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遅咲きの花は大輪に成る
結局すき *
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「い、ゃっ…、」
「嫌?何言ってんだ。」
寛也に来いと言われ駿里は大人しく言うことを聞いた。だがそれからというもの駿里はずっと乳首だけをいたぶられていた。今駿里は仰向けに寝かされその上に寛也が覆い被さる状態にある。そして腕も抵抗できないようにするためだろう。寛也が片手で駿里の両腕を拘束している。そんな状態での乳首攻めが長いこと続き耐えきれなくなった駿里は涙目で寛也にそう言った。だが寛也は離してくれるどころか楽しそうに更に駿里の乳首で遊び出す。
「もうや、だ…っ、は、なして…っ!」
「まだだ。」
乳首を指先で擦るようにして攻められ駿里はその快楽に苦しんでいた。だがそれは決して達するほどの快楽ではない。それが辛いのだ。永遠と焦らされるこの感覚に駿里は悶え苦しんでいた。
「く、す、ぐったいのっ、やだって、い、ってるじゃんか…!」
「嘘つくな。こんなに勃たせておいてくすぐってぇわけねぇよな。」
やめて欲しくて咄嗟についた嘘も寛也にすぐ見抜かれてしまう。暴れても暴れても逃げられないために駿里はそう言ったのだ。だがそれは逆効果だったかもしれない。
「嘘つきにはお仕置きが必要だな。」
寛也はそう言うと駿里の乳首を口に含んだ。そして当然のようにもう片方の乳首は指先で擦り続けている。たまらず駿里は身を捩って逃げようとするが寛也に抑えられていて逃げれるはずがなかった。
「や、だっ、やだっ、やめて…もぅ、やだっ!」
嫌なのに嫌でたまらないのに寛也の巧妙なテクニックによって身体が反応してしまう。身体がビクビクと痙攣し涙を流し始める駿里。だが寛也はそんな駿里の泣き声を聞いてもやめてくれない。それどころか舌をより早く動かし指を細かく動かし始める。
「はなし…っ、て、やだっ、まっ、て、だめ!」
このままでは乳首でイッてしまいそうで駿里は大慌てだ。せめて寛也の口から逃げたいと腰をよじり続けるがそんな抵抗なんの意味もなかった。
「おね、がっ、ぃ、はなしてっ、ちかやっ、やだ!」
ここで達したら後々地獄を見ることがわかっていた駿里は大暴れだ。乳首で達してしまった駿里をみて寛也が興奮しないはずがないから。そうなれば抱き潰されることなど容易に想像できる。そんな未来懲り懲りだ。だから駿里は何とかしてでも逃げようと頭を振って足をばたつかせ身をよじる。だが相手はヤクザの組長。勝てるはずない。どれだけ頑張ろうが気合いを入れようが力の差がありすぎるのだ。
「やらっ、ぁ、う、ちか、ちかやっ、やだ、おねがいっ、はなして!!」
駿里の息が段々と荒くなっていく。声も余裕がなくなってきていることが寛也にはわかった。実際に見ずとも駿里の声を聞くだけで限界が近いことすらも見抜けるほどに夜を共にしている。だから寛也はラストスパートをかけようと舌をより早く動かし始めた。
「いやっ、いやだっ、やだっ、て、いっ、て、っ、だ、め…っ、ん、ぅっー!!!」
どれだけ泣いても喚いてもやめてくれなかった寛也の乳首攻めに駿里は抵抗出来ないまま達してしまった。腰をガクガクとさせ呼吸を必死にする。幸いなことに寛也は駿里が達したことで口を離してくれ指で擦ることもやめてくれた。いつもなら連続で何度もイカされるところなのに今回はそれをされなかった。ひとまず安心した駿里は恐る恐る寛也の顔を見てみた。怒っているのか怒っていないのかを確認したかったのだ。それによって駿里のこれからが決まるから。
「どうした。そんなに怯えて。俺がお前に酷い事をするわけねぇだろ。」
駿里が脅えながら寛也の顔を見たことに対して寛也は笑ってきた。お仕置きになると駿里はいつもこうなる。寛也の機嫌を伺うように恐る恐る行動するのだ。その駿里の行動全て可愛くて仕方がなくて寛也はわざと怒ったフリをする時もある。だが今回はそれをしなかった。駿里が恨めしい目で寛也を見てきたから。駿里は寛也が怒っていないとわかると自分の思いをぶつけてくる。それを寛也は聞こうとしたのだ。
「…いや、って、いったのに、」
「何が嫌だ。あんなに気持ちよさそうに喘いでおいてよ。」
「それは、寛也が…っ、」
「俺のせいなのか?」
「他に誰がいるんだ…!!」
「じゃあ俺が責任とらねぇとな。」
「…え?」
責任…?どういう事だ…。駿里は寛也のその言葉の意味がわからず目が点になる。そんな駿里に寛也は思わず笑ってしまいそうになったが耐えた。それはここで笑ってしまえば駿里を揶揄えなくなってしまうためだ。
「俺のせいなんだろ?だから最後までちゃんと気持ちよくしてやるよ。お前は焦らされるのが嫌みたいだからな。」
「ち、ちがっ、そういうことじゃないっ、」
寛也は駿里の言っている意味をもちろんわかっていた。乳首でイカされてしまったことが嫌で仕方がなかったのだろう。そのことに怒り牙を向いてきたことももちろん分かっている。だが寛也はわざと分からないふりをした。駿里の反応が楽しくて仕方がなく歯止めが効かなくなってしまっているのだ。
「あ?ならどういうことだよ。」
「ここで、イカされるのが嫌だったって俺は言ってんだ…!」
駿里が顔を真っ赤にしてそう叫んできた。だが寛也はその駿里を更に揶揄う。駿里の言った『ここ』というワードに目をつけ真っ赤になった駿里の顔をさらに赤くしようとする。
「ここ?それはどこだ?はっきり言ってくれねぇと分かんねぇよ。」
「…っ、分かってるくせに、」
もちろん分かっている。駿里もここまで来れば揶揄われていることを嫌でも察してしまうだろう。だからそう言った。だが寛也はそれでは満足しない。駿里に言わせたい。恥ずかしい事を言わせて顔を赤く染める駿里がもっとみたい。だから拘束した腕も解いてやらない。覆いかぶさり駿里を押さえつけて逃がしてやらない。
「分かんねぇからこうして聞いてんだろ。」
「…い、いじわるしないでっ、」
ああ。本当に可愛らしい。寛也はニヤけが止まらない。目の前の駿里を食べてしまいたい。その本能のまま寛也は駿里の唇にかぶりついた。
「…っんん!」
急に寛也がキスをしてきたことで驚いた駿里。そんな駿里の口の中に寛也は舌を侵入させる。そして駿里が逃げられないように顔を鷲掴みにした。
「ふっ…、ぅ、んんっ、んん!」
口の中で暴れる寛也の舌に駿里は身体をビクつかせてしまう。歯茎を舐められ奥まで寛也の舌が入ってくる。舌を吸われ呼吸さえも寛也に操られる。
「ん…っ、ぅ、んんっ、ふ、ぅ!」
寛也はこういうお仕置きをする時や不安になった時いつもよりキスを長くしてくる。必要以上に駿里を求めてくるのだ。駿里は寛也しか見ていないというのに寛也は不安の衝動にかられ思うがままに駿里を求める。そんな寛也の長いキスで駿里は今寛也が不安になっていることにやっと気づいた。だから…。
「ふぅっ…んっ、んん、」
駿里も寛也を求める。寛也の舌に応えるように舌を動かした。息も苦しくなってきて呼吸をするのがやっとだが寛也の不安を無くしたい一心で頑張って舌を動かした。そんな駿里をみて寛也は口を離した。
「お前はどうしてそんなに煽ってくるんだ。」
「あ、煽ってないし…。」
「無意識か?なら尚更罪深いな。」
「…寛也がすきだから。」
駿里がそう言うと寛也は驚いた顔をした。そしてその後どこか嬉しそうに寂しそうに微笑んだ。なぜ寛也がそんな顔をするのか駿里には分からない。なんでそうも寂しい顔をするのだろうか。愛を伝える度寛也はいつも嬉しそうなのに泣きそうな顔をする。それは嬉しさからなのか…または違う感情が入り交じっているのかは分からない。けどその不安を駿里は取り除きたい。そう思った。だから駿里は優しく微笑む寛也に自らキスをした。
「寛也は俺の事すき…?」
唇が当たるだけのキスをした駿里は寛也にそう言った。当然答えは分かっている。毎日毎日のように愛情を注がれているのだから愛されていることは駿里が誰よりも分かっていた。だが気づけばそう言っていた。寛也から愛の言葉が聞きたかったからなのだろうか…。いや違う。寛也が寂しそうな表情をするから駿里はそう言ったのだ。
「…愚問だな。」
「愚問?」
「俺がお前の事を好きじゃないわけが無い。愛してる。誰よりもお前を愛してる。」
「ならなんで…っ、」
そんな顔をするの?すぐ側に駿里がいるのになんで寛也はそうも寂しそうな顔をするのだろうか。駿里はますます不安になる。だから耐えきれず聞いてしまった。
「寛也は時々そうやって…っ、俺が近くにいるのになんで苦しそうなの…?」
駿里のその質問に寛也は固まってしまう。そんな寛也をみて駿里は言わなければよかったかと後悔しかけた。聞かれたくない過去が関係していたかもしれないから。そんな風に駿里が後悔にかられていると寛也が口を開いた。
「お前を見てると不安になる。いつか消えてしまう…そう感じてしまう。俺のせいでいつも散々な思いをさせてるからな。」
寛也のその想いが駿里にもわかる気がした。大切で幸せすぎるからこそこの幸せが終わるのではないかという不安が溢れてしまう。いつ終わるか分からないこの幸せを手にして駿里は逆に心配になる。だがだからこそ今を大切にしなければならない。いつ人生が終わってもいい。その覚悟で毎日を生きて…もしその日が来たとしても生きててよかったって言える人生にしたい。寛也にもそう思って欲しい。なのに寛也の口から出るものは不安なものだらけだった。
「俺はお前みたいに心から愛した存在がいなかった。だから分かんねぇんだ。不安でお前を縛り付けてしまう。耳にタコができるぐらいこの話してるよな…。悪い駿里。」
「なにいってんだよ寛也。それでいいんだよ。」
駿里はそう言った。なんの迷いもなくそう言った。寛也が好きだから。不安なら不安にさせないように幸せにさせる。
「…何言ってんだ。」
「縛っててくれないと俺は不安になる。守ってくれないと俺は怖い。寛也と長くいてもやっぱりヤクザって怖いから。だから寛也は罪悪感なんて抱かないで。俺がそうして欲しいんだから。」
駿里はそういい再び寛也にキスをした。普段は絶対にしないその行為に寛也は目を丸くする。そして嬉しさが溢れ出した。
「さすが俺の嫁だな。」
寛也はそう言うと駿里の後孔に指を挿れた。これから抱くための準備だ。いつもなら緊張して駿里はその快楽から逃げる。だが今は逃げなかった。寛也に抱きつき受け入れた。その姿がたまらなく愛おしい。だから当然寛也は理性が保てなくなった。
「抱き潰されても文句言うなよ。」
「…え、て、手加減は、して、ほ、しぃ!」
「お前があまりにも可愛すぎるのが悪い。」
ああ。獣の目になっちゃった。駿里はこの目を見る度震える。食べられてしまう。そう感じてしまうから。なのに嫌じゃない自分がいちばん怖い。寛也になら食べられてもいい。そう思ってしまうのだから。そんな駿里の頬に手を添えた寛也は駿里のおでこにキスを落とした。
「なぁ駿里。どうされたい?お前の口で言ってみろ。」
「…いれて、ほしい。」
「いい子だ。」
「嫌?何言ってんだ。」
寛也に来いと言われ駿里は大人しく言うことを聞いた。だがそれからというもの駿里はずっと乳首だけをいたぶられていた。今駿里は仰向けに寝かされその上に寛也が覆い被さる状態にある。そして腕も抵抗できないようにするためだろう。寛也が片手で駿里の両腕を拘束している。そんな状態での乳首攻めが長いこと続き耐えきれなくなった駿里は涙目で寛也にそう言った。だが寛也は離してくれるどころか楽しそうに更に駿里の乳首で遊び出す。
「もうや、だ…っ、は、なして…っ!」
「まだだ。」
乳首を指先で擦るようにして攻められ駿里はその快楽に苦しんでいた。だがそれは決して達するほどの快楽ではない。それが辛いのだ。永遠と焦らされるこの感覚に駿里は悶え苦しんでいた。
「く、す、ぐったいのっ、やだって、い、ってるじゃんか…!」
「嘘つくな。こんなに勃たせておいてくすぐってぇわけねぇよな。」
やめて欲しくて咄嗟についた嘘も寛也にすぐ見抜かれてしまう。暴れても暴れても逃げられないために駿里はそう言ったのだ。だがそれは逆効果だったかもしれない。
「嘘つきにはお仕置きが必要だな。」
寛也はそう言うと駿里の乳首を口に含んだ。そして当然のようにもう片方の乳首は指先で擦り続けている。たまらず駿里は身を捩って逃げようとするが寛也に抑えられていて逃げれるはずがなかった。
「や、だっ、やだっ、やめて…もぅ、やだっ!」
嫌なのに嫌でたまらないのに寛也の巧妙なテクニックによって身体が反応してしまう。身体がビクビクと痙攣し涙を流し始める駿里。だが寛也はそんな駿里の泣き声を聞いてもやめてくれない。それどころか舌をより早く動かし指を細かく動かし始める。
「はなし…っ、て、やだっ、まっ、て、だめ!」
このままでは乳首でイッてしまいそうで駿里は大慌てだ。せめて寛也の口から逃げたいと腰をよじり続けるがそんな抵抗なんの意味もなかった。
「おね、がっ、ぃ、はなしてっ、ちかやっ、やだ!」
ここで達したら後々地獄を見ることがわかっていた駿里は大暴れだ。乳首で達してしまった駿里をみて寛也が興奮しないはずがないから。そうなれば抱き潰されることなど容易に想像できる。そんな未来懲り懲りだ。だから駿里は何とかしてでも逃げようと頭を振って足をばたつかせ身をよじる。だが相手はヤクザの組長。勝てるはずない。どれだけ頑張ろうが気合いを入れようが力の差がありすぎるのだ。
「やらっ、ぁ、う、ちか、ちかやっ、やだ、おねがいっ、はなして!!」
駿里の息が段々と荒くなっていく。声も余裕がなくなってきていることが寛也にはわかった。実際に見ずとも駿里の声を聞くだけで限界が近いことすらも見抜けるほどに夜を共にしている。だから寛也はラストスパートをかけようと舌をより早く動かし始めた。
「いやっ、いやだっ、やだっ、て、いっ、て、っ、だ、め…っ、ん、ぅっー!!!」
どれだけ泣いても喚いてもやめてくれなかった寛也の乳首攻めに駿里は抵抗出来ないまま達してしまった。腰をガクガクとさせ呼吸を必死にする。幸いなことに寛也は駿里が達したことで口を離してくれ指で擦ることもやめてくれた。いつもなら連続で何度もイカされるところなのに今回はそれをされなかった。ひとまず安心した駿里は恐る恐る寛也の顔を見てみた。怒っているのか怒っていないのかを確認したかったのだ。それによって駿里のこれからが決まるから。
「どうした。そんなに怯えて。俺がお前に酷い事をするわけねぇだろ。」
駿里が脅えながら寛也の顔を見たことに対して寛也は笑ってきた。お仕置きになると駿里はいつもこうなる。寛也の機嫌を伺うように恐る恐る行動するのだ。その駿里の行動全て可愛くて仕方がなくて寛也はわざと怒ったフリをする時もある。だが今回はそれをしなかった。駿里が恨めしい目で寛也を見てきたから。駿里は寛也が怒っていないとわかると自分の思いをぶつけてくる。それを寛也は聞こうとしたのだ。
「…いや、って、いったのに、」
「何が嫌だ。あんなに気持ちよさそうに喘いでおいてよ。」
「それは、寛也が…っ、」
「俺のせいなのか?」
「他に誰がいるんだ…!!」
「じゃあ俺が責任とらねぇとな。」
「…え?」
責任…?どういう事だ…。駿里は寛也のその言葉の意味がわからず目が点になる。そんな駿里に寛也は思わず笑ってしまいそうになったが耐えた。それはここで笑ってしまえば駿里を揶揄えなくなってしまうためだ。
「俺のせいなんだろ?だから最後までちゃんと気持ちよくしてやるよ。お前は焦らされるのが嫌みたいだからな。」
「ち、ちがっ、そういうことじゃないっ、」
寛也は駿里の言っている意味をもちろんわかっていた。乳首でイカされてしまったことが嫌で仕方がなかったのだろう。そのことに怒り牙を向いてきたことももちろん分かっている。だが寛也はわざと分からないふりをした。駿里の反応が楽しくて仕方がなく歯止めが効かなくなってしまっているのだ。
「あ?ならどういうことだよ。」
「ここで、イカされるのが嫌だったって俺は言ってんだ…!」
駿里が顔を真っ赤にしてそう叫んできた。だが寛也はその駿里を更に揶揄う。駿里の言った『ここ』というワードに目をつけ真っ赤になった駿里の顔をさらに赤くしようとする。
「ここ?それはどこだ?はっきり言ってくれねぇと分かんねぇよ。」
「…っ、分かってるくせに、」
もちろん分かっている。駿里もここまで来れば揶揄われていることを嫌でも察してしまうだろう。だからそう言った。だが寛也はそれでは満足しない。駿里に言わせたい。恥ずかしい事を言わせて顔を赤く染める駿里がもっとみたい。だから拘束した腕も解いてやらない。覆いかぶさり駿里を押さえつけて逃がしてやらない。
「分かんねぇからこうして聞いてんだろ。」
「…い、いじわるしないでっ、」
ああ。本当に可愛らしい。寛也はニヤけが止まらない。目の前の駿里を食べてしまいたい。その本能のまま寛也は駿里の唇にかぶりついた。
「…っんん!」
急に寛也がキスをしてきたことで驚いた駿里。そんな駿里の口の中に寛也は舌を侵入させる。そして駿里が逃げられないように顔を鷲掴みにした。
「ふっ…、ぅ、んんっ、んん!」
口の中で暴れる寛也の舌に駿里は身体をビクつかせてしまう。歯茎を舐められ奥まで寛也の舌が入ってくる。舌を吸われ呼吸さえも寛也に操られる。
「ん…っ、ぅ、んんっ、ふ、ぅ!」
寛也はこういうお仕置きをする時や不安になった時いつもよりキスを長くしてくる。必要以上に駿里を求めてくるのだ。駿里は寛也しか見ていないというのに寛也は不安の衝動にかられ思うがままに駿里を求める。そんな寛也の長いキスで駿里は今寛也が不安になっていることにやっと気づいた。だから…。
「ふぅっ…んっ、んん、」
駿里も寛也を求める。寛也の舌に応えるように舌を動かした。息も苦しくなってきて呼吸をするのがやっとだが寛也の不安を無くしたい一心で頑張って舌を動かした。そんな駿里をみて寛也は口を離した。
「お前はどうしてそんなに煽ってくるんだ。」
「あ、煽ってないし…。」
「無意識か?なら尚更罪深いな。」
「…寛也がすきだから。」
駿里がそう言うと寛也は驚いた顔をした。そしてその後どこか嬉しそうに寂しそうに微笑んだ。なぜ寛也がそんな顔をするのか駿里には分からない。なんでそうも寂しい顔をするのだろうか。愛を伝える度寛也はいつも嬉しそうなのに泣きそうな顔をする。それは嬉しさからなのか…または違う感情が入り交じっているのかは分からない。けどその不安を駿里は取り除きたい。そう思った。だから駿里は優しく微笑む寛也に自らキスをした。
「寛也は俺の事すき…?」
唇が当たるだけのキスをした駿里は寛也にそう言った。当然答えは分かっている。毎日毎日のように愛情を注がれているのだから愛されていることは駿里が誰よりも分かっていた。だが気づけばそう言っていた。寛也から愛の言葉が聞きたかったからなのだろうか…。いや違う。寛也が寂しそうな表情をするから駿里はそう言ったのだ。
「…愚問だな。」
「愚問?」
「俺がお前の事を好きじゃないわけが無い。愛してる。誰よりもお前を愛してる。」
「ならなんで…っ、」
そんな顔をするの?すぐ側に駿里がいるのになんで寛也はそうも寂しそうな顔をするのだろうか。駿里はますます不安になる。だから耐えきれず聞いてしまった。
「寛也は時々そうやって…っ、俺が近くにいるのになんで苦しそうなの…?」
駿里のその質問に寛也は固まってしまう。そんな寛也をみて駿里は言わなければよかったかと後悔しかけた。聞かれたくない過去が関係していたかもしれないから。そんな風に駿里が後悔にかられていると寛也が口を開いた。
「お前を見てると不安になる。いつか消えてしまう…そう感じてしまう。俺のせいでいつも散々な思いをさせてるからな。」
寛也のその想いが駿里にもわかる気がした。大切で幸せすぎるからこそこの幸せが終わるのではないかという不安が溢れてしまう。いつ終わるか分からないこの幸せを手にして駿里は逆に心配になる。だがだからこそ今を大切にしなければならない。いつ人生が終わってもいい。その覚悟で毎日を生きて…もしその日が来たとしても生きててよかったって言える人生にしたい。寛也にもそう思って欲しい。なのに寛也の口から出るものは不安なものだらけだった。
「俺はお前みたいに心から愛した存在がいなかった。だから分かんねぇんだ。不安でお前を縛り付けてしまう。耳にタコができるぐらいこの話してるよな…。悪い駿里。」
「なにいってんだよ寛也。それでいいんだよ。」
駿里はそう言った。なんの迷いもなくそう言った。寛也が好きだから。不安なら不安にさせないように幸せにさせる。
「…何言ってんだ。」
「縛っててくれないと俺は不安になる。守ってくれないと俺は怖い。寛也と長くいてもやっぱりヤクザって怖いから。だから寛也は罪悪感なんて抱かないで。俺がそうして欲しいんだから。」
駿里はそういい再び寛也にキスをした。普段は絶対にしないその行為に寛也は目を丸くする。そして嬉しさが溢れ出した。
「さすが俺の嫁だな。」
寛也はそう言うと駿里の後孔に指を挿れた。これから抱くための準備だ。いつもなら緊張して駿里はその快楽から逃げる。だが今は逃げなかった。寛也に抱きつき受け入れた。その姿がたまらなく愛おしい。だから当然寛也は理性が保てなくなった。
「抱き潰されても文句言うなよ。」
「…え、て、手加減は、して、ほ、しぃ!」
「お前があまりにも可愛すぎるのが悪い。」
ああ。獣の目になっちゃった。駿里はこの目を見る度震える。食べられてしまう。そう感じてしまうから。なのに嫌じゃない自分がいちばん怖い。寛也になら食べられてもいい。そう思ってしまうのだから。そんな駿里の頬に手を添えた寛也は駿里のおでこにキスを落とした。
「なぁ駿里。どうされたい?お前の口で言ってみろ。」
「…いれて、ほしい。」
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