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第四章 平穏

第九話 屋敷完成

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「二階はどうしようかな」

 建設を再開して僕は二階に上がった。二階にはゼル様の寝室だった部屋が三分の二を占める。右側と中央をすべて寝室ってどんだけすごいんだろう。このままじゃみんなと同じ部屋で寝る設計になってしまうので変更します。70坪の敷地面積なのでそれを15坪で4部屋作って、残りの10坪も部屋にしておく。はっきり言って10坪の部屋でもすごく広くて小市民の僕的には慣れるのが大変。
 それでは作っていきましょう。タンスやクローゼットを作っておいて部屋を区切る壁を作っていきます。木材は売るほどあるのでいくつでも生産可能。もちろん、タンスやクローゼットはアイテムバッグと同じようにいくらでも入るようになっています。そう言えば僕のアイテムバッグ、ずっと緑色に光ってる。いくらでもアイテムが入るみたいなんだけど、やっぱり普通じゃないのかな。
 そうこう考えながら部屋を作っていくとあっという間に完成。あとは残りの三分の一の部分、40坪分はこれまたびっくりお風呂でした。
 大浴場で二階に設置するなんてどんなお金持ちだよね。天窓が大きくあって夜空が覗けるようになってるし、大きな虎の置物からお湯が出てくる仕組みみたい、今は魔石がないみたいで水が出ないようになっている。水が出て流れてくる間に火の魔石の上を通ることでお湯になっていく仕組み、僕のお湯が沸く桶と違って別々の魔石を使って工夫が見えて何だか面白い。普通に泳げるほどの湯舟だけど、年代物のようでひびとかが目立つ、全部直して、お風呂は女湯と男湯を作ることにしました。湯舟を半分こする感じで壁を生成していく。水が沸く虎口は一つだったので同じような口を女湯の方にも作ってみた。どうせだからミスリーに似せて作ると何だか可愛くてついつい撫でてしまう。丁度、そこにミスリーが現れて、僕の作った虎の横に座って僕を見てきた。

「にゃ~」
「撫でろってこと?」

 徐にミスリーが鳴きだした。僕は撫でてほしいんだと思ってミスリーを撫でるとその場に丸くなって寝る体勢、ここが気に入ったのかな。眠るミスリーを尻目に僕はお風呂を完成させていく。コネコネと最後の仕上げです。

「よ~し完成。水はお湯の沸く桶を設置したから大丈夫」

 男湯と女湯を20坪ずつで作った。とても広くて男は僕だけなので毎回心細くお風呂に入る姿が目に浮かびます。うん、寂しい。

「わ~、凄~い」
「兄さん完成したんだね」
「凄い広いですね」

 モナーナ達がお風呂に入ってきて歓声を上げた。隅々まで見て回るみんなを僕は目で追っていく。

「ゼル様ってお風呂にお金かけてたんだね」
「あ~そうだ。この魔石とかってモナーナのお父さんの魔道具じゃないかな?ティーセットと同じ印が付いてるんだけど」
「えっ」

 取り外した魔石をモナーナに見せるとモナーナは目を輝かせた。その輝きは潤いを帯びていて、涙があふれそうになっている。お父さんの形見が増えたかのかな。屋敷を買ってよかったよ。

「ルーク、もらっていいかな?」
「どうぞ、モナーナのお父さんの形見なんだから当然だよ」

 そういうとモナーナは魔石をギュッと抱きしめた。本当に愛しいな。

 とりあえず、屋敷は完成。今日は小鳥のさえずり亭で泊まる。今日が最後だから何だか感慨深いな。

「とか思っていました」

 ワイワイワイワイ。今、僕の屋敷でパーティーが開催されています。モナーナ達が外に出ていたのはこのことだったようです。飾りつけはないものの屋敷の一階部分と地下の部分を解放してパーティーが開催されました。地下は机を置いただけでとても広々としているけど、みんな室内栽培が気になるようで人が集まっていました。
 レインに栽培を任せているから作物はすぐに育つ、自給自足をすぐに実現可能な屋敷だ。

 一階の玄関から右側の元パーティールームで僕は果物から作ったミックスジュースを飲んでいるとスリンさんが来てくれた。スリンさんに挨拶しなくちゃ。 

「スリンさんもきてくれたんですね」
「すまないね。私たちまでよんでもらっちゃって」
「ルークお兄ちゃん」

 スリンさんに挨拶するとルルちゃんが飛びついてきた。ルルちゃんは本当に活発な女の子だな~。ユアンとは違うから何だか新鮮だよ。

「屋敷があってもあの部屋は取っておくからね。いつでも泊まりに来な」
「ええ、悪いですよそんな・・・」
「いいんだよ。ルークはこのエリントスの英雄なんだからね」

 スリンさんはニカッと笑って話した。エリントスの英雄か~、そこんところはユアンにできないのが悔やまれる。最初からユアンと行動していればこんなことには!

「エリントスの英雄も僕にしようなんて思っているんじゃないだろうね?」
「あっ、ユアン。よくわかったね」
「もうっ、兄さんは相変わらずだよね。こんな屋敷を改造しちゃったりしているくせに」

 ユアンは僕の考えをお見通しのようであきれ顔です。本来ならユアンが英雄なんだからしょうがない。僕なんかちょっと製作が凄いだけで他はからっきしなんだから英雄なんておこがましいよ。

「ルーク、もう諦めたら?人が作れないものを作れたりしたらその時点で英雄とか歴史に名を残す人なんだから」
「ええ!」

 モナーナがそんなことを言ってくる。確かに規格外の物を作っている自覚はあるけど、歴史に名を残すとか言われると首を傾げざる負えない。

「ルークさんはユアンさんでも倒せないような人たちを倒したんですよ。それに冥樹がスキルを得た時、私は世界の終わりを自覚しました。ですがその未来は綺麗に山と共に消えたのです。あなたはもう、歴史に名をのこしているんですよ」

 ルナさんがワイン片手に現れました。食べ物の多くは街のみんなが持ってきたものなのでジュースくらいしか僕は提供していません。エリントスの人達はパーティー慣れしているのかな?
 僕はそんなことを言われても納得はしません。だってこの力はお父さん達のものなんだからね。お父さん達よりも凄い力だってわかってしまったけど・・・。

「ははは、ルーク君は相変わらずなようだね」
「クルシュ様」

 クルシュ様達もパーティーに来てくれたようだ。綺麗なドレスを着たルビリア様とサファリア様もいて何だか目のやり場に困る。

「ご招待ありがとうルーク君」
「僕はしていないんですけどね」

 クルシュ様は握手を求めてきたので答えて握手をする。

「それでルーク君はいつ、モナーナさんと?」
「「え?」」
「私たちはそんなんじゃないですよ!」

 クルシュ様の言葉にモナーナが狼狽えている。僕がモナーナと何だろうか?

「え?違うのかい?僕はてっきり」
「クルシュ様ちょっとこちらに」
「ルビリアどうしたんだ?」

 ルビリア様がクルシュ様と屋敷の外へと出て行ってしまった。サファリア様も遅れて外に向かった。すると、

「クルシュ様、お二人は意識しあっている仲なんです。あまり外からちゃちゃをいれるものではありません」
「何をそんなに怒っているんだ。私はただ思ったことをいっただけ」
「それがいけないんです。もっと空気を読んでください。思ったことをいってばかりでは世は戦争ばかりになってしまいますよ」
「ああ、わかったよ」
「分ればいいんです」

 ルビリア様の剣幕にクルシュ様はタジタジ、どうやら僕とモナーナの結婚という話をしてきていたようだ。まだ付き合ってもいないのに一足飛び過ぎるよ。

「ははは、すまなかったね」
「いえいえ・・・」

 おかげでモナーナが赤くなって離れて行ってしまいましたよ。せっかくおめかししていていつもより綺麗だったのに。

「兄さん、モナーナと一緒にいなくていいの?」
「ん~。恥ずかしそうにしていたから」
「今なら二人きりになれるんじゃないの?」

 モナーナは二階に上がっていった。ユアンの言う通り今なら二人っきりで話が。

「ありがとうユアン、みんなの事お願いね」
「うん・・・頑張ってねお兄ちゃん」

 ユアンにお礼を言って僕はモナーナを追いかける。
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