聖女の取り巻きな婚約者を放置していたら結婚後に溺愛されました。

しぎ

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番外

決意

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「…メーレがアカリのものを盗んだって…!?」
あの後もメーレに何も言えなくてうろうろ探してたらベンネルに見つかった。ベンネルの部屋に行って何を探しているのか聞かれて経緯を話す中でメーレに会ったことも言っちゃうとベンネルが怒り出した。
「いやいや、違うんだよ、ただ祈ったらメーレさんに会ったってだけで。メーレさんが持ってるの見たとかじゃないんだよ?でも、学園中探しても見つからなくてもしかしてってだけで」
ベンネルを止めようと話すけど自分でも何を言っているのか分からなくなる。私はメーレが盗んだと思ってるのかな、そうじゃないと思ってるのかな。
「…それに、メーレ達がアカリを虐めていると言う話も聞いた」
ベンネルが押し殺した声で言う。初耳なんだけど?
「アカリが貴族令嬢から無視されていると聞く。主導はメーレとその取り巻きの者達だろう。その上アカリの物を盗むなんて。聖女たるアカリになんてことをするんだ。私の愛する人を害するものは許さない。今度こそ私はメーレと婚約破棄をする!」
高々とベンネルが叫んだ。

…いやいやいや。
ベンネルが婚約破棄してくれるのは嬉しいけど、それ冤罪じゃない?メーレが盗んだと決まったわけじゃないし。無視されてるって言うより私が彼女達の婚約者と何故か仲良くなっちゃってるから気に食わないだけだろうし。仲良くなれないのは悲しいけど。
私があわあわしているとそれ以上に慌てている側近の3人が急いでベンネルを諌める。
「メーレ嬢はそんな人じゃない!ベンネル様、一度気を鎮めてくれ。シャガートも落ち着いている。彼女は他人に嫌がらせをするような人ではない」
「…ブラーナは嫌がらせを見つけたら止めに行くタイプだ。そんなことは絶対にない」
「落ち着いてください、ベンネル様。昔のあなたを思い出してください」
3人がどれだけ説得してもベンネルの意思は変わらず、婚約破棄の話を何があっても進めると決めてしまった。

「アカリ、失くなったネックレスの代わりを買いに行こうか」
甘く微笑んだベンネルに私は引き攣った笑顔を返すしかなかった。
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