どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-

-第二章九節 ゴブリンの群れと群がる苛立ちと親玉ゴブリン-

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マサツグ単騎とゴブリン多勢が戦闘を始める!…互いに走り出すもやはり

多勢に無勢、先に攻撃を仕掛けて来たのはゴブリン達であった。向かって

来るマサツグに対し大きく踏み込み飛び掛かって来ると、勢い任せに

持っている武器を振り回し…集団でマサツグに襲い掛かり始めるのだが

足並みが揃っていないせいか、マサツグはゴブリン達に向かい走りながらも

見極め回避する!


__グギャガアアァァ!!!…フォン!!…フォン!!…


「ッ!?…っぶねぇ!!…でも、この程度なら!!…」


__グギャガ!?…グギャガアアァァ!!!…


「…おっと!!……とは言え!…感情に任せて突っ込んだのは愚策だったか!?…

完全に攻撃…のぉ!?……タイミングを失った!!…さぁて、如何しようか?…」


ゴブリン達はまるで平原の狼達の様に連携を取るのでは無く、ただ我武者羅に

マサツグへ飛び掛かっては手に持っている武器を振り回す!例えその攻撃で

味方を攻撃する事になったとしても!…着地をする際その着地地点に他のゴブリン

が居てぶつかったり、マサツグが回避すると先方と後方から飛んで来た者同士が

空中でぶつかり迎撃し合ったり…そんな纏まりの無い様子を目にしつつマサツグが

ひたすらにゴブリン達の攻撃を回避し前に出た事を後悔していると、徐々に

ゴブリン達も学習して来たのかその攻撃方法を変え始める。


__グギャガガガ!……スッ…グギャガアァ!!…シュッ!!…


「……っと、…ッ!?…あっぶな!?……石投げて来た!?」


__グギャガ!!…グギャガガガ!?…ギャガアアァァ!!!…


ゴブリン達の戦闘方法は基本原始時代なのか攻撃は安直、武器を手に接近戦を

試みるもその攻撃は力任せで、遠距離攻撃も石を拾って投げ付ける等…弓等を

持って居ない彼らから文明らしさを感じられるのは持っている武器が棍棒や

剣である事位であった。そして突如攻撃方法が変わった様に飛んで来た石も

マサツグは最初回避して見せるのだが、最初に石を投げ付けて来たゴブリンが

周りに指示を出す様に何やら喋り出し、それに同意するよう他のゴブリン達も

石を手にし始めると、マサツグに向かって一斉投擲をし始める!


__シュッ!!…シュシュシュッ!!…シュシュシュッ!!…


「ッ!!…さすがにアレだけぶつかり合ってたら不毛って気付くよな!…

だからって石を投げつけるって!!…クソ!!…本当に面倒だな!!……

とは言ったもののこの通路の狭さじゃ!!……」


__シュシュシュッ!!……グギャ?…グギャガガ?…


「ッ!…一旦止んだ!!…これなら!!…」


ゴブリン達が一斉にマサツグへ向かい石を投擲し始めると、マサツグは

回避する事が困難になり被弾し始める。ただでさえ狭い通路!…更に足場も

良く見ないと魚が泳げる位の深い地底湖が口を開けて待っており、迂闊に

足を滑らせドボンした場合…何が居るのか分からない不気味さを漂わせては

マサツグに回避の行動制限を掛ける。そんな中の動ける範囲内一杯の投石に

マサツグは被弾を余儀なくされ、石を投げつけて来るゴブリンに怒りを覚え

始めるのだが…ゴブリン達の足元に有る意思が粗方投げ尽くされたのか投石が

止まるとマサツグは反撃のチャンスを迎える!当然こんな狭い中で大剣を

抜く事は出来ない!…そうなると自動的に選ぶ武器は刀になる訳なのだが…


__チャキッ!!…スラァ……ッ!?…


「ッ!?…しまった忘れてた!!」


__ボロ……グギャガ?…ギャ~ッガッガッガッガッガ!!…


「ッ!?……クソがぁ!…やっちまった!!…」


マサツグがチャンスを掴んだとばかりに刀に手を掛けて勢い良く抜刀する

のだが、鞘から出て来たのはボロボロの刀身の春風刀…何の事は無い

バルデウスのゲイルジャッジメントを斬った事で春風刀は真面に使える

状態では無く、自身も分かって居た筈なのだがゴブリンに対し怒りを

燃やしていた事でコロッと忘れて居たのか、抜いて漸く気付いた様子で

マサツグが戸惑った反応を見せる。ゴブリン達もそのボロボロの刀身を

見て一旦は戸惑った表情を見せるのだが、可笑しかったのか大合唱を

する様に大笑いし始め…その様子にマサツグの鬱憤も溜り更に怒りを

覚えながらも刀を鞘に仕舞い始めると、ゴブリン達はもはやマサツグを

舐めているのか最初の時同様飛び跳ねる様に襲い掛かり出す!


__ギャ~ッガッガッガッガッガ!!……グギャガアァ!!……スゥ…


「ッ!!…こうなりゃヤケクソ!!…剣が無くても!!…」


__スッ…クッ……グギャガアァ!!…スカッ!!…


「戦えるって事を!!!…」


ゴブリン達が再度マサツグに襲い掛かる際…また飛び跳ねながら馬鹿の

一つ覚えの様に向かって来るとマサツグも舐められていると感じたのか、

堪忍袋の尾が切れた様子でふと拳を握ると某格闘ゲームに出て来る!…

ボロボロの胴着に白い鉢巻を付けた有名キャラの様な戦闘態勢で構え始める!

勿論完全見よう見真似で有るのだがスッと構えたのがこの構えで、この時

襲い掛かって来るゴブリンはそんなマサツグを見て雑魚と言った様子で

余裕の笑みを浮かべ、その表情にマサツグは更に怒りを覚えて文句を口に

しつつ…まず先頭に立って襲い掛かって来たゴブリンの動きに目を向けながら

腰を落とし出すと、左手を前に突き出しては右肘を引いて正拳突きの構えを

取り出す!そして飛んで来たゴブリンを見切って居ますよ?とばかりに…

軽く上体を逸らして攻撃をまず回避して見せると、更に文句を口にしつつ!…

引いた拳を撃ち出す様に突き出すとゴブリンの顔面に拳を叩き込む!


__ゴアァ!!…ボゴオォォ!!!…グギャガ!?…


「オオオオオオオ!!!」


__ドゴオオォォ!!!…ッ!?……


綺麗に入ったマサツグのカウンターパンチは飛んで来たゴブリンの顔面を

見事に捕らえ、その光景を目にした他のゴブリン達が思わず動きを止めて

戸惑った表情で見詰めて居ると、マサツグは勢いそのまま掛け声と共に

ゴブリンを地面に叩き付ける!そしてゴブリンが地面に叩き付けられた瞬間!…

そのゴブリンの後頭部と顔の方から鮮血が飛び出すとその光景に周りの

ゴブリン達が恐怖する様に青褪め出し、マサツグの腕にもそのゴブリンの

顔を殴った際の感触と音が入って来ると、何とも言えない気分になっては

ゆっくり自身の腕を上げ始める!…


__……ズルゥ……ッ!?……ゾオオォォォ!!…


「……教えてやるよ!!!」


__グギャガ!?……ザッ!…ザッ!…ザッ!…ザッ!…


そこにはまるでジャ〇アンパンチを受けた様に顔が陥没し、拳の跡を付ける

ゴブリンが痙攣した様子で倒れており、その光景に更に恐怖した様子で

ゴブリン達が戦慄していると、マサツグはまだ怒りが収まっていない様子で

体をユラリ…と起こし出してはゴブリン達を見下す。その際その目は完全に

殺意に染まっており頑張れば一〇千撃が出来そうな程!…今までやられた

ままのマサツグは頭に血が上った状態でまだゴブリンに対して敵意剥き出しに

しており、威嚇するようゴブリン達に詰め寄り出すとここからマサツグの

拳闘劇が始まる!


__クイクイッ!…


「…如何した?…次来いよ!?…

人間様舐め腐りやがって!!…生きて帰れると思うなゴラアァァ!!!」


__ッ!?…グッ!…グギャガアアアアァァァァァ!!!!…


「…ふぅ……鑑定アプレェィザァル!!!」


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

 「洞窟ゴブリン」  

 Lv.15

   HP 1300 ATK 110    DEF 100

         MATK   0   MDEF   0


 SKILL

 窃盗 Lv.3 援軍呼び Lv.MAX 投擲 Lv.4
 -----------------------------------------------------------------------


マサツグが殺意の視線を向けながらゴブリン達に詰め寄り手招きして挑発し

出すと、ゴブリン達も命の危険を感じたのかそれとも対抗心を燃やしたのか、

一斉に奇声を上げてはマサツグに襲い掛かり始める!しかしその攻撃方法は

やはり飛び掛かる方法しか無いのか、馬鹿の一つ覚えで…それを見てマサツグは

呆れると同時にはたと殺意を向けながらも鑑定アプレェィザァルをしていない事に気が付くと、

思い出した様子で発動してはその詳細を確かめる。そして如何やらさすがの

運営も鬼では無いのかちゃんとステージギミックと理解している様子で、今居る

ゴブリン達のステータスが低い事に気が付くと改めて身構え直し、まず群れで

飛んで来たゴブリン達に対して迎え撃ち始めると、今度は拳では無く回し蹴りを

繰り出してはその群れで飛んで来たゴブリン達を蹴って落とす!


__クッ!…スゥ…ヴォン!!…


「フン!!!」


__グギャガ!!…バキイィィ!!!……ドシャッ!!…ッ~~…


マサツグが一気に三体飛んで来たゴブリンを見事横一閃に薙ぎ払うと、

そのまま蹴り飛ばされて壁に叩き付けられズルズルと落ちて行き、

丁度叩き付けられた壁の下にある地底湖に音も無く着水すると、プカプカと

三体のゴブリンが動く事無く水面に浮かぶ!…そして浮かんでいる

ゴブリンの横顔は醜く歪んで、遂にゆっくりと沈んで行き、そんな様子を

目にしてもゴブリン達の攻撃は止まらず!…次に石を見つけていた

ゴブリン達がまたマサツグに投擲を再開し始めようすると、マサツグも

次の反撃の手に出る!それは!…


__グギャガガガガ!!!…グギャガギャガ!!!…


「ッ!!…チッ!…何処から見つけて!!…」


__グギャガアアァ!!!…


「ッ!…丁度良い所に!…」


__フォン!!…ガッ!!…グギャガ!?…


投石する構えを取り始めたゴブリン達にマサツグが面倒臭そうな表情を

していると、タイミングが悪いのかそれとも空気を読んで居ないのか、

一匹のゴブリンがマサツグの方に向かい飛んで来ては棍棒を掲げる!

しかしマサツグはそのゴブリンの姿を見るなりラッキーと言った様子で

悪い笑みを浮かべては、迎撃するのでは無くそのゴブリンの攻撃を

回避してから捕獲し…捕まって戸惑って居るゴブリンを余所に投石しようと

しているゴブリン達に向かい全力でそのゴブリンを投げ返すと、

その投石部隊のゴブリン達を一掃してしまう!


__ブォン!!ブォン!!…


「そうぅりゃッ!!!」


__ヴォン!!!…グギャガアアアアァァァァ!!!…パッカアァァン!!!…


「うっし!!…ストライクゥ!!!」


マサツグが捕まえたゴブリンを投げる際…まるで某ネクタイを付けた

ゴリラの真似をする様に腕を振り回し出すと、その様子に投石部隊の

ゴブリン達が戸惑い始め…投げるか投げないかの判断が遅れた様子を

見せて居ると、マサツグは相手の様子など御構い無しにその捕まえた

ゴブリンを投げ付ける!この時投げられたゴブリンはと言うと涙を

流しては投げられた事に恐怖し、その投石部隊のゴブリン達へ真っ直ぐに

向かい飛んで行くと、これまた部隊に大損害を与える勢いでダメージを

与える!命中した事にマサツグが喜んでいると残っているゴブリン達は

青褪める!…もはややっている事は大怪獣大戦!…勿論マサツグが怪獣で

ゴブリン達は防衛軍!と、身長差も有る事から更にその構図がハッキリ

見える中、マサツグの暴れる勢いはまだまだ収まらない!


「……何だ?…もう来ないのか?…だったらこっちから行くぞ!?…

人様に喧嘩売っといて!!…ただで済むと思うな!?…」


__グギャギャギャ!?…ギャガアアアアアァァァァァァ!!!!…


相当ゴブリン達にイライラしているのか…つい先程言った様な言葉を

もう一度口にするとゴブリン達を追い掛け回しては次々駆逐して行く!…

やっている事は本当にボロボロ兜の冒険者か悪鬼羅刹の如く暴れ回り!…

それに対し必死に抵抗するようゴブリン達も負けじとマサツグに攻撃を

開始すると、その内の一体がラッキーパンチを繰り出す!


__グッ!!…グギャガアアァァ!!…ドゴォ!!…


「いッ!?…このぉ!!…ッ!?…」


__ぼやぁ~…


{クッソ!!…打ち所が悪かったか!?…視界が!…}


ラッキーパンチと言っても石で出来た棍棒なのだが、ゴブリンの必死の抵抗を

完全に捌く事は出来ないとばかりに、後ろから棍棒で頭に奇襲を掛けられると

マサツグの動きが止まる!激しい痛みを覚えると同時に体が若干動かし難い様な…

視界がぼやけては軽いスタン状態に入り、マサツグもそれを瞬時に理解したのか

心の中で焦りを覚えていると、これをチャンスと思ったゴブリン達は一斉に

マサツグに詰め寄り始める!そして一気に畳み掛けようとばかりにゴブリン達が

マサツグに飛び掛かり出すのだが、スタン状態も長い時間掛かって居る訳では

無いのか直ぐに解け、マサツグが直ぐに意識をハッキリさせ焦りを覚えると

吠える様に叫んでは刹那を発動する!


__ッ!!…ジリッ…ジリッ……グギャガアアアァァァァァ!!!…


「ッ~~…ッ!!…刹那!!…」


__ヴウン!!!…


「調子に!!…乗ってんじゃねえぇぇぇぇ!!!!」


飛び掛かって来たゴブリン達を尻目にマサツグが更にブチキレた様子で

刹那を発動すると、マサツグの視界にはゆっくりと群がって来るゴブリン達の

姿が目に映る。宙に浮いている様に見えたり今から飛び掛かろうとして居たり…

それを見てマサツグは直ぐに動き出すと一旦しゃがんではその場で大きく

踏み込み、群がって来たゴブリンを迎撃するよう回し蹴りを繰り出しながら宙に

飛んで見せると、その群がって来たゴブリン達を一掃し始める!それは宛ら!…


「竜〇旋風脚ぅぅぅぅ!!!」


__ドゴドゴドゴドゴォ!!!…グギャガ!?!?…


「オオオオオオオォォォ!!!!…」


宙に浮いているゴブリン全体を巻き込む様に回し蹴りを放つと次々に

ゴブリン達を落として行く!…あるゴブリンは横腹を…またある

ゴブリンは首を…更に多段ヒットするよう膝・腰・肩・頭と順を追って!…

巻き込まれ様によってはオーバーkillになるほど滅多打ちになる!

そんな光景を見せられるゴブリン達も最初は好機!と言ったしたり顔を

見せて居たのだが、次第に青褪め始めては絶望の表情を浮かべ出し!…

マサツグも完全に殺意の波動に飲まれている様な勢いで次々ゴブリン達を

始末して行くと、マサツグの周りはその蹴り飛ばされたゴブリン達の姿で

溢れ返っていた。


__ドサッ!…ドサッ!……スタッ……グギャガガガガガガ!!…


「…チッ!!…まだ居やがるのか!!…面倒だな……」


__コッ…コッ…コッ…コッ……グギャ!?…グギャガガ!?…


徐々に減りつつある仲間に増える仲間の被害…そんな様子にゴブリン達が恐怖し、

そして闇落ちしたマサツグの滞空が終わり地面に着地をすると、まだ残っている

ゴブリン達の姿を見つける!…まだ残っている事を面倒と言った様子で舌打ちを

すると、マサツグはその残っているゴブリン達の方へと歩き出し!…

その向かって来るマサツグにゴブリン達がもはやこの世の終わりと言った様子で

絶望に表情を染まり始めると、正気を保つのも出来なくなったのか…窮鼠猫を

噛むと言った様子で最後の抵抗に出始めるのだが…やはり刹那を発動した

マサツグに到底敵う訳無く被害は増えて行き、それはまるでマサツグが無限

組み手をしている様な状態になる。


__グギャ!!…グギャガアアアアアァァァァァ!!…


「……フン!!」


__ドゴオォ!!!…ドゴオォ!!!…ドゴオォ!!!…


必死の抵抗も空しく…と言うより彼らは何故逃げようとしないのか?…

襲い掛かって来たとしてもスローモーションで見えるマサツグには

敵では無く…そのままマサツグの殴る蹴るの掛け声だけが聞こえて

来ると、生々しい音が軽く洞窟内に反響する…ただの作業と化した

ゴブリン退治にマサツグももはや退屈の色を見せ出し、それでも

向かって来るゴブリン達は何を望んているのか?…足止めをするよう

ただ必死にマサツグに立ち向かい続けていると、ゴブリン達の足止めは

成就したのか突如としてゴブリン達の様子に異変が出て来る。


__カラカラ……カラカラ……ッ!…グギャ!?…グギャガ!?…


「フンッ!……ッ!…何だ?…急にゴブリン共の様子が?…

…それにこの鈴の音は?…」


マサツグが襲い掛かって来たゴブリンを殴り飛ばして居ると、突如として何故か

ゴブリン達の猛攻が嘘の様に収まる…更に何処からとも無く軽い鈴の音が聞こえ

出すと、その鈴の音を聞いたゴブリン達は絶望の表情から一転…希望に満ちた

活気ある表情を見せてはその場で跳ねては喜び出し、その様子にさすがの闇落ち

マサツグも冷静さを取り戻し始めていると、その鈴の音の正体が姿を現す!…


__カラカラ!……カラカラ!!…ズシャアァァ!!…


「ッ!?…デッカ!!…

…なるほど?…そう言う事か…」


鈴の音と言ってもそんな良い音では無い…まるで牧場の牛が着けている様な

カラカラと乾いた音が聞こえ、マサツグがその鈴の音に戸惑って居ると

突如ゴブリン達の背後!…天井から他のゴブリンより図体のデカい個体が

降って来ると、マサツグはそのゴブリンの大きさを見るなり思わず呟く!…

デカいと言ってもマサツグよりやはり身長は低く160cmと言った所か…

とにかく一目で分かるボスクラス!…明らかに他のゴブリンに比べて装備を

固めており!…今まで足止めをしていたのはコイツを呼ぶ為か!とマサツグが

一人理解していると、向こうも仲間がやれている光景を目にしてか怒る様に

吠えてはマサツグにファイティングポーズを取り出す!


__グギャアアアアァァァァァァァァ!!!!……ヴォン!!…


「ッ!…しかもやる気満々かよ!!……ッ!…

…オマケに珍しいと言うか何と言うか…ステゴロとは…」


__ギャガアアアアァァァァァァ!!!…


吠えながらファイティングポーズを取り出すそのデカいゴブリンに戸惑いつつ

良く観察すると、他のゴブリン達とは違ってその手には何も持って居らず…

ただテーピングをするよう布だけがボロボロになった状態で巻かれているのを

見てマサツグは自ずとそのゴブリンの戦闘スタイルを理解する。そう…

そのゴブリンはまさかの喧嘩屋宜しくステゴロファイターなのであった。

そしてそれを理解した上でマサツグももう一度拳を握り構え直すと、

いつもの初手から動き始める!


「……鑑定アプレェィザァル!!!」


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

 「洞窟ゴブリンチャンプ」  

 Lv.30

   HP 12000 ATK 290    DEF 190

        MATK   0   MDEF   0


 SKILL

 拳闘 Lv.8 援軍呼び  Lv.MAX 投擲 Lv.6
 -----------------------------------------------------------------------


「…チャンプ!……って事はやっぱり親玉か!!…」


__グギャ!!…グギャギャ!!…グギャガ!!…


「…何を言ってるかは分からんが…

間違い無く俺の事を敵って言ってるのは間違いなさそうだ!…」


マサツグがそのデカいゴブリンに対して鑑定アプレェィザァルを発動すると、ハッキリ親玉と

鑑定結果が帰って来る。それを見てマサツグは気を引き締め!…これを倒せば

戦闘が終わると考えて相手の出方を伺っていると、その親玉ゴブリンの後ろに

何やらセコンドの様な立ち位置のゴブリンが現れ出し…何やらその親玉ゴブリンに

対し忠告をし始めると何度もマサツグの事を指差し、親玉ゴブリンがその忠告を

聞くよう頷いて見せると、マサツグを睨み付ける。勿論あのゴブリンが何を話して

いるのか理解出来ないマサツグなのだが、少なくともこちらの事を敵と言っている

のだろうと理解すると律義に説明が終わるのを待っては相手を睨み返し!…

いよいよ戦闘が始まろうとすると取り巻きのゴブリン達は固唾を飲んだ様子で、

親玉ゴブリンに羨望の眼差しを送り始める!そして…


__ザッ!…ザッ!……


「………。」


__グギャアァ!……


恐らく戦いは始まっているのだろうが両者共に動かない!…まるで合図の

ゴングを待つ様に!…もしくは相手の出方を伺っているのかとにかく

無言で動かないでいると、辺りに何とも言えない緊張感が漂い始める!…

まるで格闘ゲームのラウンドコールの間の様に…この時のマサツグは完全に

格闘ゲームのキャラになり切っているのか、脚で一定のリズムを刻んでは

合図を待つ様に親玉ゴブリンを睨み付け、親玉ゴブリンもただマサツグを

睨み付けてはまるでボクシングでもするよう両手を顔の前に構えて見せると、

同じ様に足で独特のリズムを刻み始める!そうして合図は何か?…ただ何かが

起きるのを待っていると、その瞬間は訪れる!


__……スッファイナルラウンド……ピチョ~ンファイト!…ッ!!…


「ウオラアアアアア!!!」


__ゲギャアアアアアア!!!……ボッ!!…バキィ!!…


ゴングの代わりに合図を告げたのは一滴の水滴であった。天井から氷柱の様に

伸びている鍾乳石を伝い、先端に水分が溜まって地底湖に落ちると反響する様に

音を立て…それを合図に二人が飛び出すと互いに吠えては一切怯む事無く拳を

突き出し始める!全く回避する気無しの右ストレートが火を噴き、互いに繰り

出した拳同士がぶつかると衝撃音が鳴り響き若干仰け反るのだが…直ぐに体勢を

立て直するとそこから行われる戦いは一切退く事の許されないベタ踏みの

インファイトであった!


__ドガアァ!!…バキィ!!…ボガアァ!!…


「ッ!!…コイツ!!…」


__ッ!?…ギャガアアァァァ!!!!


両者共にジャブやストレート…フックにアッパー、その他にハイキックや

回し蹴り等多彩な技を繰り出しては、狭い洞窟内でストリートファイトを

繰り広げる!殴り殴られ蹴り蹴られ!…一撃貰っては怯みを繰り返して

いると、その様子に周りのゴブリン達も湧き出し!…互いに何方も一歩も

退かない殴り合いを繰り広げていると、それは突然起きる!…


「ッ!!…ンの!!…」


__ズルッ!?…


「ッ!?…しま!!…」


それは洞窟内…近くに水気が有ったからこそ起きた事件で有った!…マサツグが

親玉ゴブリンから一撃を貰って一度は怯むも直ぐに態勢を整えては殴り掛かろう

とした瞬間!…その踏み込んだ足が滑るとマサツグの拳は空振りに終わるどころか

そのまま大きな隙を見せてしまう!…人間転けそうになれば嫌でも耐えようと

するモノで、マサツグが必死に耐えようとしては後ろに仰け反ってしまうと、

当然それを見逃す筈の無い親玉ゴブリンはチャンスとばかりに右ストレートを

繰り出す!…


__ッ!!…グギャガ!!…グギャアアアアァァァァ!!!…ドゴオォ!!…


「ブッ!!!…ンの野郎!!!…」


__グギャアアアアァァァァ!!!…


「ッ!?…不味い!!…」


その親玉ゴブリンが繰り出した右ストレートはマサツグの左頬を捉えると

そのまま大きく首を右に旋回させ、マサツグが大きく怯み「やられた!」と

ばかりに言葉を口にしているとそこから親玉ゴブリンの猛攻が始まる!

吠える様に叫んでは両腕を猛スピードで交互に出してマサツグにラッシュを

掛け!…マサツグもそれに反応するよう慌てて腕を十字にクロスさせガードし

出すが、構わずラッシュを掛けられては一方的に押される!


__ガアアアアァァァァァ!!!…ドガガガガガガ!!!…


「ッ!!…ッ~~~!!!…チッ!!…調子に乗りやがって!!!…」


__ガアアアアァァァァァ!!!……ブンッ!!…


「ッ!?…それは!!…」


もはや反撃を許さない勢いで親玉ゴブリンがマサツグにラッシュを掛けると、

徐々にマサツグのHPとTPが消耗され!…窮地へと追い込まれ始めるのだが

当然マサツグの闘志は折れてはおらず、必死にガードしながらもマサツグは

親玉ゴブリンの隙を探しているとその転機は訪れる!…それはラッシュにも

終わりが有ると言う事か親玉ゴブリンが大きく右腕を振り被った事で、

その隙を見たマサツグが瞬時に動き出すとその一撃を放つ際支えとなる

ゴブリンの左の軸足に向かい、思いっきりローキックを繰り出したのである!


「通らねえよ!!!」


__シュッ!!…バキィ!!…


__ッ!?…グギャガ!?……ブン!!!…


「はああああぁぁぁ!…」


マサツグが軸足にローキックを入れた事で親玉ゴブリンの体勢が崩れ、

その事に親玉ゴブリンが驚いて居ると繰り出そうとしていた右ストレートは

見当違いの方に繰り出される。そして自身ごと飛んで行くようマサツグに

向かい前のめりに飛び出して行くと、マサツグは既に若干しゃがんだ状態で

反撃の体勢を整えており…飛んで来た親玉ゴブリンの動きに合わせるよう

大きく踏み込み、同時に親玉ゴブリンの顎を砕くよう下からアッパーを

繰り出すと、そのまま自身ごと飛んでは親玉ゴブリンを仕留めに掛かる!


__ダンッ!!…ゴッ!!!…


「滅!!!…〇ぉぉ竜ぅぅけぇぇぇん!!!!」


__ドゴオオォォォ!!!……


{K~O~!!…}


__グギャアァ!…グギャアァ…グギャアァ…


マサツグは今まで貰った分のダメージを倍にして返すよう天高く!…

それこそ洞窟の天井に叩き付けそうになる程の勢いで鬱憤を込めて放つと、

親玉ゴブリンを宙に舞わせる!本当に親玉ゴブリンの顎を砕いたのか

顎を見ると歪に変形しており、マサツグが一回転するよう着地を決めて

見せると心成しか自身の心の中でKOのコールが流れて来る。そしてまだ

宙を舞っている親玉ゴブリンからは断末魔の様な声が聞こえ、その一瞬の

出来事に取り巻きのゴブリン達も希望の表情から一気に絶望へ!…まるで

漫画のワンシーンの様に表情を変えると、ただ宙を舞う親玉ゴブリンの姿を

見詰める。


__ギャギャギャ!?……ドサァァァァ!!…


__ッ!…ギャギャ?…ッ!?…


__ピクッ!…ピクピクッ!!…


ゴブリン達が宙を舞う親玉ゴブリンの姿を見詰めて居ると、程無くして

親玉ゴブリンが落下して来る。若干重い感じの音が辺りに反響すると、

ゴブリン達は目の前に落下して来た親玉ゴブリンに驚いた様子で一度目を

瞑ると恐る恐る目を開き、ピクピクと痙攣する親玉ゴブリンの姿を目に

すると、漸くヤバいと感じたのか慌て出し始める!その際また腰みのを

探る様に何かを探し出すと角笛を取り出し、またもや角笛を吹き出し

始めると仲間を呼び出す!


__スッ…ボウオォォォォォォ~~~~!…グギャガガ!!…


「ッ!?…まだ呼ぶのかよ!!…ったく!…いい加減に!!」


__グギャガガガ!?…グギャガ!!…グギャガアアァァ!!!…


「……え?…」


角笛の音に誘われてまたゴブリン達が横穴から姿を現す中…まだ姿を現す

ゴブリンにマサツグが更に鬱陶しさを覚えていると、如何やら目的は

マサツグとの戦闘継続では無いのか?…その倒れている親玉ゴブリンの方へと

集まり出すと、皆で一斉にその親玉ゴブリンを抱えては戦闘エリアを

離脱し始める。この時何処から持って来たのか担架の様な物も持って来ると、

ゴブリン達が掛け声の様な叫び声を挙げてはその担架に親玉ゴブリンを乗せ…

慌てて逃げる様にその場を離脱しマサツグを置き去りにして行くと、マサツグは

ただそのゴブリン達の様子に戸惑う…そうして漸く戦闘終了なのかバトル

フィールドも解除され、突発的に始まったぴちぴち及び洞窟ゴブリンとの

戦闘は終わり…訳が分からないままその場に立ち尽くして居ると、急に脱力感を

感じてその場にへたり込んでしまうのであった。

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貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

おばさん冒険者、職場復帰する

神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。 子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。 ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。 さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。 生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。 ----- 剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。 一話ごとで一区切りの、連作短編(の予定)。 ----- ※小説家になろう様にも掲載中。

「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜

大好き丸
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異世界「エデンズガーデン」。 広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。 ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。 彼の名はレッド=カーマイン。 最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。 ※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

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HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

スキル『倍加』でイージーモードな異世界生活

怠惰怠man
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異世界転移した花田梅。 スキル「倍加」により自分のステータスを倍にしていき、超スピードで最強に成り上がる。 何者にも縛られず、自由気ままに好きなことをして生きていくイージーモードな異世界生活。

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主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。 今の所、170話近くあります。 (修正していないものは1600です)

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
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俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

実家にガチャが来たそしてダンジョンが出来た ~スキルを沢山獲得してこの世界で最強になるようです~

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とあるサイトを眺めていると隠しリンクを踏んでしまう。主人公はそのサイトでガチャを廻してしまうとサイトからガチャが家に来た。突然の不可思議現象に戸惑うがすぐに納得する。そしてガチャから引いたダンジョンの芽がダンジョンになりダンジョンに入ることになる。

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