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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章五十五節 時の咆哮とキョンシー使いの幼女と三体のキョンシー-

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オリハの決死の活動により花街方面は解放され!…それに合わせて冒険者達も

活気付き!…それは伝染するよう冒険者達のやる気を揺るがし!…これ以上

無い程の徒党の組み具合を見せると、更に事の解決への意気込みに火を付け

させていた!…その際各々がモンスターの掃討、及び瘴気壺の存在を知って

破壊を目論見出して居ると、そんな中…マサツグ達のパーティーで真っ先に

飛び出して行った関西人!…ライザはオリハのやった時の咆哮を聞いてハッと

上空を見上げ出すと、喜ぶのではなく突如として悔しがり始めるのであった。


__オオオオオオオオオォォォォォォ!!!!……ッ!?…


「マジか、もう晴れたんか!?……恐らく方向としては花街の方!!…

……オリハか!!…ッ~~~!!…だあぁ~~~!!!…

こんな所でモタモタしてる間にぃ~!!!」


__カサカサカサカサ!……シャアアアァァァ!!!…


「ッ!!…うっさいはボケェ!!!…ド突き回したるぞぉ!!!…

…とにかく!…これ以上時間は掛けてられん!!…

はよ見つけてぶっ壊さな!!…」


オリハがやった!…それは仲間としてやり遂げた事に感心を持つ一方で、

冒険者プレイヤーとしては負けた気になり!…とにかく今自分の置かれてる状況に

対してライザは苛立ちを隠せない様子で吠えて居り!…するとそれに

反応して今取り囲んで来ているモンスター達もライザに向かい威嚇を

するよう声を挙げて見せると、そのモンスターからの威嚇にライザが

キレる!…そう!…彼は絶賛モンスターの群れに囲まれては強制的に

百人組手を組まされている状況で、現在残りあと五体と言った所!…

だがもう直ぐで終わりと言う所でその咆哮を聞いてしまい!…自分と

しても何をして居るんだ!と言った気持ちで一杯になると!…更には

その怒りをモンスター達に向けようとしていた!…


__シャアアアアァァァァ!!!…シャアアアアァァァァァァ!!!!…


「…ッ!!…チッ!!…

シャアシャアシャアシャア阿保みたいに鳴きやがって!!…

先にここまで来たってのにテメェらがウジャウジャと居やがるから!!…

大来で何を訳の分からん集会しとんねん!!…しばくぞコラァ!!!」


__ッ!?…シ、シャアアアアァァァ!!!…


勿論の事モンスター達はライザの事情を知って居る訳が無く…今だ邪魔をする

よう目の前に立ち塞がって見せると、依然としてライザに威嚇をする!…

するとそんなモンスター達の様子にライザの怒りもヒートアップ!…もはや

その鳴き声に対してにもケチを付けると、モンスター達に対して中指を立て!…

だがやはりそんなライザの言う事等モンスター達からすれば右から左!…しかし

ライザの威圧は効いて居る様子で若干慄き!…それでもしつこく鳴いてライザに

威嚇を続けると、遂にライザも我慢の限界の様子で技を構える!…


「ッ!?…まだしつこう鳴くんか!!!…もう良い!!…

いっぺんにぶっ飛ばしたる!!…覚悟せいや!!!」


__ザザッ!!…コオオオォォォォォ!!!…ッ!?…ザッ!!…


「ッ!!…龍!!…撃!!!…波ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


しつこく威嚇をして来るモンスター達にライザも更にカチンと来た様子を

見せると、文句の言葉を吐いては腰を落とし!…次には両手を後ろに向けて

掌に気を溜めるよう!…さながらそれは某・かめ〇め波を思わせる様な

構えであり、両手で気の龍を作りつつ!…そのモンスター達に睨みを利かせ

狙いを定めて居ると、そんな様子にモンスター達も驚き戸惑う!…その際

今からでも遅くない!と言った様子で逃げようと後退りをする様な素振りを

見せるのだが、それよりも早くにライザが反応したよう止める気等サラサラ

ない様子で波ぁ的な物を打ち出すと!…そのモンスター達は巻き込まれては

消滅する!…


__ゴッ!!…ギャアアアァァァス!!!…ッ!?…ッ~~~~!!!………


「……ふぅ!…人に喧嘩売っといて逃げるたぁ…

んなら最初っから喧嘩売ってくんなや!!…ったく!!…

…それよりも!…早く瘴気の壺とやらを……ッ!!…

急に濃くなった!?…近いんか?…」


瘴気に満ちた表通りを一匹の青白い龍が横断!…その際その龍の前に立って居た

モンスター達は横断に巻き込まれる様にして消滅して行き!…その場にドロップ

品と言う名のアイテムを置いて姿を消すと、同時に空しい風の音も残して行く!…

そうして意図せずモンスター達を掃討出来た事でライザも安堵!…何よりも自身の

イライラを解消出来た事で大きく伸びをすると、再び壺の捜索を再開しようとする

のだが…ふと思った矢先に瘴気が濃くなり出した事にハッと気が付き!…壺が

近いのか!?と反応すると、ライザは風の流れを確認する!…


__…ペロッ…スッ…フウウゥゥゥ……


「風の流れ的には向こうからやな?……どれ行ってみるか…」


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ………ッ!!…フウウゥゥゥ…


「……これ見よがしに怪しいのが有るなぁ?……どれ?…」


ライザは自身の右人差し指に唾液を付けると天へ掲げ!…その濡れた指先で

どの方向からか風が流れて来ている事に気が付くと、その風が感じられる

方へと移動し始める!…それこそ表通りから裏道を渡って反対の通りに!…

道具屋の角を曲がってそこそこ広い北側のメインストリートへ出て来ると、

そこで何か湧き出ている様な奇妙な気の流れを!…同時にその瘴気の中に

潜む何かを見つけると、更に怪しんでは警戒をする!…この時その瘴気の中に

潜むモノと言うのは如何にも人では無い様で…一応何か人型の様な形をして

居るのだがウニョウニョと!…だが幾ら目を凝らしその姿を確認しようとも

分からず仕舞いで!…ライザも諦め攻撃して見れば分かるの精神で先程同様

[龍撃破]の構えを取ると、まずはその瘴気に潜むモノに向かってぶっ放す!…


{…龍!…撃!……ッ!!…波ああああぁぁぁ!!!}


__ッ!!…ババッ!!…ゴッ!!…ギャアアアァァァス!!!…


「……ッ!…何かに逃げられたんは間違い無いけど?…

お陰でもう一つ!…そこに壺が有る事も分かった!!…

じゃあ後は壊すだけや!…無理に近付いて苦しい思いせんでも…

さっきみたいにぶっ放せば!!…」


それこそ腰を落とし両手を後ろに構えて気を溜め始め!…声も出さないよう

狙いを付けてその正体不明のモノに向かい龍撃波を打ち出すのだが、最後の

最後で声が出てしまっては攻撃を悟られる!…するとその正体不明のモノも

すぐさま反応!…ライザの龍撃波からあからさまに逃げると姿を隠し!…

すると当然ライザの龍撃破は空振りに終わり!…そのまま瘴気の中へと

突っ込んで行っては壁に穴を開けよう向こうの景色を見せると、そこで

ライザがある物を見つける!…言わずもがな壺である!…その壺はオリハの

時同様その口から瘴気を吐き出し!…辺り一帯に濃厚な瘴気の壁を作ると、

その姿をまた隠して行くのだが!…ライザからすれば位置が分かれば

関係無く!…もう一度ぶっ放して今度こそ壺の破壊を試みようとするのだが!…

それを邪魔する様に瘴気の中からある者が姿を現す!…


__……ボババッ!!…ッ!?…ジャキンッ!!!……


「ッ!!!…っぶな!?…さっきの奴か!?」


__ッ!……クルクルクルクル…シュタッ!!…チラァ?…


それこそもう一度構えて龍撃波の気を溜めようとすると、その瘴気の中から

突貫して来る様に!…猛烈な勢いでその者が姿を現すとライザに向かい

真っ直ぐ飛び!…その手に巨大な鉤爪を装備してライザの事を串刺しにしよう

とすると、ライザも寸での所で回避をする!…それこそ某・アクション映画

みたく上体を逸らしその者の攻撃を回避すると、その者も攻撃が避けられた

事で受け身を取り!…身軽なのか空中でクルクルと回ると華麗に着地!…

まるで猫のよう両手両足を使いライザに対し背を向けて見せると、次には

クルッと振り返ってその姿を見せる!…


「ッ!……キョ、キョンシー?…

何か見覚えの有る感じがするけど…おでこにお札張って有るし……

やっぱキョンシー…だよ…な?…」


まるで猫の様な仕草を見せるその者の正体は如何やらモンスター!…

キョンシーらしく!…見た目も某・吸血鬼の格ゲーに出て来るキョンシー

のよう!…ただ普通のキョンシーと違って関節は至って健康的に曲がる

らしく!…今だ猫の様に両手両足を揃えてその場に座り込んで居ると、

その姿を確認したライザが驚き戸惑う!…その典型的な格好をして居る

事にも思わず驚くのだが、それよりもキョンシーが今ここに居ると

言う事に一番驚き!…と言うのも実はこのゲームにおけるキョンシーと

言うのは人形の扱いとされており、のであるが!…

現に独りでに動いて居ると!…目の前の者に疑問を抱いてはとにかく戸惑い!…

だとすると術者は?…と次に思考を切り替えようとして居ると、突如

背後より幼い子供の声が聞こえて来る!…


「……アイヤァ~!!…急に何するアルかぁ!!…

ウチ、びっくりしたアルよぉ!!」


「ッ!…誰だ!!!…ッ!!…」


「誰って?…人に名前を尋ねる時!…

先に自分から名乗るのが礼儀と言うモノね!!…

…で?…お兄さんは敵なの!?…」


まるで漫画に出て来る中国人の様な訛りで話し掛けられてはライザも驚き!…

慌ててその声の聞こえた方に誰かと問いながら視線を向けると、そこでその

キョンシーと似た様な恰好をして居る…シロと同じ位の女の子が近くの家屋の

屋根の上に立って居る姿を見つける!…その際着ている服の袖同士を合わせる

よう腕を組んで居るのだろうか、とにかく横柄な態度でライザを見下ろし!…

ライザの咄嗟の言葉に対して文句を続け!…ライザに敵であるかどうかを

不服そうに尋ね出すと、更にライザは目に見えて戸惑って見せる!…


「こ、子供?……って言うか何でこんな所に?…

…それに襲って来たって?……ッ!?…ま、まさかあの子が術者?…

…って、そんな訳ねぇよな?…

大体キョンシーとか人形を操るのってすっげぇ難し…」


「ッ!!…今子供だからって馬鹿にしたアルか?…舐めないでヨロシ!!…」


何処をどう見てもそこに立って居るのは子供で…何よりNPC全員が避難を

している中そこに堂々と立って居る事に違和感を持ち!…まさかこの子が!!…

と一度は考えるのだが、直ぐに自己完結した様子で笑って流す!…その際

一度はその人形を扱うと言う事にチャレンジをした事が有るのか、難しかった

事を口にしようとするのだが!…その一連の言葉は当然の様にその幼女の

耳に届いて居り!…更にライザの発言に対して怒りを覚えたよう文句の言葉を

口にすると、その幼女の気迫にライザが慄く!…


「ッ!?……」


{……な、何や今の気迫!?…あからさまに何かビリビリ来た!!…

…見たところ完全に…まるっきり行動も子供…と言うより悔しがりよう…

腕を振り回して地団太を踏むって!…今時珍しい怒り方をするなぁ~?…

…とは言え!…一応警戒を!…}


別にその幼女の言って居る態度やその怒気に驚いた訳では無いのだが、妙にその

幼女から発せられる言葉からは重みを感じ!…ライザも疑問を感じるともはや

その幼女自体が何かモンスターの類なのでは?と思える程に驚き戸惑い!…一体

如何言う事なのか?と思いつつもその幼女の態度に思わず笑い!…何か情緒が

可笑しく自分自身にも混乱してしまいそうになって居ると、一応は警戒した様子で

その幼女の動向に目を向ける!…するとその幼女は突如として自身の事を名乗り

出すと、ライザにこう話し!…


「こう見えて玲玲リンリンは超一流のキョンシー使い!!…

お兄さん程度の人なら!!…私のキョンシーであっという間ネ!!」


「ッ!!…何やとぉ!?……って、えぇ!?…

このキョンシー扱うてるの嬢ちゃん!?……またまた冗談言いなやぁ!!…

如何せ嬢ちゃんが前に立ってアピールしてて!…

後ろでお母ちゃんかお父ちゃんが操ってんねんやろ?…

ンな無理に虚栄張らんでも…」


「ッ!?…また私の事を馬鹿に!!……もう良い!!…

玲玲リンリンの敵だろうが何だろうが関係無い!!…

お兄さんには痛い目に遭って貰うネ!!!…

後で泣きを見ても知らないヨロシ!!!…覚悟するネ!!!」


その幼女は自身の事を玲玲リンリンと名乗り!…更には続けてキョンシー使いである事を

口にすると、ライザなど敵では無いと豪語する!…この時ライザを指差し馬鹿に

したよう自信満々にニヤッと笑って見せると、ライザもそんな幼女の態度にムッ

として見せ!…しかしそれよりも直ぐに気になる事が有った様で、その玲玲の

言っていたセリフに対し!…やはり信じて居ない様子で自身が考えられる可能性を

指摘するようあり得ない!…と笑って見せると、その言葉を聞いた玲玲は更に

怒る!…その際今まで振り回して居た腕をピタッと止めて徐に何かを操る様な

怪しい動きをして見せると、それに合わせて先程襲い掛かって来たキョンシーが

動き出し!…


__ッ!…ググググッ!……


「ッ!!……ウソォ!?…」


「さらにこれだけでないアル!!…

行くヨ!!…三位一体!!!」


__バシュン!!…バシュン!!!…ジャキン!!!…


幼女の腕の動きに合わせて猫みたいに座って居たキョンシーが重い腰を上げる様に

立ち上がり!…ライザもそれに気が付いた様子で振り返ると、次には驚いた様子で

反応する!…まさか本当にこんな小さな女の子がキョンシーを扱うとは!…ただ

驚いては思わずぽかぁんと口を開けて、そのキョンシーが動く様を凝視して如何

対処するか?で悩み出して居ると、更に幼女はまだ有る!と言った具合に腕を

振る!…するとその動きに合わせて瘴気の中からもう二体!…やはり女性型の

キョンシーを出現させるとライザに襲わせ!…ライザもそれに気が付いた様子で

すぐさま反応して見せると、更に驚いた具合に回避行動へ出始める!…


「ッ!?!?…う・そ・だ・ろ!?…」


__ゴオオォォ!!…グオン!!!……グオン!!!…


その新たに出て来た二体に対しても増えた!?…と言った具合にライザが

驚いて居ると、そのキョンシーは真っ直ぐライザに向かって飛んで行き!…

そして今度はただ突貫するのではなく持っている鉤爪で引き裂こうとし

始め!…腕を振り上げ容赦なく襲い掛かって行くのだが!…ライザはそれを

巧みに回避すると、一度距離を取って仕切り直そうとする!…その際その

キョンシー達の動きに目を向け何か策が無いかを確認すると、この時ある事に

気が付き!…如何やら攻撃を仕掛けて来る際一度に襲って来る事は出来ない

のか…攻撃が一体づつのモノである事に気が付くと、ライザは何度も

ヒラリヒラリと舞って見せる!…


「うおっと!!!…ヨッ!!…ホッ!!…ハッ!!…

…チッ!!…攻撃自体は!!…さすがに!!…

一体づつの!!…ようやけど!!…それでも!!…」


__ザザァ!!!…グッ!!……ッ!…チャキィ!!……


「…ちゃんと考えて攻撃して来とる!!……なるほど?…

口だけや無さそうやな?……だとすると術者を倒せば事は簡単なんやけど!!…

…如何にもなぁ~?……」


そうして攻撃を回避し続け漸く距離を取る事に成功すると、自身も戦う気を

見せる様に身構え!…するとそれに反応してキョンシー達も鉤爪を突き出す

様にして身構えて見せ!…ライザもそれを確認して改めて相手の動き等を

振り返る様に言葉を口にすると、続けて如何やって降伏させるかで悩み出す!…

何故なら相手は自分より小さな子供!…確かに襲って来てはいるのだが!…

如何にもやはり抵抗を覚えるモノが有って、ライザ自身出来る事なら

戦いたくないと考えて居ると、身構えるキョンシーの内一体が不穏な動きを

見せる!…


__オオオォォォ……チャキッ!…バシュン!!!…


「ッ!?…ちょ!?…」


__バッ!!…キイィィン!!!…ッ~~~~……


「ッ!?…オ、オイ!!…その爪射出出来るって聞いてないぞ!!!」


依然としてライザに向かい鉤爪を突き付けると、次の瞬間その内の一本を

ライザに向かい射出!…しかもそこそこの勢いで飛んで来るとライザは

当然の如く驚いてしまい!…思わず横っ飛び回避でその飛んで来る爪を

回避すると、回避した爪は地面に刺さるなり音を立てる!…それは軽い

金属音の様に響くと同時に細かな振動を繰り返し!…ライザも地面に刺さった

爪を見ては聞いてないと!…術者である幼女に思わず文句の言葉を口に

すると、幼女は悪びれる様子を見せる事無く呆れて見せる!…


「ッ!…はぁ~?…何で言わないといけないアルか?…

これは暗器ネ?…相手に攻撃を悟られてはいけない!…

ましてやお兄ちゃんを殺そうとして居るアルよ?…

そんな今殺そうとしている相手に!…

わざわざ自分の手の内を明かす様な馬鹿をすると思うアルか?…」


「ッ!?…チッ!!…言ってみただけだっての!!…」


{…にしても不味いぞ!?…

ただでさえ連携が取れとる上に遠距離の攻撃手段も!!……

更に仕掛け辛なった!!…しかもそこそこ威力が有るとみてえぇやろ!!…

…さぁて如何する?…もういっその事帰りたぁてしゃ~ないわ!!…

けど…そんな事も言っとられんからなぁ!!…とりま…}


「……鑑定アプレェィザァル!!」


幼女は呆れると同時にライザの事を馬鹿にし始める!…ライザとしてはいつもの

ノリで文句を言ったつもりなのだが、この幼女は真剣に受け取った様子で!…

一々自身の手の内を明かす訳が無い!と口にすると両手を広げては嘲笑い!…

ライザもそんな幼女の態度を見て更にカチンと来たよう言葉を口にすると、

改めてどう戦うかで悩み出す!…それは幼女に危害を加える事無く降伏させる!…

それをするにもまずはあのキョンシー達を如何にかしないといけない訳で…

更にはこちらは一に対して相手は三!…遠距離攻撃の手段を持って居る事から

更にライザとしては戦い辛く!…とにもかくにも相手の詳細を求めるよう

安定の行動に出始めると、ライザの目の前にはその求めていた情報が開示

される!…


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

 「功夫キョンシー・小猫シャオマオ」  

 Lv.35

   HP 6500 ATK 300    DEF 320

      MATK 50   MDEF 40


 SKILL

 功夫 Lv.12 会心撃 Lv.7 暗器術 Lv.8 家事 Lv.8
 -----------------------------------------------------------------------

「功夫キョンシー・中猫チュンマオ」  

 Lv.36

   HP 7000 ATK 320    DEF 330

      MATK 70   MDEF 70


 SKILL

 功夫 Lv.13 会心撃 Lv.8 暗器術 Lv.9 家事 Lv.10
 -----------------------------------------------------------------------

「功夫キョンシー・大猫タァマオ」  

 Lv.37

   HP 7500 ATK 340    DEF 340

      MATK 100 MDEF 100


 SKILL

 功夫 Lv.14 会心撃 Lv.9 暗器術 Lv.10 家事 Lv.15
 -----------------------------------------------------------------------

「キョンシー使い・玲玲リンリン」  

 Lv.35

   HP 7000 ATK 60   DEF 200

      MATK 350 MDEF 340


 SKILL

 功夫 Lv.3 暗器術 Lv.4 人形術 Lv.14 家事 Lv.6
 -----------------------------------------------------------------------

「ッ!?…やったら四人いっぺんに!…

えぇ~い!…視界を遮るな!!……こういう時不便…」


ライザが鑑定アプレェィザァルを発動すると目の前にはションシー三体分と幼女の物まで!…

視界を遮る様に開示されてライザも驚いたよう途端にウィンドウをずらして

あぁだこうだとやって居ると、そんな様子に幼女も不思議がる!…思わず

奇怪な動きを見せ始めたライザに対して疑問の表情を浮かべると、子供

ながらに不気味と感じてはその場に固まり!…指示が無い事でキョンシーも

固まり!…敵対しているにもかかわらず奇妙な沈黙の間が辺り一帯を

支配しようとして居ると、次にはライザが落ち着いた様子で確認をする!…


「……よし!…これで漸く!!……で?…えぇ~っと?…

…ッ?…何やコレ?…戦闘技能の他に…家事?…

何でこんなモンまで開示されて?…」


「ッ!!…何で知ってるアルか!!…」


「ッ!…へ?…」


「確かに私家事は得意じゃないアルネ!…だからキョンシー達を使って…

色々な事をして貰って居るけど!!…なんでそんな事を知って居るネ!!!」


相手の動きも見れる様に開示した情報を外側に!…その上で一つ一つその

開示された情報に目を向けると、またもや途端に疑問の表情を浮かべては

戸惑って見せる!…その際ライザが気にしたモノと言うのは、キョンシー達が

持つ最後のスキル家事であり!…見た所身長が大きい順にそのスキル能力が

高く振られており!…何でこんな物まで表示されるんだ?…と思わず声に

出して戸惑って居ると、次にはハッとした様子で玲玲が答える!…その際

彼女が言うのは日常的にこのキョンシー達を使って居るらしく、そのお陰で

鍛えられたと!…しかしそれを何故知って居る!?と言った様子で幼女は

戸惑い!…勝手に暴露してくれたおかげでライザも謎が解けたとばかりに

晴れやかな表情をして見せると、次には冷静に気を付けるべき点を纏め出す!…


{……あぁ~…日常的に使ってるからこんな器用な事が出来るんか…

まぁとにかく!…一番に警戒すべきは功夫!…そんでもって会心撃やな?…

会心撃は確か相手に効果的なダメージを与える事に成功した際!…

そのダメージを増加させるスキルやったよな!…

…だとすると迂闊な攻撃はもらえない!…

まだ攻撃パターンも全て見切った訳やないからシンドイけど!…

もうガタガタと手を拱いてる場合でも無いなぁ!!……ならこっからは!…}


幼女が何故あんなにも達者にキョンシー達を扱える事が出来るのか?…その謎が

解けた事でライザは個人的にスッとし!…改めてそのキョンシー達の功夫!…

及び会心撃が危ない事に着目点を向けると、次にはその戦う方法まで考え出す!…

その際一部スキルの効果を思い出した様子で自身の中で確認を取ると、同時に一番

自分が動き易い攻め方も頭の中で組み立て!…更には時間が無い事にも目を向け

ては一人呼吸を整え出し!…色々と自身の中で落ち着きを見せ!…全ての答えに

対して自分なりの結論を導き出して見せると、次にはそのキョンシー達に対して

腰を落とす!…


__スウゥ……ダアァン!!!…ッ!?……コシコシコシコシ!!…じぃっ!!…


さながら拳法の達人の様にライザが地面を踏み込んで見せると、次にはその

足元に軽い円形のクレーターを作り!…するとそんなライザの気迫に幼女も

驚いた様子で!…自身の目を疑う様に目を擦りもう一度その光景を確認する

のだが、その光景は決して変わる様子を見せないで居た!…そしてそんな

光景に幼女が驚き戸惑いに戸惑って居る一方で、ライザは着々とキョンシーに

狙いを定め!…腰を落とした状態で徐にスッと拳を握り!…まるで正拳突き

でも繰り出すが如く一番大きいキョンシーに眼光鋭く視線を向けて見せると、

そのノーガードのどてっ腹に拳を叩き込むよう遠慮はしない!と口にする!…


「…こっから本腰入れてやらせて貰うでぇ!!…

最悪嬢ちゃんのキョンシーが壊れても文句言いなやぁ!!…」


「ッ!?…フ、フン!!…どうせ虚勢を張って居るだけネ!!…

私のキョンシーが負ける筈が!!…」


「…ふうぅ~……ッ!!…疾風拳!!!」


__バシュン!!!…ドゴオォォォ!!!…ッ!?…ワタワタ!!…


まるで幼女に断りを入れるよう言葉を口にすると、その言葉に幼女もハッとした

様子で!…次にはそのライザの言葉に対してあり得ない!と言った具合に嘘だ!

と言い、自身のキョンシーに絶対の自信を持って居る様子で言葉を続けようと

するのだが!…そんな幼女の言葉など御構い無しにライザは仕掛ける!…その際

マサツグのダッシュ斬り宜しく一気にキョンシーとの間合いを詰めると、予定

通りにその一番デカいキョンシーの腹部に重い一撃を!…するとそのキョンシーの

体は殴られた衝撃でくの字に曲がり、衝撃は体を抜けて背後に!…この時その

キョンシーの背後を漂って居た瘴気は貫かれた様に散って行き!…そんなライザの

容赦ない一撃に幼女が慌てたようとにかく抵抗の意思を見せようとして居ると、

更に追撃の一撃が飛び出す!…


「からのぉ!!…虎破撃!!!」


__コオオオォォォ!!!…ドゴオォォォ!!!…


「ッ!?…大猫タァマオ!!!……ッ!!!…」


「……悪いけど…これ戦いなんよねぇ~?…

中途半端な同情は虎をも殺すってな?…」


拳を喰い込ませた状態で更に力を込めての追撃の寸勁!…するとその一撃は

更に重く!…ダイレクトに力が伝わったのかキョンシーの体を宙に舞わせて

見せると、そんな光景を目にした玲玲も途端にその表情を青褪めさせる!…

そして次には心配した様子でそのキョンシーの名前を呼んで見せると、腕を

振って受け身を取らせようとするのだが!…そのキョンシーは受け身を取る

事無く地面に倒れ!…そのままピクリとも動かなくなると、更に玲玲と

戸惑わせる!…そしてそれをやった張本人も宣言通りにやったと!…玲玲に

対して何やら何処かで聞き覚えの有る台詞を口にすると、更に身構えて

見せるのであった!…

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