? イぐっ、イっ、ぐぅぅっ! もっとっ、きょーやしゃっ、んっ、んぁああっ!」
「おやおや、そんなに仰け反って……気持ちいいんだね。ほぐれているのは分かったから一旦抜くよ」
「んぉぅうっ! ぅ、ふっ……ふぅっ、うぅう……」
上品さの欠片もなく開脚したまま小さく震え、快楽の波が落ち着くのを待つ。垂らしてしまった唾液を拭って目を開けると、俺の足の間に膝立ちになったキョウヤと目が合った。
「きょーや、さん……」
俺が目を開けているのに気付いて微笑み返してくれた彼の顔は遠い、手が届かない、彼の体温も今は感じていない、数分前まで後孔を弄ってくれていたのに今はどこにも触れてくれていない、寂しい。
「きょーやっ、さぁん……さみしい……」
連続絶頂のせいで腹筋に力が入らない、両手を広げるのでやっとだ。
「こっち来てよぉ、きょーやさぁん」
キョウヤは不思議そうな顔をして俺に覆い被さる。
「レイン、寂しいってどういうことだい? 普段のことかい?」
「きょーやさんきたぁ、んへへへ……きょーやさん、すきぃ」
「……ありがとう。何が寂しいのか教えてくれるかな?」
だるい腕を気合いで動かしてキョウヤの首に腕を絡める。彼の体温が伝わってくる。
「もうさみしくないよ。キョウヤさん……キョウヤさんちょっと遠かったから、さみしかった。でももう近いから……んへへ」
「そう…………君は本当に可愛いね」
「……キョウヤさん可愛いの好き?」
「もちろん」
「じゃあ俺もっと可愛くなる、可愛くなったらキョウヤさん俺のこと好きになってくれる?」
キョウヤは優しい瞳を僅かに見開き、慎重に俺の背に腕を回して俺を抱き締めた。
「君は既にとても可愛らしいし、既に君のことを好んでいるよ」
嬉しくて言葉が出ない、ただ息を飲んで目を見開き、キョウヤを見つめた。
「……一緒に暮らそうか、レイン」
「へ……?」
「ごめんね、腹を括るのも気付くのも何もかも遅かったみたいだ。私は君が欲しい、君が自分の想いを恋などではないと気付いてしまう前に……君を手に入れてしまいたい。ごめんね……私は悪い大人だ」
「ほ、ほんとっ? ほんとに? ほんとに暮らしてくれる? あぁ……キョウヤさん大好きっ!」
俺のしつこい確認に付き合って何度も首を縦に振ったキョウヤに抱きつく腕の力を強める。
「……覚えているかな、レイン。抱く前に話をしようという約束をしただろう?」
「あー……した。うん、早く話そ、さっさと終わって……ね?」
震えが治まった足を曲げ、キョウヤの股間をスネで押し上げる。微かに吐息に熱が混じり、優しい瞳に欲情の光が灯る。
「まず、君はどうしてここに来たんだい?」
「お金返しにきた……ううん、それ口実。ほんとは……死ぬ前に会いたかった、だけ」
「……死ぬ?」
「俺の人生、なんにも楽しくない。いいこと何にもないんだ。キョウヤさんが初めてのいいことだった、キョウヤさん……キョウヤさんと一緒にいる時だけ、嬉しくて幸せでっ……でも、キョウヤさん、俺のこと……面倒くさくなった」
「なっていないよ……」
「うん、俺の勘違いだった……キョウヤさんビビっただけだったんだよな、俺買ってる時点でダメなのにさー……んへへ」
将来キョウヤと暮らせる希望がないのなら生きていく理由がなかった、だから死のうとした、でも本当は希望があったと分かった──それじゃあ大学を休んでまでここに来る必要はなかったのかな。
「君は私に話したいことがあると私は思っているんだけど、違うのかな」
「キョウヤさんが暮らしてくれるって言ってくれたから、もう別に……これまで通りに生きてくだけだし。あ、でももうエンコしないよ、俺はキョウヤさんのもんだもんな」
「……あぁ、私もそろそろ落ち着こうと思うよ。もう男の子は買わない」
微笑みと誓いを交わして正気が戻り始め、重大な障害を思い出した。父親だ。一ヶ月に約四十五万円、俺は父親に支払わなければならない。
「さて、一緒に暮らすとなると……まずあのアパートを引き払おうか。それで私のところに来るんだ、バカ正直に話しても君のお父さんが許してくれるわけはないから、こっそりしようね」
「う、ん……」
今俺は百四十万円持っている、生活費を無視しても三ヶ月分にはなるだろう。父は俺の大学を知っているから住処を変えてもすぐに見つかってしまうし、何年分もの女装ハメ撮り写真が父の手にある以上彼には逆らえない。
「レイン、将来の夢は?」
大学に行くと決めた時は父から逃れた後の人生を思い描いていたけれど、大学入学後に女装ハメ撮り写真を何百枚も見せられて、お前は死ぬまで俺の奴隷だと脅されて、金と身体を搾取され続けるだけの人生なのだと悟って全て諦めた、来年の自分の姿すら思い描きたくなくなった。
「……ない」
何かになろうとしてあの大学を選んだのか、俺の頭でも入れる大学を適当に選んだだけなのか、それすらももう思い出せない。
「ないのかい? それなら会計士を目指さないか? それなら私の事務所で働けるよ」
「会計……? 俺、そんな頭よくない……」
「教えてあげるよ。お金の計算は得意だろう?」
「そうかな……」
難しそうな職業の名前に気が引けたが、キョウヤの元で働けるというのは魅力的だった。働かずに飼われるのは罪悪感があるし、一日の半分以上をキョウヤから離れて過ごすのは嫌だ、下手に外で働いたら俺を買った男に見つかる可能性もある、それらの悩みが全て解決する。
「……うんっ、俺頑張ってみる」
「本当かい? よかった。会計士なら確か……実務経験があれば大卒じゃなくても資格は取れたはずだけど……別に辞める理由もないし、卒業は目指そうか」
「……うん」
少し遠い未来は明るく見えるけれど、近い未来は暗い。俺の代わりに月額四十五万支払ってくださいなんてキョウヤに言いたくない。
「ふふ……楽しみだな。まずは家を探そうか、私の今の家は二人暮らしには向かないからね。レインは家の希望は何かあるかい? ペットを飼いたいとか、和室が欲しいとか」
楽しげに未来の話をするキョウヤを見て、俺は父という問題から今だけは目を逸らそうと決めた。キョウヤと共に楽しい話をして、苦しい悩みは一人でどうにかしようと考えた。
「うんっ、楽しみ。じゃあ話は終わり、そろそろ……お願い、キョウヤさん」
「その前に、レイン。君がお金をたくさん欲しがっていた理由、教えてもらえないかな?」
「……前に言わなかったっけ。父さんが生活費くれなくなって、自分で稼いでたって」
「あぁ、でも、それにしては生活が質素すぎる。何か別の理由があるんじゃないかと聞いた時から疑ってしまっていたんだけれど、そうではないのかい?」
父の言いつけがなくても俺は初めての好きな人に近親相姦を知られたくないと隠しただろう。
「……ないよ。貯金してるんだ、俺物欲そんなないし」
「本当に?」
「しつこい。俺、すっごいお尻うずうずしてんの、キョウヤさんのちんこ欲しくて仕方ないんだよ、焦らさないでよ……」
足でズボン越しにキョウヤの陰茎を押しながらねだると、彼は深いため息をついて、そして微笑んだ。
「仕方ないね。生活費が足りなくなったら言うんだよ」
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