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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章五十六節 三位一体と消力とキョンシー使いの本領発揮-

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壺を見つけた所で何故か幼女と戦闘になり!…その幼女が扱うキョンシーの内

大猫タァマオをぶっ飛ばしてしまうと、幼女は酷く慌てた様子で腕を振る!…しかし

それで大猫タァマオが反応する事は決して無く、なぜ動かないのか完全に戸惑った様子

で目に涙を浮かべ出して居ると、更にライザは攻撃を仕掛ける!…その際次に

狙うは中ぐらいのキョンシー!…慌てている術師のキョンシーに攻撃を加える

等容易であり、身構えるなり速攻でこれまた腹部に向かい拳をスッと当てて

見せると、大猫タァマオの時と同様の寸勁を繰り出す!…


__ザザァ!!…グッ!!…


「虎破撃!!!」


__ドゴオォォォ!!!………ドガシャアアアアァァン!!!…


「ッ!?…チュ!…中猫チュンマオ!!!…」


戸惑って居る玲玲を余所にライザは構わず寸勁をどてっ腹に!…すると当然の

ようその中型のキョンシーもくの字に折れては宙を舞い!…その際近くに

在った家屋の桶が積まれて有る所へ倒れ込んで行くと、辺り一帯にド派手な

音を立ててしまう!…まぁ派手な音を立てると言っても何か弊害が有る訳では

無いのだが…中猫チュンマオと呼ばれるキョンシーがやられた事で更に慌て!…またもや

腕を振ってその中猫チュンマオの復帰を試みると、中猫チュンマオ大猫タァマオと違った様子で直ぐに

起きる!…


__ブンブン!!……ムクッ!!…ザッ…ザッ…ガラガラガラガラ…


「…ッ!……中猫チュンマオが起きた!……ふぅ…

…ッ?…あれ?…だったら何で大猫タァマオは起きない?…

…何かされたカ?…」


「ッ!!…チッ!!…やっぱ早々簡単にはいかんよな!?…

となると早期決着はやっぱあの嬢ちゃんをぶっ飛ばす!…か…

……はあぁ~!……気が進まねぇ~!!…

ただ壺を破壊しに来ただけで何でこんな?…」


玲玲も中猫チュンマオがスッと起きた事にホッと安堵した様子で!…しかし次には何故?と

言った具合に復帰出来た事に疑問を持ち出し!…同じ技を喰らった筈の大猫タァマオとで

何が違うのか?と悩み出すと、ライザもライザで決まらなかったか!…と言った

様子で苦虫を噛んだ様な表情を浮かべる!…その際直ぐに敵から飛んで来るで

あろう反撃に対して構えを取り直して見せると、徐に視線を玲玲に!…やはり

術者を叩かない事には終わらないと!…だがあの子を叩くのか?と考えると

やる気をそがれ!…とにかく自身の目的を振り返っては如何してこうなる!?と

言った具合に溜息を洩らしつつ!…どうにかして早く終わらせられないか?と

考えて居ると、次にはそのライザが放った寸勁の謎が解けた様に!…徐々に

倒したと思われる大猫タァマオまでもがその場で立ち上がろうとし始める!…


__………ピクッ…ザッ…ザザッ……ッ!!…


「……ッ!?…タ!…大猫タァマオ!!…

…よ、良かったネ!!…壊された訳じゃなかったのネ!!!」


「ッ!!…スタンが切れた!!…

……そんなにそのキョンシー達が大事なら!…

壊れへん内にさっさとどっか行ってくれへんか?…

こっちは嬢ちゃんを構って居る時間なんか!…」


「ッ!………それが出来たら苦労はしないネ!……」


一応ダメージは引き摺って居る様子でゆっくりと…しかしそれでも立ち上がった

事に玲玲はまるで家族が生き返ったかの様に喜び出し!…ライザもそれを見て

慌てつつ!…それでもさっさと切り上げる様にこれ以上はもう無意味!と言葉を

口にすると、続けてもうやめて帰る様に説得を試みるのだが!…ライザが言葉を

口にした途端!…玲玲はハッとした様子で目を見開きその場で俯いて見せ!…

次には何やら気になる言葉をポロっと零すよう小声で聞き取り辛く口にすると、

ライザもそれを聞いて反応する!…


「ッ!!…なにぃ?…」


「……フン!!…お兄ちゃんにガタガタ言われる筋合いは無いネ!!…

さっきは油断したけど!!…ここからは本気ネ!…覚悟するヨロシ!!!」


__スウゥッ…ブンブンブン!!…ッ!…バババッ!……


「ッ!?…チィ!!…まぁた三体同時か!!…

しかも言うとった通り!!…動きが格段に良くなっとる!!…

面倒この上ないぞ!?」


屋根の上で何やら玲玲が言葉を口にして居るのを目にしてライザは尋ね!…

その問い掛けに対して玲玲も徐にライザの方へスッと振り向いて見せると、

次には元に戻ったよう生意気な口を叩き始める!…その際もう一度ライザへ

攻撃を仕掛ける様に腕を何度も振って見せると、覚悟する様に!と…すると

それに合わせてキョンシー達の動きは更に機敏なモノへと変わって行き!…

ライザもそれを目で追うのが大変と言った様子でとにかく身構えて居ると、

次にはライザの予想を超える攻撃が始まって行く!…


__ダダダダダダダダ!!!…バババッ!!……スルリ…ゴトンッ!…


「ッ!!…爪を手放し?…」


__クッ!!…コオオオォォォ!!!…


「ッ!?…チッ!!…接近戦か!!…けど一体づつやったら!!…」


それこそライザを中心にかごめかごめをするが如く走り回るのだが!…その内の

一体…大猫タァマオがライザに向かい真正面から接近戦を仕掛けると、次にはその手に

持っていた鉤爪を放棄する!…それこそスッと腕から滑り落とすようその場に

突如落として見せると、寸勁の仕返しとばかりに拳を握り!…するとライザも

当然その鉤爪を外した事に疑問を持ち出し!…一度は何か仕掛けて来るのか!?

と考え出すのだが!…そんな時間も無いとばかりに大猫タァマオがライザに殴り掛かる!…

それこそ相手は功夫持ち!…大猫タァマオは真っ直ぐ拳を構えるとライザの腹部を狙い!…

ライザもライザで迎え撃つよう身構えて見せ!…その攻撃を回避してまた腹部に

寸勁の技を当てて見せようとすると、次には自身の頭上より影が!…


__バババッ!!…コオオオォォォ!!…


「ッ!?…もう一体!?…おいちょっと待てぇ!!…」


「攻撃を仕掛けられるのは一体だけなんて言ってないアル!!…

ただ同時に動かすと疲れるからしてないだけネ!!!…

…さっき言ったアルよ!!…私本気てネ!!!」


「…ッ!?…チッ!!…被弾覚悟!!!…」


突如自身の頭上に影を感じ!…ライザが攻撃を受ける前にチラッと確認をすると、

そこには小型のキョンシーが!…この時そのキョンシーの手にはしっかりとあの

鉤爪が握られて有り!…ライザも二体同時で攻撃して来るとは思っても居なかった

様子で戸惑いを露わにして居ると、玲玲は饒舌になるようウキウキとする!…

その際先程までそうじゃなかった事に対して軽くライザに説明をして見せると、

玲玲は思いっきり腕を振り下ろし!…すると小型のキョンシーはそれに合わせて

鉤爪をライザに突き付け始め!…落下の勢いそのままに頭から串刺しにしようと

すると、ライザもその攻撃が飛んで来た事で更に慌てる!…目の前には拳を

構えるデカい女が迫って来ており!…頭上からは玲玲より大きめの幼女が!…

更にはこの時チラッとではあるが高校生位の女の子がライザに狙いを定めて

居り!…四面楚歌!…ライザも飛んで来る攻撃に合わせて被弾覚悟の防御の構えを

取って見せると、まず一番にヤバいと感じた幼女に両腕を構える!…


__コオオォォ!!…ガキイィィン!!!…グンッ!!…ドゴオオォォ!!!…


{ッ!?…グッ!!…おいおい!?…

何て拳持ってんだ!?…意識が飛びそうになった!!…}


__バシュン!!!…コオオオォォォ!!…ガキイィィン!!!…ッ~~~……


ライザは自身の頭を守る様にして両腕を頭上に!…この時ライザの装備と言うのは

肘まで守れる金属のプレートが付いて居り、それを盾代わりに使ったのだが!…

目の前の迫って来るデカいキョンシーに対しては無抵抗で有り!…そのまま被弾

覚悟で自身の腹筋を固めて耐える姿勢を見せるのだが、その腹筋を貫く様にデカい

キョンシーの拳がライザを突き刺す!…それこそ先程の仕返しとばかりに深々と

刺さると、ライザの意識は一瞬遠退き!…しかし完全に意識を刈り取るには威力が

足らず!…何とかライザはその攻撃に耐えてヤベェ!と心の言葉を呟いて居ると、

次には別の攻撃が飛んで来る!…しかしその攻撃も狙いがズレた様子で、ライザに

当たる事無くそのまま後ろを通過!…奥に有った家屋の壁にその鉤爪は刺さり!…

何とか拳一撃だけに抑えて見せると、玲玲も失敗したと言った具合に言葉を

零す!…


「ッ!…アイヤ~?…やっぱ三人同時の攻撃は難しいネェ?…

小猫シャオマオの狙いを定めつつ!…大猫タァマオの力を込めながら!…

更には中猫チュンマオの微調整!…三撃中一発だけとは!…

…でもいい感じに拳は入ったネ?」


「ッ~~~!!!…ったく!!…

本当に良いの一発貰って貰ってもうたわ!!…オラァ!!…」


「ッ!?…おっと!!……フフフ!…お兄ちゃん?…

ここからは本当に逃げないと死ぬアルよ?…」


「だぁ~れが逃げるかぁ!!!…

そう言う嬢ちゃんこそここで何してんねん!!…

まだそれすら聞いてない事に自分でもビックリやわ!!!…」


何度か挑戦はした事が有るのか難しいと!…それでも拳が良い具合に入ったのは

分かって居る様子で!…喰らった感想を求める様にライザへ不敵に笑いながら

グリグリとキョンシーを操って見せると、ライザはその痛みに耐えながら玲玲へ

文句を口にする!…その際周りに居る奴らを薙ぎ払う様にクルリと回りながら

拳や足を振り回すのだが、玲玲はそれを軽く回避させ!…次にはライザから

若干距離を取った所で再度キョンシー達に身構えさせ!…更に余裕を見せる様に

ライザへ逃げるよう言葉を口にすると、ライザは更に怒った様子で吠えて

見せる!…この時同時に玲玲が何故ここに居るのかについて改めて尋ねるよう

声を掛けると、玲玲はピクっと反応した様子で…次には若干考える様な仕草を

見せ!…そして別に話しても良いと言う結論に達したのか、ライザにその理由を

口にし始めると、ライザはその理由を聞いて戸惑って見せる!…何故なら!…


「ッ!……うぅ~ん…まぁ、これ位なら別に話しても問題無いネ…

良いでしょうお兄ちゃん!!…私がここに居る理由は簡単ネ!…

私ここでその煙の出る壺を守る様に言われたからここに居るネ!…

だからその壺を壊そうとする者!…つまりお兄ちゃん!!…

貴方を排除する必要がある訳ネ!!」


「ッ!?…薄々何と無く分かっとったけど!…

改めて言われるとなんかやな!…で!?…それは誰に頼まれたんや!?…」


「ッ!…それこそ言う訳無いのヨ!…

まさかそんな素直に話すとでも思ったアルか?…馬鹿だネェ?」


{ッ!?…こんのクソガキ!!……ッ~~~!!……はあぁ~…

落ち着け俺!!…こんなのに一々目くじら立てとたらキリが無い!…

とにかく!…実質あの三体を如何にかすればええ訳やから…

いっその事こいつら無視して!…}


玲玲はライザに堂々と壺を守って居ると発言!…するとこれにはライザも

戸惑い!…思わず驚いたようその表情を驚きに満ちさせて居ると、玲玲は

続けてライザの事を敵視する!…この時その理由に壺を破壊しようとした事!…

ただこれだけを挙げると上から目線で排除する!と指を差し!…ライザも

その話を聞いてもう一度如何言う事!?と…それをお願いした人物について

玲玲に質問をするのだが、玲玲はその答えをはぐらかす様に馬鹿にする!…

それこそライザの事を間抜け!と言わんばかりに嘲笑いながら答えて見せると、

ライザもカチンと来た様子で!…決して口に出す事は無いのだが心の中では

煮えくり返り!…しかしそれも一度は自身に自制を言い聞かせ!…改めて

もう相手にしないで壺だけの破壊を目論もうか?と考えて居ると、その隙を

狙う様にもう一度!…


「ッ!…させないアルよ!!!」


__バババッ!!…ダダダダダダダダ!!!……ッ!?…


「もうお兄ちゃんは玲玲の必勝パターンに入ったアルネ!…

これから逃げれた者は居ないアル!!…

だからここで悔しく涙を浮かべながら死んで逝くと良いねネ!!…」


「ッ!…ほほぅ?……誰一人として突破した事が無い!…ねぇ?…

……ちょっと面白そうじゃねぇか!!…」


ライザの目論見に気が付いた様子で玲玲はキョンシー達を操り!…再度

かごめかごめをするようライザの事を散り囲んでしまうと、ライザに

無駄だと声を掛ける!…その際これが玲玲にとって勝利のルーティーンと

ばかりに言葉を口にすると、続けて無様に死ぬようライザに言い!…

するとその玲玲の言葉にライザが反応!…まるで何かに興味を持った様に

ピクッと小刻みに動いて見せ!…玲玲の言葉に対して面白い!とばかりに

言葉をポツリと呟いて見せると、次には突如として何やら棒立ちをし

始める!…


__……ザッ……ふうぅ~!!………


「ッ!…何アルか?……もしかして諦めたアルかぁ?…」


「…ンな訳ないやろ!……ただ…

使って?…」


「……ッ?…何を訳の分からない事を言ってるアルか?…

とにかく!…諦めようと諦めて居なくとも!!…

お兄ちゃんを始末するだけネ!!…あの世に行くヨロシ!!!」


キョンシー達に取り囲まれている中…ライザはその中心で天を見上げ徐に大きく

息を漏らすと、次にはまるで脱力したようダラァ~ンとする!…さながらそれは

魂の抜けた人間になるよう!…風に揺られるよう上半身をユラユラとさせ始め!…

そんな様子に玲玲も気が狂ったか?とばかりに声を掛けると、ライザはその言葉に

ツッコミを入れる!…その際功夫を知って居る割にこれは知らないのか?と言った

具合に呆れて見せると、やるのは久しぶりと!…しかしそんなライザの言葉に

対して玲玲は理解出来ない様子で!…とにかく相手がやる気をなくしている今が

チャンス!とばかりにキョンシー達を襲わせようとすると、次には手痛い反撃を

喰らう!…


__バババッ!!…コオオオォォ!!…


{これなら行ける!!…一気に畳み掛けて終わらせてやるネ!!…}


__フォ!!…スッ!!…ッ!?……スカスカァ~~!!…


「なっ!?…」


それこそ三方向から嗾ける様にキョンシーを操り!…一気に畳み掛けようと

接近戦を試みる!…その際玲玲自身もライザの様子に行ける!と言った様子で

何の疑いも持つ事無く攻撃を仕掛けようとするのだが、いざキョンシー三体の

攻撃がライザに繰り出されようとした途端!…それは奇妙な光景を見せる!…

簡単に言うと避けたのです!…それこそ三体の攻撃に掠ると言った様子を

見せる事無く、まるで空中を漂う木の葉の如く体を反らして捩じり!…見事に

キョンシーの攻撃を回避し切って見せると、そんな奇妙な体勢で回避して見せた

ライザに玲玲が驚く!…まるで人間ではない何かを見たが如く目を見開き!…

ただその光景が信じられない様子で思わず固まってしまうと、ライザはその隙を

狙う様に反撃に出る!…


「……はあぁ~……フンッ!!…」


____バキバキバキイィ!!!…ブオンッ!!…


ライザは三体のキョンシーの攻撃を躱すとすかさず反撃!…この時まるで空中で

受け身を取る様に腕や足を振り回すと、それぞれキョンシーの胸部・腹部・脚等

を薙ぎ払って見せる!…その際生半可な力で薙ぐのではなく、全身に力を入れて

思いっきり吹き飛ばすつもりで!…すると諸に反撃を受けたキョンシー達の体は

宙に浮き!…そのままライザの一撃で吹き飛ばされたようそれぞれが後ろに

向かい吹き飛んで行くと、遂には家屋の壁に叩き付けられる!…


__ドガシャアアアァァァン!!!…


「ッ!?…大猫タァマオ!!!…中猫チュンマオ!!!…小猫シャオマオ!!!…」


「……ふぅ~!…久しぶりにやったけど…

案外覚えてるもんやなぁ?…体が!…」


「な、何で!?…如何して!?…

今度は完全に威力もタイミングもバッチリだった筈!…

なのにアレを避けられた!?…」


するとこれには玲玲も途端に慌て出すと、すかさずキョンシー達の名前を呼び!…

その一方でライザはクルリと体を捻って見せ!…そして何事も無かったかの様に

地面へ着地をして見せると、出来たとばかりに肩を回す!…本人からすると一部

賭けの様な所が有ったらしく、出来た事に安堵するよう言葉を呟き!…玲玲は

玲玲で何が起きたのか理解出来ず!…ただライザが無事である事に驚いたよう

目を丸くして居ると、ライザはチラッと玲玲に視線を向ける!…


__チラッ?……ッ!?…バババッ!!…


「ま!…まだ終わって無いネ!!…また三人を立ち上がらせれば!!…」


__ブンブン!!!…ググググググ!!!…


「……フゥ~……何回やっても同じやのに…

しゃ~ない!…もうちょっとだけ遊んだるか…」


ライザが玲玲に視線を向けるとハッと気が付いた様子で!…玲玲も視線を

向けられた事で途端に警戒したよう身構えて見せ!…次には強がる様にライザへ

まだ終わって居ない事を口にすると、同時にまた腕を振ってはキョンシー達を

戦いの場へと復帰させる!…その際壁や瓦礫に減り込む様にして埋まって居る

キョンシー達がそこから復帰する様子は、まるで某・機動戦士のよう!…

体をプルプルと痙攣させてはゆっくりと体を起こして行き!…この時やはり

ダメージが残って居る様子でフラフラとしながらもライザの前に立って見せると、

まだ戦う気を見せる様に身構え始める!…するとそんな様子にライザもふと

呆れたよう反応すると、次には無駄だと口にし!…またもや先程と同じ様に

脱力し始め!…その三体のキョンシーに対して無気力具合を見せて居ると、

玲玲は何も学んでいない様子でまた嗾ける!…


「ッ!!…また抜け殻みたいに!!……ッ!!…今度こそ!!…」


__バババッ!!…スッ…フォン!!!…スカァ~!…


「ッ!?…また避けられた!?…」


「あ~らよっと!…」


__バキィ!!…ッ!?!?…


フラフラとし始めるライザに二度目のトライ!…今度は一応警戒した様子でその

ライザの様子を確かめると、真正面から攻撃を繰り出すのだが!…この時玲玲が

操る大猫タァマオの一撃は普通の攻撃ではなかった様子で!…恐らく最速の拳を突き出した

のだろうがライザはそれが来るのを知って居たかの如くいとも簡単に攻撃を回避

して見せると、またもや玲玲を驚かせて見せる!…その際ライザは飛んで来る

攻撃に対して体を反らすと、まるでブリッジをするが如く手を着いてはそのまま

後転する様に大猫タァマオを蹴り挙げ!…何なら掛け声付きで蹴られた事で玲玲は混乱!…

更に何で!?…と言わんばかりにただライザの動きに困惑をして居ると、

ライザは怯んだ隙を見逃さない様に追撃を放つ!…


「もういっぱぁ~つ!!」


__ザザァ!!…グンッ!!…ドゴオォォ!!!…


「ッ!?…タ!…大猫タァマオ!!!…」


「……なぁもう止めにせん?…

一応相手はキョンシーやって事は分かっとるけど…

やっぱ色々と殴り辛いねん!…いい加減に壺は諦めて家に…」


蹴り上げ後転あとにしゃがみ込むよう着地を決め!…その体勢のまま両足に力を

入れて大猫タァマオの腹部に狙いを定めると、勢いそのままに拳を放つ!…別になんら

技を使った訳では無い!…だがその一撃は鋭く深く!…最初の時同様大猫タァマオの体は

拳を喰らってくの字に折れ!…またもや近くの家屋に叩き付けられるよう大猫タァマオ

吹き飛びダウンをしてしまうと、次には玲玲の悲痛な叫びが聞こえ出す!…

それそこその悲鳴はまるで家族がやられたよう心配に満ちた物に聞こえて来ると、

それを聞いたライザもピクッと反応し!…そして次にはもう降伏するよう玲玲に

説得の言葉を口にし始め!…これ以上は無意味である事を理解させようとする

のだが!…玲玲はその言葉を聞いても尚、首を縦に振ろうとはしない!…

…それどころか!…


「……出来る訳無いネ!!…」


「ッ!…なにぃ?…」


「…何も知らない奴に!!…そこまでガタガタ言われる筋合いは無いネ!!…

…例えここで私が死ぬ事になっても!!…その壺は護らないといけないネ!!!」


「ッ!?…な、何をそんなに守らなアカンねん!!…

別にこれが嬢ちゃんの心臓って訳でも無いやろうに!!…」


大猫タァマオがやられた事で怒りを燃やした具合に!…ただ一言出来ない!とだけ

言葉を口にすると、当然その言葉を聞いたライザは戸惑って見せる!…

この時ふと視線を玲玲の居る方に向けて行くと、その様子を確かめては

如何言う事か?と言葉を口にするのだが!…玲玲は暫く俯いた後スッと

顔を上げてはライザを睨み!…真っ向からライザの言葉に反抗する意思を

見せると、次にはその目に涙を浮かべて見せる!…その際その理由を

口にするよう自身が死ぬ事になっても壺を守る!と言葉を口にすると、

これにはライザも更に困惑し始め!…何ゆえそこまで頑ななのか!?と

疑問を持ち出し!…思わず戸惑った様子で如何言う事なのか!?と言葉を

続けて見せるのだが、玲玲は決して答えようとはせずライザに歯向かう!…


「五月蠅いネ!!!…誰が貴様なんかに!!……

大猫タァマオ!…中猫チュンマオ!…小猫シャオマオは私の家族と言っても良い位に大切なキョンシーね!!…

その内一人でもやられたら!!…もう絶対に許さないアル!!!…

…単純に数が減った事で術師の力は如何なるでアルか!?…」


「ッ!?…へ!?……あっ…いやぁ~…そりゃあ?…

数が減った事で確かに攻撃の手数は減るだろうが?…

その分操る人形達の指示精度が上がる…とかか?」


完全に激昂した様子で身構え出し!…自身の扱うキョンシー達の事を家族と

言うと、大猫タァマオがやられた事に対して怒りを燃やし続ける!…この時大猫タァマオ

倒したので消滅した!…或いは修復不可能レベルにまで壊したと言う訳では

無いのだが、大猫タァマオに掛かった負担を考えると切り離した様子で!…とにかく

大猫タァマオがやられた事に対して激怒し続け!…その分自分が如何なったかに

ついて徐にライザへ質問をし始めると、ライザも何故か律義に答え出す!…

それは玲玲に圧倒されたよう!…とにかく戸惑った様子で…そうして思った

事を口にして玲玲に答え、その答えを言い切った所で突如として中猫チュンマオが機敏に

動き出すと、中猫チュンマオはライザの顔面目掛けて思いっきり

回し蹴りを放って見せる!…


__バシュン!!!…フォン!!!…


「ッ!?…ぶなぁ!!!…」


「ッ!!…チッ!!…これでもまだ駄目アルか!!…

とは言え一番の力持ち大猫タァマオはもう駄目!!…

小猫シャオマオは早いけど力が無い!!…

…かくなる上は!!…」


__スッ…ッ!…カクン、ズシャ!……ッ!?…


中猫チュンマオが放った回し蹴りはライザの頬を掠め!…ライザも咄嗟に反応した事で

何とかクリティカルヒットを避けると、カスダメ微量ダメージに抑える!…そしてライザが

回し蹴りに反応して来た事で玲玲もハッと驚いた様子で目を見開くと、何か

まだ足りない様子で歯を食い縛り出し!…次には苦肉の策と言った様子で腕を

スッと…まるで何かを切り離す様に払って見せ!…それと同時に小猫シャオマオが力無く

その場に崩れて動かなくなり、ライザもそれに気が付いた様子でまさか!…

と身構え出して居ると、その答えは直ぐに分かった様子で中猫チュンマオが動く!…


__ボウッ!!!…シュバ!!…ッ!?…


「これなら如何ネエエェェェェェ!!!!」


__フォン!!!…ズガアアァァァン!!!…


「ッ!?……んだよこれぇ!?…」


先程だけでも十分早かった中猫チュンマオの動きが早くなり!…玲玲の掛け声に合わせて

その中猫チュンマオがライザの頭目掛けて降って来ると、その突然の奇襲にライザも驚く!…

しかしだからと言って素直に喰らう訳には行かないのでライザは反応するなり

すぐにバックステップ!…するとその中猫チュンマオの攻撃は目の前を通過し拳はそのまま

地面へと刺さり!…するとまるで格闘漫画宜しくそこに軽いクレーターを作り

出してしまい!…ライザもそれを目にするなりマジか!…と言った具合に慌て

出すと、そこから中猫チュンマオの猛攻が始まる!…


「ッ!?…これでも反応!?…でも!!…

ニガサナイアルウゥゥゥ!!!!」


__スゥ!…ボバババババババ!!!…


「ッ!?…だからって!!!…喰らうかってのおぉぉぉぉぉぉ!!!!」


__ボバババババババババババ!!!!…


「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


更に威力と加速を上げて来たにも関わらずまだ付いて来るライザに驚き!…

それでも逃がさない!とばかりに某・ジョ〇ョラッシュ張りの猛攻をライザに

仕掛けると、ライザもそれに反応するよう捌きに掛かる!…それはもうゲーム

を間違えて居るのでないか!?と思える位にドラ〇ンボール!…もはや残像

しか見えて居らず!…ライザも必死に何とか付いて行こうと言う気概を見せる

のだが!…徐々に徐々にと押されて行っては、被弾を許し始めるのであった!…

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【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】  たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。 【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。   【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?  ※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。

はぁ?とりあえず寝てていい?

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嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

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「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~

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悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

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 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

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