841 / 1,060
ep9
ep9『ナイト・オブ・ファイヤー』 Talking about SEX and LIFE その②
しおりを挟む
「SNSとか見てるとさ~都心部のタワマン暮らしだとか年収数千万とかそういう人いるでしょ~?」
高いブランドバッグ持ってる10代の女の子とかさ~と更に饒舌になった佑ニーサンの勢いは止まらない。
ふと、横の鈴木先輩を横目でチラリと見ると─────────先輩は真顔でひたすらレッドブルを飲んでいた。
「けどさ~。年収数千万とか上澄みの中の更に上位の数%の人でしょ~?地方に生まれた一般人とは元々住んでる世界が別だっていうか~」
パパ活して一瞬だけそういう世界に触れさせて貰ったからってさ、一生その世界に居られる訳でもないんだし~と佑ニーサンは勢いを増してヒートアップする。
なんだなんだ、どうしたんだ佑ニーサンは?
70万するお高いブランドバッグだって、ソックリな偽物が1万くらいでネットで売ってたりするしね~と佑ニーサンがため息をつくと概史がそれに反応する。
「偽物www1万wwwそんなんあるんスかwww」
あるとも~大アリだよ~と佑ニーサンが大きく頷く。
「パパ活してた女の子がその70万だかのバッグをいくつか質屋に持ってったら~偽物って言われて愕然としてたって話をドキュメンタリー番組で観たんだけど~」
嫌な気持ちを我慢してオッサンに身体を売って得られた対価が偽物で、二束三文の価値しか無いってさ~やっぱパパ活とかってリスクの方がデカいんじゃないかな~という佑ニーサンの言葉に俺は相槌を打った。
「そうだよな。売春した結果、得られたのが偽物で値段の付かないバッグなんだったらさ。最初から売春なんかしねぇでユニクロかしまむらとかで買ったバッグで同級生の男子とデートでもしてた方が幸せなんじゃねぇの?」
そうだよ~と佑ニーサンも頷く。
「パパ活までしたお金でブランド品を買うだ、整形だ、なんてしなくてもさ~そのままの自分を愛してくれる男子の側にいた方がいいと思うんだけどなあ~?」
すると、概史がやや真面目な表情でこう言い出した。
「みんなネットで見る世界に毒され過ぎなんスよね。可愛く無いと人権ないとか、太ってたらダメだとか。そんなこと全然ないのに」
撫子なんかめっちゃ食うけど、オレ、その方がいいって思ってますからwと少し照れた様子の概史に俺は少し感心する。
そうだよな。
概史ってさ。大好物のチョコパイを自分の分まで撫子に分け与えて食わせてんだぜ?
パパ活でオッサンからブランドバッグを与えられた女子より、概史からチョコパイを貰って食ってる撫子の方がより愛されてんじゃないのか、って気がしてくる。
確か撫子って──────スクールカースト最下層、クラスの女子からかなり虐められてたって言ってたっけ。
身なりも小汚くて髪もボサボサ、容姿だけで見ると最悪の状態だったって聞いたが────────
概史がプロデュースしてやって垢抜けたんだったっけな。
確かに、今の世の中って男も女も『容姿が整ってないと人権無い』みたいな呪縛に囚われ過ぎてるんだろう。
男も女も、お互いに理想が高くなり過ぎて誰とも付き合えずにいる。
そりゃ、アイドルや2.5次元俳優みたいなのを比較対象にしてたら身近な誰かと付き合うなんて一生無理になっちまうだろう。
けどさ、概史は違うよな。
最初から完璧で究極の美少女を探してたって訳じゃなくて。
気になった相手をとことん磨いていったら偶然それがダイヤの原石だったって話でさ。
これからの時代、こういうのも方向性としてアリなんじゃないだろうか。
男子も女子も、最初からカースト上位の美男美女と付き合おうとするから無理があるわけでさ。
そうじゃなくて、付き合った相手が垢抜けるようにしてやったらいいんじゃね?
最初はチー牛とか腐女子だったとしてもさ。付き合ってるうちにいい感じになってくって可能性もあるんじゃねぇの?
マンガとかアニメみたいにドラマティックでなかったりするだろうけどさ。そういうのも案外、幸せなんじゃねぇの?って思うんだよな
高いブランドバッグ持ってる10代の女の子とかさ~と更に饒舌になった佑ニーサンの勢いは止まらない。
ふと、横の鈴木先輩を横目でチラリと見ると─────────先輩は真顔でひたすらレッドブルを飲んでいた。
「けどさ~。年収数千万とか上澄みの中の更に上位の数%の人でしょ~?地方に生まれた一般人とは元々住んでる世界が別だっていうか~」
パパ活して一瞬だけそういう世界に触れさせて貰ったからってさ、一生その世界に居られる訳でもないんだし~と佑ニーサンは勢いを増してヒートアップする。
なんだなんだ、どうしたんだ佑ニーサンは?
70万するお高いブランドバッグだって、ソックリな偽物が1万くらいでネットで売ってたりするしね~と佑ニーサンがため息をつくと概史がそれに反応する。
「偽物www1万wwwそんなんあるんスかwww」
あるとも~大アリだよ~と佑ニーサンが大きく頷く。
「パパ活してた女の子がその70万だかのバッグをいくつか質屋に持ってったら~偽物って言われて愕然としてたって話をドキュメンタリー番組で観たんだけど~」
嫌な気持ちを我慢してオッサンに身体を売って得られた対価が偽物で、二束三文の価値しか無いってさ~やっぱパパ活とかってリスクの方がデカいんじゃないかな~という佑ニーサンの言葉に俺は相槌を打った。
「そうだよな。売春した結果、得られたのが偽物で値段の付かないバッグなんだったらさ。最初から売春なんかしねぇでユニクロかしまむらとかで買ったバッグで同級生の男子とデートでもしてた方が幸せなんじゃねぇの?」
そうだよ~と佑ニーサンも頷く。
「パパ活までしたお金でブランド品を買うだ、整形だ、なんてしなくてもさ~そのままの自分を愛してくれる男子の側にいた方がいいと思うんだけどなあ~?」
すると、概史がやや真面目な表情でこう言い出した。
「みんなネットで見る世界に毒され過ぎなんスよね。可愛く無いと人権ないとか、太ってたらダメだとか。そんなこと全然ないのに」
撫子なんかめっちゃ食うけど、オレ、その方がいいって思ってますからwと少し照れた様子の概史に俺は少し感心する。
そうだよな。
概史ってさ。大好物のチョコパイを自分の分まで撫子に分け与えて食わせてんだぜ?
パパ活でオッサンからブランドバッグを与えられた女子より、概史からチョコパイを貰って食ってる撫子の方がより愛されてんじゃないのか、って気がしてくる。
確か撫子って──────スクールカースト最下層、クラスの女子からかなり虐められてたって言ってたっけ。
身なりも小汚くて髪もボサボサ、容姿だけで見ると最悪の状態だったって聞いたが────────
概史がプロデュースしてやって垢抜けたんだったっけな。
確かに、今の世の中って男も女も『容姿が整ってないと人権無い』みたいな呪縛に囚われ過ぎてるんだろう。
男も女も、お互いに理想が高くなり過ぎて誰とも付き合えずにいる。
そりゃ、アイドルや2.5次元俳優みたいなのを比較対象にしてたら身近な誰かと付き合うなんて一生無理になっちまうだろう。
けどさ、概史は違うよな。
最初から完璧で究極の美少女を探してたって訳じゃなくて。
気になった相手をとことん磨いていったら偶然それがダイヤの原石だったって話でさ。
これからの時代、こういうのも方向性としてアリなんじゃないだろうか。
男子も女子も、最初からカースト上位の美男美女と付き合おうとするから無理があるわけでさ。
そうじゃなくて、付き合った相手が垢抜けるようにしてやったらいいんじゃね?
最初はチー牛とか腐女子だったとしてもさ。付き合ってるうちにいい感じになってくって可能性もあるんじゃねぇの?
マンガとかアニメみたいにドラマティックでなかったりするだろうけどさ。そういうのも案外、幸せなんじゃねぇの?って思うんだよな
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説





体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる