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番外
パートナー
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「今度のパーティで、パートナーになってくれないか?」
優しくベンネルは微笑んだ。
学園生活も順調に進んで、数ヶ月後には学園主催のパーティがある。ダンスしたりご飯食べたり、遊んだりするの。
パートナーがいなきゃダメらしいんだけど、ベンネルがなってくれるって。
…でもなぁ。
「今回はブレイグにパートナーになってもらいたいなぁ、ダメ?」
ブレイグの方を見ると少しだけ困った顔をする。
「私は婚約者のエスコートをするように言われていますから。それに聖女様のパートナーを務めるなど恐れ多い」
ブレイグは真面目だなぁ。同じく婚約者のエスコートをしなきゃとかでレーブとカルもダメ。
「…僕を最初に見てくれないのかな?」
ベンネルが悲しそうな顔をしたからハグした。
「だって、嫉妬してほしいじゃん?」
好きな人には嫉妬してほしいものじゃない?好きな人が他の人と一緒にいたら妬くよね。そういえば、
「婚約者さんはいいの?ベンネル」
「…メーレは既にエスコートを断ってきている。王家の方に連絡が来ていた」
少し顔を歪めてベンネルが言う。それなら、婚約者さんを気にせず、心置きなくベンネルと一緒にいられるね。
「パーティ、楽しみだね」
私はベンネルに微笑みかけた。
「…あれぇ?無いなー」
私は放課後学園の中をうろうろと探し回っていた。探し物はネックレス。パーティで付けていくためにベンネルが贈ってくれたピンクの可愛いやつで、大事にしたくて鞄に入れてたのに気づいたら無くなってた。どこかで落としたかもと思って探してるんだけど一向に見つからない。
「やばーい、どうしよー」
せっかくプレゼントしてくれた物を失くしたなんてベンネルに申し訳なさすぎる。
ふと思いついて目を閉じて手を祈る形にする。
いるのかよく分かんないけどどうか神様、あなたの聖女にネックレスのある場所を教えてください…なんて。
聖女の力って結構万能なんだけど、どうなるんだろう。ネックレスが光ったりするのかな。
「…何をされているのです?」
目を瞑って無心で祈っていると、訝しげな声がした。
私の前にいたのはベンネルの婚約者さん、確か名前は、メーレ、って言ったかな。珍しく1人だった。
いやちょっと、探し物を、と言いかけて私は口籠った。
聖女として祈った瞬間現れた彼女。私の願いを叶える聖女の力。まさか。
彼女がネックレスを盗んだ、とかじゃないよね。
「…いやー、なんでもないですぅ、あはは」
必死に平静を装って私は足早にその場を離れた。立ち去る私の背中をメーレの瞳がいつまでも見つめているような気がした。
優しくベンネルは微笑んだ。
学園生活も順調に進んで、数ヶ月後には学園主催のパーティがある。ダンスしたりご飯食べたり、遊んだりするの。
パートナーがいなきゃダメらしいんだけど、ベンネルがなってくれるって。
…でもなぁ。
「今回はブレイグにパートナーになってもらいたいなぁ、ダメ?」
ブレイグの方を見ると少しだけ困った顔をする。
「私は婚約者のエスコートをするように言われていますから。それに聖女様のパートナーを務めるなど恐れ多い」
ブレイグは真面目だなぁ。同じく婚約者のエスコートをしなきゃとかでレーブとカルもダメ。
「…僕を最初に見てくれないのかな?」
ベンネルが悲しそうな顔をしたからハグした。
「だって、嫉妬してほしいじゃん?」
好きな人には嫉妬してほしいものじゃない?好きな人が他の人と一緒にいたら妬くよね。そういえば、
「婚約者さんはいいの?ベンネル」
「…メーレは既にエスコートを断ってきている。王家の方に連絡が来ていた」
少し顔を歪めてベンネルが言う。それなら、婚約者さんを気にせず、心置きなくベンネルと一緒にいられるね。
「パーティ、楽しみだね」
私はベンネルに微笑みかけた。
「…あれぇ?無いなー」
私は放課後学園の中をうろうろと探し回っていた。探し物はネックレス。パーティで付けていくためにベンネルが贈ってくれたピンクの可愛いやつで、大事にしたくて鞄に入れてたのに気づいたら無くなってた。どこかで落としたかもと思って探してるんだけど一向に見つからない。
「やばーい、どうしよー」
せっかくプレゼントしてくれた物を失くしたなんてベンネルに申し訳なさすぎる。
ふと思いついて目を閉じて手を祈る形にする。
いるのかよく分かんないけどどうか神様、あなたの聖女にネックレスのある場所を教えてください…なんて。
聖女の力って結構万能なんだけど、どうなるんだろう。ネックレスが光ったりするのかな。
「…何をされているのです?」
目を瞑って無心で祈っていると、訝しげな声がした。
私の前にいたのはベンネルの婚約者さん、確か名前は、メーレ、って言ったかな。珍しく1人だった。
いやちょっと、探し物を、と言いかけて私は口籠った。
聖女として祈った瞬間現れた彼女。私の願いを叶える聖女の力。まさか。
彼女がネックレスを盗んだ、とかじゃないよね。
「…いやー、なんでもないですぅ、あはは」
必死に平静を装って私は足早にその場を離れた。立ち去る私の背中をメーレの瞳がいつまでも見つめているような気がした。
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