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会長にまで怒られて鼻血が出て来たのでお姫様抱っこで保健室に運ばれてしまいました
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「一体、何回ヴィルタネン先生のかつらを吹き飛ばしたら気が済むんだ」
会長はご危険斜めだった。私の手をずんずん引っ張りながら文句を言ってくれるんだけど。
いくら放課後とはいえ、まだ人通りがちらほらあって、王子様である会長に引っ張られる地味な私は皆の注目の的になっているの……
怒っている会長は我関せずだけど。
「いやだから、わざとじゃないんですって」
私は事実を言った。
「何言っているんだ。これで四回目だぞ、仏の顔も三度までって言う諺が東の国にはあるそうだが、普通は三回もやれば十分だろう! それを四回もやったらさすがに許されないぞ」
「会長、私がやったのは三回だけです。もう一回はヨーナスとアハティがやってくれたんです」
「三回も四回も一緒だろうが」
何か会長が言うことが違うんだけど。
「今、違うって言われたじゃないですか? 三回までなら許せるって」
私は会長の言葉そのままに言ったのに! なんで怒られるのよ!
でも、私はそこは聞き流せば良かったのだ。
それがさらなる会長の怒りを呼び覚ますなんて思わなかった。
私の言葉で会長はいきなり止まってくれて、私はもろに会長の背中に顔をぶつけていたのだ。
「痛たっ!」
鼻を打った。ものすごく痛い。
「ニーナ!」
しかし、そこには怒りの炎を纏った会長が立っていたのだ。
あれ、呼び捨てにされた。初めてだ。
でも、それを怪訝に思うような余裕も無かった。
会長が振り返って怒涛のごとく叱責を始めたのだ。
「普通、反省文書かされるのは多くて一回なんだぞ。それをお前は何回か書かされたら気が済むんだ。そして、その度に報告が俺の所に上がってくるんだぞ。学園長とかペトラ先生から嫌味を言われながら。お前は何回書いたか覚えているのか?」
ええええ!
反省文書くたびにそれが会長の所に上がってくるの?
それってそのうち二回くらいは会長に書いてもらって清書した奴だと思うけれど。
ペトラ先生で遅刻して二回、ヴィルタネン先生はかつらを飛ばしてこれで三回、帝国語の先生も確か一回あったような……
「ほかの生徒はあっても一回だぞ。それが学園始まってからまだ二週間しか経っていないのに六回もだ。学園始まって以来だって言われる俺の身になってみろ」
「す、すみません」
私は会長に怒られてさすがに謝るしかなかった。
「そもそもだな、一回目はまだ許せ……はしないだろう。普通、水魔法を先生にぶっ放す奴がどこにいるんだ!」
会長が途中で言い方を変えてくれた。
「でも、会長は後で散々笑ってくれましたよね」
そうだ。会長は図書館で笑ってくれたのだ。それを今更蒸し返されても困る。
「あれはだな、そう、お前があまりにも可哀想でだな……」
会長が下手な言い訳考えてくれるんだけど、私は納得いかずにむすっと会長を見ていたら、何か鼻のあたりが温かくなったんだけど
「お前どうしたんだ。血が」
会長が慌ててハンカチを出して、私の鼻のあたりを押さえてくれた。会長にさっきぶつかった時に鼻を打ったのだ。
「あっ、いえ、大丈夫ですから」
「そんな訳あるか。ちょっと見せてみろ」
「いや、会長……」会長の顔が近いんだって!
私は恥ずかしくって死にそうだった。
「こんなのほっておいたら収まりますから」
「そんな訳無いだろう」
そう、会長が言うと、いきなり私を抱え上げたんだけど。
私は唖然とした。会長にお姫様抱っこされている。
「きゃっ」
「うそ!」
「あの子、殿下にお姫様抱っこされている」
周りのギヤラリーがなにか叫んでいるけれど、私はそれどころではなかった。
会長はそのまま私を連れて駆け出したんだけど。
「ちょっと会長」
「黙っていろ。保健室に連れて行く」
「いや、普通に歩けますから」
「俺が連れて行くほうが早いだろうが」
いや、ちょっとマジで止めて! 皆見ているから!
私の悲鳴は無視して、会長は小走りで保健室まで私を連れて行ってくれたのだ。
******************************************************
ここまで読んで頂いて有難うございます。
お気に入り登録、感想等頂いた方には感謝の言葉もございません。
皆様の応援のお陰でHOTランキング女性向け第9位になっていました。
本当に有難うございます。
また、私の代表作『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! 学園生活を満喫するのに忙しいです』
アルファポリスのレジーナブックス様からこの夏書籍化されました。
奇麗な表紙や詳しい事は下記参照ください。
手に取って見て頂けたらとてもうれしいです!
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「三回も四回も一緒だろうが」
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私は会長の言葉そのままに言ったのに! なんで怒られるのよ!
でも、私はそこは聞き流せば良かったのだ。
それがさらなる会長の怒りを呼び覚ますなんて思わなかった。
私の言葉で会長はいきなり止まってくれて、私はもろに会長の背中に顔をぶつけていたのだ。
「痛たっ!」
鼻を打った。ものすごく痛い。
「ニーナ!」
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「お前どうしたんだ。血が」
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「あっ、いえ、大丈夫ですから」
「そんな訳あるか。ちょっと見せてみろ」
「いや、会長……」会長の顔が近いんだって!
私は恥ずかしくって死にそうだった。
「こんなのほっておいたら収まりますから」
「そんな訳無いだろう」
そう、会長が言うと、いきなり私を抱え上げたんだけど。
私は唖然とした。会長にお姫様抱っこされている。
「きゃっ」
「うそ!」
「あの子、殿下にお姫様抱っこされている」
周りのギヤラリーがなにか叫んでいるけれど、私はそれどころではなかった。
会長はそのまま私を連れて駆け出したんだけど。
「ちょっと会長」
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「いや、普通に歩けますから」
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