[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

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ep.9.5

ep9.5『夢千夜』 “かりそめの花嫁” 第七夜 本能に壊されていく大義名分

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重ねた唇の感触はどこまでも柔らかく────────それでいて、熱を帯びていた。

頭のネジは既に2~3本は飛んでいるんだろう。

脳内麻薬のようなものもきっと大量に放出されてる。

大きな予感とともに───────それはどんどんと波のようにうねっていた。

俺達はきっと溺れていく。

身体の中心に滑り込んで来るかのような、とてつもない熱量が籠っているのが自覚できる。

どれくらいの時間そうしていたのかも─────────もうわからない。

一瞬と永遠の区別もつかない。

どっちだっていいか。そんなことは。

今の俺達にとって─────────── 一瞬が永遠で永遠は一瞬なんだ。

身体中を無遠慮にドーパミンが駆け巡っていく。

俺達を支配してるのは使命感とか、人命救助なんて大義名分じゃない。

ただ、本能だけで動いてる。

心も精神も何もかもが置いてけぼりだ。

後のことなんか知ったこっちゃない。

気が触れてる?

そんなん最初からだろ?

知ってたはずだ、そんなことはさ。

小泉は俺を拒まない。

でも、それでいい。

どうあっても結果は同じなんだから。

大人しく身を任せといた方が楽だろ?

だって悪いのは俺一人なんだ。

小泉は何も気にしなくてもいい。

向こうの心中はわからない。

でも構うもんか。

抵抗してないのが答えだろ?

抗えないんだ。この状況じゃあさ。

小泉の背中は赤い絨毯にべたりと付いている。

いつの間にか破廉恥な体勢になってるな?

でもいいだろ、こっちの方がさ。

純白のウェディングドレスの裾のレースはさざ波のようにゆらゆらと揺らめく。

赤と白のコントラストがたまらなく官能的に感じられる。















俺はゆっくりとそのまま─────────小泉の首筋から胸元に顔を埋めた。
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