H･I･M･E ーactressー

第19章 ｓｃｅｎｅ４：宴会場からのお部屋でインタビュー

11

　「まず何から聞いて行こうかしら……」
　「ふふ、もお何でも聞いちゃって下さい♪」

　ＫＡＺＵが事前に渡された資料（？）をペラペラと捲るから、一応答えてはみるけど、内心ハラハラドキドキの僕のお顔は、多分ちょっぴり引き攣ってると思う。

　「そうね……、ＨＩＭＥちゃんのチャームポイントとかあれば教えてくれる？」
　「チャームポイントですかぁ？」

　う～ん……と、考える素振りで僕は人差し指を顎先にちょこんと宛て、クイッと小首を傾げる。


　だって本当に分かんないんだもん。

　ＫＡＺＵみたいに魅力的なホクロの一つでもあればパッと答えられるんだろうけど、僕のお顔なんて超ありきたりだし……
　う～ん、何て答えたら良いんだろう？

　あ、でも僕がもしＨＩＭＥのファンだったらきっと……


「ふっくらしたほっぺかな♪」

　って言って欲しいかも。

　だってさ、自分で言うのもなんだけど、僕のほっぺって、大福みたいにふわふわモチモチしてるんだもん♡

　「そうね、確かにＨＩＭＥちゃんのほっぺって、赤ちゃんみたいで可愛いわね」
　「ふふ、でしょ？」
　「ええ、キスしたくなっちゃうわ♡」
　「え、やん、ＨＩＭＥ照れちゃう♡」

　って言いながら、満更でもない僕♪

　「あ、キスと言えば、ＨＩＭＥちゃんのファーストキスはいつだったのかしら？　もし良ければお相手がどんな方だったのも聞きたいわ」
　「ＨＩＭＥのファースト……キス？」


　えっと……、僕のファーストキスは確か……


　「何歳の頃だったったか覚えてる？」

　幼稚園の頃だったと思うけど、それはあくまで智樹としてのことで、ＨＩＭＥとしてではないから、やっぱり答えは……

　「ふふ、ＨＩＭＥのファーストキスはぁ……、ふふ、秘密だよ♡」
　「あら、どうして？何か言えない理由でもあるのかしら？」
　「ううん、そうじゃなくて……。ＨＩＭＥね、誰が初めて……とかじゃなくって、その人と初めてキスする時はいつもファーストキスだと思ってるから……｣

　……って、こんな説明で分かる？