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第30章 尚子と橋本の決意
1話
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「田所さんのご家族はいらっしゃるのかな?」
橋本が隣のベッドで眠る田所のしわくちゃな顔を見ながら、尚子に聞くと、1分ほど天井を見ながら沈黙していたが、やっと橋本の顔を見て話し始めた。
「学園長には、わたしが入学した頃、わたしが特別な能力を持っていることを感じ取られたようです。
入学式の翌日、学園長室に呼ばれ、学園長の前に立つと、言われました。「きみは人と比較して変態な嗜好があると思って悩んでいるね?」と、誰にも悟られないように気をつけてきたことに、会った日に、つぶさに指摘され、心臓が止まりそうでした。
そのときまで、両親が隠し部屋で、何かの行為をしていたのですが、その行為にどんな意味があるのか分かりませんでした。
中学生になった頃、性教育の授業を受けました。
でも、授業で聞く性行為が両親のしていることとかなり違うので、よく分からなくなりました。分かることは、二人ともいつも楽しんでいて、最後は二人で抱き合って終わる、と言うことです。だから、その光景を見ると、わたしまで楽しくなって、いつも自室から透視して見てきました。
中学2年生の時、それが性行為の一種で、一般的な性行為とやり方が違うということが分かりました。世間ではアブノーマルと呼ばれていたようです。でも、わたしは両親のような行為をしてみたい、と気が付くと思うようになっていました。
中学2年生も終わる頃、隣に住む進一という幼なじみに頼んで両親と同じ行為をしてみよう、と決断しました。本当はこういうことを頼もうと思ったことが、人と違う思考だった、と思います。
でも、進一となら、両親と同じことをしたいな、と自然に、普通のことのように、思ってしまうんです。おじさん、あたしのような年頃の時、どうでしたか? おじさんのことだから、そんなこと思わなかったですよね。
きょうまで、進一に対する思いは変わらないです。だから、中学2年生の頃から、両親に頼んで、今も、進一は家庭教師としてあたしのうちに来てもらっています。
来年学園3年生になったら、毎日、あたしのところへ来てもらうように進一に頼みます。今からそんな計画をしています。そんなまどろっこしいことをしなくとも、あたしの超能力を使えばいいと思われますよね。でも、進一にはあたしの能力が効かないことが分かりました。隣の家とか、遠くにいるときしか超能力が効かないんです。あたしの目の前に進一が来ると、あたしの心臓はドキドキして、超能力がまったく使えなくなるんです。どうしてなのか、おじさん、もう、泣きです。大好きな進一なのに、あたしからキスすらできない。したいのに。
学園長はそんなわたしのあからさまな性欲を恥ずかしいことではないとおっしゃいました。
「きみは、たぶん、進一くんとしか愛し合えないんだよ。それは運命的な愛だね。きみは彼を心から好きなんだよ。だから、恥ずかしく思うことはない。自分の進一君への思いをいつしか知ってもらって、進一君とすべてを隠さないきみが、愛し合えるようになれるといいね。
たぶん、進一君もきみを真剣に思っているはずだ。自信を持ちなさい! きみの脳の中で描く進一君の思いが、私には分かるから大丈夫だよ」
と、力づけていただきました。人の考えていることを知ることができる学園長がおっしゃるのですから、これほど、確かなことはないと、信じて疑いません。だから、ずっと、進一一筋です。あっ、おじさんももちろん好きです。だから、おじさんもあたしの能力が効かないみたいです。本当に好きな人にはあたしの超能力が間近で効かないことは、おじさんも見ての通りで、あたしはおじさんの前では子猫ちゃんよ。
中学2年生になった頃、両親たちの行為が、世間では正常ではない行為として認識されていることを知ったのですが、そう言う行為を好む人たちを変質者扱いする友人たちを嫌いになり始めました。
お互いが好きで愛し合っているのに、どうして、こういう形では駄目なの? 愛の表現方法は個人の自由よ。そう言う思いがあたしを周辺の常識的な行為でしか理解できない人間が嫌いになって、友人から距離を置くようになりました。だから、あたしには隣に住む進一しか友人がいなくなって、ますます、彼に依存していくことになりました。彼はいつだって、あたしのわがままを聞いてくれて、あたしの応援をしてくれました。今も、あたしのことを思って、応援してくれています。それがあたしには手に取るように分かります。
橋本が隣のベッドで眠る田所のしわくちゃな顔を見ながら、尚子に聞くと、1分ほど天井を見ながら沈黙していたが、やっと橋本の顔を見て話し始めた。
「学園長には、わたしが入学した頃、わたしが特別な能力を持っていることを感じ取られたようです。
入学式の翌日、学園長室に呼ばれ、学園長の前に立つと、言われました。「きみは人と比較して変態な嗜好があると思って悩んでいるね?」と、誰にも悟られないように気をつけてきたことに、会った日に、つぶさに指摘され、心臓が止まりそうでした。
そのときまで、両親が隠し部屋で、何かの行為をしていたのですが、その行為にどんな意味があるのか分かりませんでした。
中学生になった頃、性教育の授業を受けました。
でも、授業で聞く性行為が両親のしていることとかなり違うので、よく分からなくなりました。分かることは、二人ともいつも楽しんでいて、最後は二人で抱き合って終わる、と言うことです。だから、その光景を見ると、わたしまで楽しくなって、いつも自室から透視して見てきました。
中学2年生の時、それが性行為の一種で、一般的な性行為とやり方が違うということが分かりました。世間ではアブノーマルと呼ばれていたようです。でも、わたしは両親のような行為をしてみたい、と気が付くと思うようになっていました。
中学2年生も終わる頃、隣に住む進一という幼なじみに頼んで両親と同じ行為をしてみよう、と決断しました。本当はこういうことを頼もうと思ったことが、人と違う思考だった、と思います。
でも、進一となら、両親と同じことをしたいな、と自然に、普通のことのように、思ってしまうんです。おじさん、あたしのような年頃の時、どうでしたか? おじさんのことだから、そんなこと思わなかったですよね。
きょうまで、進一に対する思いは変わらないです。だから、中学2年生の頃から、両親に頼んで、今も、進一は家庭教師としてあたしのうちに来てもらっています。
来年学園3年生になったら、毎日、あたしのところへ来てもらうように進一に頼みます。今からそんな計画をしています。そんなまどろっこしいことをしなくとも、あたしの超能力を使えばいいと思われますよね。でも、進一にはあたしの能力が効かないことが分かりました。隣の家とか、遠くにいるときしか超能力が効かないんです。あたしの目の前に進一が来ると、あたしの心臓はドキドキして、超能力がまったく使えなくなるんです。どうしてなのか、おじさん、もう、泣きです。大好きな進一なのに、あたしからキスすらできない。したいのに。
学園長はそんなわたしのあからさまな性欲を恥ずかしいことではないとおっしゃいました。
「きみは、たぶん、進一くんとしか愛し合えないんだよ。それは運命的な愛だね。きみは彼を心から好きなんだよ。だから、恥ずかしく思うことはない。自分の進一君への思いをいつしか知ってもらって、進一君とすべてを隠さないきみが、愛し合えるようになれるといいね。
たぶん、進一君もきみを真剣に思っているはずだ。自信を持ちなさい! きみの脳の中で描く進一君の思いが、私には分かるから大丈夫だよ」
と、力づけていただきました。人の考えていることを知ることができる学園長がおっしゃるのですから、これほど、確かなことはないと、信じて疑いません。だから、ずっと、進一一筋です。あっ、おじさんももちろん好きです。だから、おじさんもあたしの能力が効かないみたいです。本当に好きな人にはあたしの超能力が間近で効かないことは、おじさんも見ての通りで、あたしはおじさんの前では子猫ちゃんよ。
中学2年生になった頃、両親たちの行為が、世間では正常ではない行為として認識されていることを知ったのですが、そう言う行為を好む人たちを変質者扱いする友人たちを嫌いになり始めました。
お互いが好きで愛し合っているのに、どうして、こういう形では駄目なの? 愛の表現方法は個人の自由よ。そう言う思いがあたしを周辺の常識的な行為でしか理解できない人間が嫌いになって、友人から距離を置くようになりました。だから、あたしには隣に住む進一しか友人がいなくなって、ますます、彼に依存していくことになりました。彼はいつだって、あたしのわがままを聞いてくれて、あたしの応援をしてくれました。今も、あたしのことを思って、応援してくれています。それがあたしには手に取るように分かります。
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