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3王妃様にバイト交渉
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翌日は朝飯を抜いて王妃様と謁見と言う名のお茶会に参加していた。
朝食を抜いたのは別にダイエットしている訳でもなく、ただ単にお金がないだけで、どうせお茶の時に美味しいお菓子位出るだろうからと言う目算があったからだ。
「昨夜は大変美味しいお食事をありがとうございます」
入室するなり綺麗にカーテーシーをしながら王妃様にそうお礼を述べる。
本当ならあんな贅沢な夕食より2ヶ月分の家賃か、モーニング10日分とかの方が私的には有り難かったが、そこは言わないでおく。
王妃様は「気になさらないで、お近づきにの印よ」と言うと私に席を促した。
王妃様付きの侍女がスッと王妃様の向かいの席の椅子を引き私を促す。
軽くお辞儀をして椅子に座ると素早く私の目の前に紅茶が置かれた。
凄い早業だ。
流石王妃様付きの高級侍女。
レベルが違うわ~。
そして、紅茶を「頂きます」と一口飲むと
「まずは、この後宮でのルールから説明します」
と、ゆっくりと王妃様が話されたのは妾達の年間のスケジュールだった。
全員参加の王宮の夜会が年間4回あり、その時のドレスは王宮からレンタル出来るらしい。
但し、着付け等コミコミで安くっても1回10万リン。
その他に、他国の賓客の場合晩餐へと参加要請もあるのだとか、勿論晩餐は5万リンの負担になるそうだ。
勿論ドレスのレンタルもあるらしく、それは夜会より格式が落ちる為に代金は5万リンからとなるそうだ。
あくまでも名誉の為の出費とのこと。
私には理解出来ない出費だ。
「あの……私の家はあまり裕福ではなく、此方に来るのもお小遣いとして月2万リンしか仕送りがないのです」
年間4回の夜会に最低限の金額で参加しても40万リンだ。
とてもじゃないけど無理。
「ええ、お金の事はグロリアさんから話は伺っております。ルクスさんはアルバイトをなさりたいとか」
「はい。その通りですわ」
だって、食事だけでも破産しそうなのに、夜会参加ってなんだよ。
「月2万リンでは食事代にもなりませんわよね」
そう。
そこだ。
家賃を引いたらモーニングの最低ランクでも5日分にしかならない。
「今は高級侍女の募集はしていないから、見習い侍女だと1年間の見習い期間でその間は月12万リン。夜会の事も考えると少し難しいわね」
「はい。その通りです」
故の、あの募集なんだけど。
「あの……王妃様、もし宜しければこの募集に応募したいのですが」
そう言ってそっと出したのは昨日頂いた募集要項の束だ。
その中の一枚をそっと差し出す。
「えっ、本気で言っているの?」
大きく目を見開き確認する王妃様に
「いたって本気です」
と頷く。
「まぁ、まぁ」
プルプルと震える王妃様。
やっぱり怒られるかなぁ……。
そう思い身を縮ませながら王妃様の様子を伺い見ると。
「なんて面白いのかしら」
滅茶苦茶ツボに入ったようで楽しそうに手を叩く。
「全面的にバックアップしますわ。メリーちょっと来て頂戴」
そして、側に控えている侍女を呼ぶと扇で口許を隠しながら何かを伝えた。
話終わると一礼した侍女が部屋から出て行く。
「推薦状は私が書きましょう。名前はそのままでも良いけれど、姓は私の実家から借りましょう。後でお兄様には話を通しておくわねぇ」
楽しそうに話す王妃様。
すると先程出て行ったメリーが何枚かの服とカツラを持って戻って来た。
「子供達のお下がりだけどもう着れないから差し上げるわ。使って」
ニコニコと笑う王妃様。
「じゃあ、早速仕上げちゃいましょうか?男装したいだなんて、ちょっと私の遊び心を擽るわね」
そう言って王妃様は微笑んだのだった。
あの……もしかして楽しんでいます?
朝食を抜いたのは別にダイエットしている訳でもなく、ただ単にお金がないだけで、どうせお茶の時に美味しいお菓子位出るだろうからと言う目算があったからだ。
「昨夜は大変美味しいお食事をありがとうございます」
入室するなり綺麗にカーテーシーをしながら王妃様にそうお礼を述べる。
本当ならあんな贅沢な夕食より2ヶ月分の家賃か、モーニング10日分とかの方が私的には有り難かったが、そこは言わないでおく。
王妃様は「気になさらないで、お近づきにの印よ」と言うと私に席を促した。
王妃様付きの侍女がスッと王妃様の向かいの席の椅子を引き私を促す。
軽くお辞儀をして椅子に座ると素早く私の目の前に紅茶が置かれた。
凄い早業だ。
流石王妃様付きの高級侍女。
レベルが違うわ~。
そして、紅茶を「頂きます」と一口飲むと
「まずは、この後宮でのルールから説明します」
と、ゆっくりと王妃様が話されたのは妾達の年間のスケジュールだった。
全員参加の王宮の夜会が年間4回あり、その時のドレスは王宮からレンタル出来るらしい。
但し、着付け等コミコミで安くっても1回10万リン。
その他に、他国の賓客の場合晩餐へと参加要請もあるのだとか、勿論晩餐は5万リンの負担になるそうだ。
勿論ドレスのレンタルもあるらしく、それは夜会より格式が落ちる為に代金は5万リンからとなるそうだ。
あくまでも名誉の為の出費とのこと。
私には理解出来ない出費だ。
「あの……私の家はあまり裕福ではなく、此方に来るのもお小遣いとして月2万リンしか仕送りがないのです」
年間4回の夜会に最低限の金額で参加しても40万リンだ。
とてもじゃないけど無理。
「ええ、お金の事はグロリアさんから話は伺っております。ルクスさんはアルバイトをなさりたいとか」
「はい。その通りですわ」
だって、食事だけでも破産しそうなのに、夜会参加ってなんだよ。
「月2万リンでは食事代にもなりませんわよね」
そう。
そこだ。
家賃を引いたらモーニングの最低ランクでも5日分にしかならない。
「今は高級侍女の募集はしていないから、見習い侍女だと1年間の見習い期間でその間は月12万リン。夜会の事も考えると少し難しいわね」
「はい。その通りです」
故の、あの募集なんだけど。
「あの……王妃様、もし宜しければこの募集に応募したいのですが」
そう言ってそっと出したのは昨日頂いた募集要項の束だ。
その中の一枚をそっと差し出す。
「えっ、本気で言っているの?」
大きく目を見開き確認する王妃様に
「いたって本気です」
と頷く。
「まぁ、まぁ」
プルプルと震える王妃様。
やっぱり怒られるかなぁ……。
そう思い身を縮ませながら王妃様の様子を伺い見ると。
「なんて面白いのかしら」
滅茶苦茶ツボに入ったようで楽しそうに手を叩く。
「全面的にバックアップしますわ。メリーちょっと来て頂戴」
そして、側に控えている侍女を呼ぶと扇で口許を隠しながら何かを伝えた。
話終わると一礼した侍女が部屋から出て行く。
「推薦状は私が書きましょう。名前はそのままでも良いけれど、姓は私の実家から借りましょう。後でお兄様には話を通しておくわねぇ」
楽しそうに話す王妃様。
すると先程出て行ったメリーが何枚かの服とカツラを持って戻って来た。
「子供達のお下がりだけどもう着れないから差し上げるわ。使って」
ニコニコと笑う王妃様。
「じゃあ、早速仕上げちゃいましょうか?男装したいだなんて、ちょっと私の遊び心を擽るわね」
そう言って王妃様は微笑んだのだった。
あの……もしかして楽しんでいます?
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