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第30章 尚子と橋本の決意
2話
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でも、あたし、自分の欲求に支配されて、彼にたよってしまう。彼の脳を自分の思うように操り、自分の性欲のはけ口にしてしまうのです。性欲が満たされると、冷静になり、いつもの女子に戻るのですが、丸裸になって自分の部屋で転がって疲れ果てている彼を透視するたび、自分の身勝手、わがままな行動を後悔します。わたしの行動は破廉恥とは全然感じられません。進一の考えを無視し、自分の思うままにできるあたしのドールにしてしまっている。そんな自分の心を制御できない苦しさ、悩みを学園長は聞いてくださいました。そして、助言をそのとき、いただきました。
「進一君に直接性欲をぶつけるからきみの心の奥に、罪悪感が生まれる。進一君ではないけど、進一君と同じ形のドールを作ればいい。きみの頭脳を使えば、ドールを製作できると思うよ」
それから、学園の寮の空き部屋をドール開発の研究に使うといい、と学園長が資金提供してくださることになりました。なぜ、そんな変な開発をあたしのためにしてくれるのか、分かりませんでした。開発と言っても、初期は市販のアダルト・グッズと同じでした。進一と全く同じ体形のドールを寸分狂わず製作しました。それから、動けるように、改良を加えていきました。肉棒も進一のものを実際に見て同じに作りました。今、ドールに意思を加え、ドールが自分の命令で動けるようになりました。
この意志は、メモリの再生細胞へ融合させるというさらなる向上を求める医療器具への応用へとつながりました。
学園長は言語、文字だけではなく、脳とテレパシーによる会話ができる人でした。そのことは、わたしも超能力者だから分かったことです。周辺の人たちは学園長が超能力者だなんて思っていませんでしたので、生徒が悩みを打ち明けるまでもなく、学園長はすべての生徒の悩みを瞬時に理解されていました。
悩みを理解してくれる学園長に、たくさんの女子生徒が慕いました。もちろん、自分のことを特別に扱ってくれる方だと思って、学園長に結婚を迫る女子生徒もいました。
でも、学園長はどなたかを決められないとおっしゃって、すべての方を等しく愛されました。だから、いつも周辺の女性から慕われても、特定の方を愛せず、みな家族とおっしゃっていました。
しかし、おととい、そんな学園長の心を動かす女性が目の前に訪れ、その方と結婚される決心をされました。この女性のお父様は、学園長が大学生の時、旅先で知り合われたアラビアーナ国王・マスウード様と聞いております。
学園長は、奥さまの存在を日本でだけでも、確定させてあげたい、とおっしゃっていました。奥さまのふるさとであるアラビアーナ国は、知る人ぞ知る国で、国際的に認知されていません。一部の先進国首脳会議で極秘事項とされていました。国の存在が最高機密になっています。いまだに、実際、存在している国が国連から認知されることもなく、首脳だけの最高機密とされ、隠されてきました。
あたしには、先進国の首脳たちの考えは、いまだにアラビアーナ国民族を虐げ続けている、としか思えません。
アラビアーナ国民は2000年もの間、自分たちの存在を消して生きてきました。そして、今もって認知されない民族です。
そのことは山野櫻子様こと、ラービア女王妃には隠されてきました。彼女がこのことを知ったとき、怒りから何をするか分からないからです。だから、ラービア様は幼い頃から宮殿で、優秀でえりすぐりの優しい侍従たちの手で大切に育てられました。そのラービア様の心に、2000年の時を経て、邪心が世界に報復するため、生まれようとしています。すでに、小さな邪心がラービア様の脳に陰を作り始めていると聞いています。
だから、学園長は、まずは、婚姻届を出して、奥さまに日本国籍を取得させ、一刻も早く、虐げられてきた痕跡を少しでも消してあげたい、と彼女の幸せを望んでおられました。
彼女を応援する自分が病気で死んでいくことは伏せておいてほしい、という重ねてのご意志です。
学園長はこれから別室に移動させていただきますので、おじさんは学園長の完全な後継者になっていただきます……」
「進一君に直接性欲をぶつけるからきみの心の奥に、罪悪感が生まれる。進一君ではないけど、進一君と同じ形のドールを作ればいい。きみの頭脳を使えば、ドールを製作できると思うよ」
それから、学園の寮の空き部屋をドール開発の研究に使うといい、と学園長が資金提供してくださることになりました。なぜ、そんな変な開発をあたしのためにしてくれるのか、分かりませんでした。開発と言っても、初期は市販のアダルト・グッズと同じでした。進一と全く同じ体形のドールを寸分狂わず製作しました。それから、動けるように、改良を加えていきました。肉棒も進一のものを実際に見て同じに作りました。今、ドールに意思を加え、ドールが自分の命令で動けるようになりました。
この意志は、メモリの再生細胞へ融合させるというさらなる向上を求める医療器具への応用へとつながりました。
学園長は言語、文字だけではなく、脳とテレパシーによる会話ができる人でした。そのことは、わたしも超能力者だから分かったことです。周辺の人たちは学園長が超能力者だなんて思っていませんでしたので、生徒が悩みを打ち明けるまでもなく、学園長はすべての生徒の悩みを瞬時に理解されていました。
悩みを理解してくれる学園長に、たくさんの女子生徒が慕いました。もちろん、自分のことを特別に扱ってくれる方だと思って、学園長に結婚を迫る女子生徒もいました。
でも、学園長はどなたかを決められないとおっしゃって、すべての方を等しく愛されました。だから、いつも周辺の女性から慕われても、特定の方を愛せず、みな家族とおっしゃっていました。
しかし、おととい、そんな学園長の心を動かす女性が目の前に訪れ、その方と結婚される決心をされました。この女性のお父様は、学園長が大学生の時、旅先で知り合われたアラビアーナ国王・マスウード様と聞いております。
学園長は、奥さまの存在を日本でだけでも、確定させてあげたい、とおっしゃっていました。奥さまのふるさとであるアラビアーナ国は、知る人ぞ知る国で、国際的に認知されていません。一部の先進国首脳会議で極秘事項とされていました。国の存在が最高機密になっています。いまだに、実際、存在している国が国連から認知されることもなく、首脳だけの最高機密とされ、隠されてきました。
あたしには、先進国の首脳たちの考えは、いまだにアラビアーナ国民族を虐げ続けている、としか思えません。
アラビアーナ国民は2000年もの間、自分たちの存在を消して生きてきました。そして、今もって認知されない民族です。
そのことは山野櫻子様こと、ラービア女王妃には隠されてきました。彼女がこのことを知ったとき、怒りから何をするか分からないからです。だから、ラービア様は幼い頃から宮殿で、優秀でえりすぐりの優しい侍従たちの手で大切に育てられました。そのラービア様の心に、2000年の時を経て、邪心が世界に報復するため、生まれようとしています。すでに、小さな邪心がラービア様の脳に陰を作り始めていると聞いています。
だから、学園長は、まずは、婚姻届を出して、奥さまに日本国籍を取得させ、一刻も早く、虐げられてきた痕跡を少しでも消してあげたい、と彼女の幸せを望んでおられました。
彼女を応援する自分が病気で死んでいくことは伏せておいてほしい、という重ねてのご意志です。
学園長はこれから別室に移動させていただきますので、おじさんは学園長の完全な後継者になっていただきます……」
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