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番外編
認めたくはないけれど《レイノルド視点》
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僕は今日、最愛にして唯一無二の伴侶を得た。
つまりは、今日は僕とイザベラの結婚式であり、今夜は記念すべき夜である。
今日は、イザベラ一色で染まるはずだった。
元々美しいイザベラが、純白のウエディングドレスを纏い、僕の隣に立つ。めまいがするほど幸せだ。
いつもより少し濃いめの化粧をしたイザベラは、瞳を潤ませていて、いつもの5割増しに美しかった。
そんなイザベラを満喫するはずの今日、何故に僕は脳筋の筋肉バカと顔を合わせているんだろうか。
「はぁぁ・・・」
「気持ちはわかるけど、新郎がため息をつくものじゃないよ」
「そう思うなら、マリウス殿下帰ってよ」
むさ苦しいったらありゃしない。
どうして、脳筋の筋肉バカと執着溺愛王太子と3人で、部屋にいなきゃならないんだ。
「僕だって、帰りたいよ。でも、最愛の妻の『お願い』だからね。それを叶えないなんて選択肢はないよ」
はぁぁ。
僕だって、最愛のイザベラのお願いだから、我慢してるんだよ。
今日の結婚式。
イザベラは、アニエス王太子妃プロデュースのウエディングドレスを纏った。
確かに、イザベラの魅力を10割増しにするくらい似合っていた。
そうしたら、そのドレスに魅了された脳筋の婚約者タラクサカム伯爵令嬢とイザベラ、アニエス王太子妃が盛り上がって、結婚式後の控室で何やら密談が始まったのだ。
マリウス殿下は、溺愛している妻に「待っていて?」と言われて2つ返事だし、脳筋は婚約者に頭が上がらないから、最初から文句すら言わないし。
僕はさすがに抵抗したかったけど、イザベラに「お願い」って上目遣いに頼まれたら、断れないじゃないか。
というわけで、僕はため息を吐くしかなかった。
「今日はイザベラを、満喫するはずだったのに」
「気持ちは痛いほど分かるけど、度をこすと妻の怒りを買うよ。いや、ノックス侯爵夫人は怒らないかな?でも、泣かれるかもしれないね」
「なにそれ」
「妻が可愛くて可愛くて可愛くて、歯止めが効かなくなるんだよ、2人きりだとね。やっと手に入ったって反動もあるのかもしれない。レイノルドは嫌みたいだけど、僕とレイノルドは似てるからね。気をつけた方がいいという、僕からのアドバイスさ」
僕は殿下のその言葉を、その夜2人きりでの寝室で思い出していた。
アニエス王太子妃とタラクサカム伯爵令嬢から贈られたという、ナイトドレスを着たイザベラの魅力にめまいがする。
認めたくはないけれど、僕は殿下と似ているのかもしれない。
翌朝、ポロポロと涙をこぼしながら抗議するイザベラに謝りながら、僕はそんなことを考えていた。
つまりは、今日は僕とイザベラの結婚式であり、今夜は記念すべき夜である。
今日は、イザベラ一色で染まるはずだった。
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いつもより少し濃いめの化粧をしたイザベラは、瞳を潤ませていて、いつもの5割増しに美しかった。
そんなイザベラを満喫するはずの今日、何故に僕は脳筋の筋肉バカと顔を合わせているんだろうか。
「はぁぁ・・・」
「気持ちはわかるけど、新郎がため息をつくものじゃないよ」
「そう思うなら、マリウス殿下帰ってよ」
むさ苦しいったらありゃしない。
どうして、脳筋の筋肉バカと執着溺愛王太子と3人で、部屋にいなきゃならないんだ。
「僕だって、帰りたいよ。でも、最愛の妻の『お願い』だからね。それを叶えないなんて選択肢はないよ」
はぁぁ。
僕だって、最愛のイザベラのお願いだから、我慢してるんだよ。
今日の結婚式。
イザベラは、アニエス王太子妃プロデュースのウエディングドレスを纏った。
確かに、イザベラの魅力を10割増しにするくらい似合っていた。
そうしたら、そのドレスに魅了された脳筋の婚約者タラクサカム伯爵令嬢とイザベラ、アニエス王太子妃が盛り上がって、結婚式後の控室で何やら密談が始まったのだ。
マリウス殿下は、溺愛している妻に「待っていて?」と言われて2つ返事だし、脳筋は婚約者に頭が上がらないから、最初から文句すら言わないし。
僕はさすがに抵抗したかったけど、イザベラに「お願い」って上目遣いに頼まれたら、断れないじゃないか。
というわけで、僕はため息を吐くしかなかった。
「今日はイザベラを、満喫するはずだったのに」
「気持ちは痛いほど分かるけど、度をこすと妻の怒りを買うよ。いや、ノックス侯爵夫人は怒らないかな?でも、泣かれるかもしれないね」
「なにそれ」
「妻が可愛くて可愛くて可愛くて、歯止めが効かなくなるんだよ、2人きりだとね。やっと手に入ったって反動もあるのかもしれない。レイノルドは嫌みたいだけど、僕とレイノルドは似てるからね。気をつけた方がいいという、僕からのアドバイスさ」
僕は殿下のその言葉を、その夜2人きりでの寝室で思い出していた。
アニエス王太子妃とタラクサカム伯爵令嬢から贈られたという、ナイトドレスを着たイザベラの魅力にめまいがする。
認めたくはないけれど、僕は殿下と似ているのかもしれない。
翌朝、ポロポロと涙をこぼしながら抗議するイザベラに謝りながら、僕はそんなことを考えていた。
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