44 / 53
番外
決意
しおりを挟む
「…メーレがアカリのものを盗んだって…!?」
あの後もメーレに何も言えなくてうろうろ探してたらベンネルに見つかった。ベンネルの部屋に行って何を探しているのか聞かれて経緯を話す中でメーレに会ったことも言っちゃうとベンネルが怒り出した。
「いやいや、違うんだよ、ただ祈ったらメーレさんに会ったってだけで。メーレさんが持ってるの見たとかじゃないんだよ?でも、学園中探しても見つからなくてもしかしてってだけで」
ベンネルを止めようと話すけど自分でも何を言っているのか分からなくなる。私はメーレが盗んだと思ってるのかな、そうじゃないと思ってるのかな。
「…それに、メーレ達がアカリを虐めていると言う話も聞いた」
ベンネルが押し殺した声で言う。初耳なんだけど?
「アカリが貴族令嬢から無視されていると聞く。主導はメーレとその取り巻きの者達だろう。その上アカリの物を盗むなんて。聖女たるアカリになんてことをするんだ。私の愛する人を害するものは許さない。今度こそ私はメーレと婚約破棄をする!」
高々とベンネルが叫んだ。
…いやいやいや。
ベンネルが婚約破棄してくれるのは嬉しいけど、それ冤罪じゃない?メーレが盗んだと決まったわけじゃないし。無視されてるって言うより私が彼女達の婚約者と何故か仲良くなっちゃってるから気に食わないだけだろうし。仲良くなれないのは悲しいけど。
私があわあわしているとそれ以上に慌てている側近の3人が急いでベンネルを諌める。
「メーレ嬢はそんな人じゃない!ベンネル様、一度気を鎮めてくれ。シャガートも落ち着いている。彼女は他人に嫌がらせをするような人ではない」
「…ブラーナは嫌がらせを見つけたら止めに行くタイプだ。そんなことは絶対にない」
「落ち着いてください、ベンネル様。昔のあなたを思い出してください」
3人がどれだけ説得してもベンネルの意思は変わらず、婚約破棄の話を何があっても進めると決めてしまった。
「アカリ、失くなったネックレスの代わりを買いに行こうか」
甘く微笑んだベンネルに私は引き攣った笑顔を返すしかなかった。
あの後もメーレに何も言えなくてうろうろ探してたらベンネルに見つかった。ベンネルの部屋に行って何を探しているのか聞かれて経緯を話す中でメーレに会ったことも言っちゃうとベンネルが怒り出した。
「いやいや、違うんだよ、ただ祈ったらメーレさんに会ったってだけで。メーレさんが持ってるの見たとかじゃないんだよ?でも、学園中探しても見つからなくてもしかしてってだけで」
ベンネルを止めようと話すけど自分でも何を言っているのか分からなくなる。私はメーレが盗んだと思ってるのかな、そうじゃないと思ってるのかな。
「…それに、メーレ達がアカリを虐めていると言う話も聞いた」
ベンネルが押し殺した声で言う。初耳なんだけど?
「アカリが貴族令嬢から無視されていると聞く。主導はメーレとその取り巻きの者達だろう。その上アカリの物を盗むなんて。聖女たるアカリになんてことをするんだ。私の愛する人を害するものは許さない。今度こそ私はメーレと婚約破棄をする!」
高々とベンネルが叫んだ。
…いやいやいや。
ベンネルが婚約破棄してくれるのは嬉しいけど、それ冤罪じゃない?メーレが盗んだと決まったわけじゃないし。無視されてるって言うより私が彼女達の婚約者と何故か仲良くなっちゃってるから気に食わないだけだろうし。仲良くなれないのは悲しいけど。
私があわあわしているとそれ以上に慌てている側近の3人が急いでベンネルを諌める。
「メーレ嬢はそんな人じゃない!ベンネル様、一度気を鎮めてくれ。シャガートも落ち着いている。彼女は他人に嫌がらせをするような人ではない」
「…ブラーナは嫌がらせを見つけたら止めに行くタイプだ。そんなことは絶対にない」
「落ち着いてください、ベンネル様。昔のあなたを思い出してください」
3人がどれだけ説得してもベンネルの意思は変わらず、婚約破棄の話を何があっても進めると決めてしまった。
「アカリ、失くなったネックレスの代わりを買いに行こうか」
甘く微笑んだベンネルに私は引き攣った笑顔を返すしかなかった。
114
お気に入りに追加
516
あなたにおすすめの小説

姉妹同然に育った幼馴染に裏切られて悪役令嬢にされた私、地方領主の嫁からやり直します
しろいるか
恋愛
第一王子との婚約が決まり、王室で暮らしていた私。でも、幼馴染で姉妹同然に育ってきた使用人に裏切られ、私は王子から婚約解消を叩きつけられ、王室からも追い出されてしまった。
失意のうち、私は遠い縁戚の地方領主に引き取られる。
そこで知らされたのは、裏切った使用人についての真実だった……!
悪役令嬢にされた少女が挑む、やり直しストーリー。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

お堅い公爵様に求婚されたら、溺愛生活が始まりました
群青みどり
恋愛
国に死ぬまで搾取される聖女になるのが嫌で実力を隠していたアイリスは、周囲から無能だと虐げられてきた。
どれだけ酷い目に遭おうが強い精神力で乗り越えてきたアイリスの安らぎの時間は、若き公爵のセピアが神殿に訪れた時だった。
そんなある日、セピアが敵と対峙した時にたまたま近くにいたアイリスは巻き込まれて怪我を負い、気絶してしまう。目が覚めると、顔に傷痕が残ってしまったということで、セピアと婚約を結ばれていた!
「どうか怪我を負わせた責任をとって君と結婚させてほしい」
こんな怪我、聖女の力ですぐ治せるけれど……本物の聖女だとバレたくない!
このまま正体バレして国に搾取される人生を送るか、他の方法を探して婚約破棄をするか。
婚約破棄に向けて悩むアイリスだったが、罪悪感から求婚してきたはずのセピアの溺愛っぷりがすごくて⁉︎
「ずっと、どうやってこの神殿から君を攫おうかと考えていた」
麗しの公爵様は、今日も聖女にしか見せない笑顔を浮かべる──
※タイトル変更しました
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】

神託を聞けた姉が聖女に選ばれました。私、女神様自体を見ることが出来るんですけど… (21話完結 作成済み)
京月
恋愛
両親がいない私達姉妹。
生きていくために身を粉にして働く妹マリン。
家事を全て妹の私に押し付けて、村の男の子たちと遊ぶ姉シーナ。
ある日、ゼラス教の大司祭様が我が家を訪ねてきて神託が聞けるかと質問してきた。
姉「あ、私聞けた!これから雨が降るって!!」
司祭「雨が降ってきた……!間違いない!彼女こそが聖女だ!!」
妹「…(このふわふわ浮いている女性誰だろう?)」
※本日を持ちまして完結とさせていただきます。
更新が出来ない日があったり、時間が不定期など様々なご迷惑をおかけいたしましたが、この作品を読んでくださった皆様には感謝しかございません。
ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる