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第五部 小国フィーアネンの試練編
ぼろぼろになったアドが私の前にいきなり転移してきて全てを思い出しました。
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投降した破落戸共は全員スヴェンと二人で拘束した。
その上で簡単な尋問したら、皆すぐにデュール・ブルーセマに言われて私達を襲ったと吐いたのだった。
弓を受けた御者は仕方がないから私が手当をしてあげた。
「あなた、結婚して子供もいるんでしょ。何故こんな事したの?」
「も、申し訳ありません。お嬢様。でも、サンデル様に言われて仕方無しに」
カトリーナに言われて御者が頭を下げて謝ったが、
「ふんっ、言い訳なんていくらでも出来るのよ。あなた、下手したら侯爵家のお嬢様を誘拐した罪で家族もろとも絞首刑よ」
「そ、それだけは、何とか許して下さい。家族は関係ありません。お嬢様。何卒お願い致します」
私の脅しに男は必死に謝ってきたんだけど。
元々謝るなら変なことをするなと私は言いたかった。
そして、やってきた騎士団の面々に私達は事情を話して、後は任せたのだ。
次は侯爵家だ。
私は侯爵家でサンデル一家を捕縛して騎士団に突き出すつもりまんまんだったのだ。
でも、私達が侯爵家に帰ってもサンデルらは家にいなかった。
侍女たちに聞いてもわからないとのことだった。
さっさと逃げ出したのかもしれない。
私達はもっとちゃんと情勢を分析すべきだったのだ。
そう、ブールセマがこの国にどれだけ食い込んでいるかもっと詳しく調べるべきだったのだ。
私達はそうしなかったがためにとんでもない目に合うのだった。
いや、色々と動き出そうとはしたのだ。
でも、それを調べ始める前にいきなり私の前が光り輝いたのだ。
それはあっという間に人の形になった。その男の身につけている元々高価だったと思われる服は色んなところが裂けてボロボロだった。その上体中血だらけだった。
そして、落ちようとしたそれを私は抱き止めたのだった。
その銀髪碧眼の整った顔立ちの彼を私は知っていた。
「フラン、良かった」
その男がニコリと笑った時、私の中に凄まじい量の記憶が戻ってきたのだ。
彼はアドルフ・エルグラン、エルグラン王国の第一王子で私の婚約者だった。そして私はフランソワーズ・ルブラン、ルブラン公爵家の人間で、母に魔封じの腕輪をつけられてここに転移させられたのだった。新たな試練だと言われて。
アドは私がいたのに安心したのか目を瞑ったのだ。
私はぎょっとした。
「アド! ちょっとアド起きなさいよ」
私は慌てて大声で叫んでいた。
取り乱す私をなだめてカトリーナとスヴェンがテキパキと離れに部屋を整えてくれて、医者を呼んでくれた。
医者は治療をしてくれたが、アドは結構重症で体中包帯だらけになっていた。
この国に聖女はいないみたいで、完治には一ヶ月位はかかると言われた。
自分自身が治療魔法が使えないのが、これほど悔やまれたことはなかった。もっとも魔封じの腕輪で魔術は一切使えなかったが……
こんなにアドがぼろぼろになって転移してくるなんて、絶対に犯人は母だ。
「絶対に、許さない!」
私は拳を握りしめて誓ったのだ。どうすればアドがこんなになるのだ。母のことだから酷いことをしたに違いなかった。
「ふ、フラン、大丈夫?」
横にいてくれたカトリーナが聞いてきてくれたが、私の頭は情報過多でパンクしていたのだ。
「大丈夫」
私は取り敢えず、カトリーナに頷いた。私が正体を思い出したのを正直に話すかどうかも含めて、少し考えたかった。
取り急ぎ誰かに知らせなければ行けないと思ったが、今頃アドがいないと王宮では大騒ぎになっているたろう。
でも、第一王子の不在をそう簡単に他国の人間にバラす訳にはいかない。
エルグラン王国の大使館はこのあたりでは隣国のバイエフエルトにあるはずだった。
でも、どうやって連絡するかが問題だった。
この国の郵便制度はエルグランほど整っていないのだ。魔術さえあればすぐに連絡できるのに。本当に母は頭にくる。私は切れていた。
連絡用の魔導具なんてこのあたりにはないだろう。
そう言えばバロー商会の店が隣国バイエフエルトにあるとメラニーから聞いたことがあった。
私はカトリーナに頼んで御者の男に手紙を託したのだ。フランとアドはここにいると至急メラニーに連絡して欲しいと。
メラニーなら、なんとかしてくれるだろう。
魔術が使えない今、剣術だけではアドを守るのは心もとなかった。
その夜、アドは高熱を出した。
私は夜通しアドの看病をしたのだった。
高熱に苦しむアドのおでこに絞った手ぬぐいを何度も替えた。
「フラン!」
苦しそうにうなされるアドの手を握って
「大丈夫よ。アド。私はここにいるから」
そう言うと安心したようにまた眠ったのだ。
「ごめんね。アド、母が酷いことをして」
私はうなされるアドに思わず呟いていたのだ。
そんなアドを夜通し看病してたんだけど、夜明け前に思わずうたた寝をしていた時だ。
いきなり騎士団に踏み込まれたのだった。
*************************************************
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
続きは明朝です。
その上で簡単な尋問したら、皆すぐにデュール・ブルーセマに言われて私達を襲ったと吐いたのだった。
弓を受けた御者は仕方がないから私が手当をしてあげた。
「あなた、結婚して子供もいるんでしょ。何故こんな事したの?」
「も、申し訳ありません。お嬢様。でも、サンデル様に言われて仕方無しに」
カトリーナに言われて御者が頭を下げて謝ったが、
「ふんっ、言い訳なんていくらでも出来るのよ。あなた、下手したら侯爵家のお嬢様を誘拐した罪で家族もろとも絞首刑よ」
「そ、それだけは、何とか許して下さい。家族は関係ありません。お嬢様。何卒お願い致します」
私の脅しに男は必死に謝ってきたんだけど。
元々謝るなら変なことをするなと私は言いたかった。
そして、やってきた騎士団の面々に私達は事情を話して、後は任せたのだ。
次は侯爵家だ。
私は侯爵家でサンデル一家を捕縛して騎士団に突き出すつもりまんまんだったのだ。
でも、私達が侯爵家に帰ってもサンデルらは家にいなかった。
侍女たちに聞いてもわからないとのことだった。
さっさと逃げ出したのかもしれない。
私達はもっとちゃんと情勢を分析すべきだったのだ。
そう、ブールセマがこの国にどれだけ食い込んでいるかもっと詳しく調べるべきだったのだ。
私達はそうしなかったがためにとんでもない目に合うのだった。
いや、色々と動き出そうとはしたのだ。
でも、それを調べ始める前にいきなり私の前が光り輝いたのだ。
それはあっという間に人の形になった。その男の身につけている元々高価だったと思われる服は色んなところが裂けてボロボロだった。その上体中血だらけだった。
そして、落ちようとしたそれを私は抱き止めたのだった。
その銀髪碧眼の整った顔立ちの彼を私は知っていた。
「フラン、良かった」
その男がニコリと笑った時、私の中に凄まじい量の記憶が戻ってきたのだ。
彼はアドルフ・エルグラン、エルグラン王国の第一王子で私の婚約者だった。そして私はフランソワーズ・ルブラン、ルブラン公爵家の人間で、母に魔封じの腕輪をつけられてここに転移させられたのだった。新たな試練だと言われて。
アドは私がいたのに安心したのか目を瞑ったのだ。
私はぎょっとした。
「アド! ちょっとアド起きなさいよ」
私は慌てて大声で叫んでいた。
取り乱す私をなだめてカトリーナとスヴェンがテキパキと離れに部屋を整えてくれて、医者を呼んでくれた。
医者は治療をしてくれたが、アドは結構重症で体中包帯だらけになっていた。
この国に聖女はいないみたいで、完治には一ヶ月位はかかると言われた。
自分自身が治療魔法が使えないのが、これほど悔やまれたことはなかった。もっとも魔封じの腕輪で魔術は一切使えなかったが……
こんなにアドがぼろぼろになって転移してくるなんて、絶対に犯人は母だ。
「絶対に、許さない!」
私は拳を握りしめて誓ったのだ。どうすればアドがこんなになるのだ。母のことだから酷いことをしたに違いなかった。
「ふ、フラン、大丈夫?」
横にいてくれたカトリーナが聞いてきてくれたが、私の頭は情報過多でパンクしていたのだ。
「大丈夫」
私は取り敢えず、カトリーナに頷いた。私が正体を思い出したのを正直に話すかどうかも含めて、少し考えたかった。
取り急ぎ誰かに知らせなければ行けないと思ったが、今頃アドがいないと王宮では大騒ぎになっているたろう。
でも、第一王子の不在をそう簡単に他国の人間にバラす訳にはいかない。
エルグラン王国の大使館はこのあたりでは隣国のバイエフエルトにあるはずだった。
でも、どうやって連絡するかが問題だった。
この国の郵便制度はエルグランほど整っていないのだ。魔術さえあればすぐに連絡できるのに。本当に母は頭にくる。私は切れていた。
連絡用の魔導具なんてこのあたりにはないだろう。
そう言えばバロー商会の店が隣国バイエフエルトにあるとメラニーから聞いたことがあった。
私はカトリーナに頼んで御者の男に手紙を託したのだ。フランとアドはここにいると至急メラニーに連絡して欲しいと。
メラニーなら、なんとかしてくれるだろう。
魔術が使えない今、剣術だけではアドを守るのは心もとなかった。
その夜、アドは高熱を出した。
私は夜通しアドの看病をしたのだった。
高熱に苦しむアドのおでこに絞った手ぬぐいを何度も替えた。
「フラン!」
苦しそうにうなされるアドの手を握って
「大丈夫よ。アド。私はここにいるから」
そう言うと安心したようにまた眠ったのだ。
「ごめんね。アド、母が酷いことをして」
私はうなされるアドに思わず呟いていたのだ。
そんなアドを夜通し看病してたんだけど、夜明け前に思わずうたた寝をしていた時だ。
いきなり騎士団に踏み込まれたのだった。
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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
続きは明朝です。
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