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ep.9.5
ep9.5『夢千夜』 “かりそめの花嫁” 第八夜 罪人の祈りとその礼拝
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小泉が何かに耐えるように小さく声を漏らす。
嫌なのか嫌じゃないかなんてもう判らないし知らない。
そんなことはどうだっていいんだ。
だって小泉が嫌だったとしても俺はこのまま押し通すんだからさ。
小泉の肌の弾力がダイレクトに伝わる。
組み敷いた小泉からは俺の知らない匂いがした。
何もかもがいつもの小泉じゃないんだ。
まあ、きっと俺だってそうだな。
俺の掌が小泉の胸に触れた。
「……っ!」
小泉はただ耐えるようにギュッと固く目を閉じる。
コルセット?ビスチェ?
なんだかよく知らないが硬めの装甲のような感触の布地にその柔らかな身体は包まれている。
真珠を頑なに隠して守り続ける貝の殻のような────────純白のそれを俺はゆっくりと掴んだ。
ダイレクトな感触が双方に伝わる。
小泉はその身体をビクリと震わせた。
恐らく無意識にだろう、吐息が艶かしく漏れる。
きっと小泉は今の自分を客観視なんて出来てないだろう。
まあ、俺だってそうなんだけどさ。
本人は意図して無いんだろうが────────今の小泉は堪らなく官能的だ。
どうしてそうなってるかなんて知らない。
多分、この場所のせいだな。
“本物”の由緒正しい大聖堂。
きっと俺達にバチが当たったんだ。
これは罰なんだ。
人助けの為だなんてご大層な御託を並べて────────やってることは何のことはない、ただ欲望に忠実に本能のまま行動してるだけじゃねぇか。
でもさ、神様。
もしもここに居るってなら聞いてくれよ。
悪いのは俺だけなんだ。
小泉は巻き込まれただけなんだよ。哀れな子羊、犠牲者なんだ。
だからさ、神様───────────バチは俺だけに当ててくれよな。二人分こっちに頼むぜ?
俺、最初からその覚悟は出来てんだからさ。
嫌なのか嫌じゃないかなんてもう判らないし知らない。
そんなことはどうだっていいんだ。
だって小泉が嫌だったとしても俺はこのまま押し通すんだからさ。
小泉の肌の弾力がダイレクトに伝わる。
組み敷いた小泉からは俺の知らない匂いがした。
何もかもがいつもの小泉じゃないんだ。
まあ、きっと俺だってそうだな。
俺の掌が小泉の胸に触れた。
「……っ!」
小泉はただ耐えるようにギュッと固く目を閉じる。
コルセット?ビスチェ?
なんだかよく知らないが硬めの装甲のような感触の布地にその柔らかな身体は包まれている。
真珠を頑なに隠して守り続ける貝の殻のような────────純白のそれを俺はゆっくりと掴んだ。
ダイレクトな感触が双方に伝わる。
小泉はその身体をビクリと震わせた。
恐らく無意識にだろう、吐息が艶かしく漏れる。
きっと小泉は今の自分を客観視なんて出来てないだろう。
まあ、俺だってそうなんだけどさ。
本人は意図して無いんだろうが────────今の小泉は堪らなく官能的だ。
どうしてそうなってるかなんて知らない。
多分、この場所のせいだな。
“本物”の由緒正しい大聖堂。
きっと俺達にバチが当たったんだ。
これは罰なんだ。
人助けの為だなんてご大層な御託を並べて────────やってることは何のことはない、ただ欲望に忠実に本能のまま行動してるだけじゃねぇか。
でもさ、神様。
もしもここに居るってなら聞いてくれよ。
悪いのは俺だけなんだ。
小泉は巻き込まれただけなんだよ。哀れな子羊、犠牲者なんだ。
だからさ、神様───────────バチは俺だけに当ててくれよな。二人分こっちに頼むぜ?
俺、最初からその覚悟は出来てんだからさ。
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