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2章 Queen ANT (アリの女王編)

32. Who Killed Cock Robin (誰が彼女を殺(ヤ)ったのか?)

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『自爆まであと59秒……総員退避!総員退避!』
……40……30……20……10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…
 
 ゴオオオオオオオオーーーーーツ!

 轟音とともにこれまで微動だにしなかったアリの女王が両膝を地面につき前のめりに倒れ込む。

 ドーン!ドーン!ドーン!

 続け様に鳴り響いた爆音と共にアリの女王の胴体が内部から弾け飛び剥き出しの白い腹部から胸部にかけて一直線に大きく亀裂が入る。

 一直線に伸びた亀裂はまるで落葉性の針葉樹しんようじゅの樹形の様に腹部から上向きに枝分かれをしてアリの女王の胸元へと伸びていった。

 アリの女王の肢体は胴体を中心に四方へ広がった裂け目から弾け出た炎の塊とともに激しく燃え広がり胴体と脚部をメラメラと焼きながらが2つに分かれその場にドサリと落ちた。
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――
 女王アリロボ胎内ーーーーー。
『自爆まであと24分59秒…総員退避!総員退避!』

「この奥か?」堂島 海里が経路の確認から戻って来た淡路 駿に確認する。
「………」コクリ。

「この扉を破壊します!下がって!」月斗がそう言うと

 ドォン!爆音とともに頑丈そうな扉が吹き飛ぶ。

 鉄の扉は高温で焼かれ赤いマグマの様に溶けてはやがて黒く固まり崩れ落ちた。
 扉の奥を抜けるとややひろめの空間が広がる。

「…………」駿が立ち止まる。

『…………』

「あの中央のくぼみがある辺りだ!」

 そう言って道修 空太は魔法アニマで宙に浮かびながら天井にあるくぼみを指さした。

 空太の指示に従って月斗が天井に左手の平を向けて狙いを定める。

 ドーン!炎の球が天井のくぼみに見事命中しバラバラバラと音を立てて崩れ落ちる。

 天井に人が通れるくらいの穴が開き空太が中を覗き込んで確認する。

「ここから上へ上がれそうだ!」空太はそう言うとゆっくりと地面に着地する。
「よし!空太!俺たちを抱えてあそこまで飛べるか?」
「どうかな?だが時間が無いが1人ずつなら何とか!」
そう言うと1人ずつ順番に空太の両肩に手を置きおんぶされる様な格好で掴まり高く飛び上がる。

 自分の体重プラス背中に背負った者の2人分の重量でジャンプをして宙に浮く。

 ゆっくりとヨロヨロと不安定な体勢で月斗のあけた穴へと到達し背負ったメンバーを下ろすとまた次のメンバーを背負っては穴まで運ぶ!の繰り返し。

 メンバーの中でも1番身体が大きくスタミナにも自信のある空太だったがさすがに何往復も人を乗せて飛ぶのには体力的にも魔力的にも限界がある様だ。

 魔力は使い過ぎるとからになり、体力の消耗にも影響するようだ。

 この作業を3往復繰り返すと、突然、空太がハァハァと肩で息をしはじめた。

「空太、あと3往復行けそうか?」
「…………」
「無理な様だな。梶!空太にReを!」

 堂島が梶に声をかけると梶がすかさず布製の巾着袋から豆の様なを肩で息をする空太に手渡す。

 梶は袋の中を再度確認する…大事にしまっていたはずのセンズReが空太に渡したのが最後だった。

 確か3粒あったはず…

 空太がそれを受け取り、口に入れた途端荒くなった息がゆっくりと静まり体力と魔力が全快した様に力が湧いて来た。
「行けそうです!先生!」
「よし、頼むぞ。」
 堂島はそう言うと先に天井の穴から中へ入った月斗、駿、陸の3人に向かって手を振る。
 3人はコクリとうなずきこのフロアの様子を伺う

「……………」

 駿がジッと動かず目を閉じる。

 コクリと頷き、次の瞬間パッと姿が消える。

 フロア内は侵入者防止用に赤外線の様なものが張り巡らされていて通常人間の目には見えない。

 駿はこの赤外線の中をくぐり一瞬で駆け抜け扉の横にある解除ボタンを押し、月斗たちの元に戻って来た。所要時間にしてわずか3秒。

 一瞬、月斗の目から駿の姿が消えたと思ったら次の瞬間にはもう元の場所に戻って来ていた。

 横にその光景を見た空太は元の世界に戻ったら陸上の世界記録を100メートル1秒以内とかで駿が更新しそうだな…と思った。

 これまで人類が0コンマ0何秒なんびょうという9秒台というぶ厚い壁をコツコツと更新して凌ぎを削り合う中、いきなり1.23秒とか場合によっては0.85秒とかって記録を叩き出したとしたら他の選手はやる気無くすだろうな…

 いや…無くす…確実に…

 さらにネットやSNS上で「早すぎてワロタ」とか「陸上100メートルオワタ」とか色々書き込まれて炎上!

 100メートル走!いや400メートル、引いては槍投げや円盤投げなど以外の陸上競技の歴史に幕を引く可能性があるな…ならば競歩は?

 競歩はどうだ?

 競歩は片方の足のかかとをつけた状態で…などとルールが厳しそうだから無事か?競歩の皆さん安心して下さい!

 ていうかアイツ!

 とんでもない記録のせいで逆に世界陸連とかに怒られるんじゃね?

 たぶん世界陸連のエライおっさんかなんかに何してくれるん?
自分?

 みたいに怒られるんじゃ……。

 まぁ…でもこの事は元の世界に無事戻った時に伝えればいいか。

 ていうか今はこの危機的状況から抜け出すのが先か……でないとこのままでは全員死ぬ!

 チームの頭脳、的確な状況判断を瞬時にこなすCBセンター 空太は安心しろ駿、俺がお前を守る。

 と思った。

 駿の魔法アニマ瞬間移動テレポートと違うところは実際自分の足を使って移動をしている為、歩いて行けない様なところではこの魔法アニマは使えないと言うことだった。

「……………」

『自爆まであと14分59秒…総員退避!総員退避!』

 残りのメンバーを運ぶ為が空太が下の階に戻る。

 堂島と梶を上へ送り届けたあと、

 問題は…コレだな…と

 空太は床に横たわる全裸のをマジマジと見つめた。

 自らを2と名乗った彼女…頭から伸びた触覚…異種族…とは言えその身体のラインは人間の女性となんら代わりは無かった。

 童貞の空太にとってエロ動画などで女性のヌードを見る事はあっても実際に目の前に無防備に横たわる全裸の女性の姿をの当たりにした経験が無い…さっきまでは駿に抱えられて移動をしていたが足場の無い、上の階までの移動は別だ。

 こうしている間にも時間は刻々と過ぎていく。

 考えるな!そう自分に言い聞かせると空太は動かないを背中に背負う。

 膨らんだ胸の感触が背中にハッキリと伝わる…ウッ!マズイ…ムスコがギンギンになりやがった…何か気を紛らわすしか…
 …………………
 …………………

「まだか⁈時間が無いぞ空太!早くしろ」上から堂島の声がする。
 ………

「よし!」

 意を決して空太は背中にを背負い飛び上がる。

 気を紛らわそうとすればする程、背中に伝わる感触…全集中フルコンセントレートで2つの突起物の位置を探る!

 乳首だ。

「ウッ!」前屈みになりながらも力を振り絞り飛び上がる。

 フラフラっとした体制のままに宙に浮き勢いをつけて上昇を試みるもバランスを崩しグルンっと一回り空中で前転をする様に回転してしまった。

 アアアァー!

 辛うじて背中に背負った2を振り落とす事なく持ち堪えた。

「大丈夫か?空太!大丈夫か?」

「!!!!!!ええ!何とか…」

 ヨロヨロとゆっくりとしたスピードで空太は何とか堂島達の元にたどり着いた。

「もう時間が無いぞ…」

 空太がみんなに合流すると駿は当然の様に空太の背中からを下ろし何の躊躇も無く抱き上げた。

 お姫様抱っこの様に。

 いや女王だから女王様抱っことでも言うべきか…て言うかそもそもそんな抱っこは無いか…などと空太が考えを巡らしていた。

 そして駿のその一連の動作が余りにも流れる様に自然だったのに驚いた。

 もしかしたら駿(しゅん)は俺たちとは違うのかも知れない…空太の脳裏に一つの疑念が湧いた。

 駿と空太は小中高とずっと一緒だった。

 誰よりも駿の事を理解しているつもりだったが….今、目の前にいる駿を見ていると何故か遠い存在に思えてならない時がふとある。

 疑いたくは無いがもしかしたら駿は、俺たちと違い……いや、駿に限ってそんな事は…

「先を急ごう」

 そう言って月斗が空太の肩に手を置く。

「ああ….」

 空太はそう言うと一行は駿が解除した赤外線の張り巡らされたり部屋の奥へと進む。

 目の前にとても頑丈そうな扉があらわれた。
「……………」
 駿が扉の前で立ち止まり目を閉じる。

『……………』

「……………」

「どうやらこの扉の奥らしい。」

 空太が駿の言葉を皆に伝える。

 硬く頑丈そうな扉はロックされていて押しても引いても開きそうに無い。

「皆んな下がってくれ!」

 月斗はそう言うと扉に向かって炎の球を勢いよくぶつけた。

 炎の球が扉にぶつかりロックされた錠前の部分が爆発し破壊される。

 月斗はロックの外れたドアに勢い良く体当たりをする!

 ガッ!………扉はビクともせず月斗を押し戻す。

「…………」
『…………』
「…………」

「残念ながら月斗!どうやら押すタイプじゃ無くて横にスライドするタイプの様だ。」空太が駿の言葉を代弁する。
「くっ!なんて紛らわしい扉なんだ!」

『自爆まであと8分59秒…総員退避!総員退避!』

「もう時間が無い!急げ!」

 月斗が扉を横にスライドさせるとさっきの女王アリ2ツーのメーターだらけの部屋以上にありとあらゆるサイズの計器類が所狭ところせましと並んだ部屋へと辿り着いた。

 多分ココが女王アリ1ワンの部屋だ。

 その場にいる全員がそう確信していた。

 メーター類がウィーン、ウィーン、ウィーンと音を出している。

 一行が部屋の中へと足を踏み入れる。

 その部屋の中央には装飾の施された玉座があり誰かが座っている気配がする。そして次の瞬間、月斗達の脳裏に主人と思われる者の意識が伝わる。
『待ちかねたぞ!少年!』威圧感のある思念!

「アンタが全てのアリのママ、アリの女王1だな?」
『エエ。いかにも皆からはそう呼ばれてはいるな。』

「何かスッゴイ偉そうなんですけど!手っ取り早くアンタを倒せばすべて解決するんじゃ無いのか?」

『ほう?この私を?お前達の様な童貞風情どうていふぜいが!ヤレルのかな?』

 月斗が左手に炎を作りだす。

「先生!もうやっちゃって良いですか?」
「待て!早まるな月斗!との約束を果たすんだ。」

「クッ……」

 月斗は構えた左手の拳に宿した炎を静かに弱める。

!!!!!!

  すると玉座が素早く回転し目にも止まらぬ速さで月斗(げっと)達の前に飛びかかって来た!

 バッ!!!!!

 ザザザザザザーーーーッ!
 は地面に正座で滑り込み、即座に両手をついて月斗(げっと)達を前に首(こうべ)を垂れた。

 スライディング土下座⁈

 アレ?さっき見たっけ?デジャブ?

 さらには両手の平を上に向けてる。
 敵意が無い…というアピール!

 本日2回目の見事な土下座来ました!

 間違い無いこの土下座の仕方。

 の言うこのコロニー全てのアリ達の「ママ!」いやアリ達の「だ!」

「時間が無いんだ、おもてを上げてくれ!」

 堂島がそう言うとアリの女王はゆっくりと頭を上げる。

『自爆まであと4分59秒…総員退避!総員退避!』

「ここに来てアンタの事を救って欲しい…と言うのがの意思だった。」

『そうか…すまなかったな。少年達よ』

 そう言うとは垂れた頭をゆっくり上げた。

 その顔はアリの女王ロボと呼ばれる顔そのものだった。

 そして月斗たちを一瞥いちべつすると

『フフ…1人混じっているな。なるほど…お前達全員を童貞風情と呼んだ非礼を詫びよう…』と呟く。

「!!!!」
「混じってるだと?」
「何が混じってるんだ?」
非童貞ひどうていさ…』
「ひどうてい?」
『童貞では無い者…と言う意味だよ…』

 アリの女王1ワンが答える。

「そんなの当然だろ?堂島先生がいるんだから!謝れ!先生に謝れ!」

「よせ!月斗!」興奮した月斗を堂島がいいんだと言わんばかりの表情で制す!
「でも先生…」

『チ…ガウ……その男はチガウ。間違ってるぞ!少年!』

 正座したままアリの女王がそう言う。

 表情はわからないがどうやら笑っている様だ。

「そんな!先生が違うって言うのか?」

『フフ…そうだ。』

「先生が違うだなんて…」

『そう….その男は妖精だ!』

「エッ?先生が妖精?」

『そう…お前達の世界では30を過ぎて童貞だと魔法使いになると言うがどうやらこの男は魔法アニマはもう使える様なので妖精になる!と言う言い伝えがあるのは知っているな?…』

「…………」

「確かに…昔…おばあちゃんに聞いた事がある…「陸や!30までに童貞を捨てないと魔法使いになってしまうよ!…魔法使いに…」てな感じだった様な!」

「そんな…それは都市伝説じゃ無いのか?」

「やめろぉ!ヤツの言葉に惑わされるな!」

『自爆まであと3分59秒…総員退避!総員退避!』

「じゃあ、一体誰が非童貞ひどうていだと言うんだ?俺たちの中にそんな裏切り者はいない!まさかこの中にをヤッた奴が?」

『そう…このの願い…を叶えた者がお前達の中にいる』

 そう言ってアリの女王は駿の腕に抱えられたに視線を向ける。

『自爆まであと2分40秒…総員退避!総員退避!』

『誰がを、ヤッたのか?』

「……………」駿がの涙、いや蚊の無く様な声でと言う。
『そうだよ!彼だよ!彼がそこにいるをヤッたのさ!』

「何だって⁈駿⁈いつの間に?」

「駿、オレが感じていた疑念が現実のものに…俺たちとは違うのかも…と言う違和感の正体がコレか…」

『フフ…では私の口から語ろう!その少年が一体いつ、如何(いか)にして私の娘をヤッたのか……を』

to be continued in MILKY GUYS(ウチのオカンが言うには)
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