怖いお兄さん達に誘拐されたお話

安達

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本音

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「3日後ぐらいだろうな。あいつは仕事が出来るやつだから他の組の奴らと商談させてんだよ。だから星秀が屋敷に戻るのにはそんぐらいかかる。」



治は嘘ばかりつく。幹部である渚ってやつにも嘘をついてるんだから何も信用出来ない。治が本当の事を言ってるのは健二だけなんだろうな。



「…そうですか。」

「寂しいのか?お前らは本当に仲がいいんだな。そんなに寂しいなら電話かけてやれよ。渚から電話来れば星秀も喜ぶだろ。」

「それが…電話に出ないんですよあいつ。組長の電話には出るんですか?」

「ああ。さっき星秀は電話に出たぞ。けど今から商談に行くって言ってたからそれで電話に出なかったのかもな。大した用じゃねぇなら帰ってきてから話してやれ。な、渚。」



また治は嘘をついた。それで多分だけど…渚は治が嘘をついてることに気づいてる。それだけじゃない。星秀さんが今何をされてるのかもわかってる。その上で治にそう聞いてるんだ。これもしかしたら使えるんじゃ…?渚と治の関係性を崩せば俺が逃げる道が開けるかもしれねぇ。



「そうしてみます。仕事中のあいつの邪魔にもなりますもんね。組長、お忙しい所ありがとうございました。」



…おいおい何してんだよ渚。諦めるなよ…。お前は星秀さんのこと大切に思ってるんじゃねぇのかよ…。くそ…っ。



「困ったことがあればなんでも言え。お前は優秀だからな。」

「組長にそう言って貰えて嬉しいです。」

「そうかそうか。つーかついでにお前に聞きたいことがあるんだがいいか?」

「なんでしょうか?」



話が長ぇこいつら…。まぁけど何かのネタを拾えるかもしれない。とりあえず俺は治の腕の中から解放されたいけどな。早く。1秒でも早くな。



「この前拷問したラットの事だ。あいつは何か吐いたか?」

「いえ。我慢強いですよあのラット。爪を全部剥がしても耳を炙っても唇を裂いても口を割りません。」



……………。



「そうか。骨は折ったのか?」

「はい。何本か折ったみたいですよ。」

「みたい?なんだその発言は。渚が指示出してんだろ?」



そういう事か…。治はこの事を言っていたんだ。俺には刺激が強い話って…。聞く分には別にいい。けどこいつらがそんなことをしてる。実際にしてる姿を想像した後でこいつらとこうして一緒にいるのが俺は話を聞いたことで余計に怖くなっちまいそうだ。



「俺だけじゃないですよ。勝もです。」

「ああ、そうだったな。」

「組長、忘れないであげてください。あいつ泣きますよ。」

「はは、悪い悪い。」



そう言って治が笑うと渚も釣られて笑ってた。その渚を見ていると渚と目が合っちまった。だから俺は思わず渚から目を逸らした。なんか怖くて…。



「そういえば組長。誠也、元気そうですね。」



俺が目を逸らして直ぐに渚がそう言ってきた。なんだよこいつ…。なんか怖いんだよ…。



「そうだな。大分話すようにもなってきた。いい子になってきたんだよ。段々とな。」

「そうですか。」



渚はそこまで言うとまた俺を見てきた。なんでそんなに見るんだよ…。俺がそんなふうに思っていると…。



プルルルルルルルル



誰かの着信音がこの部屋に鳴り響いた。誰だ…?



「ん?電話か。めんどくせぇ…って星秀からか。」



どうやら治の携帯が鳴っていたらしい。しかも星秀さん。相手は星秀さんだ。俺がその電話に出たい。けど…なんとなく思うのは星秀さんからの電話だけど相手は星秀さんじゃない人な気がする。多分誰かが星秀さんの携帯から治にかけてるんだ。きっと…。ただの俺の予想だけど。



「渚。お前今暇か?」

「昼までは暇ですよ。どうしました?」

「電話の間誠也を頼んでいいか?長電話になりそうだ。」

「承知しました。お任せ下さい。」

「渚、頼んだぞ。」



治はそう言うと俺をベットに寝かして歩いて行った。よし、治が部屋を出た。あいつからも解放された。もうあいつの腕の中じゃない。喜ぶべきところだ…けど喜べない。なんでかって?さっきから渚が俺の事を重視してるから。



「おい。」

「…っ、は、い。」



おい…ってなんだよ。しかも渚がベットに上がってきた。近くに来るな…っ。



「お前星秀からなんか言われた?」

「…え?」

「何も言われてねぇの?」

「特には…。」



なんだこいつ…。渚ってやつはわからん。いきなり何の話だよ…。



「そうか。」

「…あの、渚さん。」

「ん?」

「渚さんは星秀さんとどういう関係なんですか?」



俺は渚ってやつを探るためにそう聞いた。こいつが味方になるか敵になるかそれを見分けるために。



「親友だ。あいつとは一番仲がいい。けど俺はあいつに何もしてやれてねぇ。組長にさせられてっことも分かってる。けど俺は組長の事も尊敬してるし俺は組長のおかげで生きれてるんだ。命の恩人なんだよ。俺にとっては両方とも大切な人なんだ。」

「………どうして俺にそんな話を?」

「お前を気に入ったからだ…って言いたいところだが本当は違う。初めはただ気に入っただけだった。だってお前可愛いしよ。こんな顔が良い奴中々いねぇよ。」



真顔でそんなこと言われても…。困るわ…。けどこいつ…渚さんの話は嘘じゃないっぽい。もっと根掘り葉掘り聞こう。



「じゃあなんで…?」

「星秀のお前を見る目が他のやつ…いやこれまでの組長の玩具達を見る目と違ったから。」

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