どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-

-第二章八節 楽しい鉱石掘りと謎の魚とステージギミック-

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誰の物か分からない鶴嘴を手にマサツグが改めて鉱床の前に立つと、大きく

振り被って鶴嘴を振り下ろす!…のだがその前に少しばかし説明を…

このゲームにおいて他人の物を使用する際、その所持者から予め許可を

取っておかないとそのアイテムを使う事が出来ない仕様になっている。

例えばポーション…ポーションは基本的に譲渡と言った形になるので

あまり引っかかる事は無いのだが、もしこれが渡されたとかでは無い…

カバンから盗った物だとすると、そのポーションの封を切る時はその封が

滅茶苦茶硬かったり…無理やり開けれたとしても中身を零して悲惨な事に

なったりと色々デバフ負荷が付いて来る!…さて、今回はその

ポーションが鶴嘴に変わった訳なのだが……結果はと言うと?…


__ガイィン!!…ガイィン!!…ゴロゴロゴロゴロ…


「ッ!…おっ!…大剣で掘った時よりゴロゴロ掘れる!!…

うっし!…気合!…入れて!…逝きます!!」


__ガイィン!!!…ガイィン!!!…ゴロゴロゴロゴロ…


幸いな事に如何やらマサツグの拾った鶴嘴は廃棄された物らしく、

これと言ったデバフは無いものであった。因みに鶴嘴のデバフは

と言うと石ころしか取れない…更に鶴嘴自体が壊れ易いと言った

デバフが掛かっているらしい。そしてマサツグが大剣で掘るよりも

多く掘れる事に感激して気合を入れて掘り始め、鉱床を叩きに

叩いた結果…最初の石ころとは明らかに見た目が違うアイテムが

ドロップされてマサツグの足元に転がり出し、それを見てマサツグが

更にやる気を見せると言った好循環が生まれるのであった。

ガンガンと岩が砕ける音が洞窟内で響き渡るとマサツグの足元に

アイテムが量産され、遂にその鉱床自体が消滅し最後のアイテムが

ドロップされると、マサツグは一度手を止めてそのドロップされた

アイテムを手に取り成功したかどうかを確かめる。


「…ふぅ~!!…いい汗掻いたぁ!…で今度は如何なんだ?…

よっと!…鑑定アプレェィザァル!!」


__ピピピ!…ヴウン!…


 -----------------------------------------------------------------------

            マラカイト鉱石

              レア度 D

  マラカイト鋼鉄の原料であり、武具作成や強化に用いられる鉱石。

  鉄製の武具より若干ながらの強固さを誇り、今だ現文明を支える

  資源として大いに用いられ、冒険者の武器や防具…日常生活に

  おいても色々な工具や農機具等…料理器具と幅広く使われており、

  ちょっと高級な鉱石として扱われている。

 -----------------------------------------------------------------------


「ッ!…よっし!今度こそ鉱石GET!!…

…はぁ~…誰かは知らないけどありがてぇ~!…」


石ころの時と同様マサツグがドロップアイテムを拾うと鑑定アプレェィザァルを発動し、

そのアイテムの正体を確かめると目の前に鉱石の詳細説明が表示される。

アイテム名は[マラカイト鉱石]…某一狩り行こうぜのゲームでは一文字違うが

序盤では非常にお世話になる代表的な鉱石で、深みの有る青い色をしていて

意外と楕円状に丸まってゴロッとしている。そのままでも鈍器として

扱えそうな位に硬い。初めて手に入れた鉱石にマサツグが感激しつつ…

鶴嘴を置いて行った誰かに感謝して思わず言葉を漏らす。

立ち上がり再度次の鉱床へと向かい始める。この時のマサツグは

もはや採掘屋…気分上々で鼻歌を歌いながら採掘を楽しんでいると

マラカイト鉱石の他にも鉄鉱石や宝石の原石等が掘れる。


__ガイィン!!…ガイィン!!…ゴロゴロゴロゴロ…


「おっ!…何だこれ!?…宝石!?…それもこれって…鑑定アプレェィザァル!!」


__ピピピ!…ヴウン!…


 -----------------------------------------------------------------------

           深蒼のルビーの原石

              レア度 B

  少し変わり種の青いルビー…サファイアと成分が一緒の事から

  出来ても不思議では無いのだが、そのサファイアと見間違う程の

  深い蒼さに誰もが騙されては逆に人気を呼び、宝石マニアの間では

  高値で取引される高級な宝石として界隈では有名。主に装飾品等に

  加工しては魔力を宿され、護法の装飾品として世に出されると

  貴族達は争ってでも手に入れたがる逸品になるとか…

 -----------------------------------------------------------------------

「あれ?…これルビー?なのか?…ほえぇ~…てか物騒な…

…っで、分かった事は…これ…鉱脈毎に違う鉱石が掘れるのか……

ゲームだから他の鉱石も一緒に掘れると思っていたけど……

こう言うとこ芸が細かいな……」


掘って出て来た深蒼のルビーを手に鑑定アプレェィザァルをし、サファイアじゃない

詳細説明が出て来た事にマサツグが驚きつつ…物騒な文面を見て

更に戸惑って居ると、ある事に気が付く。それは鉱床毎に色が違い

掘れる鉱石も違うと言う事…それを確認するようマサツグが改めて

辺りを見渡すとやはり鉱床毎に色が違う事を目にし、今まで掘って来た

鉱床の色を思い出すよう掘れた物を確認すると、その種別も判断が

出来始める。例えば青い鉱床ならマラカイト鉱石が出てき易く、

赤茶鉱床なら鉄鉱石…と言った具合にその色の鉱床毎に取れ易い物が

有るのだが当然違う場合も有り、掘った鉱床が青くても鉄鉱石や

石ころと言った…運が良ければダマスカス鉱石と言った面白い物まで

取れ始める。


__ガイィン!!…ガイィン!!…ゴロゴロゴロゴロ…


「…ッ!…な、何!?…この毒々しいと言うか何と言うか?…

木目模様の鉱石は!?……とにかく…鑑定アプレェィザァル!!」


__ピピピ!…ヴウン!…


 -----------------------------------------------------------------------

            ダマスカス鉱石

              レア度 B

 ダマスカス鋼合金の原料であり、武具作成や強化に用いられる鉱石。

 マラカイト製の武具より数段の頑丈さを誇り、中堅冒険者達が好んで

 着ける装備は大体これ!と言われる程の耐久性を有している。

 鍛冶師でもこれを加工出来て漸く一人前と言われる程扱いが難しく、

 鉱石だけでも鍛冶屋に売ればそこそこの値段で買い取って貰えると

 これも人気の資源である。因みに鉱石自体に毒性は無いのだが、

 これで作った武器は異様に毒のノリが良く…一度毒薬を塗って使えば

 半年は持つと言われる程、毒との相性が良いとされている!…

 -----------------------------------------------------------------------

「ダ!…ダマスカス!?…こんなものまで取れるのか!?…

それにやっぱり説明文が…まあいいか…採掘採掘!!…」


ダマスカス鉱石を手に持って…例によって見た事無い鉱石を拾っては鑑定アプレェィザァル

発動し…そして目の前に何度目となるか鉱石の詳細説明が出て来ると、

その説明文の最後の文章に何やら闇を感じる!…まるでこれで暗器を作れ!…と

言っている様な…そんな事に一々ツッコミを入れては鉱石を回収し、安全第一を

心掛け採掘を楽しんでいると、時間も忘れた様子で掘りまくり続け!…


そうして採掘プレイ開始から時間数十分…


__ガコンッ!…


「……ふぃ~!…いや本当に良い汗かいたなぁ~!…

とりあえず満足行くまで掘ってやったぜ!…お陰でカバンの中がゴロゴロと…

……ッ!?…しまった!…ついやっちまった!…」


マサツグが辺りを粗方掘り尽くした所で鶴嘴を置き、掘った事に対して

良い汗を掻いたと汗を拭っていると、辺りは整備でもしたのかと言わん

ばかりに綺麗になっていた。鉱床は勿論辺りの岩場等…時間が経てば直ぐ

元通りになると言うのに、綺麗に整備してそれを眺めてやり切った感を

滲ませていた。そうして整備をする様に採掘したお陰か、アイテムポーチ

内は鉱石や石ころでごった返しており、それを整頓しようかしよまいかと

ポーチの中身を見ながら考えていると、ふと本来の目的を思い出す。


「…不味い不味い不味いぞ!!…こんな所で満足してる場合じゃない!!…

奥に行かないといけないのに!!…もし遅いと思ってシロがここまで来たら!…」


__ご主人様ぁ~!……ッ!?…


「お留守番をさせた意味が無くなっちまう!!…

急いで最深部に向かわなくては!!!…」


__ガコンッ!!…バッ!!…


本来の目的…それは最深部の鉱石を掘る事!…それを思い出したマサツグは

シロを置いて来た事も同時に思い出し、このままだとシロがやって来る

のでは!?と色々危惧し出すと、慌てた様子で鶴嘴を回収して自身の肩に

掛けて駆け出して行く!目指すは勿論洞窟の最深部!…更に洞窟の奥へと

向かって行くその道中、道幅が徐々に狭くなってくると同時に地底湖でも

有るのか、水の滴る音が聞こえて来る…しかしそんな事など如何でも良い

マサツグはただひたすらに最深部に向かい走り続け、何度も転けそうに

なりつつも有る場所までやって来ると、自ずと足を止めてしまう。何故なら…


__ぴちょ~ん……ぴちょ~ん……ザバァ!!…


「ッ!?……はぁ!…はぁ!……え?…」


__ビチビチビチビチビチビチビチビチ!!!…


「な!…はぁ!…何…はぁ!…これ?…」


思わず足を止めてしまったその光景とは!…何の事無い地底湖には魚が

泳いでいたのか、その魚が突如としてマサツグの前に飛び出すよう姿を

現すと、目の前の道に落下してビチビチと跳ね出したのである。

間抜けと言うか何と言うか…ただ目の前の魚は某黄色いネズミが人気の

ゲームに出て来る、オレンジ色の鯉の様にビチビチと必死に跳ねては

マサツグの進路を妨害し、マサツグもマサツグでその突然の出来事に

驚いては息を切らしながら跳ねる魚に目を向けていた…

一体何なんだこれは!?…思わず足を止めてしまった事に自身でも

吃驚していると、マサツグは戸惑いながらもその魚に近付き、その魚の

正体を確かめようとする。


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「はぁ!…はぁ!…い、池から飛び出して来たのか?…

それ以外に考えられないけど…まあ、別に害も無さそうだし…

構わなくても…」


__スッ…


息を切らしながらも跳ねる魚に近付き、何か有るのかと警戒しながら

観察するが、やはりその魚はただ跳ねるだけでこれと言って何も無い…

そんな様子にマサツグは何処から来たのかと一瞬悩み始めるのだが、

直ぐに近くにある地底湖だと気が付き…害も何も無さそうなその魚を

無視して先を急ごうと、横を通り向けようとした瞬間!…突如として

バトルフィールドが形成されエンカウントが始まる!


__ブウウゥゥン!!…


「ッ!?…え?…ちょ!?…ハァ!?…バ、バトルフィールド!?…

何で!?…モンスターも居ないのに何でバトル!……ッ!?…

まさか!!…鑑定アプレェィザァル!!」


当然突如としてエンカウントした事に戸惑うマサツグは辺りを見渡し、

その敵の姿を確認しようとするが何処にも姿は無く…敵影は居ないのに

バトルフィールドが生成された事にバグか?と更に戸惑いを覚える

のだが、ハッ!と驚きつつも視線はある物に向いてはある事に気が付く。

それは魚の存在であった!…ただビチビチ跳ねてるだけの魚に

マサツグはまさかと思いつつも、その魚に向かい鑑定アプレェィザァルを発動すると、

キッチリ魚はモンスターと表示される!


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

 「ぴちぴち」  

 Lv.30

   HP 5600 ATK 250    DEF 100

        MATK   0   MDEF   0


 SKILL

 水鉄砲 Lv.7 水泳  Lv.MAX 食用 Lv.MAX
 -----------------------------------------------------------------------

「ッ!?…ちょ!?…マジか!?…

この道の真ん中でただ跳ねている魚がモンスター!?…

しかも無駄にレベルが高ぇ!!…」


今目の前で跳ねてる魚がまさかのと表示され、マサツグが戸惑って

居る間も魚は跳ね続ける!更にその[ぴちぴち]と言う名の魚は無駄にレベルが

高く、そのステータスの高さにもマサツグは驚きツッコミを入れるのだが、

本当にそれ以外ないのかただ攻撃等も無くマサツグの目の前で跳ね続け…

この魚よりも自分のレベルの方が低い事に気が付くと、マサツグは思わず

落胆する。ホルンズヒルダンジョン「龍の血脈・序」半ばに差し掛かる頃…

サマーオーシャン連合国初めての戦闘が道の真ん中で跳ねる魚…マサツグは

ただただ困惑するのであった。そして段々マサツグとしても不憫に思えて

来たのか?…それとも先を急ごうと考えたのか?…武器が抜けない以上鶴嘴で

倒すしか無いと考えると、その跳ねるぴちぴちに対して鶴嘴を構え始める。


__…スチャッ!…


「と、とりあえず倒すしかないよな?……悪く思うなよ!!」


__フォン!!…ドシュ!!…ビチィ!!………


「……ふぅ…あっさり倒せたなぁ~…何と言うか味気無い…」


マサツグは戸惑いながらも構えた鶴嘴をぴちぴちの頭部に向かい真っ直ぐ

振り下ろすと、ぴちぴちの頭を貫いて一撃で絶命させる。その際陸でずっと

跳ねていたせいか既にHPを徐々に消耗していた様子で、それも相まってか

余計にマサツグの一撃を喰らったぴちぴちはピタッと時間が止まった様に

身を硬直させた後、一跳ねしてはそのまま動かなくなるのだが…あまりに

手応えの無い戦いにマサツグが思わず一言呟いて居ると、ある異変に気が付く!…


「……ん?…あれ?……何で?…」


__ブウウゥゥン!!…


「何でバトルフィールドが消えない!?……てか、まだ魚が残ってる!?…」


マサツグがぴちぴちを倒して安堵する一方で、ふと辺りを見渡すと今だバトル

フィールドが解除されて居ない事に気が付く。先程のぴちぴち以外に敵影は無く、

完全にマサツグだけがバトルフィールドの取り残されたまま放置され、更に

倒した筈のぴちぴちもまだ原形を留めたままそこに残っている事に気が付くと、

いよいよマサツグは嫌な予感を感じ始める!…まさか本当にバグ!?…

ぴちぴちも一向にアイテム化…或いはドロップアイテムを落とさず…いつもの様に

光になって消える様子も無い!…マサツグは恐る恐るぴちぴちに近付いては

状態を確認するも、やはりピクリとも動かない倒された状態でただそこに

残っていた。


__コッ……コッ……コッ……コッ……


「あ…鑑定アプレェィザァル?…」


__ピピピ!…ヴウン!…

 -----------------------------------------------------------------------

 「ぴちぴち」  

 Lv.30

   HP 0/5600 ATK 250    DEF 100

         MATK   0   MDEF   0


 SKILL

 水鉄砲 Lv.7 水泳  Lv.MAX 食用 Lv.MAX
 -----------------------------------------------------------------------


「や…やっぱ死んでるよな?……何で?…」


ただただ不安を覚えては辺りを見渡し解除されないバトルフィールドを見詰め、

何で解除されないのか?…とマサツグは困惑し始める。もしこれがバグだったら

如何助けて貰えばいい!?…そんな心配ばかりを考えマサツグは悩んで居たの

だが、この時マサツグはこれがバグでは無くれっきとしたである事を!…

そしてあの魚の本当の存在理由を!…知る由も無いのであった!…そしてその

戦闘継続が続いている理由は突如として現れる!


__ババッ!!…


「ッ!?…うおあぁ!?…な、何か足元通った!?……え?…」


__グギャガガァァ!!…ゴソゴソ…


「……え?…ゴブ…リン?…一体何処から湧いて!?…」


突如としてマサツグの足元を走る謎の影!…それに反応してマサツグが驚き

よろめくが何とか耐えて見せ、その正体を確かめるとそこにはゴブリンの姿が!…

マルコの護衛時に居たゴブリンのデクスターとは違って小汚く、そのゴブリンは

腰みのと帽子だけで身長も低く…その手には使い込まれた麻袋を持っていた。

先程マサツグが倒したぴちぴちに反応しているのか、イソイソとその倒した

ぴちぴちを持っていた袋に入れ始めると、その様子にマサツグは戸惑い…

一体何処から出て来たのか?…今までの道中巣穴らしき物が無かった事を

思い出しつつ戸惑って居ると、その袋を持っているゴブリンはマサツグの方へ

振り向くなり突如として警戒し始める。


__……クルリッ…グギャガガァァ!!…グギャギャギャ…


「えぇ!?…今度は何!?…面倒事は!…て、まさか!!…」


デクスターとは違い人の言葉を話す事が出来ないのかただ威嚇する様に喚き、

マサツグがそのゴブリンの様子に戸惑い何が何だかと棒立ちしていると、

そのゴブリンは徐に自身の腰みのを漁る様に何かを探し始める。まるで何か

武器でも探している様な…そんな素振りを見せ出し、その様子にマサツグは

警戒をすると同時に更に戸惑いを覚える中、ゴブリンは腰みのから奇妙な

角笛らしき物を取り出すと、マサツグを目の前に角笛を吹き出す。


__スッ…ボウオォォォォォォ~~~~!…


「ッ!?…何この気の抜ける様な音は!?…」


そしてその音色はと言うと何とも気の抜ける様な…辛うじて音がなっている?…

と言った空気が駄々洩れの感じの音色で、マサツグが思わず〇喜劇ばりの

ズッコケを見せようとした瞬間!…何処からともなく異音が聞こえ始める。


__ドドドドドド!…


「ッ!?…な!…何だ!?…この足音みたいなの!?…

それにやっぱバトルフィールド解除されて無いし!!…おかわりってか!?…

…と、とにかく!…」


__ドドドドドド!!!…


「……ッ!…って、さっきのゴブリンは!?……居ない?…

……ッ!?…ってかまさかと思うけどあの魚の本当の理由って!?…」


その異音は洞窟内に反響する様…更に地面を軽く揺らす様に響き、その異音が

とにかく足音である事をマサツグは理解すると、慌てた様子で鶴嘴を一旦近くの

壁に立て掛ける!…無くしてもいけないし壊してもいけない!…そう思って

マサツグは鶴嘴を壁に立て掛けた後、鶴嘴から離れるよういつでも動ける様に

身構え出すと、辺りを警戒するのだが…気が付くとそこに居た筈の袋持ちの

ゴブリンはいつの間にか姿を隠し、バトルフィールドにはまたマサツグだけが

取り残される。その間足音は一向に止む気配を見せない所か徐々に大きくなり

出し、マサツグがここである事を思い出すと漸くあのぴちぴちの本当の存在

理由について理解をし始める!…そう…あのぴちぴちはただの噛ませ犬…

ただのステージギミックなのである!…ステージギミックと言うのは簡単に

言うと[罠]である。誰も居なさそうな古城でシャンデリアが降って来たり、

火山を歩けば間欠泉で大ダメージ!…そう言った物をステージギミックと言う

のだが、この「龍の血脈」ではあのぴちぴちがスイッチだったらしく…

マサツグはまんまと引っ掛かった訳である!そして…


__ドドドドドド!!!……グギャガガ!!…グギャガガガ!!!!…


「ッ!?…出て来た!?…」


__グギャガガ!!…グギャガガガ!!!!…ワラワラワラワラ…


「ッ!?…しかも一体全体何体出てくんだよ!?」


この「龍の血脈」でのステージギミックは如何やらこのゴブリン達らしく、

地鳴りと共に洞窟の横穴や先の道…マサツグが通って来た道等からゴブリン達が

ゾロゾロと出て来るとマサツグを包囲し始める!…ゴブリン達は洞窟で生活する

よう進化したのか身長が低く見た所110cm位しかなく、当然の事ながらその場は

オスだけでメスの姿は何処にも無い!…一匹を皮切りに…何処にこれだけの数が

隠れていたのか、マサツグが辺りを警戒し身構えてはその数に驚いて居ると、

更にゾロゾロと数は増えて行き…気が付けばまるで縄張りに一人取り残されたよう

円形状に取り囲まれ、身動きが取り辛くなってしまう。


「…おいおい…勘弁してくれよ……あの紹介文てそう言う事だったのかよ!…

俺はてっきりモンスターとして!……って、モンスターか…

とにかく如何するよ?…如何やってこの状況を切り抜けようか?…」


__グギャガアァ!!!…グギャガアァ!!!!…


「……チッ!…あぁ~…アイ キャン ノット スピーク ゴブリン語?…OK?…」


完全にゴブリン達に取り囲まれてからあのダンジョン説明に書かれてあった

本当の注意書きの意味に気が付き、マサツグが一人囲まれた状態の中落胆しつつ

如何切り向けるかで悩み始める。逃げようにもバリアフェンスまでの

道はゴブリン達によって防がれて触れる事すら困難!…戦うにしてもこの数

一人で捌き切れるか不安の残る所!…悩んでいる間にもゴブリン達は石を

削って作ったであろう剣や棍棒を手に身構えており、今だマサツグに対して

威嚇するよう喚いては考えるマサツグの注意力を散らしに散らす!…そして

余りに喚くゴブリン達に対してマサツグもイラっと来たのか、舌打ちをすると

思いっきりジャパニーズ混じりの英語でゴブリン達を挑発し、それに反応する

ようゴブリン達が武器を掲げ始めると一触即発の状態になる!


__グギャガアアアアアアァァァァ!!!!…


「やっぱこうなりますよね!!…俺ももう腹括ったわ!!…

行くぞこの野郎!!!」


__グギャガアアアアアアァァァァ!!!!…


「オオオオオオオオオオオ!!!!」


如何足掻いても戦闘は避けられない!…勿論の事ながらバトルエリアは

消えて居らず、ゴブリン達も当たり前ながら健在!…マサツグもやるしか無いと

言った様子で覚悟を決めて言葉を漏らし、改めて身構えるとそれを敵対行為と

見なしたのか…ゴブリン達がマサツグに向かい襲い掛かり始めると、マサツグも

ゴブリンに向かい走り出す!狭い洞窟の通路で一対多勢の激しい戦闘が今まさに

始められるのであった。



……因みにこの頃素直?…にお留守番を聞いたシロはと言うと…



「……はぁ…ご主人様…大丈夫かなぁ?…やっぱり付いて行った方が?…」


__カチャカチャッ…カチャカチャッ…キンッ!…


「ッ!…あっ!…解除出来たのです!!…おじさん!!」


「ッ!?…何!?…もうか!?……ふむ…ではこれは如何じゃろう?…」


意外と面倒見の良いモジャ男に知恵の輪を渡されて興味を持ったのか、

マサツグの事を心配しながらも大人しく知恵の輪を解いてはマサツグの

帰りを待っていた。そして今解除したのは三個目…マサツグが更に地下に

行ってからゲーム時間にして約二時間と言った所…モジャ男は解除出来た事

とそのスピードに驚いては面白がる様子でシロに次の知恵の輪を与え、

シロは笑顔で受け取るなりその知恵の輪を何の疑問も無く解き始める。

そして次の知恵の輪に向かっているシロを尻目に、モジャ男は解かれた

知恵の輪を拾ってはシロが如何解いたのかを確かめ出すと、更に驚いた

表情を見せる!


__……カチャッ…カチャッ…


{…ッ!?…こ、これは!!…ふむ……

このフェンリルの子は末恐ろしいな!…

ワシらドワーフの知恵の輪とは…言わば技術の結晶!!…

解く力に組む力!…これら両方を考える力を付ける事によって

いかに物の構造を理解・想像・学習するか!…それらを鍛えるには

打って付けの玩具なのじゃが…こうもアッサリ解かれるとは…」


「うぅ~ん……ご主人様ぁ~…」


シロが解いた知恵の輪を拾いその解いた様子を確認すると、力任せにやったと

言った痕跡は何処にも無く…ちゃんと順序通りに解いた様子が見て取れて

モジャ男が驚く!何故ならシロはマサツグの事を考えながら知恵の輪を解いて

いる様子で、そんな上の空で考えながら解けるチャチな知恵の輪では無かった

からである!そして自身の声には出さなくとも心の中で自身に言い聞かせるよう…

モジャ男はある事を語り出すとその手に持っている解かれた知恵の輪を見詰め

続けていた。


{そしてこの知恵の輪にはもう一つの意味が有る!…

それは相手の技量を図る為の目安としての道具!…

相手が作った知恵の輪を解く事によって自身の構想力の高さを示すと同時に、

自身の知恵の輪を相手に解かせる事によって難解さ…自身の技術の高さを

相手に見せる物となっておる…じゃからワシらドワーフはより難解に!…

より複雑に!…意地悪に作る事によってその技量の高さを嫌!と言う程

相手に分からせる物なのじゃが……ワシが作った知恵の輪をこうもアッサリ…

それも無理やり解いたとかでは無くちゃんと順序追って解いておる!…

それもあの様に…}


「ご主人様ぁ~…ご主人様ぁ~…」


__カチャカチャッ…


{…上の空で解かれるとは!!……燃えて来るでは無いか!!!…}


知恵の輪は言わばドワーフ達職人のプライドが詰まった代物!…そう言う風に

心の中で呟いてシロの方を振り向くと、シロは今だマサツグの事を考えている

様子で…更にまた順調にモジャ男が作った知恵の輪を解いて行っている様子から

モジャ男の心に何か火が点き始めると、一人職人としてのやる気を漲らせる!…

そんな事など知らないシロはただマサツグの事を心配し…そのシロが心配している

マサツグはと言うと、今まさにゴブリン達と死に物狂いの大乱闘を始めようと

しているのであった。

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魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
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 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
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2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

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ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

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HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

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【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

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