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2章 Queen ANT (アリの女王編)
33. MILKY GUYS
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『自爆まであと120秒…総員退避!総員退避!』
室内の警告音が尚一層激しくなる。
『その少年とこの子はどうやら時空を超えた非言語的コミュニケーション能力で共感していたらしい。』
「時空を超えた非言語的コミュニケーション能力?」
『ああ、その少年の持つ魔法の性質は知っているか?彼の魔法は自分以外の全てのモノの時の流れを緩やかにすると言う能力。』
「駿以外の全てのモノ?」
『ああ…その通り!そして我々アリの思念波による会話能力によりこの少年と娘は一瞬のうちに相手の本質を理解し、共感して心を通わせた。』
「⁈駿と女王アリ2が…駿は素早く動けるのでは無く我々の動きがゆっくりになってるって事か?」と堂島が聞き返す。
『ああ、だが決して我々の時が止まってる訳では無く彼の目から見た体感として我々の動きが止まってるかの様に見えていると言うことだ。』
「つまり…駿自身の動きは普通でも周りの時間が止まってるかの様に見えていると言う事か?」
『ああ、その通りだ。その少年は魔法の発動によって全てのモノの動きを10000分の1、もしくはそれ以下に抑える事が出来る。それはもう時間が止まってるのと何(なん)ら変わらんよ!』
「それが本当だとしたらいわばAVの時間を止めるストップウォッチなる物を使わずに時間が止まってるかの様に出来るって事で間違い無いんだな?」
『ああ、AVの時間を止めるストップウォッチなる物が何か知らんけど、童貞野郎の考えそうな事だな…その通りだ!』
「すごいな!童貞に手厳しいな!しかしそれが本当なら色々やり放題じゃ無いか!」
『ああ、彼が魔法を発動させてる時の彼の動きは常人には決して捉えられまい。』
「LINEに一瞬で長文を打ち込めたり大量のスタンプを送ったり出来たのもこの魔法による能力か?」
『LINEやスタンプてのが何か知らんけど!その通りだ!』
「駿は元々LINEの打ち込みが早かったが更にこの魔法を使う事でこんなにも大量の文字が一瞬で打てるということか…」
『ああLINEってのは知らんけど…その通りだ。』
「なるほど!LINEの内容ってのはコレだ。駿とこのアンタの娘との2人の会話の内容が俺たちに一斉に送られて来たんだ。その内容を見て俺たちは今、ここに来た。囚われの身のアンタを助ける為に…な」
そう言って堂島 海里はスマホの駿とアリの女王2との会話が議事録の様にビッシリと打ち込まれた画面をアリの女王1に見せた。
『自爆まであと120秒…総員退避!総員退避!』
室内の警告音が尚一層激しくなる。
「時間が無いぞ!早くここから出ないと!」
――――――――――――――――――――――――
スマホの画面にLINEの内容が映し出されている。
――――――――――――――――――――――――
※駿とアリの女王2とのやり取り
※
『ウチのオカンがね!』
「エッ、さっきまでママって言ってたのに急に?ってコレもオレの脳が勝手に変換してるってヤツなのかな…」
『エエ、その通りよ!ウチのオカンがね、巣内のアリ達から女王アリロボについて色々と言われるらしくって!』
「フムフム…君とこのオカンて言うたらこの巣の女王アリの事やね?で?一体どう言う事を言われるの?」
※この独特の関西なまりも脳内で勝手に変換されているものと思われる。
『オカンが言うには働きアリ達から女王アリロボは無駄にデカイって言われるって!』
「そうなん?ソレは完全にディスられてるね!いくら大きいって言うても無駄か無駄じゃないかは人にとやかく言われるものでも無いしね!で?どれくらいなのよ、実際の大きさは?」
『実際の女王アリロボの大きさは身長が57メートルあるらしくてね。』
「フムフム、身長が57メートル。モビルスーツの平均の大きさが18メートル、ウルトラマンの大きさが40メートル、吹田市の万博公園にある太陽の塔が70メートル、新聞紙を100回折りたたむと134億光年!ってもう長さの単位でも何でも無くなってるけど、実際ロボの大きさが身長57メートルやとしたら、まぁロボットとしてはそれくらい無いと迫力が無いからそれくらいあった方がいいんと違う?コレはディスられるほどの事でも無いんとちがう?」
『うん、そうなんよ。ソレは私もそう思うんやけどね。ただオカンが言うには大きさの割には女王アリロボの機能がショボ過ぎるって働きアリ達からめっちゃ言われるって!』
「フムフム、大きさの割にはってことは、身長が57メートルもあるんやから色々とその大きさを活かした機能があって当然やけど一体どんな機能があるの?」
『それがオカンが言うには、今何匹くらいの働きアリがいてあとどれくらい産めばいいか計算するのにすごい便利や!って言うてた』
「ほう!57メートルの大きさがあるのに計算するだけしか機能が無いんやったらそりゃディスられてもしょうがないよ!それくらいの計算やったら100均の電卓で充分なんよ!それはディスられてもおかしく無いよ!」
『そうなんよね、私もそう思うんやけど、オカンが言うには簡単に円グラフとか棒グラフなんかも出せて便利やって言うてるんよ!』
「うーん、確かに100均の電卓では円グラフや棒グラフを出すのは荷が重いか!いくら100均の品揃えが凄いって言っても表計算が出来るソフトは流石に100円では買えないからそれはディスられるのはおかしいか!」
『そうなんよね!私もそう思うんやけど、オカンが言うには特にあの大きさを活かした特技ってのは他に何にも無いってところを働きアリ達からとやかく言われるって!』
「あの大きさを活かしたモノが他に一つも無いんやったらそりゃ一生懸命に働く働きアリ達からあれこれとやかく言われても当然よ!あの大きさで機能が表計算しか無いとしたらどれだけ円グラフや棒グラフに特化しててもそれはもうノートパソコンで充分なんよ!むしろ持ち運びもしないならデスクトップパソコンで充分なんよ!それは働きアリ達から文句を言われても仕方がないわ!」
『そうなんよねー、それにオカンが言うにはこの女王アリロボは身長の割に体重がやけに軽過ぎるって働きアリ達から言われるって!』
「そうなの?体重?仮にロボットであったとしても女性が体重の事を言われるって触れられたく無い事の上位にランキングするのよ!年齢と体重は少なく言うっていうのは女性に対してのマナーなんよ!それをとやかく言われるって事は完全にディスられてるよ!実際は体重はどれくらいなの?」
『オカンが言うには女王アリロボの体重は550トンくらいやって言うてた。』
「エエっと、女王アリロボの身長が57メートル。実際の体重が550トンって事は人間の大きさに換算するならば、身長170センチの人の体重が14キロって事になるんよ!こんなもん栄養失調で動けないレベルでガリガリって言葉で片付けられる様な問題では無いよ!こんなの児童福祉施設なんかに相談したら一発で入所のレベルよ!ちゃんと食事を与えてましたか?って言うレベルなんよ!コレはディスられてるって言うよりもむしろ心配されてるんじゃ無い?」
『エエ、私もそう思うんやけどオカンが言うには女王アリロボはロボットやから食事とかの必要は無いって、完成した時からずっとあの体重のままやって言うんよね』
「完成した時からあのままやったら別に栄養失調って訳でも無いか!」
『そうなんよね、オカンが言うには設計図と完成したロボとでは随分見た目が違うって言うてたんよね』
「設計図と完成形がずいぶん違ったらそれは完全に手抜き工事が原因やないの?きちんと設計図通りに施工してもらわんとその強度に達してないとしたらそれが原因で軽いんや無いの?それは女王アリロボの事を責めるよりも施工業者を責めないとアカンのちゃうの?」
『そうなんよね、私もそう思うんやけど、オカンが言うには設計図と完成形ではボディの色が全く違うって言うてるんよ』
「見た目が随分違うって言うのは色の事なの?材質が違うので強度が違うとか重量が違うとかの問題じゃ無くて色だけの事なの?それは施工業者と言うよりも塗装業者の問題じゃ無いの?」
『そうなんよね、でもオカンが言うには設計から施工まで自社でやってるって言うてたんよね!』
「設計から施工まで一貫施工管理なの?それやったら外注業者のせいじゃないか!むしろ自社施工なんやったら自社の設計士か現場監督の問題なんじゃ無いの?」
『そうなんよね、私もそう思うんやけど、オカンが言うには設計から施工管理まですべてオカンがやったって言うてるんよ!』
「エッ、設計から施工管理まで女王アリであるオカン自らやってんの?オカンすごいけど!それやったらむしろオカンが悪いんやからそれはオカン自身の設計、施工ミスなんでロボと言うよりもオカンがディスられても仕方が無いよ!むしろ何をしとんオカンコラー!」
『そうなんよねー、私もそう思うんやけどオカンが言うには設計士の免許を持って無いって言うてるんよね』
「設計士の免許を持って無いんやったら仕方無いかー。ってそもそも設計士でも何でも無いのに図面が引けたとしたらオカンすごいな!ていうかロボットの設計施工に免許いるって何やねん!」
『そうなんよねー、私もそう思うんやけどオカンが言うには女王アリロボは単なる思い付きやって言うてるんよね』
「単なる思いつきって!それ女王アリロボがどうこうじゃなくて女王としてのオカンがどうなの?」
『そうなんよねー、私もそう思うんやけど、オカンが言うには女王アリロボの維持費も凄いって言うてるんよね』
「無駄にデカくて場所を取るうえに維持費まで凄いかかるって一体どうなってるのよオカンの経営方針は?で一体いくらくらい掛かってるのよ?」
『それがわからんのよ。オカンが言うには女王アリロボをフル稼働させると巣の経済が傾くって言うんよね!』
「一体どうなってんの?たかだか表計算ソフトの機能しか持たない馬鹿デカイロボットにどんだけ維持費が掛かってるんよ?それこそ女王アリロボがどうこうと言うよりも女王アリとしてのオカンの資質が問われるよ!」
『そうなんよねー、私もそう思うんやけどオカンが言うには働きアリ達は女王アリロボには風当たりがキツイけど私には優しいって言うてるんよね』
「そうなの?今までの内容を考えていくと全ての元凶は女王アリであるオカンの様に思えるけども、意思を持たない女王アリロボに悪意の矛先が向いてるんやね?もし仮にロボに意思があったらとんでもない仕返しをオカンにしそうやけど!」
『そうなんよね私もそう思うんやけどオカンが言うには女王アリロボはどうやら意思を持ち始めてるらしいんよね』
「どう言う事?女性アリロボには意思があるの?」
『そうなんよねー私もどうかな?って思ってるんやけどオカンが言うには女王アリロボには高性能のAIが搭載されてるみたいなんよねー』
「どう言う事?高性能のAI搭載の表計算ソフトってオカンの思考どうなってんの?」
『そうなんよねーオカンが言うには女王アリロボがオカンに仕返しの為に反乱を起こし始めてるらしいんよねー』
「高性能AIを搭載した巨大女王アリロボの反乱って!非常にマズイんじゃ無いの?」
『そうなんよねー、オカンが言うには女王アリロボが怒って操縦席のドアを開けてくれへんらしいんよねー』
「???」
『オカンが言うには外から鍵を掛けられて中から出られへんらしいんよねー』
「???」
『そうなんよねー、オカンが言うには早く操縦席から出して欲しいらしいんよねー』
『オカンが言うにはロボが自爆スイッチを押したらしいんよねー』
――――――――――――――――――――――――
『自爆まであと59秒……総員退避!総員退避!』
……40……30……20……10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…
『ゼロだ!』
to be continued on Formica ex machina(機械仕掛けのアリは電気羊の夢を見るか?)
室内の警告音が尚一層激しくなる。
『その少年とこの子はどうやら時空を超えた非言語的コミュニケーション能力で共感していたらしい。』
「時空を超えた非言語的コミュニケーション能力?」
『ああ、その少年の持つ魔法の性質は知っているか?彼の魔法は自分以外の全てのモノの時の流れを緩やかにすると言う能力。』
「駿以外の全てのモノ?」
『ああ…その通り!そして我々アリの思念波による会話能力によりこの少年と娘は一瞬のうちに相手の本質を理解し、共感して心を通わせた。』
「⁈駿と女王アリ2が…駿は素早く動けるのでは無く我々の動きがゆっくりになってるって事か?」と堂島が聞き返す。
『ああ、だが決して我々の時が止まってる訳では無く彼の目から見た体感として我々の動きが止まってるかの様に見えていると言うことだ。』
「つまり…駿自身の動きは普通でも周りの時間が止まってるかの様に見えていると言う事か?」
『ああ、その通りだ。その少年は魔法の発動によって全てのモノの動きを10000分の1、もしくはそれ以下に抑える事が出来る。それはもう時間が止まってるのと何(なん)ら変わらんよ!』
「それが本当だとしたらいわばAVの時間を止めるストップウォッチなる物を使わずに時間が止まってるかの様に出来るって事で間違い無いんだな?」
『ああ、AVの時間を止めるストップウォッチなる物が何か知らんけど、童貞野郎の考えそうな事だな…その通りだ!』
「すごいな!童貞に手厳しいな!しかしそれが本当なら色々やり放題じゃ無いか!」
『ああ、彼が魔法を発動させてる時の彼の動きは常人には決して捉えられまい。』
「LINEに一瞬で長文を打ち込めたり大量のスタンプを送ったり出来たのもこの魔法による能力か?」
『LINEやスタンプてのが何か知らんけど!その通りだ!』
「駿は元々LINEの打ち込みが早かったが更にこの魔法を使う事でこんなにも大量の文字が一瞬で打てるということか…」
『ああLINEってのは知らんけど…その通りだ。』
「なるほど!LINEの内容ってのはコレだ。駿とこのアンタの娘との2人の会話の内容が俺たちに一斉に送られて来たんだ。その内容を見て俺たちは今、ここに来た。囚われの身のアンタを助ける為に…な」
そう言って堂島 海里はスマホの駿とアリの女王2との会話が議事録の様にビッシリと打ち込まれた画面をアリの女王1に見せた。
『自爆まであと120秒…総員退避!総員退避!』
室内の警告音が尚一層激しくなる。
「時間が無いぞ!早くここから出ないと!」
――――――――――――――――――――――――
スマホの画面にLINEの内容が映し出されている。
――――――――――――――――――――――――
※駿とアリの女王2とのやり取り
※
『ウチのオカンがね!』
「エッ、さっきまでママって言ってたのに急に?ってコレもオレの脳が勝手に変換してるってヤツなのかな…」
『エエ、その通りよ!ウチのオカンがね、巣内のアリ達から女王アリロボについて色々と言われるらしくって!』
「フムフム…君とこのオカンて言うたらこの巣の女王アリの事やね?で?一体どう言う事を言われるの?」
※この独特の関西なまりも脳内で勝手に変換されているものと思われる。
『オカンが言うには働きアリ達から女王アリロボは無駄にデカイって言われるって!』
「そうなん?ソレは完全にディスられてるね!いくら大きいって言うても無駄か無駄じゃないかは人にとやかく言われるものでも無いしね!で?どれくらいなのよ、実際の大きさは?」
『実際の女王アリロボの大きさは身長が57メートルあるらしくてね。』
「フムフム、身長が57メートル。モビルスーツの平均の大きさが18メートル、ウルトラマンの大きさが40メートル、吹田市の万博公園にある太陽の塔が70メートル、新聞紙を100回折りたたむと134億光年!ってもう長さの単位でも何でも無くなってるけど、実際ロボの大きさが身長57メートルやとしたら、まぁロボットとしてはそれくらい無いと迫力が無いからそれくらいあった方がいいんと違う?コレはディスられるほどの事でも無いんとちがう?」
『うん、そうなんよ。ソレは私もそう思うんやけどね。ただオカンが言うには大きさの割には女王アリロボの機能がショボ過ぎるって働きアリ達からめっちゃ言われるって!』
「フムフム、大きさの割にはってことは、身長が57メートルもあるんやから色々とその大きさを活かした機能があって当然やけど一体どんな機能があるの?」
『それがオカンが言うには、今何匹くらいの働きアリがいてあとどれくらい産めばいいか計算するのにすごい便利や!って言うてた』
「ほう!57メートルの大きさがあるのに計算するだけしか機能が無いんやったらそりゃディスられてもしょうがないよ!それくらいの計算やったら100均の電卓で充分なんよ!それはディスられてもおかしく無いよ!」
『そうなんよね、私もそう思うんやけど、オカンが言うには簡単に円グラフとか棒グラフなんかも出せて便利やって言うてるんよ!』
「うーん、確かに100均の電卓では円グラフや棒グラフを出すのは荷が重いか!いくら100均の品揃えが凄いって言っても表計算が出来るソフトは流石に100円では買えないからそれはディスられるのはおかしいか!」
『そうなんよね!私もそう思うんやけど、オカンが言うには特にあの大きさを活かした特技ってのは他に何にも無いってところを働きアリ達からとやかく言われるって!』
「あの大きさを活かしたモノが他に一つも無いんやったらそりゃ一生懸命に働く働きアリ達からあれこれとやかく言われても当然よ!あの大きさで機能が表計算しか無いとしたらどれだけ円グラフや棒グラフに特化しててもそれはもうノートパソコンで充分なんよ!むしろ持ち運びもしないならデスクトップパソコンで充分なんよ!それは働きアリ達から文句を言われても仕方がないわ!」
『そうなんよねー、それにオカンが言うにはこの女王アリロボは身長の割に体重がやけに軽過ぎるって働きアリ達から言われるって!』
「そうなの?体重?仮にロボットであったとしても女性が体重の事を言われるって触れられたく無い事の上位にランキングするのよ!年齢と体重は少なく言うっていうのは女性に対してのマナーなんよ!それをとやかく言われるって事は完全にディスられてるよ!実際は体重はどれくらいなの?」
『オカンが言うには女王アリロボの体重は550トンくらいやって言うてた。』
「エエっと、女王アリロボの身長が57メートル。実際の体重が550トンって事は人間の大きさに換算するならば、身長170センチの人の体重が14キロって事になるんよ!こんなもん栄養失調で動けないレベルでガリガリって言葉で片付けられる様な問題では無いよ!こんなの児童福祉施設なんかに相談したら一発で入所のレベルよ!ちゃんと食事を与えてましたか?って言うレベルなんよ!コレはディスられてるって言うよりもむしろ心配されてるんじゃ無い?」
『エエ、私もそう思うんやけどオカンが言うには女王アリロボはロボットやから食事とかの必要は無いって、完成した時からずっとあの体重のままやって言うんよね』
「完成した時からあのままやったら別に栄養失調って訳でも無いか!」
『そうなんよね、オカンが言うには設計図と完成したロボとでは随分見た目が違うって言うてたんよね』
「設計図と完成形がずいぶん違ったらそれは完全に手抜き工事が原因やないの?きちんと設計図通りに施工してもらわんとその強度に達してないとしたらそれが原因で軽いんや無いの?それは女王アリロボの事を責めるよりも施工業者を責めないとアカンのちゃうの?」
『そうなんよね、私もそう思うんやけど、オカンが言うには設計図と完成形ではボディの色が全く違うって言うてるんよ』
「見た目が随分違うって言うのは色の事なの?材質が違うので強度が違うとか重量が違うとかの問題じゃ無くて色だけの事なの?それは施工業者と言うよりも塗装業者の問題じゃ無いの?」
『そうなんよね、でもオカンが言うには設計から施工まで自社でやってるって言うてたんよね!』
「設計から施工まで一貫施工管理なの?それやったら外注業者のせいじゃないか!むしろ自社施工なんやったら自社の設計士か現場監督の問題なんじゃ無いの?」
『そうなんよね、私もそう思うんやけど、オカンが言うには設計から施工管理まですべてオカンがやったって言うてるんよ!』
「エッ、設計から施工管理まで女王アリであるオカン自らやってんの?オカンすごいけど!それやったらむしろオカンが悪いんやからそれはオカン自身の設計、施工ミスなんでロボと言うよりもオカンがディスられても仕方が無いよ!むしろ何をしとんオカンコラー!」
『そうなんよねー、私もそう思うんやけどオカンが言うには設計士の免許を持って無いって言うてるんよね』
「設計士の免許を持って無いんやったら仕方無いかー。ってそもそも設計士でも何でも無いのに図面が引けたとしたらオカンすごいな!ていうかロボットの設計施工に免許いるって何やねん!」
『そうなんよねー、私もそう思うんやけどオカンが言うには女王アリロボは単なる思い付きやって言うてるんよね』
「単なる思いつきって!それ女王アリロボがどうこうじゃなくて女王としてのオカンがどうなの?」
『そうなんよねー、私もそう思うんやけど、オカンが言うには女王アリロボの維持費も凄いって言うてるんよね』
「無駄にデカくて場所を取るうえに維持費まで凄いかかるって一体どうなってるのよオカンの経営方針は?で一体いくらくらい掛かってるのよ?」
『それがわからんのよ。オカンが言うには女王アリロボをフル稼働させると巣の経済が傾くって言うんよね!』
「一体どうなってんの?たかだか表計算ソフトの機能しか持たない馬鹿デカイロボットにどんだけ維持費が掛かってるんよ?それこそ女王アリロボがどうこうと言うよりも女王アリとしてのオカンの資質が問われるよ!」
『そうなんよねー、私もそう思うんやけどオカンが言うには働きアリ達は女王アリロボには風当たりがキツイけど私には優しいって言うてるんよね』
「そうなの?今までの内容を考えていくと全ての元凶は女王アリであるオカンの様に思えるけども、意思を持たない女王アリロボに悪意の矛先が向いてるんやね?もし仮にロボに意思があったらとんでもない仕返しをオカンにしそうやけど!」
『そうなんよね私もそう思うんやけどオカンが言うには女王アリロボはどうやら意思を持ち始めてるらしいんよね』
「どう言う事?女性アリロボには意思があるの?」
『そうなんよねー私もどうかな?って思ってるんやけどオカンが言うには女王アリロボには高性能のAIが搭載されてるみたいなんよねー』
「どう言う事?高性能のAI搭載の表計算ソフトってオカンの思考どうなってんの?」
『そうなんよねーオカンが言うには女王アリロボがオカンに仕返しの為に反乱を起こし始めてるらしいんよねー』
「高性能AIを搭載した巨大女王アリロボの反乱って!非常にマズイんじゃ無いの?」
『そうなんよねー、オカンが言うには女王アリロボが怒って操縦席のドアを開けてくれへんらしいんよねー』
「???」
『オカンが言うには外から鍵を掛けられて中から出られへんらしいんよねー』
「???」
『そうなんよねー、オカンが言うには早く操縦席から出して欲しいらしいんよねー』
『オカンが言うにはロボが自爆スイッチを押したらしいんよねー』
――――――――――――――――――――――――
『自爆まであと59秒……総員退避!総員退避!』
……40……30……20……10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…
『ゼロだ!』
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