H･I･M･E ーactressー

第19章 ｓｃｅｎｅ４：宴会場からのお部屋でインタビュー

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　「くくく、とってもＨＩＭＥちゃんらしいわね？」


　そう？　本当に僕、ちゃんとＨＩＭＥとして答えれてる？


　ちょっぴり不安に思ってＫＡＺＵを見ると、片目をパチンと閉じてから、元々そんなに大きくはない目を更に細めて笑った。

　その笑顔が、僕に「大丈夫だよ」って言ってくれてるみたいで、僕はホッと胸を撫で下ろす。

　「じゃあ、初めてのエッチも同じ……で良いのかしら？　特定の誰かが初体験の相手ではなくて、常に初めて・・・の気持ちでいる、ってことなのかしら？」
　「だってぇ、その方がＨＩＭＥは勿論だけど、お相手の方も嬉しいでしょ？」
　「くくく、とっても面白い考え方ね」

　ふふ、だって僕……ＨＩＭＥだもん♪

　「じゃあ……、ちょっと質問を変えようかしら……」

　ＫＡＺＵが手元の資料と電ママイクを脇に置き、僕の隣に場所を移動する。
　そして片手で僕の手を握ると、もう片方の手で僕の頬を包んだ。


　う……、なんか嫌な予感……


　「ねぇ、ＨＩＭＥちゃんて、好きな人とかいたりするのかしら？」
　「え……？」

　一瞬動揺した僕を見逃す筈ないよね、だってＫＡＺＵだもん。

　「最近のＨＩＭＥちゃん見てるとね、とっても綺麗になったし、もしかして恋でもしてるのかしら、って思って……」


　ねぇ、わざとだよね？
　僕が桜木くんのこと好きだって分かってて、わざとそんな質問してるんだよね？

　もぉ……、ＫＡＺＵの意地悪！

　でも僕だって負けてないんだからね？


　「んとぉ……、ＨＩＭＥね、恋ならいつだってしてるよ♪」
　「あら、やっぱり？　で、お相手の方はどんな方？」

　僕が一番好きな人は、勿論桜木くんだけど、でも僕が好きなのは何も桜木くんだけじゃない。

　「ＨＩＭＥが好きなのはぁ、ふふふ、ファンの皆さんで～す♡」

　だって僕は、誰からも愛される男の娘アイドルのＨＩＭＥだもん。
　ＨＩＭＥのことを好きって言ってくれる人は、みーんな大好き。

　そりゃね、たまーにニキビくんみたいに、ちょっぴり勘違いしちゃった人もいるけどね？
　それに、ＨＩＭＥのファンって言ってくれる人の中には、当然だけど桜木くんも含まれてるわけだしね♪