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第2章 地球活動編

第118話 盟友との再会 ゲオルク

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(……ここは?)

 ゲオルクは純白のシーツの敷かれたベッドから上半身を起こし、頭を数回振る。
 薄い霧のかかった思考が次第にはっきりしてくる。
 立ち上がり、両手で全身をくまなく触れる。粉々にされたはずのゲオルクの身体には傷一つなくなっていた。

(俺はバラバラになったはずだが……)

 あの全身が引き裂かれる痛みが幻のはずがない。ゲオルクはあの時死んだ。それが確定した事実のはずだ。なら今いるゲオルクは?
 理由は不明だ。だが一つ確定的に判明していることがある。即ち――ゲオルクはいまもこうして生き残ってしまって・・・・・・・・・いること。
 このあまりの滑稽な現状に笑いが堪えらない。

「くくっ! 死に場所を求め続け、やっとお館様に胸を張れる納得いく死に方ができたかと思えば、結局死ねぇのかよ!!」

 ゲオルクにも説明できない荒々しいものが疾風のように心を満たす。その制御し得ない感情のままに、壁に右拳を叩きつける。
 豪風を纏った右拳は落雷のような速度で白い壁にぶち当たり、壁を木端微塵に粉々の破片へまで分解する。
 その白い壁に大きく抉れてできたクレーター。暫し己がしでかした結果が信じられず、呆然と自身の右拳に視線を凝視する。
 さっきの右拳、いくらゲオルクが憤りで我を忘れていたとしても無意識に加減くらいしている。それにもかかわらずこの惨状。これはつまり――。

「力が……戻ってる……のか?」

「その通りだ」

 誰に尋ねるでもないゲオルク呟きを部屋の隅に座る人物が肯定する。長い白髪に顎鬚、相対するだけで死をイメージさせる紅の瞳、黒のカラーで統一された衣服によれよれの三角帽子。それは数十年前に袂を分かった盟友の姿。

「イジドア?」

「見てわからんのか? それとも魂だけでなく、とうとう目まで耄碌もうろくしたか?」

 懐かしき戦友――イジドア・ガンプは腕を組みつつも片目を開けて真っ赤な瞳でゲオルクを射抜いてくる。
 ゲオルクは皇帝の飼い犬。その勅命により、闇帝国ダークエンパイアの首都――《オスクリタ》から一歩も出る事を許されなかった。さらに皇帝はテレビ等のメディアに対し、徹底的に検閲を行い己に都合のよいどうでもいい情報を除き、外部から入る情報を遮断した。特に現在貴族でもない無能者インコンピテントのゲオルクが知りえる情報などたかがしれていた。だからイジドア達の現状は気になってはいたが、まったくその手の情報は耳に入ってはこなかったのだ。
 ゲオルク達は大戦の敗者。死国デスカントリーの放浪王子だったウピル・ロードズなら兎も角、吸血種の同胞を一時的にも危機に追いやったゲオルク達の処遇など真っ当なものではない。そう考えてはいた。
 しかしなぜ《妖精の森スピリットフォーレスト》とかいう化け物魔術組織に敗北してイジドアが現れる? 確かに奴らの目的が吸血種という種族の隷属化にあることも理論上はあり得る。要するにイジドアがいる血の吐息ブラットブレスは奴らに隷属化された後という可能性だ。
だが、《妖精の森スピリットフォーレスト》の兵達達の面構えをみれば、その魂が腐っちゃいないことは明白だ。
 何よりこのイジドアの目に色濃く映るのはかつての己にあったもの。即ち、命を賭してもあるじを守護するという誇りと信念。とても隷属化されているものに出せるものではない。とするとどういうわけだ? 

「……まったく状況についていけねぇ。つうか俺にはもう何が何だ分らねぇ。
死んだ俺がこうして生きている事も、イジドア、お前がここにいる事も――」

 イジドアはゲオルクに近づくとその胸倉を掴むと、瞬時に白色の個室から広い空間へと周囲の風景が変わる。
 そこは周囲を高い段差の壁として機能する巨大な観客席に囲まれた広大な実技上アリーナ

「これは……転移術か?」

 当然だが、転移術は極めて難解で高度な術。しかも己だけではなく他者まで転移させるとなるとかつての魔神軍であっても使用できるものは限られていた。少なくとも戦闘に特化したイジドアには不可能だったはずだ。

「今の腑抜けきった貴様を我が崇敬なるマスターに会せるわけにはいかぬ」

「お、おいっ! イジドア――」

 ゲオルクの言葉に微塵も耳を貸そうともせず、イジドアは右手に巨大なデスサイズを出現させる。

「語るな! 今の貴様は私と言葉を交わす資格すらない」

 イジドアの右手に握るデスサイズの刃からは振動とも悲鳴ともいえぬ音が漏れ出し、漆黒の禍々しい魔力が纏わりついている。

(あの武器、ヤバイな……)

 頬が引き攣るのがわかる。あのデスサイズ、どうみても真面な武器じゃない。神具、いや下手すればそれすらも超えている。

(イジドアの野郎、いつの間にあんな凶悪な武具手に入れやがった!!?)

 次の瞬間、イジドアの姿が霞む。身体中の血液が氷結するような悪寒に襲われ、咄嗟にスキル《硬気功》を発動し、全身を高質化する。
 視界が地面と天井を数回移り変わり、背から叩きつけられる。
身体中に走る激烈な痛みを抑えつけ、横っ飛びする。
 一拍子遅れて、イジドアのデスサイズが壁を柔らかなゼリーのように切り裂く。
 
「手前、殺す気か!!?」

 さっきまで死を受け入れていたはずなのだ。だからその咄嗟に口から吐き出された怒号にゲオルク自身が一番驚いていた。
  
「それは貴様次第だ」

 イジドアは鋭い犬歯を剥き出しにしてニッと笑みを浮かべると、デスサイズの刃を後方へ振り絞る。
 イジドアとは長い付き合いだ。だからわかる。今の此奴こいつ本気マジだ。
 イジドアの意図が何処にあるのかはとっかかりすら掴めない。それに正直もう考えるのすら億劫だ。この数十年、積もり積もったこのやり場のない感情をぶつける先が今、目の前にいる。
 ゲオルクは右拳を地面に叩きつけ、全身に魔力を巡らせていく。
 制約の呪いがないゲオルクの魔力はまさに暴虐。周囲の大気は歪み、右拳が接着する地面は亀裂が走り、宙へ浮遊する。
 ――刹那、二者は衝突する。

 ……
 …………
 ………………

 巨大な闘技場の天井に設置された証明の眩い光が汗だくで大の字に仰向けになるゲオルクを照らしている。
 肩で息をしつつも、あの激闘の末、掠り傷一つなく、平然としている盟友に視線を向ける。

「イジドア、お前、前より強くなってねぇか?」

 ゲオルクにかつての力が戻っていた事について疑いはない。ステータスも魔術もスキルも全て以前同様使用可能となっていた。
 ――なのにイジドアに触れる事すら許されない。ゲオルクの渾身の拳打も蹴りも、魔術もとっておきのスキルさえも、あっさり空を切り、防がれる。逆に明らかに手加減をしたと思しきイジドアのデスサイズにより、ゲオルクは足腰の立たないくらいボッコボコに打ちのめされた。
 
「少しは真っ当な顔になったな」

 イジドアはゲオルクの言葉など歯牙にもかけず、口角を上げる。
 相変わらず、会話が成立しない奴だ。まあそれも単細胞の此奴こいつらしいといえば此奴こいつらしい。

「そりゃあどうも。それでよぉ、いい加減に教えろよ。お前今誰に仕えてる?」

 イジドアの意図は依然として不明だし、尋ねても決して答えまい。
 悲しいくらいイジドアは昔と何も変わっちゃいない。己の主張を押し付けるだけでこちらの疑問は平然と無視スルーする。ゲオルク達でもなければ此奴と友などやっていられない。

「お前が確かめろ」

 お前が確かめろか。相変わらず会話がかみ合わない奴だ。でもまあ、予想はつく。闇帝国ダークエンパイアにこの度攻め込んで来た、《妖精の森スピリットフォーレスト》のトップだろう。
 ゲオルクと剣を交えた目つきの悪い金髪達の心酔しきった姿を見れば一目瞭然だ。《妖精の森スピリットフォーレスト》のトップはお館様と同様、覇者の気質を持つもの。
 そしてそれは今のイジドアを見ればほぼ証明されたようなものだ。イジドアはお館様に対する忠誠心が魔神軍の将校の中でもダントツで高かった。あの大戦で、お館様の最後の言葉がなければとうの昔に自害していたような奴だ。そのイジドアがこれほど入れ込む。相当な人物なのは間違いあるまい。

「またそれかよ」

 深いため息を吐きつつ、立ち上がり、服の埃を落とす。
 やはり元の身体は恐ろしく回復が早い。あれほど徹底的にイジドアにフルボッコにされたのにもう歩けるほど回復している。
 そうしている間に、イジドアは既にこの闘技場の出口へ向かっていていた。本当、せっかちなところは全く変わっちゃいない。
 苦笑しつつも遅れないようその後をついていく。

                ◆
                ◆
                ◆

「な、な、なんじゃこりゃあ!!!?」

 眼前のあり得ない光景に悲鳴染みた声を張り上げる。別にゲオルクがチキンなわけでは断じてない。ゲオルクでなくてもこんなの見せられたなら当然そうなる。

 アスファルト舗装された巨大な道路にその脇に規則正しく並ぶ、超がつくほどの高層ビル群。そのビルは写真等でみた地球のどのビルよりも巨大で特殊な形態をしている。
 さらに――。

「あれ……空飛んでんのか?」

 空には一定区間に小型のポールのような物が浮かび、そのポールで形成された二車線の空の路上を車のようなものが走っていた。
 頬が盛大に引き攣るのがわかる。
 馬鹿げている。こんなお伽噺のような技術力。世界で最も魔道科学の発展した天界ですらおそらく再現は不可能だろう。

「端から、勝負にすらなっちゃいなかったわけか……」

 滝のように流れ出る冷たい汗を右袖で拭い、言葉をどうにか絞り出す。
 ゲオルクはさっきまで《妖精の森スピリットフォーレスト》を単なる強力な一魔術組織と見做してしまっていた。

(んなわけあるか。人間が長の一魔術組織にこんなもん作れてたまるかよ!)

 馬鹿馬鹿しい。こんな景色を再現できるようなバケモノ組織に勝てるはずもない。奴らからすれば、闇帝国ダークエンパイアの討伐さえも、鬱陶しく動きまわるゴキブリを丸めた本で叩き落とす程度の操作にすぎまい。

 高層ビルが立ち並ぶ歩道を一言も発せず黙々と歩くイジドアの後ろを歩いて十五分、ようやく目的地が見えて来る。当然のごとくイジドアは教えてなどくれない。イジドアが引き合わそうとしている人物はこのふざけた国を作り上げた存在。ならば、あそこにいてしかるべきだ。
 巨大な円柱状の建築物。高さはそれほどではないが、その建物の底面の半径はかなりものだ。趣を排除して表現するなら馬鹿でかいドラム缶だろうか。
 建物の正面玄関前に佇むスーツ姿の金髪の目つきが鋭い青年がゲオルク達に気付くとこちらに近づいてくる。

「清十狼殿、お手間をおかけする」

「いや、俺はまったく構わねぇよ。あんたがゲオルクか? 俺は佐々木清十狼ささきせいじゅうろう、宜しくな」

「あ、ああ。宜しく頼む」

 勧められるがままに握手を済ませると清十狼と呼ばれた青年はイジドアに視線を向ける。

「イジドアの旦那、これ、流石に俺もヒクぜ」

 清十狼と呼ばれた青年は心の底から、げんなりとした表情で周囲をグルリと見渡す。
 よかった。この非常識な風景を当たり前と受け入れている者ばかりではないようだ。少しこの男には親近感を覚える。

「質素にするよう、元老院からは通達を出していたのですが、どうにも技術班の者達が凝り過ぎたようでしてな」

「質素とかどうとかいう問題か? あれ、空飛んでるし……」

 清十狼が今も目の前の空中を高速で過ぎ去る乗り物に視線を向ける。

「技術的には飛空艇の焼きまわしにすぎませぬ。(他の王家がギルドへ加わる今、寧ろこれからではないかと――)」

 最後にボソリッと不吉な言葉を口走るイジドア。

「ま、いいや。マスターがお待ちだ。行こうぜ、旦那」

 前言撤回。これを『ま、いいや』で終わらせる所などとても共感できん。やはり、この男も《妖精の森スピリットフォーレスト》、常識の埒外にいる。

「そうですな。マスターもお疲れでしょうし、お待たせしてはいけない。直ぐに参りましょう」


                 ◆
                 ◆
                 ◆

 赤を基調した敷き詰められた絨毯に顔が映るほどピカピカの漆黒の石でできた壁と柱。上部は吹き抜けになっており、二階や三階を忙しく動く職員たちの姿が視界に入る。
 その中央のエレベータに乗り込み、最上階へと案内される。
 最上階のエレベータを出て正面の部屋、広さは病院の小部屋五、六個分といったところだろう。
 外と同じく、真っ赤な絨毯に黒色の石の壁や柱は同じ。ただ、部屋の扉の反対側の奥には漆黒の机が置かれ、窓際には座り心地のよさそうなソファーが鎮座していた。
 玉座の間のような仰々しい場所を想像していた分、若干面食らいつつも部屋の中を眺め見渡す。
 ソファーには一人の黒髪の少年が腰を掛け資料に目を通していた。少年はゲオルク達を視界に入れると立ち上がる。

「お、お館様?」

 その網膜に映しだされた少年の姿が、立ち振る舞いが今は亡き至高のあるじと重なり、自然に言葉が口から洩れる。

「はい?」

 黒髪の少年は眉を寄せ、ゲオルクに聞き返してくる。
 改めて何度確認しても姿も、声も、その振る舞いも全く似てやしない。何よりお館様はあのとき滅びた。その最後の姿をゲオルクはこの目に焼き付けている。

「い、いえ、何でもありません」

「はあ……ならいいんですけど、病み上がりって聞いているんで無理はしないでくださいね。
 僕はキョウヤ・クスノキ、一応このギルドのマスターをしています」

 黒髪の少年――キョウヤ・クスノキはゲオルクの前までくると、右手を差し出してくる。
 呆気に取られてその向けられたキョウヤ・クスノキの右手に視線を固定する。
 ゲオルクは捕虜だ。なぜ労わる必要がある? キョウヤ・クスノキの言葉はどう考えても敵に対するものではない。それに、こんなどこにでもいそうな少年がこのバケモノ組織の頂点? 何から何まで全て訳が分からない。正直、頭がショートしそうだ。

「ど、どうも」
 
 イジドアのした咳でやっと我に返り、弾かれたように右手を握り返す。

「それと――マティアさんを庇っていただいたようで、感謝を」

 キョウヤ・クスノキに頭を下げられ、今度こそ虚を突かれて言葉が出てこない。
 それからソファーに座るよう勧められ、マスター――キョウヤからゲオルクの部下達の処遇や、闇帝国ダークエンパイアの行く末、さらに《妖精の森スピリットフォーレスト》の事や、この国のあらましなどを丁寧に説明される。
 ゲオルクはただそれに無言で頷いていた。

                ◆
                ◆
                ◆

「どうだ? 我がマスターは実に愉快だろう?」

 上機嫌に一気にキンキンに冷えた赤ワインで喉を潤すイジドア。
 力を封じられてはいたが、イジドアもゲオルクも吸血真祖トゥールアンセスターだ。血渇などあるはずもないし、血液以外のものも食することができる。だから、よく昔はウピルを合わせた三人で飲んでいた。

「愉快というより訳が分からん」

 周囲を眺め回し、疲れたように言葉を吐き出す。ここはさっきのいかれきった国の居酒屋。
 仕事帰りと思しき吸血種の若者が数人、泡の吹いた小麦色の飲み物で乾杯をしている最中だった。テーブルには摘まみらしき料理が盛られた皿が多数置かれ、それを箸やフォークを使って口に運んでいる。テーブルを囲む若者達の顔には例外なく今に対する幸福と将来に対する希望があった。
 この風景、それは吸血種なら誰しも憧れたものだ。それはあの偉大なるお館様さえ遂に為し得なかった偉業の一つ。それを年端もいかぬ、しかも人間の子供がそれを為す。これがどれほど狂った事態なのか、この浮かれ切った盟友は本当に理解しているのだろうか?
 
「そうだろう? そうだろう? 我らごとき矮小な身にあの御方の偉大さなど到底理解できぬ」

 駄目だ……此奴こいつ、マジで前以上に話しが通じなくなっている。
 だが確かにマスター・キョウヤを理解できない。その一点ではイジドアに激しく同意する。
 この理想郷くにを作るだけの力を吸血種達に与える奇跡は勿論、堅物のイジドアをこれほど熱狂させるそのカリスマ、何よりあの子供とは思えぬ威風堂々とした姿、全てが非現実的過ぎてキョウヤ・クスノキという人間を微塵も理解することを拒絶する。

「もうそろそろ俺を巻き込んだ理由、教えてくれてもいいんじゃねぇのか?」
 
 理由はいくつか思い当たるが、その中の一つはゲオルクには支持しえない。それはお館様の最後の意思に反するから。

「心配するな。仮にも義父を殺されたお前が耐えているのに、復讐など考えとりゃせんよ。そこまで落ちてはないわい」

 ゲオルクの言葉のトーンを読み取ったのか、イジドアは瞼に深い哀愁を漂わせながら、グラスのワインを揺らす。

「それを――言うなっ!」

 自然に怒りと苛立ちが言葉に籠る。例え盟友とは言え、踏み込んでよい事と悪い事がある。

「相変わらず短気な奴だ。少しは成長せよ」

(お前だけには言われたくねぇよ!)

 内心で何度もイジドアを罵倒し、荒れ狂う憤りを静める。

「で、なぜ俺を巻き込んだ?」

 凡その予想はつく。というより、ゲオルクができる事といったら一つしかない。
 しかし、それは次のイジドアの言葉であっさり裏切られる。

「《妖精の森スピリットフォーレスト》の人材の育成だ」

「育成ぇ!?」

 素っ頓狂な声を上げるゲオルクに、悪戯が成功した子供のような無邪気な笑顔を浮かべるイジドア。

「そうだ。我らの時代はとっくの昔に終わっとる。今更、前面にしゃしゃり出るつもりはない」

 阿保らし。此奴こいつがそんなたまかよ。

「いや、お前、絶対にでて来るだろ?」

「さぁて何のことかの」

(都合のいい時だけ、爺語りになんじゃねぇ!)
 
 どの道、此奴こいつが言い出したら止まらない。周囲を盛大に巻き込んで自爆する。もう九割方決定のようなものだ。未来の幸の薄い《妖精の森スピリットフォーレスト》の戦士達に盛大にエールを送る。

「それで俺は誰に何を教えりゃあいい?」

「聞いて驚くな! それはな――」

 ゲオルクはイジドアの言葉を耳に入れ、居酒屋中に響き渡る大声を上げた。


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