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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章四十六節 保護した変態さんとやっぱりヤベェ奴!と遂に通報?…-

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__ゲホッゴホッガホッ…ッ~~~!!……クラァ…ドサァ!!…ッ!?…


さてシロに首をキメられて居た女性は結局その場で倒れる事に!…と言うのも

やはり無理が祟った様子で咳き込み続けた後にフッと意識を失い!…その様子に

マサツグとハティもハッとした感じでその異変に気が付くなり慌て始めると、

同時にやってしまったのでは!?と青褪める事になって行く!…しかし一方で

その肝心の女性はと言うと、何処か悔いのない幸せそうな表情を浮かべて居り!…


__はあぁ~~~♥…ッ!……ッ…


「…やっぱり変態さんなのです!…」


それは呼吸が浅いながらも生きて居り、恍惚とした表情で地面に倒れ!…と、その

呼吸をしている様子に二人もハッと気付き!…まずはまだ生きている事に安堵!…

そしてその女性の表情を見てこれまた二人が戸惑うそんな反応を露わにすると、

ハティがトコトン変態認定!…更にはドン引きの様子で女性の事を見詰め続ける!…

しかしだからと言ってそんなドン引きする相手でもそのまま放置する訳には当然

行かず!…次にはマサツグが戸惑いながらもおんぶしながら歩く事を決め!…


「…と、とにかく…このままにするのもどうかと思うから…連れて帰るか…

…こりゃ抱えて帰るしかなさそうだな?……さて…」


__…ジイィ~~!!…ガサゴソッ…シュルッ…


「ッ!…先生…それは?…」


「ッ!…これか?…なぁに?…ちょっとした子育て用アイテムだよ!…」


この時自身のアイテムポーチを徐に弄り始めると、そのアイテムポーチの中から

長いおんぶ紐を一本!…するとそのおんぶ紐を取り出した事にハティが興味を

持ち出し!…何なら見るのも初めての様子!…そのおんぶ紐を見詰めながら物が

何なのか?をマサツグに質問をして行くと、マサツグもマサツグでちゃんと

ハティに返事!…子育て用のアイテムである事を話して行く!…と、同時にその

女性の体を軽く起こして見せると、自身の背中に寄り掛からせ乗せるよう調整!…


__ザッ…ザザッ…シュルッ…シュルシュルシュルッ!…ビッ!!…


「どっこいしょ!!!……よし!…

シロ!…ハティ!…帰るぞぉ?…」


「「ッ!…はぁいです!!」」×2


相手の腕を掴んで自身の肩に乗せて行き!…互いに軽く座った状態でマサツグが

おんぶ紐の端をスッと銜えて見せると、そこから慣れた様子で襷掛けを!…と、

次には自身の背中にその気絶したままの女性の身体を固定して見せ!…そして

勢いを付けて立ち上がる!…その際おんぶした相手が落ちない事を確認して行き!…

両手をフリーにさせた所でシロとハティの二人を呼び寄せ更に二人の手をギュッ!

と握ると、そのまま町に向かい歩き始める!…その際周りの様子を確認して行く!…


__…ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……ッ…


辺りでは他に取り逃がしの奴隷が居ないか?を確認している様子が!…それは

奴隷自身が苦しい思いをしない様に!…全員を助けるつもりで冒険者プレイヤー達全体が

動いて行くと、同時に助けられなかった奴隷達に対しても回収作業が行われ!…

それは一人一人丁寧に担架で回収がされて行き!…マサツグ達と同じく一旦は

スノーピースの方へと連れて行かれると、その後は如何なったのか?…恐らく

ギルド側で供養され…安らかに眠る事が出来た事を願って行くと、一方でこんな

会話も!…恐らく何かを確認している様子と一緒に聞こえて来る!…


「…これでこっちは全部か?…」


「だと思う!……にしても…」


「「とんでもねぇ光景だなぁ…」」×2


と言うのもそれはフィロの事を言っているのか、辺り一帯が焦土と化している

光景を目にして戸惑いを露わに!…それもその筈戦場となった場所だけが雪が

溶けて無くなっており、そして今だ燻ぶる戦火は一向に消えず!…何なら

地面も大いに抉れ!…まるで巨大なミミズが這い回った様な!…とにかく地形

全体が荒れに荒れ!…見るも無残な!と言うか如何すれはこんな状態になる!?

と言った声が聞こえて来ると、マサツグも何と無くその原因について心当たりが…

しかし当然他人の振りをして横を通る!…さてそうして徐々にスノーピースの

町に近付いて行くと、その町の玄関口では既にモツ達が戻って来て居た様子で

マサツグ達の帰りを待って居り!…


「……ッ!…戻って来たか!…って、んん?…」


「…なんだ?…行き倒れの者でも拾って来たのか?…」


その際若干距離があったもののまずはフィロがピクッと反応!…耳と尻尾をピン!

と伸ばし!…マサツグの足音だけに反応した様子でその足音の聞こえた方へ振り

向いて行くと、無事戻って来た事に安堵する!…と、同時にそのマサツグの背中に

見慣れぬ者が居る事で更に戸惑う!…何ならその背負われて居る者が一目で女性で

ある事を理解すると、途端に警戒の色を見せ!…一方でパルシィもそれに気が

付いた様子で言葉を口に!…何なら結構いるのか?…別に可笑しな事では無い様に

パルシィが漏らして居ると、一方でマサツグ達も漸く町の玄関口に!…疲れた様子

で言葉を零す!…


「…はあぁ~!!…ちかれたぁ~!!…

…一応敵拠点を落としたけど…これだけだとまたデグレアントが寄って…」


「待てマサツグ!…それよりもその背中に背負って居るその者は誰じゃ?…

…見た所女子のようではあるが?…」


人一人背負いながらのデコボコ道!…その際街道なんてモノはフィロの魔法で

吹き飛んでおり!…それでも何とか辿り着いた事で一息吐き!…思わず幼児語を

話す様に疲れた事を口にすると、ここで徐に後ろを振り向く!…そして先程まで

居た敵拠点を見詰めて行く!…と言うのもこれで終わりにしてもまた侵攻して

来る事が容易に伺える!と漏らして行くと、改めてこちらからも迎え撃つ事を

考える様な話しをしよう!と…しかしそんなマサツグの言葉を遮る様に!…

フィロが何か膨れた様子でそのマサツグの背負って居る者が誰であるか?を尋ね

出すと、マサツグもそれに対して返事をする!…


「ッ!…え?…あぁこれ?…

…いやなに!…多分シロが世話になった誰かだとは思うんだが…

…如何にも特殊みたいでな?…」


勿論疾しい気持ちなど一切ないマサツグは普通に返事!…その際やはり拾って来た

様に面々にも話し!…と、そんなマサツグの言葉に一同も苦笑い!…まるで捨て

猫を拾って来たかの様な言い方で有り!…しかし同時にそのマサツグの言うシロが

世話になった言う件についてふと疑問…或いは興味を持った様なそんな反応を

露わにすると、オリハがその背負われている者の顔を覗く!…すると直ぐにそれが

誰であるか?に気が付いた様子で警戒をし出す!…


「…とくしゅ?…って、コイツ!!…

確かシロちゃんに因縁付けて来た奴!!!…」


__ッ!!…バババッ!!!…ッ!?…チラッ?…チラッ?…


それは最初の出会いが最悪であった事を物語る様に!…オリハがシロに因縁を

付けて来た奴!と…大袈裟な言い方をしてさも敵である様に話しをすると、

途端に周りに居る面々も警戒態勢!…それこそマサツグ越しに身構えて見せる!…

となるとそんな周りの様子にシロとハティも思わずハッ!として戸惑い出すと、

次にはオロオロ!とその面々とマサツグを交互に見て!…一方で身構えられて

いる?マサツグは落ち着いて居り!…シロとハティからスッと手を放し!…

面々に向けて落ち着くよう声を掛けて両手を突き出すと、更に大丈夫である事を

保証し出す!…


「ッ!!…まぁ待てって!…多分大丈夫だから!…」


「ッ!?…だ、大丈夫って!?…何を言って!?…」


「シロがこの人の背中にくっ付いてたって言ったら分かるか?…」


それこそ一番警戒の色を見せそうなマサツグがその者を擁護し出した事で当然

困惑!…その際モツが代表して理由を尋ね!…マサツグもその問い掛けに

対して最初この者を見た時の事を口にすると、それを信頼してのおんぶ!と…

そう言わんばかりの説明をする!…と言うのもそれは何を隠そうシロ自身が

信頼したからくっ付いて居た!と言う事で有り、それを聞いて各々もハッ!と

した様子で更に戸惑い!…


__ッ!!…ッ…


「…幾らシロと言ってもさすがに信頼出来ない奴について行く様な!…

そんな馬鹿な子じゃない事は皆知って居るだろ?……つまりそう言う事!…」


一方でマサツグは更に一応とばかりに続けて話を!…それはこの者を信頼しない!

と言う事はシロを信頼しない!と言う事で、さすがのシロも!…そこまで天然では

ない!とマサツグが否定する様に言って見せると、その背中に背負って居る者が

ずり落ちそうになる!…と、マサツグが軽く跳ねて位置を直す!…するとそんな

話をしている一方でシロもピクッ!と反応をすると、次にはマサツグの前に出て

胸を張り!…


「…エッヘン!…」


「お姉様?…褒められてないのです!…」


「ッ!……え?…」


この時シロは何かを勘違いしている様で、身構えるモツ達に対して仁王立ちの

ドヤ顔を!…となるとそんなシロの態度にモツ達も更に戸惑う事に!…一方で

そんなシロの態度にハティが呆れ!…ツッコミを入れる様に褒められて居ない

事を口にすると、シロもその言葉にピクッと反応!…そして振り返りキョトン

とした表情を露わにする!…それは言わずもがな本気で分かっていない様子で

あり、首を傾げて尻尾を振り…と、シロがそんな反応を見せて居ると件の者が!…

目を覚ました様子で体を起こし!…まるで寝起きの様な眠い目を擦るそんな

様子を見せて行くと、次には更に混乱を招く事に!…


「……ッ…ン…ンン~……ッ!…

あ、あれ?…ここはぁ?……ッ!?…」


「ッ!…お?…起きたか?…

ちょっと待ってろ?…今降ろしてやるから…」


背負われて居た者は目を覚ますなり辺りを見回し、今自分が何処に居るのかを

確認!…その際最後に見た光景と違う事に疑問を持ち!…何なら見知らぬ男性の

背中が目の前に!…同時に自身がその男性に縛られている様な!…まるで拘束

されている様なそんな錯覚を覚えて行くと、次には跳ねる!…するとマサツグも

その女性が起きた事に気が付い始める!…となると次にはその女性を降ろそうと

そのおんぶ紐に手を伸ばすと、その背負われている女性は何か勘違いをしている

様子で慌て始め!…


__ッ!?…ガッ!!…ッ!……ッ?…


「ッ!?…こんな大人数で囲んで何する気!?…

ら、乱暴な事をするんじゃないでしょねぇ!?…」


その女性はおんぶ紐を解こうとするマサツグの手をガッ!と掴み、一方でその

手を掴まれたマサツグもへ?とばかりにその掴まれた手を見詰め!…すると

次には何故か疾しい事でも想像したのか?…それはまるで薄い本の読み過ぎ!

とばかりに!…頬を赤らめ酷く動揺した様子を露わに!…とにかく誤解をした

感じで周りに人が沢山居る事から酷い事をされる!と…慌てた具合に文句の

言葉を口にすると、当然その言葉が出て来た事で面々は虚無!…それこそ

何言ってんだコイツは?と言った視線を向ける!…


__ッ!……ハァ?…


その際特にこの発言に対して顕著に嫌悪感を露わにしたのはオリハとくまさん!…

オリハはやっぱりコイツ何か可笑しい!とばかりにキッと睨み!…くまさんも

助けて貰ったのにこの態度?と…口には出さないが表情で訴え!…クッ!と

眉間にしわを寄せてその女性の事を睨んで行くと、一方でそんな二人の視線に

気が付いて居るのか居ないのか?…今度はシロの事を心配をし始める!…だが!…


「クッ!!…あの白い子が無事だったらいいけど!!…

…って、あれ?……スノー…ピース?…

それに何か撤収作業も?……ッ!?!?…」


__……ッ?…


その女性は改めて警戒をした様子で辺りを見回す!…するとそこは見覚えるの

ある場所で有り、何なら自身を囲んで居るのは男性ばかりでない!と言う事に

気が付き!…中には何処か貴賓が感じるエルフの女性にケモミミ女性!…

比率的には女性率多め?…とにかくそこでフィロやパルシィの姿も見つけ!…

更には他の冒険者達の姿!…特に視線を落としてその自身が心配をしていた

シロがキョトンとした表情で自身女性を見つめて居る事に気が付いて行くと、

その女性は途端に沈黙!…数分間固まって見せる!…因みにその様子と言うのは

勿論他の冒険者プレイヤー達からも見られており、その目は当然奇異なモノで!…


「…アレは何をやってるんだ?…」


「さぁ?…とにかく助けて貰った事に間違いはないんじゃね?…」


「だよなぁ~?…ちゃんと落とさない様に紐で括り付けられてるし…

何をそんな喚く様な事が有ったって言うんだ?…」


__ガヤガヤ、ドヨドヨ!…スッ…ッ!……シュルッ…ズルズル…ペタンッ…


これまた勿論とばかりにこの騒ぎは何?と…横目でチラチラと確認しつつ!…

行き交いながらその様子に対して仲間内で話し合う様なそんな声が聞こえて来る

と、女性も漸く今の自身の状態を理解したのか?…徐々に顔を真っ赤にする!…

そして掴んだマサツグの手もスッと放して見せて行くと、マサツグも気が付いた

様子でおんぶ紐をほどき出し!…となると女性はそのままズルズルと滑る様に

落ちて行き!…町の玄関口にてフリーズ!…女の子座りのままで石化する様に

その場で固まって見せると、その様子をマサツグ達が見下ろす!…まるで次の

反応に期待するよう見詰め続ける!…すると…


__……ッ…プルプルプルプルッ!…ッ!…


「……スッ!…」


時間にして約数分と言った所でまるで石化が解けた様に突如プルプルと小刻みに

その体を震わせ始める!…となると当然その様子にマサツグ達も気が付いた具合

で次には反応!…その際別に身構えると言った事は無いのだが!…何か反応が

気になった様子で未だその者の事を見詰めて居ると、今度はその者が何か意味深に

言葉をポツリと零し!…と、それを聞いてマサツグ達も思わず復唱をして見せる!…


__ッ!…ス?…


「ッ!!!…スンマセンデシタアアアアアアアァァァァァァァァァァァ!!!!」


それこそ全員で尋ねる様に!…首を傾げながらその場でシンクロする様に呟いて

見せると、その女性は突如マサツグ達に対して土下座をする!…そして全力で

謝罪の言葉を口にする!…それは地面に頭を減り込ませる勢いでゴスッ!と頭を

下げて行くと、辺りに聞こえる様にして叫び!…何ならその様子はもはや手慣れて

居る様にすら感じられ!…その女性の様子に勿論マサツグ達も戸惑い呆れる様な?…

とにかく周りの目もある事から注意をし出す!…


「ッ!!……あぁ、ちょっと?…

周りの目もある事だから頭を上げてくれないか?…

それにまだ聞きたい事があるし…」


「スイマセンデシタ!!!…スイマセンデシタ!!!…スイマセンデシタ!!!…」


「…あぁ~っと?…」


この時当然その様子は周りで行き交う冒険者達の目にも止まる!…それは何をして

いるのか?と言った具合に奇異な目で見られ!…マサツグもそんな視線を感じて

若干慌てる様にしてとにかく頭を上げさせるよう注意の言葉を口にするが、その

女性は恐怖する様に謝罪の言葉を続けるばかり!…一向に頭を上げる気配を見せ

ようとしない!…となるとマサツグとしても余計に戸惑う事になってしまい!…

一体如何したら良い物なのか?と…放置する訳にも行かないカオスな状態にへと

発展すると、そこへ更に見覚えのある連中が!…何ならその女性冒険者を探して

居た様子でやって来る!…


__……ッ!…あっ!…居た居た!!…タッタッタッタッタッ!!…


そこにやって来たのはあのギルド前で自分のチームメンバーに召集を掛けて見せた

男性冒険者の姿で!…因みにその容姿はまるで熊の様な大男で、もっと分かり易く

言うと某・ヒーローになる為の漫画に出て来る主人公の師の様な!…その際頭から

何かの獣の被り物をして居り!…見た感じまるで何処かの部族の様な!…とにかく

異様な出で立ちでやって来て!…また自身のチームメンバーが迷惑を掛けたの

では!?と言った具合に慌ててマサツグ達の所へやって来ると、まずは謝罪!…

そして用件を聞いて行く!…


「す、すみませぇ~ん!!!…ま、またウチのメンバーが何かしましたか!?…」


「ッ!…って、アンタは…」


「いやホントすいません!!!…これ以上は迷惑を掛けさせませんので!!…」


その際こちらも慣れた様子で慌てながらも謝罪をすると、スルッとマサツグ達の

会話に介入して見せ!…と、その男性冒険者が介入して来た事でマサツグ達も

ハッ!と…やっぱりあの時の連中かとばかりにその男性を見詰め!…マサツグも

その男性を見て見覚えがある様子で言葉を零すと、その男性は土下座をする女性

の隣に立って見せる!…それこそ女性を回収しようと動きを見せる!…当然これ

以上迷惑を掛けない様にする為の迅速な行動のつもりなのだが、ここで女性冒険者

がそれに気付くなり反抗をし出し!…


「ッ!!…は、放してムツさん!!!…これは!!…

これは退いちゃいけないの!!!…」


「ッ!?…な、何を言ってるんですか!!…いい加減にしてください!!!…

ただでさえ既に迷惑を掛けて居ると言うのに!!!…この期に及んで何を!!!…」


それは何故かその男性の手を振り払おう!と…そして今この場面がとても重要で

ある事を口にし出し!…その女性冒険者の言い分に男性冒険者も更に戸惑った

様子で反応をすると、まず一番に相手の迷惑を考える!…この時既に一度迷惑を

掛けている事から余計に慎重になって見せる!…その際やはり何かマサツグの事を

気にする様なそんな視線をチラッと向けるが、今はとにかくその女性の無礼を

注意をし!…が、マサツグもそんな反応を見せられ次第に興味を!…と言うか

元より何をそんなに興味を持たれているのか?と…根本的な事が気になり出すと、

次にはそんな揉める二人に声を掛ける!…と、同時にそこへミサカ達もやって

来る!…


「…なぁ、アンタ達?…何でそんなに俺やシロの事を?…」


__……ッ!…あっ!…居た居た!!…おぉ~い!!!……ッ!…チラッ?…


「…はぁ~!……姉さん!…ッ!…じゃなかった…

…ンンッ!!…ギルドマスター・クロエが今後の事で用が有るって!…

…一緒に来れる?…」


丁度マサツグがその揉める二人に声を掛けたタイミングで、遠方よりミサカが

声を張って呼び掛け!…となると呼ばれた事でその場に居る者達全員がチラッ?と

視線を…するとそこには笑顔で手を振るミサカの姿、その傍らでは側近のギルも

控えており!…この時周りの目など気にしておらず!…マサツグ達に向けて何か

用が有る様子で近づいて行くと、次には何か素を見せる!…しかし直ぐに言い

直しては同行を求める!…その際マサツグ達の近くで揉めて居る二人の事も気に

するそんな様子も見せるのだが、マサツグが構わず返事を返し!…


「ッ!…ギルマスが?…って、アンジュも居るんだった…

…とにかく…りょうかぁ~い!!…直ぐに向かう~!!…

…で、そこのアンタ達?…」


「ッ!…え?…」


クロエに呼ばれている事を気にした様子で、その際今ややこしい事にギルドマスター

が二人いる事に思わずツッコミ!…それでも構わずミサカに向けて了承して行き!…

そして次にはクルッと振り向き!…未だ現在進行形で揉めて居るその男性と女性の

両方に声を掛けると、当然突如マサツグに声を掛けられた事で二人は戸惑う!…特に

男性の方が驚いた様子で返事をする!…しかしそんな男性の事など御構い無し!…

更にマサツグは付いて来るよう言葉を続け!…


「アンタ達にも話がある!…付いて来て貰っていいか?」


「ッ!?…え!?…あっ…は、はい…」


「…ンン?…」


別に怒った様子で声を掛けた訳ではないのだが!…それでも突如マサツグから

そんな事を言われた事で更に戸惑い!…いや何方かと言うと慌てる様なそんな

反応を露わに!…二人は揃って目を見開き!…酷く動揺をする様なそんな表情を

露わにすると、次には観念した様子でマサツグに返事!…それこそショボンと

する反省の色を見せて行く!…それはまるで連行される罪人の様なテンションの

なり様を露わにすると、その急なテンションの下がり様にマサツグも疑問を持ち!…

が、そんな事を言っている場合では勿論無く!…とにかくミサカ達と共に

ギルドへ!…勿論その男女二人も連れて一緒にギルドの会議室へやって来ると、

そこで資料を読むクロエの姿を見つける!…するとクロエもマサツグ達が帰って

来た事に気が付いて見せる!…


__…パラッ…パラッ……ッ…ッ!…


「あぁ、戻って来たか!…」


「一体如何したって言うんですか?…

…ッ!?…まさかもうまた侵攻が!?…」


無事にマサツグ達が帰って来た事で安堵すると、その手に持っていた資料を一旦

机の上に置いて声を掛け!…と、それに対してモツが相手の動きを気にした様子で

返事をして行き!…その際嫌な気配を感じ取った様な!…まさか!?と言った

表情でもう敵に動きが見られたのか?を確認し出すと、クロエはその問い掛けに

対して首を左右に振る!…そしてマサツグ達に今回呼んだ用件を伝え始める!…


「いや、そうではない!…一先ずは今回の迎撃戦!…

見事に成し得てくれた!…感謝をする!…

…そしてここからが本題なのだが!……うぅ~ん…」


「…ッ?…え?…急に如何し?…」


と言うのもまずは敵の先兵達を押し返したと言うか崩壊させた事について、感謝の

言葉を口に!…この時クロエ自身もホッと安堵した様子で笑みを浮かべ、そして

そこから更にまだ話しが有る様子を臭わせるのだが!…突如ここから歯切れが

悪くなり出し、それは今考えて居る事に対して何か判断を鈍る様な!…即断即決の

クロエにしては珍しく!…唸り悩む様なそんな反応を見せるクロエに!…マサツグ

達も途端に疑問を持ってしまうと、勿論質問の言葉を口に!…するとそんなクロエに

対してミサカが助太刀に入って行く!…


「…私から説明した方が良い?…」


「ッ!…え?…」


「…そうだな…私の口からだととても…」


それはまるでクロエの心中を察している様に!…苦笑いをしながらクロエにその事に

ついて尋ねて行くと、突如ミサカがそんな事を言い出した事で更にマサツグ達は

戸惑い!…となるとマサツグが戸惑いの言葉を漏らして行き!…一方でクロエは

そんなミサカの申し出に対して!…若干悩む様子をピクッ!と露わにするのだが!…

数分もしない内に軽く頷き!…そしてその申し出に甘えるよう!…ミサカに呼んだ

理由について説明を任せるよう言葉を口にして行くと、ミサカもその言葉を受けて

頷く!…そこから改めてマサツグ達の説明を請け負って行く!…


「…OK、分かりました!……って、言うのもねマサツグ君!…」


「ッ!…マ、マサツグ君?…」


その際サムズアップをしてマサツグ達の方へ振り向いて行くと、次にはチームの

代表であるマサツグに説明をしよう!と…と、この時不意にマサツグの事を

ミサカが君付けで呼び出し!…となると一方で、マサツグもその呼び方をされて

驚き!…これまた戸惑い思わずツッコミを入れる様な言葉を口にすると、別に

文句は無いのだが!…ミサカも気にした様子で話しを止める!…そしてそこから

ミサカも戸惑った様子で確認をし出すと、何ならその呼び方を改めた方が良いか?

尋ね始め!…


「ッ!…え?…だって?…名前[マサツグ]…でしょ?…

呼び捨てで呼ぶのもなんだし…

だからって言ってさんで呼ぶのも何か味気ないし…

だから君……ッ!…嫌だった?…」


「ッ!?…うぇえぇ!?……あっ…い、いや?…

た、ただあまり呼ばれ慣れて無いからつい不思議に!…」


「…ッ!…あっ…そ、そうなんだ!…ふぅ…よかったぁ…」


律義と言うか何と言うか?…ミサカは相手の事を気遣い!…嫌だったかどうかを

ちゃんとマサツグに尋ねて行くと、マサツグも慌てて大丈夫!と…その際戸惑った

理由についても答えて見せる!…何なら同時に頬を染め照れ臭そうなそんな反応も

露わにすると、ミサカもそんなマサツグの反応を見て納得して見せ!…と、この時

ミサカも何故か妙に恥ずかしくなってしまい!…思わずマサツグから視線を

逸らす!…何かラブコメの様な展開になり出し!…これは何?と思わず周りの

面々が微妙な反応を見せて居ると、一方でその様子が気に食わない!…幼女三匹が

動き出す!…


__…ムッスゥ~~~!!!!……ガッ!!…ヨジヨジッ…ヨジヨジッ…


「ッ!…え?…え!?…な、何!?…急に如何し!?…」


__ガッシ!!…ガッシ!!!…ガッシイィ~~ン!!!…ッ…


それは思いっきりムスッくれて見せると、マサツグの足元に移動し!…そこから

徐にマサツグの足へ手を伸ばし、この時戸惑うマサツグの事など御構い無し!…

シロ・ハティ・フィロの順番!…手慣れた様子でマサツグの体を攀じ登り、

シロはいつもの様にフ○イスハガー!…ハティは腹と言うか胸にガシッ!と

しがみ付き!…フィロは更にその下の腰部分!…とにかく縦に連なる様にして

コアラのよう張り付いて見せる!…そして照れるミサカに対してチラッと視線を

向けて行くと、三人揃ってヤキモチを妬いて居る!とばかりの表情を浮かべ!…


__ムッスゥ~~~!!!!…ッ!!……プッ!…ッ~~~!!!…


「…ごめんごめん!…君達のご主人様を取ったりしないよ?…

大丈夫!…ただ互いに照れ臭くなっただけだよ!……それにしても…

君って本当に面白いね?…ブフッ!!…ッ~~~!!!…」


「………」


と、そんな三人の視線を受けてミサカも当然更に戸惑いようを露わに!…が、

今度はその様子がとても可笑しく!…思わず吹き出し自身の腹を抱えて笑って

しまうと、照れなど何処かへ消えてしまう!…そして次には弁明の言葉を口に

する!…その際両手を前に出して三人に向かって微笑んで見せると、その前に

出した手を左右に振り!…そしてやはり可笑しいのか再度思わず噴き出して

しまい!…一方で三人にしがみ付かれているマサツグはその場から動けず!…

心の中で笑っている場合ではない!と…ミサカにツッコミを入れたくて仕方が

なくなるのだが、一方で羨まし気な視線を!…先程までビク付いて居た二人から

浴びるのであった!…

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【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

はぁ?とりあえず寝てていい?

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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

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「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~

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悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

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 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

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